Index: head/ja_JP.eucJP/books/handbook/x11/chapter.xml =================================================================== --- head/ja_JP.eucJP/books/handbook/x11/chapter.xml (revision 47941) +++ head/ja_JP.eucJP/books/handbook/x11/chapter.xml (revision 47942) @@ -1,1709 +1,1681 @@ X Window System この章では bsdinstall を用いた &os; のインストールでは、 グラフィカルユーザインタフェースは自動的にはインストールされません。 この章では、グラフィカル環境で使われるオープンソースの X Window System を提供する &xorg; のインストールおよび設定方法について説明します。 その後、 デスクトップ環境およびウィンドウマネージャの探し方およびインストール方法について説明します。 自動的に &xorg; を設定し、 インストール時にウィンドウマネージャを選択できるようなインストール方法を希望するユーザは、 pcbsd.org ウェブサイトを参照してください。 &xorg; が対応するビデオハードウェアについてのより多くの情報は、 x.org のウェブサイトをご覧ください。 この章を読めば以下のことがわかります。 X Window System のさまざまなコンポーネントと、 それらが互いにどのように連携しているか。 &xorg; のインストールおよび設定方法 さまざまなウィンドウマネージャおよびデスクトップ環境のインストールおよび設定方法 &xorg; での &truetype; フォントの使い方 GUI ログイン (XDM) の設定方法 この章を読み始める前に以下のことを理解しておく必要があります。 で説明されているサードパーティ製ソフトウェアのインストール方法 用語の説明 X Window System のさまざまなコンポーネントについての詳細や、 それらがどのようにやり取りするかについてすべて理解する必要はありませんが、 これらのコンポーネントについて基本的なことを知っていると、 強力な武器になるでしょう。 X サーバ X は最初からネットワークを意識してデザインされており、 クライアント - サーバ モデルを採用しています。 このモデルでは、X サーバ はキーボードやモニタ、 マウスが接続されたコンピュータ上で動きます。 このサーバはディスプレイの表示を管理したり、キーボード、 マウスからの入力を処理したり、 タブレットやビデオプロジェクタ等の他の装置からの入出力を処理します。 これは、ある人々を混乱させることがあります。 X での用語は彼らが想定するものとは正反対だからです。 彼らは X サーバ は地下にある大きなパワフルなマシンであり、 X クライアント が自分たちのデスク上にあると想像するのです。 X クライアント XTermFirefox などの各 X アプリケーションは、 クライアント になります。 クライアントは この座標にウィンドウを描いてください といったメッセージをサーバへ送り、サーバは ユーザが OK ボタンを押しました といったメッセージを送り返します。 家庭や小さなオフィスのような環境では、X サーバと X クライアントは通常同じコンピュータ上で動いています。 X サーバを非力なコンピュータで動かし、 X アプリケーションをより高性能なマシンで動かすことも可能です。 この場合、 X のクライアントとサーバの通信はネットワーク越しに行なわれます。 ウィンドウマネージャ X はスクリーン上でウィンドウがどのように見えるべきか、 マウスでそれらをどうやって動かすか、 ウィンドウ間を移動するのにどういうキーストロークを使うべきか、 各ウィンドウのタイトルバーはどのように見えるべきか、 クローズボタンを持つべきかどうか、 といったことは規定しません。そのかわりに、X ではそういったことを ウィンドウマネージャ と呼ばれるアプリケーションに任せます。ウィンドウマネージャはたくさん あります。 これらのウィンドウマネージャの見た目や使い勝手はそれぞれ異なっています。 バーチャルデスクトップをサポートしているものもありますし、 デスクトップを操作するキーストロークをカスタマイズできたり、 スタート ボタンやそれに類するものを持っているものもあります。 テーマに対応しており、 デスクトップの見た目や使い勝手を完全に変えられるものもあります。 ウィンドウマネージャは Ports Collection の x11-wm カテゴリに用意されています。 それぞれのウィンドウマネージャは異なる設定機構を備えています。 手で設定ファイルを編集しなければならないものや、 設定作業のほとんどを GUI ツールで行うことができるものもあります。 デスクトップ環境 KDEGNOME は、デスクトップ環境です。 これらは、共通のデスクトップのタスクを実行するための完全なアプリケーションスイートを含んでいます。 オフィススイート、ウェブブラウザやゲームを含んでいるものもあります。 フォーカスポリシ ウィンドウマネージャは、 マウスのフォーカスポリシに責任を持ちます。 このポリシは、どのウィンドウがアクティブにキーストロークを 受け付けるようにするための方法を提供し、 そして、どのウィンドウがアクティブなのかを示します。 よく知られているフォーカスポリシは click-to-focus と呼ばれるものです。 このポリシは、 あるウィンドウ内でマウスをクリックすればそのウィンドウがアクティブになる、 というものです。 focus-follows-mouse ポリシでは、 マウスポインタの下にいるウィンドウがフォーカスされるというものです。 フォーカスを変えるには他のウィンドウにマウスポインタを動かすだけです。 マウスがルートウィンドウに移動した時には、 このウィンドウがフォーカスされます。 sloppy-focus モデルでは、 マウスがルートウィンドウに移動した時には、 直前に使われていたウィンドウがフォーカスされています。 sloppy-focus では、 ポインタが別のウィンドウに移った時のみフォーカスが変わり、 現在のウィンドウから出ただけでは変わりません。 click-to-focus ポリシでは、 マウスクリックによりアクティブなウィンドウが選択されます。 ウィンドウは前面に表示され、他のすべてのウィンドウの前にきます。 ポインタが別のウィンドウ上に移動した時でも、 すべてのキーストロークがこのウィンドウに届きます。 それぞれのウィンドウマネージャは、 それぞれのフォーカスポリシに対応しています。 すべてのものは click-to-focus をサポートしていますし、 多くのものは他の方法もサポートしています。 どのフォーカスモデルを利用可能かどうかについては、 ウィンドウマネージャのドキュメントをご覧ください。 ウィジェット ウィジェットはクリック可能であったり、 他の方法で操作可能なすべてのユーザインタフェース用アイテムを指す用語です。 ボタンやチェックボックス、ラジオボタン、アイコン、リスト、などがそうです。 