Index: head/ja_JP.eucJP/books/handbook/ports/chapter.xml =================================================================== --- head/ja_JP.eucJP/books/handbook/ports/chapter.xml (revision 46221) +++ head/ja_JP.eucJP/books/handbook/ports/chapter.xml (revision 46222) @@ -1,2018 +1,2018 @@ アプリケーションのインストール - packages と ports この章では ports packages &os; の基本システムには数多くのシステムツールが含まれています。 &os; は、サードパーティ製のソフトウェアの導入を支援するために、 ソースコードをコンパイルしてインストールする Ports Collection と、 コンパイル済みのバイナリをインストールする packages という相補的な 2 つの技術を提供しています。 どちらのシステムを用いても、 ローカルメディアやネットワーク上からソフトウェアをインストールできます。 この章を読むと、以下のことがわかります。 packages と ports の違い &os; に移植されたサードパーティ製のソフトウェアの探し方 pkg を用いてバイナリ package を管理する方法 Ports Collection を用いてサードパーティ製のソフトウェアをソースコードから構築する方法 インストール後の設定のために、 アプリケーションとともにインストールされたファイルを探す方法 ソフトウェアのインストールに失敗した場合に、どうしたらよいか ソフトウェアのインストール &unix; システムでは、 サードパーティ製ソフトウェアの典型的なインストール手順は以下のようになります。 ソースコード、 またはバイナリ形式で配布されているソフトウェアを探し出し、 ダウンロードする。 配布時のフォーマットからソフトウェアを取り出す。 一般的には &man.compress.1;, &man.gzip.1; または &man.bzip2.1; で圧縮された tarball です。 INSTALL または README ファイル、あるいは doc/ サブディレクトのファイルからドキュメントを探しだし、 ソフトウェアのインストール方法を調べる。 ソース形式でソフトウェアが配布されている場合はコンパイルを行う。 ここでは、Makefile の編集、 または、configure スクリプトの実行を伴うことがあります。 ソフトウェアの動作を確認し、インストールする。 インストールしているソフトウェアパッケージが、 &os; を意識して移植されたものでなかったり、 &os; 上でテストされていなければ、 正しくインストールが行われ、適切に動くようにコードを調べ、 編集する必要があるかもしれません。 この文書を書いている時点では、&os.numports; を越えるサードパーティ製アプリケーションが利用可能です。 &os; の package は、コンパイル済みのアプリケーションの全コマンド、 各種設定ファイルやドキュメントを含んでいます。 pkg コマンドでは、pkg install といったコマンドで、 package を扱うことができます。 &os; port は、 アプリケーションをソースコードからコンパイルする際の処理を自動化するように設計されたファイルの集まりです。 port を構成するファイルは、 自動的にアプリケーションをダウンロードし、展開、パッチ作業、 コンパイル、そしてインストールを行うために必要な情報を含んでいます。 さらに ports システムは、&os; の package 管理コマンドで扱うことのできる packages を生成できます。 packages と ports は依存関係を理解します。 package または port を用いてアプリケーションをインストールすると、 依存するライブラリがまだインストールされていない場合には、 最初にライブラリが自動的にインストールされます。 2 つの技術は類似していますが、 packages と ports にはそれぞれ独自の特徴があります。 それぞれのアプリケーションのインストールに対する必要要件に応じてどちらかを選択してください。 package の利点 一般的に、あるアプリケーションの package の tarball は、 ソースコードを含む tarball より小さなサイズとなります。 packages はコンパイルの時間を必要としません。 このことは、遅いシステム上で Mozilla, KDE, または GNOME といった大きなアプリケーションを扱う場合に重要となります。 packages を用いれば、 ソフトウェアのコンパイルに関する知識は必要ありません。 port の利点 packages は、通常最も多くのシステムで実行できるように、 非常に保守的な設定で構築されています。 port からコンパイルすることで、 コンパイルオプションを指定できます。 アプリケーションのなかには、 どの機能をインストールするかをコンパイル時に設定するものがあります。 たとえば、Apache は多種多様な ビルトインオプションを設定できます。 設定を区別するために、同じアプリケーションに対して 複数の packages が存在することがあります。 たとえば、GhostscriptXorg がインストールされているかどうかにより、 ghostscript package と ghostscript-nox11 package が選択可能となっています。 アプリケーションのコンパイルオプションが 1 つもしくは 2 つ以上になると、 複数の packages を用意することは困難になります。 ライセンス条項で、 バイナリでの配布を禁止しているソフトウェアがあります。 このようなソフトウェアはソースコードで配布される必要があり、 エンドユーザがコンパイルしなくてはなりません。 バイナリ配布を信用していない人や、 潜在的な問題点を見つけ出すためにソースコードを読むことを好む人がいます。 カスタマイズしたパッチを適用するためには、 ソースコードが必要になります。 ports の更新状況を把握するために、 &a.ports; や &a.ports-bugs; を購読するとよいでしょう。 アプリケーションをインストールする前に、 そのアプリケーションに関連したセキュリティ上の問題がないことを http://vuxml.freebsd.org/ で確認するか、ports-mgmt/portaudit をインストールしてください。インストールしたら、 portaudit -F -a と入力して、 インストールされているアプリケーションに既知の脆弱性がないことを確認してください。 pkg を使用している環境では、 脆弱性の検査機能は組み込まれています。pkg audit -F を実行して、 脆弱性のある package のレポートを入手してください。 この章では、packages と ports を用いた &os; 上での サードパーティ製ソフトウェアのインストール方法や管理方法について説明します。 ソフトウェアの探し方 &os; 上で利用可能なアプリケーションのリストは常に増えています。 インストールするソフトウェアを探す方法はたくさん用意されています。 &os; ウェブサイトは、 利用可能なすべてのアプリケーションの最新の一覧を、検索できる形で http://www.FreeBSD.org/ja/ports/ において公開しています。 ports はアプリケーションの名前や、ソフトウェアのカテゴリで検索出来ます。 FreshPorts Dan Langille は、包括的な検索ユーティリティや Ports Collection にあるアプリケーションの変更点を追跡する FreshPorts.org を公開しています。 登録したユーザは、監視している ports がアップデートされた時に、 そのことを自動的にメールで知らせてくれるような、 カスタマイズ可能な監視リストを使うことができます。 SourceForge アプリケーションを見つけることが難しい場合には、SourceForge.net または GitHub.com のようなサイトで探してみてください。 その後、そのアプリケーションが ports で利用可能かどうかを &os; サイト で調べて下さい。 pkg search バイナリ package リポジトリでアプリケーションを探すには、 以下のように実行してください。 &prompt.root; pkg search subversion git-subversion-1.9.2 java-subversion-1.8.8_2 p5-subversion-1.8.8_2 py27-hgsubversion-1.6 py27-subversion-1.8.8_2 ruby-subversion-1.8.8_2 subversion-1.8.8_2 subversion-book-4515 subversion-static-1.8.8_2 subversion16-1.6.23_4 subversion17-1.7.16_2 package 名にはバージョン番号が含まれます。 また、python ベースの ports では、 共に構築された python のバージョン番号も含まれます。 ports によっては、複数のバージョンを利用できるものがあります。 subversion では、 複数のバージョンを利用できますが、 異なるコンパイルオプションで構築されたものも利用できます。 インストールする package を指定する際には、 アプリケーションに、port ツリーのパスである、 port のオリジンを指定すると良いでしょう。 pkg search オプションを付けて、実行してください。 各 package のオリジンの一覧が表示されます。 &prompt.root; pkg search -o subversion devel/git-subversion java/java-subversion devel/p5-subversion devel/py-hgsubversion devel/py-subversion devel/ruby-subversion devel/subversion16 devel/subversion17 devel/subversion devel/subversion-book devel/subversion-static pkg search は、 リポジトリデータベースの説明やその他のフィールドにおいて、 シェルグロブ、正規表現、完全一致にも対応しています。 詳細については、ports-mgmt/pkg または ports-mgmt/pkg-devel のインストール後、 &man.pkg-search.8; をご覧ください。 Ports Collection がすでにインストールされていれば、 ports ツリーのローカルバージョンを調べることができます。 port がどのカテゴリに分類されているのかを知りたければ、 &man.whereis.1; コマンドで調べることができます。 