ウィジェットツールキットはグラフィカルアプリケーションを作成するために使われます。 KDE で使われている Qt や GNOME プロジェクトで使われている GTK+ といった有名なウィジェットセットがあります。 そのため、アプリケーションのルックアンドフィールは、 アプリケーションを作成するのに使われたウィジェットツールキットに依存し、 異なります。 <application>&xorg;</application> のインストール &xorg; は、X.Org Foundation がリリースしているオープンソースの X Window System の実装です。 &os; では、package または port からインストールできます。 X サーバ、クライアント、ライブラリおよびフォントを含む、 完全なディストリビューションのメタ port は、x11/xorg にあります。 個別にインストール可能なドキュメント、 ライブラリおよびアプリケーションを除く、 最小のディストリビューションは、x11/xorg-minimal です。 この節では、完全な &xorg; ディストリビューションを例として用います。 Ports Collection から &xorg; をビルドしインストールするには、以下のように入力します。 &prompt.root; cd /usr/ports/x11/xorg &prompt.root; make install clean &xorg; をすべてビルドするには、 少なくとも 4 GB の空きディスク容量が必要です。 package から直接 &xorg; - をインストールすることもできます。 - pkg_add を用いて package をインストールには、 - 以下のように入力してください。 + を以下のようにしてインストールすることもできます。 - &prompt.root; pkg_add -r xorg - - かわりに pkg - を用いてインストールするには、 - 以下のようにインストールしてください。 - &prompt.root; pkg install xorg <application>&xorg;</application> の設定 &xorg; &xorg; &xorg; は、 ほとんどの機器を自動で設定します。 古かったり、一般的ではないような機器を使う場合には、設定を始める前に、 以下のハードウェア情報を集めておくと助けになるでしょう。 モニタ同期周波数 ビデオカードのチップセット ビデオカードのメモリ 水平同期周波数 水平走査レート 水平同期周波数 リフレッシュレート 垂直同期周波数 リフレッシュレート 垂直走査レート リフレッシュレート 画面の解像度とリフレッシュレートは、 モニタの水平および垂直同期周波数により決定されます。 ほとんどすべてのモニタは、これらの値を自動検出します。 これらの値を自動検出しないモニタもありますが、 こういった仕様は、付属のマニュアルや、 製造元のウェブサイトから取得できます。 ビデオカードのチップセットも自動検出され、 ビデオドライバの選択に使われます。 正常に認識されない時のために、 どのチップセットが使われているかを知っておくとよいでしょう。 ビデオカードのメモリは、 グラフィックアダプタがどの解像度とどの色数で動くことができるかを決めます。 注意 最適な解像度に設定できるかどうかは、 ビデオハードウェアおよびそのドライバの対応に依存します。 現時点における、ドライバの対応は以下の通りです。 NVIDIA: いくつかの NVIDIA ドライバが FreeBSD Ports Collection の x11 カテゴリから利用できます。NVIDIA ハードウェアのモデルに対応するドライバをインストールしてください。 Intel: FreeBSD 9.1 では、IronLake, SandyBridge, および IvyBridge といったほとんどの Intel グラフィックスの 3D acceleration に対応しています。 現在の KMS の実装により、 グラフィカルコンソールと仮想コントロールの間を Crtl+Alt+F# で切り替えることはできません。 ATI/Radeon: 3D acceleration は ATI または Radeon カードでは、FreeBSD が TTM への作業が完了するまでは、 動作しないでしょう。 これらのカードは、2D ドライバを設定する必要があります。 もし、動かないのであれば、Vesa ドライバを使ってください。 Optimus: 現在では、Optimus により提供されている二つのグラフィックスアダプタ間の切り替えには対応していません。 Optimus の実装は変わるので、FreeBSD は、 すべてのハードウェアにおいてグラフィックスドライバの読み込みに成功するかもしれないし、 しないかもしれません。 もし、真黒な画面が表示されるのであれば、BIOS がグラフィックスアダプタの一つを無効にするオプションを持っていないか、 または discrete モードの設定方法について調べてください。 <application>&xorg;</application> の設定 &xorg; は、 HAL を用いてキーボードやマウスを自動認識します。 x11/xorg の依存として、 sysutils/hal および devel/dbus port が自動的にインストールされますが、以下のようなエントリを /etc/rc.conf に追加し、 有効にする必要があります。 hald_enable="YES" dbus_enable="YES" &xorg; の設定が行われる前に、 これらのサービスを起動してください。 &prompt.root; service hald start &prompt.root; service dbus start 一度これらのサービスを起動したら、 以下のように入力して &xorg; の自動設定を確認してください。 &prompt.root; Xorg -configure これにより、/root/xorg.conf.new という、検出されたハードウェアに対し、 適切なドライバを読み込むような設定ファイルの雛形が生成されます。 次に、以下を実行して、 自動的に作成された設定ファイルがそのグラフィックハードウェアで動くことを確認してください。 &prompt.root; Xorg -config xorg.conf.new -retro もし、うまく動かないような場合には、 へと進んでください。 うまく動いた場合には、設定ファイルを /etc/X11/xorg.conf へとコピーしてください。 &prompt.root; cp xorg.conf.new /etc/X11/xorg.conf GNOME, KDE もしくは Xfce のようなデスクトップ環境は、 ビデオ解像度のようなパラメータを設定するグラフィカルなツールを提供しています。 もし、デフォルトのコンフィグレーションがうまく動く場合には、 で説明されているデスクトップ環境のインストール例へと進んでください。 <application>&xorg;</application> でのフォントの使用 Type1 フォント &xorg; に付いてくるデフォルトのフォントは、 通常のデスクトップパブリッシングアプリケーションにとっては理想的とは言えない程度のものです。 