whereis ファイル と入力してください。ファイル の部分にはインストールを考えているプログラム名を入れます。 &prompt.root; whereis lsof lsof: /usr/ports/sysutils/lsof さらに、以下の例のように &man.echo.1; を使って調べることもできます。 &prompt.root; echo /usr/ports/*/*lsof* /usr/ports/sysutils/lsof この方法では /usr/ports/distfiles 以下にダウンロードされたファイル名にもマッチします。 また、Ports Collection に備わっている検索機能を利用して port を検索する方法もあります。 この検索機能を利用するには、 cd コマンドを用いて /usr/ports ディレクトリに移動し、make search name=プログラム名 と入力してください。 プログラム名 の部分には検索したいソフトウェアの名前を入れてください。 たとえば、lsof を探すには次のようにします。 &prompt.root; cd /usr/ports &prompt.root; make search name=lsof Port: lsof-4.88.d,8 Path: /usr/ports/sysutils/lsof Info: Lists information about open files (similar to fstat(1)) Maint: ler@lerctr.org Index: sysutils B-deps: R-deps: Ports Collection に用意されている検索のメカニズムでは、 インデックスファイルを利用して検索を行います。 もし INDEX が必要であるというメッセージが表示されたら、 make fetchindex を実行して、 最新のインデックスファイルをダウンロードしてください。 INDEX が用意されれば、 make search で検索を実行できるでしょう。 Path: という行は、 port がどこにあるかを示しています。 より絞られた情報を得るには、 quicksearch と呼ばれる機能を使ってください。 &prompt.root; cd /usr/ports &prompt.root; make quicksearch name=lsof Port: lsof-4.88.d,8 Path: /usr/ports/sysutils/lsof Info: Lists information about open files (similar to fstat(1)) もっと詳しく検索するには、 make search key=string または make quicksearch key=string と入力してください。 string の部分には検索したいテキストを入れます。 プログラムの名前がわからない場合でも、 ある目的に関連した ports の検索に利用できるよう、 テキストの部分には、コメント、 説明文および依存情報を入れることができます。 search および quicksearch を使う場合には、 検索文字列中の大文字と小文字を区別せずに検索が行われるので、 LSOF を検索した結果は、 lsof と同じ検索結果になります。 <application>pkg</application> によるバイナリ package の管理 pkg は、&os; における伝統的な package 管理ツールの置き換えとなる次世代の管理ツールで、 バイナリ packages をより早く、 より簡単に管理できるようにする数多くの機能を提供します。 pkgports-mgmt/portmasterports-mgmt/portupgrade などの port 管理ツールの置き換えではありません。 これらのツールは、 サードパーティ製ソフトウェアをバイナリ packages と Ports Collection の両形式からインストールできますが、 一方で pkg はバイナリ packages のみをインストールします。 <application>pkg</application> 入門 &os; 8.4 以降では、 pkg とマニュアルページをダウンロードし、 インストールするためのブートストラップユーティリティが用意されています。 システムをブートストラップするためには、 以下を実行してください。 &prompt.root; /usr/sbin/pkg これより前のバージョンの &os; では、かわりに Ports Collection または packages を用いてインストールする必要があります。 port をインストールするには以下を実行してください。 &prompt.root; cd /usr/ports/ports-mgmt/pkg &prompt.root; make &prompt.root; make install clean 古い package システムを用いているシステムをアップグレードする際には、 新しいツールがすでにインストールされている package に認識するよう、 データベースを新しいフォーマットへと変換する必要があります。 pkg をインストールしたら、 以下のコマンドを実行して、package データベースをこれまでの伝統的なフォーマットから新しいフォーマットへと変換する必要があります。 &prompt.root; pkg2ng このステップは、 サードパーティ製ソフトウェアがまだインストールされていないような、 新しくインストールされた直後のシステムでは必要ありません。 このステップは非可逆です。 一度 package データベースを pkg フォーマットへと変換したら、伝統的な pkg_* ツールを使うべきではありません。 package データベースを変換する際には、 新しいバージョンへのデータ変換に伴ったエラーが出力されることがあります。 通常、これらのエラーは無視して構いませんが、 pkg2ng 終了後に表示される、 変換に失敗したサードパーティ製ソフトウェアの一覧については、 これらのソフトウェアを手動で再インストールする必要があります。 &os; のバージョンが 10.X より前であれば、 以下の行を /etc/make.conf に追加して、 &os; Ports Collection がソフトウェアの登録に、伝統的な package のフォーマットではなく、pkg を用いるように設定してください。 WITH_PKGNG= yes pkg package 管理システムでは、 ほとんどのコマンドに対して package リポジトリを使います。 デフォルトの package リポジトリは /usr/local/etc/pkg.conf または PACKAGESITE 環境変数で定義されます。 この環境変数は、設定ファイルを上書きします。 その他の pkg の設定オプションは、pkg.conf(5) に記述されています。 pkg の利用情報は、 pkg(8) マニュアルページや、 pkg を引数なしに実行すると表示されます。 pkg コマンドの引数は、 コマンドに固有なマニュアルページに記述されています。 たとえば、pkg install のマニュアルページを読むには、 以下のコマンドのどちらかを実行してください。 &prompt.root; pkg help install &prompt.root; man pkg-install 以下の節では、pkg を用いた通常のバイナリ package の管理について説明します。 各コマンドでは、カスタマイズのために、 多くのオプションが使われています。 詳細や、他の例については、 コマンドのヘルプやマニュアルページを参照してください。 インストールされている package の情報を入手する オプションを使用しないで pkg info を実行すると、 システムにインストールされているすべての package もしくは、 ある特定の package の情報が得られます。 たとえば、インストールされている pkg の情報を調べるには、 以下のように実行してください。 &prompt.root; pkg info pkg pkg-1.1.4_1 package のインストールと削除 バイナリ package をインストールするには、 以下のコマンドを使ってください。 ここで packagename は、インストールする package の名前です。 &prompt.root; pkg install packagename このコマンドは、リポジトリデータを使用して、 インストールすべきソフトウェアのバージョン、および、 インストールされていない依存ソフトウェアがあるかどうかを調べます。 たとえば、curl をインストールするには以下を実行してください。 &prompt.root; pkg install curl Updating repository catalogue /usr/local/tmp/All/curl-7.31.0_1.txz 100% of 1181 kB 1380 kBps 00m01s /usr/local/tmp/All/ca_root_nss-3.15.1_1.txz 100% of 288 kB 1700 kBps 00m00s Updating repository catalogue The following 2 packages will be installed: Installing ca_root_nss: 3.15.1_1 Installing curl: 7.31.0_1 The installation will require 3 MB more space 0 B to be downloaded Proceed with installing packages [y/N]: y Checking integrity... done [1/2] Installing ca_root_nss-3.15.5_1... done [2/2] Installing curl-7.31.0_1... done Cleaning up cache files...Done 新しい package と依存関係から追加された package は、 インストール済み package 一覧に表示されます。 &prompt.root; pkg info ca_root_nss-3.15.5_1 The root certificate bundle from the Mozilla Project curl-7.31.0_1 Non-interactive tool to get files from FTP, GOPHER, HTTP(S) servers pkg-1.1.4_6 New generation package manager 必要のなくなった packages は、 pkg delete を使って削除できます。 たとえば、以下のようにして削除できます。 &prompt.root; pkg delete curl The following packages will be deleted: curl-7.31.0_1 The deletion will free 3 MB Proceed with deleting packages [y/N]: y [1/1] Deleting curl-7.31.0_1... done インストールされている package のアップグレード pkg version を用いて古くなった packages を見つけることができます。 ローカルに ports ツリーがない場合には、 pkg-version(8) は、リモートリポジトリのカタログを利用します。 そうでなければ、ローカルの ports ツリーを使って package のバージョンを同定します。 pkg upgrade を実行すると、 インストールされている packages が最新のバージョンにアップグレードされます。 このコマンドは、インストールされているソフトウェアのバージョンと、 リポジトリのカタログから利用できるバージョンとを比較します。 比較が終わったら、 新しいバージョンが用意されているアプリケーションの一覧を表示します。 アップグレードを行うのであれば、 y を選択してください。 キャンセルする場合には、 n を選択してください。 インストールされている package の検証 時折、 サードウェア製のアプリケーションに脆弱性が見つかることがあります。 脆弱性を調べるために、 pkg は、検証機能を持っています。 システムにインストールされているソフトウェアに既知の脆弱性がないかどうかを調べるには、 以下のように実行してください。 &prompt.root; pkg audit -F リーフ依存 ports の自動削除 package を削除すると、不必要な依存 ports が残されることがあります。 依存のために導入され、現在は不必要になった package は、 以下のようにすると自動的に検出され、削除されます。 &prompt.root; pkg autoremove Packages to be autoremoved: ca_root_nss-3.13.5 The autoremoval will free 723 kB Proceed with autoremoval of packages [y/N]: y Deinstalling ca_root_nss-3.15.1_1... done package データベースのバックアップ 伝統的な package 管理システムとは異なり、 pkg には package データベースをバックアップするメカニズムがあります。 package データベースの内容を手動でバックアップするには、 以下を実行してください。以下の pkgng.db を適切なファイル名に置き換えてください。 &prompt.root; pkg backup -d pkgng.db さらに、pkg は package データベースを毎日自動的にバックアップする &man.periodic.8; スクリプトを含んでいます。 この機能は、&man.periodic.conf.5; の中で、 daily_backup_pkgdb_enableYES に設定すると有効になります。 スクリプトによる定期的な package データベースのバックアップを無効にするには、 &man.periodic.conf.5; の中で、 daily_backup_pkgdb_enableNO に設定してください。 過去にバックアップした package データベースの中身をリストアするには、以下を実行してください。 &prompt.root; pkg backup -r /path/to/pkgng.db 古くなった package の削除 デフォルトでは、pkg はキャッシュディレクトリにバイナリ packages を保存します。 このディレクトリは、pkg.conf(5) の PKG_CACHEDIR 変数で定義されます。 pkg upgrade を使って packages をアップグレードする際には、 アップグレードされた package の古いバージョンは自動的には削除されません。 システムからこれらの古いバイナリ package を削除するには、 以下を実行してください。 &prompt.root; pkg clean package メタデータの変更 &os; Ports Collection では、メジャーバージョン番号が変更になることがあります。 これに対応するために、pkg には、 package の情報をアップデートするコマンドが組み込まれています。 たとえば、lang/php5 が、 バージョン 5.4 を表すようになり、 lang/php5lang/php53 と名前を変更する必要があるような場合に、有用です。 上記の例の package の情報を変更するには、 以下のように実行してください。 &prompt.root; pkg set -o lang/php5:lang/php53 別の例として、lang/ruby18lang/ruby19 にアップデートするには、 以下のようにしてください。 &prompt.root; pkg set -o lang/ruby18:lang/ruby19 最後の例として、 libglut 共有ライブラリの情報を graphics/libglut から graphics/freeglut へと変更するには、 以下のように実行してください。 &prompt.root; pkg set -o graphics/libglut:graphics/freeglut package の情報を変更したら、 情報が変更された package に依存している packages を再インストールすることが重要となります。 