文字を大きくするとジャギーになりプロフェッショナルとは言えないようなものになりますし、 小さなフォントは頭が悪そうに見えます。 しかし、世の中には質の高い Type1 (&postscript;) フォントがいくつかあり、 &xorg; ではそれらを簡単に利用することができます。 例えば、URW フォントコレクション (x11-fonts/urwfonts) には高品質の Type1 フォント (Times Roman, Helvetica, Palatino など) が含まれています。freefont コレクション (x11-fonts/freefonts) にはもっとたくさんのフォントが含まれていますが、 それらは Gimp のようなグラフィックソフトウェアで使用するためのものであり、 スクリーンフォントとしては十分ではありません。 さらに、&xorg; は簡単に &truetype; フォントを使うように設定することも可能です。 詳しくは、&man.X.7; のマニュアルページか &truetype; フォントの節 を参照してください。 上記の Type1 フォントコレクションを Ports Collection から入れる場合には次のコマンドを実行してください。 &prompt.root; cd /usr/ports/x11-fonts/urwfonts &prompt.root; make install clean freefont や他のコレクションでも同じようにします。 X サーバがこれらのフォントを検出できるようにするには X サーバ設定ファイル (/etc/X11/xorg.conf) の適切な場所に次のような行を加えます。 FontPath "/usr/local/lib/X11/fonts/URW/" 別の方法としては、 X のセッション中に次のようなコマンドラインを実行します。 &prompt.user; xset fp+ /usr/local/lib/X11/fonts/URW &prompt.user; xset fp rehash これは動くのですが、X のセッションが終了すると消えてしまいます。 消えないようにするには X の起動時に読み込まれるファイル (通常の startx セッションの場合は ~/.xinitrc, XDM のようなグラフィカルなログインマネージャを通してログインする時は ~/.xsession) に加えておきます。 三番目の方法は新しい /usr/local/etc/fonts/local.conf ファイルを使うことです。 これに関しては アンチエイリアス 節をご覧ください。 &truetype; フォント TrueType フォント フォント TrueType &xorg; には、 &truetype; フォントのレンダリング機能が組み込まれています。 この機能を実現するために 2 つの異なるモジュールがあります。 ここでは、freetype の方が他のフォントレンダリングバックエンドと整合性が高いので、 このモジュールを使うことにします。 freetype モジュールを使うためには /etc/X11/xorg.conf ファイルの "Module" セクションに以下の行を追加するだけです。 Load "freetype" さて、まずは &truetype; フォント用のディレクトリ (例えば /usr/local/lib/X11/fonts/TrueType) を作り、そこに &truetype; フォントをすべて放り込みましょう。 &macintosh; の &truetype; フォントは、そのままでは使うことができませんので注意してください。 &xorg; で使うには &unix;/&ms-dos;/&windows; 用のフォーマットでなければなりません。 ファイルを置いたら ttmkfdir を使って fonts.dir ファイルを作り、 X のフォントレンダラが新しいファイルがイントールされたことを分かるようにしてください。 ttmkfdir は FreeBSD Ports Collection の x11-fonts/ttmkfdir からインストールできます。 &prompt.root; cd /usr/local/lib/X11/fonts/TrueType &prompt.root; ttmkfdir -o fonts.dir 次に &truetype; フォントのディレクトリをフォントパスに追加します。 上の Type1 フォントの場合と同じように、 &prompt.user; xset fp+ /usr/local/lib/X11/fonts/TrueType &prompt.user; xset fp rehash とするか、もしくは xorg.conf ファイルに FontPath 行を追加します。 これで終わりです。 GimpApache OpenOffice といったすべての X アプリケーションから &truetype; フォントを使うことができます。 (高解像度なディスプレイで見るウェブページ上のテキストみたいな) とても小さなフォントや (&staroffice; にあるような) 非常に大きなフォントもかなり綺麗に見えるようになることでしょう。 フォントのアンチエイリアス フォントのアンチエイリアス フォント アンチエイリアス /usr/local/lib/X11/fonts/~/.fonts/ にあるすべての &xorg; のフォントが、Xft に対応しているアプリケーションで自動的にアンチエイリアス表示できるようになりました。 KDE, GNOME および Firefox のような最新のアプリケーションは、Xft に対応しています。 どのフォントがアンチエイリアスされるかを制御するため、 もしくはアンチエイリアスの特性を設定するために、 /usr/local/etc/fonts/local.conf ファイルを作成 (すでに存在しているのなら編集) します。 多くの Xft フォントシステムの高度な機能をこのファイルを使って調整できます。 この節ではいくつか簡単なところだけを紹介します。 詳しくは、&man.fonts-conf.5; をご覧ください。 XML このファイルは XML 形式でなければなりません。 大文字小文字の区別に注意を払い、 すべてのタグが正しく閉じられているか確認してください。 ファイルは一般的な XML ヘッダで始まり、DOCTYPE 定義と <fontconfig> タグがその後にきます。 <?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd"> <fontconfig> すでに説明したように、 /usr/local/lib/X11/fonts/~/.fonts/ にあるすべてのフォントは Xft 対応のアプリケーションで利用できます。 これら 2 つ以外に別のディレクトリを追加したいのなら、 /usr/local/etc/fonts/local.conf に以下のような行を追加します。 <dir>/path/to/my/fonts</dir> 新しいフォント、 そして特に新しいフォントディレクトリを追加したら、 以下のコマンドを実行してフォントキャッシュを再構築してください。 &prompt.root; fc-cache -f アンチエイリアスをかけることによって境界が少しぼやけ、 そのためにとても小さなテキストはさらに読みやすくなり、 大きなフォントでは ギザギザ が消えるのです。 しかし、普通のテキストにかけた場合には目が疲れてしまうこともあります。 14 ポイント以下のサイズのフォントについて、 アンチエイリアスをかけないようにするには次の行を加えます。 <match target="font"> <test name="size" compare="less"> <double>14</double> </test> <edit name="antialias" mode="assign"> <bool>false</bool> </edit> </match> <match target="font"> <test name="pixelsize" compare="less" qual="any"> <double>14</double> </test> <edit mode="assign" name="antialias"> <bool>false</bool> </edit> </match> フォント スペーシング いくつかの等幅フォントは、 アンチエイリアスをかけるとスペーシングがうまくいかなくなる場合があります。 特に KDE でその傾向があるようです。 解決策の一つとして、そういったフォントのスペーシングを 100 に設定する方法があります。 そうするためには次の行を加えてください。 <match target="pattern" name="family"> <test qual="any" name="family"> <string>fixed</string> </test> <edit name="family" mode="assign"> <string>mono</string> </edit> </match> <match target="pattern" name="family"> <test qual="any" name="family"> <string>console</string> </test> <edit name="family" mode="assign"> <string>mono</string> </edit> </match> (これは固定サイズのフォントに "mono" という一般的な別名をつけます) そして以下を追加します。 <match target="pattern" name="family"> <test qual="any" name="family"> <string>mono</string> </test> <edit name="spacing" mode="assign"> <int>100</int> </edit> </match> Helvetica の様なある種のフォントは、 アンチエイリアスすると問題が起こるでしょう。 たいてい、フォントが縦に半分に切られて表示されます。 最悪の場合、アプリケーションがクラッシュします。 これを回避するには、以下を local.conf に追加します。 <match target="pattern" name="family"> <test qual="any" name="family"> <string>Helvetica</string> </test> <edit name="family" mode="assign"> <string>sans-serif</string> </edit> </match> local.conf の編集を終えたら、 ファイルの末尾が </fontconfig> タグで終わるようにしてください。 これを行わなければ、変更は無視されるでしょう。 最後に、ユーザは自分だけの設定を各自の .fonts.conf ファイルに追加できます。 これを行うためには、それぞれのユーザが単に ~/.fonts.conf を作成するだけです。 このファイルも XML 形式でなければなりません。 LCD スクリーン フォント LCD スクリーン 最後に一つ。LCD スクリーンではサブピクセルサンプリングが必要な場合があります。 これは、基本的には (水平方向に分かれている) 赤、緑、 青の各コンポーネントを別々に扱うことによって水平方向の解像度を良くするというもので、 劇的な結果が得られます。 これを有効にするには local.conf ファイルに次の行を加えます。 <match target="font"> <test qual="all" name="rgba"> <const>unknown</const> </test> <edit name="rgba" mode="assign"> <const>rgb</const> </edit> </match> ディスプレイの種類にもよりますが、 rgb ではなく bgrvrgb、もしくは vbgr の場合もあるので、 試してみて最も良いものを使ってください。 X ディスプレイマネージャ 概要 X ディスプレイマネージャ X ディスプレイマネージャ (XDM) は X Window System のオプショナルな一部分であり、 ログインセッションの管理に用います。 最低限の機能を実装した X 端末 やデスクトップ、 大規模なネットワークディスプレイサーバといった場面ではこれが有用です。 X Window System はネットワークとプロトコルから独立しているため、 ネットワークで繋がれた X のクライアントとサーバを動かすための設定はかなり幅が広くなります。 XDM はどのディスプレイサーバに接続するかを選択でき、 ログイン名とパスワードの組み合わせなど認証情報を入力できるグラフィカルなインタフェースを提供しています。 XDM がユーザに &man.getty.8; (詳しくは をご覧ください) と同じ機能を提供することを考えてみてください。 つまり、ディスプレイ上でシステムへのログインができ、 ユーザの代わりにセッションマネージャ (通常は X のウィンドウマネージャ) を起動することができるのです。 それから XDM は、 ユーザが作業を終えてディスプレイからログアウトする合図を送ってきてプログラムが終了するのを待ちます。 この時点で、XDM は次にログインするユーザのためにログイン画面や chooser 画面を表示できます。 XDM の使用 XDM を使用するには、 x11/xdm port をインストールしてください (最近の &xorg; のバージョンでは、 デフォルトでインストールされません)。 XDM のデーモンプログラムは /usr/local/bin/xdm にあります。 このプログラムは root になればいつでも起動することができ、 ローカルマシン上のディスプレイの管理を始めます。 マシンをブートする際、いつも XDM を起動したい場合には、/etc/ttys にそのためのエントリを加えておくのが簡単です。 このファイルのフォーマットや使用方法についての詳細は を参照してください。 