依存 packages を再インストールするには、 以下のように実行してください。 &prompt.root; pkg install -Rf graphics/freeglut Ports Collection の利用 Ports Collection とは、/usr/ports 以下に置かれる Makefile, 修正パッチ、 説明文などの一連のファイルのことです。このファイルのセットは、 アプリケーションをコンパイルして &os; にインストールするのに用いられます。 port を用いてアプリケーションをコンパイルできるようにするには、 まず最初に Ports Collection をインストールする必要があります。 &os; のインストール時に Ports Collection をインストールしなかった場合に、 以下の方法のどれかを用いてインストールしてください。 Portsnap を利用する方法 &os; のベースシステムには、Portsnap が含まれています。 これはは Ports Collection を取得するための速くて使いやすく、 多くのユーザに推奨されるツールです。 このユーティリティは、&os; のサイトに接続し、セキュリティキーを検証し、 Ports Collection の最新版をダウンロードします。 セキュリティキーは、 ダウンロードしたすべてのファイルの検証に用いられます。 圧縮された Ports Collection のスナップショットを /var/db/portsnap にダウンロードするには以下を実行してください。 &prompt.root; portsnap fetch 初めて Portsnap を使う時は、 スナップショットをまず /usr/ports に展開してください。 &prompt.root; portsnap extract 上で示した Portsnap を初めて利用する際に行うコマンドを実行した後は、 以下のコマンドで /usr/ports をアップデートしてください。 &prompt.root; portsnap fetch &prompt.root; portsnap update fetch を使う場合には、以下のよう extract または update を連続して行うことができます。 &prompt.root; portsnap fetch update Subversion を用いる方法 ports ツリーの管理が必要な場合や、 ローカルで変更点をメンテナンスする必要がある場合には、 Subversion を使って Ports Collection を取得する方法があります。 Subversion のより詳細な説明については、 Subversion Primer を参照してください。 Subversion を使って ports ツリーをチェックアウトする前に、 Subversion をインストールしておく必要があります。 ports ツリーがすでにインストールされていれば、 以下のようにして Subversion をインストールできます。 &prompt.root; cd /usr/ports/devel/subversion &prompt.root; make install clean ports ツリーが利用できない場合や、 package の管理に pkg を使っているのであれば、package から Subversion をインストールできます。 &prompt.root; pkg install subversion ports ツリーをチェックアウトしてください。 パフォーマンスを良くするため、 svn0.us-east.FreeBSD.orgSubversion ミラー の中から地理的に近い場所にあるミラーに置き換えてください。 &prompt.root; svn checkout https://svn0.us-east.FreeBSD.org/ports/head /usr/ports Subversion で最初のチェックアウトを行ったら、必要に応じて /usr/ports をアップデートしてください。 &prompt.root; svn update /usr/ports Ports Collection はソフトウェアのカテゴリを表すディレクトリを持ち、 各カテゴリには、各アプリケーションのサブディレクトリがあります。 ports スケルトンとも呼ばれる各サブディレクトリには、 プログラムを &os; 上で正しくコンパイルしてインストールする方法を提供するファイルのセットが含まれています。 それぞれの port スケルトンには、 次のファイルおよびディレクトリが含まれています。 Makefile: このファイルにはアプリケーションのコンパイル方法やシステムのどこにインストールするかを指定する命令文が含まれています。 distinfo: このファイルには、その port を構築するためにダウンロードする必要があるファイルのファイル名と、 チェックサム情報が含まれています。 files: このディレクトリには &os; 上でプログラムをコンパイルし、 インストールするための修正パッチが含まれています。 このディレクトリには、その port の構築に必要なその他のファイルが入る場合もあります。 pkg-descr: このファイルにはプログラムに関する、 より詳しい説明文が含まれます。 pkg-plist: これは、その port によってインストールされる全ファイルのリストです。 これにはプログラムを削除する際に、 どのファイルを削除すれば良いのかを ports システムに伝える役割もあります。 これらの他に pkg-message や特殊な状況に対応するためのファイルを含む ports もあります。 これらのファイルについての詳細および ports の一般的な説明については、 port 作成者のためのハンドブック をご覧下さい。 port は実際のソースコード (distfile とも呼ばれます) を含んではいません。 port の構築の展開部で、ダウンロードされたソースは自動的に /usr/ports/distfiles に保存されます。 ports のインストール ports installing この節では、Ports Collection を利用してプログラムをインストールしたり、 システムから削除したりする基本的な手順について説明します。 利用可能な make のターゲットや環境変数についての詳細は &man.ports.7; をご覧ください。 いかなる port でも、構築する前には、 前節に書かれているように、Ports Collection をアップデートしてください。 サードパーティ製のソフトウェアをインストールすると、 セキュリティの脆弱性を引き起こす可能性があります。 その port に関連したセキュリティ上の問題がないことを、まずは http://vuxml.freebsd.org/ で確認してください。または、ports-mgmt/portaudit をインストールしているのであれば、 新しい port をインストールする前に、 portaudit -F -a を実行してください。 毎日のシステムのセキュリティ確認時に、 自動的にセキュリティの検査およびデータベースの更新を行うようにこのコマンドを設定できます。 詳しくは、portaudit および &man.periodic.8; のマニュアルページを参照してください。 Ports Collection は、ネットワークに接続できることを想定しています。 また、superuser の権限も必要となります。 freebsdmaill.com の &os; Toolkit のようなサードパーティ製の DVD-ROM 製品の中には distfiles を収録しているものがあります。 これらを使うとインターネットへの接続がなくても ports をインストールするのに使うことができます。 DVD を /cdrom にマウントしてください。 ほかのマウントポイントを使用したければ、 CD_MOUNTPTS 変数を設定してください。 ディスク上に必要な distfiles が存在すると、 自動的に利用されます。port には DVD への収録を許可しないライセンス条項を持つものがあります。 これにはダウンロード前に登録を必要としたり、 再配布が禁止されているという理由があります。 DVD に含まれていない port をインストールしたい場合には、 ネットワークに接続する必要があります。 port をコンパイルしてインストールするには、 インストールしたい port のディレクトリに移動してください。 その後、プロンプトから make install と入力してください。 すると、次のような出力が現われるはずです。 &prompt.root; cd /usr/ports/sysutils/lsof &prompt.root; make install >> lsof_4.88D.freebsd.tar.gz doesn't seem to exist in /usr/ports/distfiles/. >> Attempting to fetch from ftp://lsof.itap.purdue.edu/pub/tools/unix/lsof/. ===> Extracting for lsof-4.88 ... [extraction output snipped] ... >> Checksum OK for lsof_4.88D.freebsd.tar.gz. ===> Patching for lsof-4.88.d,8 ===> Applying FreeBSD patches for lsof-4.88.d,8 ===> Configuring for lsof-4.88.d,8 ... [configure output snipped] ... ===> Building for lsof-4.88.d,8 ... [compilation output snipped] ... ===> Installing for lsof-4.88.d,8 ===> Installing for lsof-4.88.d,8 ... [installation output snipped] ... ===> Generating temporary packing list ===> Compressing manual pages for lsof-4.88.d,8 ===> Registering installation for lsof-4.88.d,8 ===> SECURITY NOTE: This port has installed the following binaries which execute with increased privileges. /usr/local/sbin/lsof &prompt.root; lsof は高い権限で動作するプログラムなので、 インストールする時にセキュリティに関する警告が表示されます。 インストールが終わったら、プロンプトが戻ります。 シェルによってはコマンドの実行ファイルを探す時間を短縮するために、 環境変数 PATH に登録されている ディレクトリのコマンド一覧をキャッシュするものがあります。 