デフォルトの /etc/ttys ファイルには仮想端末上で XDM デーモンを起動するための行: ttyv8 "/usr/local/bin/xdm -nodaemon" xterm off secure があります。 このエントリはデフォルトでは無効になっており、有効にするには 5 番目のカラムを off から on にし、 の指示に従って &man.init.8; を再起動します。 最初のカラムはこのプログラムが管理する端末の名前で、この場合 ttyv8 になります。 つまり、XDM は 9 番目の仮想端末で起動されるということです。 XDM の設定 XDM の設定用ディレクトリは /usr/local/lib/X11/xdm です。 このディレクトリには XDM の振る舞いや見た目を変更するために用いられるいくつかのファイルがあります。 だいたいは以下のような感じです。 ファイル 説明 Xaccess クライアント認証のルールセット Xresources デフォルトの X リソース Xservers 管理すべきリモートやローカルのディスプレイのリスト Xsession デフォルトのログイン時のセッションスクリプト Xsetup_* ログインインタフェースの前にアプリケーションを起動するためのスクリプト xdm-config このマシンで動いているすべてのディスプレイのグローバルな設定 xdm-errors サーバプログラムによって生成されるエラー xdm-pid 現在動いている XDM のプロセス ID このディレクトリにはまた、XDM の動作中にデスクトップをセットアップするために用いられるスクリプトやプログラムがいくつかあります。 それぞれのファイルの目的を簡単に解説しましょう。 正確な文法や使い方は &man.xdm.1; に記述されています。 デフォルトの設定では、単純な四角のログインウィンドウがあり、 そこにはマシンのホスト名が大きなフォントで表示され、 Login:Password: のプロンプトがその下に表示されています。 XDM スクリーンの見ためや使い勝手を変えるにはここから始めるのがいいでしょう。 Xaccess XDM がコントロールするディスプレイに接続するためのプロトコルは X Display Manager Connection Protocol (XDMCP) と呼ばれます。 このファイルにはリモートのマシンからの XDMCP 接続をコントロールするためのルールセットが書かれます。 これは、xdm-config を変更してリモートからのコネクションを待ち受けるようにしない限り無視されます。 デフォルトでは、どのクライアントからの接続も拒否します。 Xresources これはディスプレイの chooser とログインスクリーン用の application-defaults ファイルです。 このファイルでログインプログラムの見た目を変更することができます。 フォーマットは &xorg; のドキュメントで記述されている app-defaults ファイルのものと同じです。 Xservers これは、chooser が選択肢として提供するリモートのディスプレイの一覧です。 Xsession XDM でログインした後に実行されるデフォルトのセッションスクリプトです。 通常、各ユーザは ~/.xsession というカスタマイズしたセッションスクリプトを持っており、 こちらが優先されます。 Xsetup_* これらは chooser やログインインタフェースが表示される前に自動的に実行されます。 それぞれのディスプレイに対して、Xsetup_ に続けてローカルのディスプレイ番号を付けた (たとえば Xsetup_0) 名前のついたスクリプトがあります。 典型的な使い方は xconsole のようなバックグラウンドで動かすプログラムを一つか二つ起動することです。 xdm-config app-defaults の書式で書かれた、 このインストレーションで管理されるすべてのディスプレイに適用される設定を保持しています。 xdm-errors このファイルには XDM が起動しようとしている X サーバからの出力が書き出されます。 XDM が起動しようとしているディスプレイがなんらかの理由でハングした場合、 このファイルのエラーメッセージを見てください。 そういったメッセージは各ユーザの ~/.xsession-errors にもセッション毎に書き出されます。 ネットワークディスプレイサーバの起動 あるディスプレイサーバに他のクライアントが接続することができるようにするために、 アクセスコントロールのルールを編集し、 コネクションリスナを有効にする必要があります。 デフォルトでは保守的な設定になっています。 XDM がそういったコネクションを待ち受けるようにするためには xdm-config にある次の行をコメントアウトします。 ! SECURITY: do not listen for XDMCP or Chooser requests ! Comment out this line if you want to manage X terminals with xdm DisplayManager.requestPort: 0 そして、XDM を再起動します。 app-defaults ファイルにおけるコメントは ! であっていつものような # ではないことに注意してください。 アクセス制限はもっと厳しくしてもよいかもしれません。 Xaccess にある例を参考にしたり、詳細についてオンラインマニュアル &man.xdm.1; を参照してください。 XDM の代わりになるもの デフォルトの XDM に代わるものがいくつかあります。 一つは KDM (KDE に付属しています) はその一つであり、この章の後ろで解説します。 KDM ディスプレイマネージャは、 ログイン時にウィンドウマネージャを選ぶことができるのに加え、 見た目もかなり綺麗にしてくれます。 デスクトップ環境 このセクションでは、FreeBSD 上の X で利用可能ないくつかのデスクトップ環境について解説します。 デスクトップ環境 とは、 単なるウィンドウマネージャから KDEGNOME といったような完全なデスクトップアプリケーションスイートまでカバーします。 GNOME GNOME について GNOME GNOME はユーザフレンドリなデスクトップ環境で、 ユーザはコンピュータを簡単に使ったり設定したりできるようになります。 GNOME にはパネル (アプリケーションを起動したり状態を表示したりするもの)、 デスクトップ (データやアプリケーションが置かれる場所)、 標準的なデスクトップツールやアプリケーションのセット、 そしてアプリケーションが互いにうまくやり取りできるような仕組みが含まれています。 他の OS や環境に慣れている人でも GNOME の提供するグラフィック環境であれば心地よく感じるでしょう。 FreeBSD 上の GNOME に関するもっと詳しい情報は、 FreeBSD GNOME Project のウェブサイトで見ることができます。 ウェブサイトには、GNOME のインストール、設定、管理に関する非常に分かりやすい FAQ も用意されています。 GNOME のインストール package や Ports Collection を利用してソフトウェアを簡単にインストールできます。 GNOME package - をネットワークからインストールするには、 - 以下のようにするだけです。 + からインストールするには、以下のように実行してください。 - &prompt.root; pkg_add -r gnome2 - - pkgng ユーザは、 - 以下のコマンドを使用してください。 - &prompt.root; pkg install gnome2 GNOME をソースから構築する場合、 次のように ports ツリーを使いましょう。 &prompt.root; cd /usr/ports/x11/gnome2 &prompt.root; make install clean GNOME を適切に動作させるには、 /proc ファイルシステムをマウントする必要があります。 以下を /etc/fstab に追加して、起動中に &man.procfs.5; をマウントするように設定してください。 proc /proc procfs rw 0 0 GNOME がインストールできたら、 デフォルトのウィンドウマネージャの代わりに GNOME を起動するように X サーバに指示しなければなりません。 GNOME を起動する最も簡単な方法は、GNOME ディスプレイマネージャ GDM を使うことです。 GDM は、 GNOME デスクトップの一部としてインストールされますが、 デフォルトでは無効になっています。 有効にするには、以下の行を /etc/rc.conf に追加してください。 gdm_enable="YES" 再起動すると、GDM が自動的に起動します。 GNOME のすべてのサービスを、 GDM とともに起動するようにしておくと良いでしょう。 このように設定するには、以下の行を /etc/rc.conf ファイルに追加してください。 gnome_enable="YES" GNOME.xinitrc という名前のファイルを適切に設定することで、 コマンドラインから起動することもできます。 自分の .xinitrc が既にある場合には、ウィンドウマネージャを起動する行を /usr/local/bin/gnome-session を起動するように変更するだけです。 特にこのファイルを用意していない場合には、 次のようにすれば十分でしょう。 &prompt.user; echo "/usr/local/bin/gnome-session" > ~/.xinitrc 次に、startx と入力すれば GNOME デスクトップ環境が起動します。 もし XDM のような古いディスプレイマネージャを使っているなら、 この方法ではうまくいきません。その代わり、実行可能な .xsession というファイルを作成し、 同じコマンドを起動するようにします。 そのためには、このファイルを編集してウィンドウマネージャを /usr/local/bin/gnome-session で置き換えます。 &prompt.user; echo "#!/bin/sh" > ~/.xsession &prompt.user; echo "/usr/local/bin/gnome-session" >> ~/.xsession &prompt.user; chmod +x ~/.xsession もう一つの方法は、 ログイン時にウィンドウマネージャを選択できるようにディスプレイマネージャを設定することです。 KDE の詳細についてのセクションで KDE のディスプレイマネージャである KDM を使ってどのようにすればいいのかを解説しています。 KDE KDE KDE について KDE は最近の簡単に使えるデスクトップ環境です。 KDE によりユーザは以下のようなメリットを亨受します。 美しい現代風のデスクトップ ネットワーク透過なデスクトップ KDE デスクトップやそのアプリケーションを使う際に、 ヘルプへのアクセスを便利で統一されたものにする統合されたヘルプシステム すべての KDE アプリケーションで統一された見ためや使い勝手 標準化されたメニュー、ツールバー、 キーバインディング、カラースキームなど 国際化: KDE は 55 を越える言語で利用可能 一元的で、首尾一貫した、ダイアログベースのデスクトップ設定 膨大な数の KDE アプリケーション KDE には Konqueror と呼ばれるウェブブラウザも付属しており、これは &unix; システム上の他のウェブブラウザの強力な競争相手です。 KDE の詳細については KDE のウェブサイト をご覧ください。 KDE に関する FreeBSD 特有の情報とリソースについては、 KDE/FreeBSD initiative のウェブサイトをご覧ください。 KDE のインストール GNOME や他のデスクトップ環境とまったく同じように、 package や Ports Collection から簡単にインストールできます。 - KDE 4 package - をネットワーク越しにインストールするには次のようにします。 + KDE4 package + からインストールするには次のようにしてください。 - &prompt.root; pkg_add -r kde4 + &prompt.root; pkg install x11/kde4 - &man.pkg.add.1; - は自動的にアプリケーションの最新版を取得します。 - - pkgng ユーザは、 - 以下のコマンドを使用してください。 - - &prompt.root; pkg install kde4 - KDE をソースから構築するには、次のように ports ツリーを使いましょう。 &prompt.root; cd /usr/ports/x11/kde4 &prompt.root; make install clean port を最初にインストールするときには、 オプションを選択するメニューが表示されます。 デフォルトが推奨されます。 KDE 4 は大きなアプリケーションのため、 高速のコンピュータでもコンパイルに長い時間がかかります。 KDE がインストールできたら X サーバに、デフォルトのウィンドウマネージャの代わりにこのアプリケーションを立ち上げるように教えます。 .xinitrc ファイルを次のように編集しましょう。 &prompt.user; echo "exec /usr/local/kde4/bin/startkde" > ~/.xinitrc さぁ、これで startx でいつ X Window System を立ち上げても KDE がデスクトップになります。 XDM のようなディスプレイマネージャを使っている場合、 設定は少し異なります。代わりに .xsession ファイルを編集しましょう。 KDM 用の説明はこの章の後のほうにあります。 KDE の詳細について さぁ、KDE のインストールができました。 ほとんどのことはヘルプページを見たりいろんなメニューをつつけばわかるでしょう。 &windows; や &mac; のユーザにも簡単なはずです。 KDE の最も良いリファレンスはオンラインドキュメントです。 KDE には独自のウェブブラウザ Konqueror が付属していますし、 膨大な数の便利なアプリケーションや詳しいドキュメントも用意されています。 このセクションの残りではなんとなく使っているだけでは理解し難い技術的なところを解説します。 KDE ディスプレイマネージャ KDE ディスプレイマネージャ マルチユーザシステムの管理者であれば、 ユーザを迎えるにあたってグラフィカルなログイン画面が欲しいと思うかもしれません。 前の章で述べたように XDM はそのために使えますが、 KDE にはその代わりになる KDM が付いています。 見た目がより魅力的で、ログイン時のオプションもたくさんあります。 特に (メニューを使って) ログイン後に使うデスクトップ環境 (KDEGNOME など) を簡単に選ぶことができます。 KDE 4 では、 &man.procfs.5; をマウントする必要があります。 /etc/rc.conf に以下の行を追加してください。 kdm4_enable="YES" Xfce Xfce について XfceGNOME で使われている GTK+ ツールキットをベースにしたデスクトップ環境ですが、 ずっと軽いので、 シンプルで効率的でありながら使いやすく設定が簡単なデスクトップ環境を求める人に向いています。 見ためは商用 &unix; システムが採用している CDE にかなり似ています。Xfce の機能をいくつか以下に挙げます。 シンプルで使いやすいデスクトップ マウスのドラッグアンドドロップなどですべての設定が可能 CDE に似たメインパネルとメニューやアプレット、 アプリケーションランチャ 統合されたウィンドウマネージャ、ファイルマネージャ、 サウンドマネージャと GNOME 準拠のモジュールなど (GTK+ なので) テーマをサポート 速くて軽くて効率的: 古いマシンや遅いマシン、 メモリの限られたマシンに向いています Xfce に関する詳しい情報は Xfce のウェブサイト で得られます。 Xfce のインストール Xfce - をネットワークからインストールするには、 - 次のように実行してください。 - - &prompt.root; pkg_add -r xfce4 - - pkgng ユーザは、 - 以下のコマンドを使用してください。 + をインストールするには、次のように実行してください。 &prompt.root; pkg install xfce4 また、Ports Collection を利用してソースからインストールすることも可能です。 &prompt.root; cd /usr/ports/x11-wm/xfce4 &prompt.root; make install clean インストール後、次回 X を起動した時に Xfce が立ち上がるように設定します。 次のようにしてください。 &prompt.user; echo "/usr/local/bin/startxfce4" > ~/.xinitrc X を次に起動すると Xfce が立ち上がります。 XDM のようなディスプレイマネージャを使っている場合には、 GNOME のセクションに書いてあるように .xsession ファイルを作成し、 /usr/local/bin/startxfce4 を起動するように追加します。 または KDM のセクションにあるように、 ログイン時にディスプレイマネージャからデスクトップ環境を選択できるように設定してください。 トラブルシューティング もしマウスが動作しなければ、 先へ進む前にマウスの設定を行う必要があります。 最近の Xorg では、デバイスの自動認識のため、 xorg.confInputDevice セクションは無視されます。 古い設定の記述を利用するには、 このファイルの ServerLayout もしくは、 ServerFlags セクションに以下の行を追加してください。 Option "AutoAddDevices" "false" これで、以前のバージョンのように、入力デバイスを (キーボードレイアウトの変更のように) 必要なオプションを用いて設定できるようになります。 すでに説明したように、デフォルトで hald デーモンがキーボードを自動的に認識します。 キーボードレイアウトやモデルを正しく認識しない場合でも、 GNOME, KDE もしくは Xfce のようなデスクトップ環境が、 キーボードの設定ツールを提供しています。 しかしながら、 &man.setxkbmap.1; ユーティリティや hald の設定ルールを利用することで、 キーボードのプロパティを直接設定できます。 たとえば、フランス語のレイアウトの PC 102 キーボードを使いたい場合には、 hald のキーボード設定ファイル x11-input.fdi を作成し、 /usr/local/etc/hal/fdi/policy ディレクトリに保存してください。 このファイルは以下を含んでいる必要があります。 <?xml version="1.0" encoding="iso-8859-1"?> <deviceinfo version="0.2"> <device> <match key="info.capabilities" contains="input.keyboard"> <merge key="input.x11_options.XkbModel" type="string">pc102</merge> <merge key="input.x11_options.XkbLayout" type="string">fr</merge> </match> </device> </deviceinfo> このファイルがすでに存在する場合には、 キーボードの設定に関する部分をただ単にコピーし、 ファイルに追加してください。 hald がこのファイルを読み込むように、 コンピュータを再起動してください。 X 端末やスクリプトから以下のコマンドラインを実行することでも、 同様に設定できます。 &prompt.user; setxkbmap -model pc102 -layout fr /usr/local/share/X11/xkb/rules/base.lst ファイルには、利用可能なキーボード、 レイアウトおよびオプションの一覧があります。 &xorg; のチューニング xorg.conf.new 設定ファイルを好みに合うように調整できます。 &man.emacs.1; や &man.ee.1; のようなテキストエディタでファイルを開いてください。 古いモニタや、通常とは異なるモデルで、 同期周波数の自動認識に対応していない場合には、 以下のような設定を xorg.conf.new"Monitor" セクションの下に加えてください。 Section "Monitor" Identifier "Monitor0" VendorName "Monitor Vendor" ModelName "Monitor Model" HorizSync 30-107 VertRefresh 48-120 EndSection ほとんどのモニタは同期周波数の自動認識に対応しているので、 これらの値を手動で入力する必要はありません。 自動認識に対応していないモニタでは、 ダメージの可能性を避けるため、 メーカーが提供している値のみを入力してください。 X はモニタが対応していれば DPMS (Energy Star) 機能を使うことができます。 &man.xset.1; プログラムでタイムアウトをコントロールしたり、 強制的にスタンバイ、サスペンドや電源オフにすることができます。 モニタの DPMS 機能を有効にしたい場合は、 "Monitor" セクションに次の行を加えてください。 Option "DPMS" xorg.conf xorg.conf.new 設定ファイルはエディタで開いたままにしておき、 デフォルトの解像度と色数を好みで選んでください。 "Screen" セクションで定義されます。 Section "Screen" Identifier "Screen0" Device "Card0" Monitor "Monitor0" DefaultDepth 24 SubSection "Display" Viewport 0 0 Depth 24 Modes "1024x768" EndSubSection EndSection DefaultDepth というキーワードは 実行時のデフォルトの色数について記述するためのものです。 &man.Xorg.1; のコマンドラインスイッチ が使用された場合はそちらが優先されます。 Modes というキーワードは、 与えられた色数におけるデフォルトの解像度を記述しておくためのものです。 ターゲットのシステムのグラフィックハードウェアによって定義されている、 VESA スタンダードモードのみがサポートされていることに注意してください。 上の例ではデフォルトの色数はピクセルあたり 24 ビットであり、 この色数での解像度は 1024 ピクセル× 768 ピクセルです。 最後に、設定ファイルを保存し、 上の例にあるようにテストしてみてください。 トラブルシューティングの過程で助けとなるツールのひとつに &xorg; のログファイルがあります。 これには、&xorg; サーバが検知したデバイスそれぞれについての情報があります。 &xorg; のログファイル名は /var/log/Xorg.0.log という形式です。実際のログファイル名は Xorg.0.log から Xorg.8.log のように変わります。 すべてうまくいったなら、設定ファイルを &man.Xorg.1; が見つけることができる共通の場所に置きます。 これは、通常は /etc/X11/xorg.conf/usr/local/etc/X11/xorg.conf です。 &prompt.root; cp xorg.conf.new /etc/X11/xorg.conf これで &xorg; の設定は完了です。 &man.startx.1; ユーティリティで &xorg; を起動できます。 &man.xdm.1; を使って &xorg; サーバを起動することもできます。 &intel; <literal>i810</literal> グラフィックチップセットの設定 Intel i810 graphic chipset &intel; i810 統合チップセットを設定するには、 &xorg; にカードを制御させるために AGP プログラミングインタフェースである agpgart が必要になります。 詳しくは、&man.agp.4; ドライバのマニュアルページをご覧ください。 このドライバを用いることで、 他のグラフィックボードと同様に設定を行うことができるようになります。 カーネルに &man.agp.4; ドライバが組み込まれていないシステムでは、 このモジュールを &man.kldload.8; を使って読み込もうとしても動作しないことに注意してください。 このドライバは、 起動時にカーネル内に存在するようにカーネル内部に組み込むか、 /boot/loader.conf を使わなければなりません。 ワイドスクリーンフラットパネルの追加 ワイドスクリーンフラットパネルコンフィグレーション この節では、設定に関する幾分高度な知識を必要とします。 これまでに述べた標準ツールを使って設定に失敗する場合は、 ログファイルを参照してください。 ログファイルには、 設定のために有用な情報が十分含まれています。 テキストエディタを使用する必要があるでしょう。 現在のワイドスクリーン (WSXGA, WSXGA+, WUXGA, WXGA, WXGA+ など) は、 16:10 や 10:9 形式、または (問題を含む可能性のある) 他のアスペクト比に対応しています。 以下は、16:10 アスペクト比のスクリーン解像度の例です。 2560x1600 1920x1200 1680x1050 1440x900 1280x800 これらの解像度のひとつを以下のように "Screen" セクション の 可能な Mode に追加してください。 Section "Screen" Identifier "Screen0" Device "Card0" Monitor "Monitor0" DefaultDepth 24 SubSection "Display" Viewport 0 0 Depth 24 Modes "1680x1050" EndSubSection EndSection &xorg; は、I2C/DDC 情報を通してワイドスクリーンの解像度に関する情報を取得できるので、 モニタの周波数や解像度の範囲を把握しています。 もし、これらの ModeLines がドライバに存在しないのであれば、 &xorg; にヒントを与えなけれならないでしょう。 ModeLine を手動で設定するのに十分な情報を /var/log/Xorg.0.log から得ることができます。 以下のような情報を探してください。 (II) MGA(0): Supported additional Video Mode: (II) MGA(0): clock: 146.2 MHz Image Size: 433 x 271 mm (II) MGA(0): h_active: 1680 h_sync: 1784 h_sync_end 1960 h_blank_end 2240 h_border: 0 (II) MGA(0): v_active: 1050 v_sync: 1053 v_sync_end 1059 v_blanking: 1089 v_border: 0 (II) MGA(0): Ranges: V min: 48 V max: 85 Hz, H min: 30 H max: 94 kHz, PixClock max 170 MHz これは EDID と呼ばれる情報です。 この情報を用いて ModeLine を作成するには、 正しい順番に数字を入力するだけです。 ModeLine <name> <clock> <4 horiz. timings> <4 vert. timings> この例では Monitor セクション ModeLine は以下のようになります。 Section "Monitor" Identifier "Monitor1" VendorName "Bigname" ModelName "BestModel" ModeLine "1680x1050" 146.2 1680 1784 1960 2240 1050 1053 1059 1089 Option "DPMS" EndSection 以上の簡単な編集作業が終わったら、 新しいワイドスクリーンモニタ上で X が動作するでしょう。