tcsh シェルを使っているのであれば、 フルパスを指定することなく新しくインストールしたコマンドを利用できるように、 rehash を実行してください。 sh シェルを使っているのであれば かわりに hash -r を実行してください。 詳細については、 あなたの使っているシェルのドキュメントをご覧ください。 インストールの間に、作業用ディレクトリが作成されます。 このディレクトリにはコンパイル時に使用されるすべての一時ファイルが含まれています。 このディレクトリを削除することで、ディスク容量を節約でき、また port を新しいバージョンへアップデートする際に問題が起こる可能性を小さくします。 &prompt.root; make clean ===> Cleaning for lsof-88.d,8 &prompt.root; port を構築する際に、 make install clean と実行することで、 これらの余分な手順を省くことができます。 ports のインストールのカスタマイズ ports の中にはビルドオプションを指定できるものがあります。 このオプションを指定することで、 アプリケーションの機能の一部を有効もしくは無効にできます。 また、セキュリティオプションを設定したり、 その他のカスタマイズを行うことができます。 このようなアプリケーションには www/firefox, security/gpgmemail/sylpheed-claws などがあります。 port が他のカスタマイズ可能なオプションを持つ ports に依存する場合には、デフォルトでは、ユーザに port のオプションをメニューから選択させる設定のため、 何度もユーザとの対話が起こり待たされることがあります。 これを避けるには、まず最初に port スケルトンで make config-recursive を実行して設定を一括で行い、その後 make install [clean] を実行して port を構築してインストールしてください。 config-recursive を実行する際、 all-depends-list を実行すると、設定すべき ports の一覧を得ることができます。 多くの場合は、すべての依存 ports のオプションが定義され、 ports オプションの画面が表示されなくなり、 すべてのオプションが設定されたことを確認できるまで make config-recursive を実行すると良いでしょう。 port の構築後、 再びこのメニューを表示させてオプションの追加や削除、 設定の変更を行う方法はたくさんあります。 一つ目は port のディレクトリに cd で移動し、 make config と入力する方法です。 別の方法は make showconfig を使う方法です。 他の方法は make rmconfig の実行です。 このコマンドを実行すると選択されているすべてのオプションが削除され、 設定をもう一度やり直すことができます。 これらの方法や他の方法についての詳細は、 &man.ports.7; マニュアルで説明されています。 ports は、いくつかの環境変数を参照する &man.fetch.1; を用いてソースファイルをダウンロードします。 &os; システムがファイアウォールの内側であったり、 FTP/HTTP プロキシを使う場合には、 FTP_PASSIVE_MODE, FTP_PROXY, FTP_PASSWORD の環境変数を設定することなります。 対応している環境変数の一覧については &man.fetch.3; をご覧ください。 インターネットに常時接続できないユーザのために make fetch コマンドが用意されています。 このコマンドを /usr/ports で実行してすべての distfiles をダウンロードするか、 /usr/ports/net といったカテゴリや、あるスケルトンにおいても実行できます。 ある port がライブラリやその他の ports に依存している場合には、 別のカテゴリの ports の distfiles はダウンロードされないことに注意してください。 port が依存しているすべての distfiles をダウンロードしたければ、 make fetch-recursive を使ってください。 めったにないことかもしれませんが、 ローカルに distfiles のリポジトリがあるような場合に、 MASTER_SITES 変数を変更することで Makefile で指定されているダウンロードの場所を 変更することができます。 設定する場合には、変更先を以下のようにして指定してください。 &prompt.root; cd /usr/ports/directory &prompt.root; make MASTER_SITE_OVERRIDE= \ ftp://ftp.organization.org/pub/FreeBSD/ports/distfiles/ fetch WRKDIRPREFIX 変数と PREFIX 変数を変更することで、 作業ディレクトリやターゲットディレクトリをデフォルトのものから変更できます。 &prompt.root; make WRKDIRPREFIX=/usr/home/example/ports install とすると、ports は /usr/home/example/ports でコンパイルされ、すべて /usr/local 以下にインストールされます。 &prompt.root; make PREFIX=/usr/home/example/local install この場合、port のコンパイルは /usr/ports でおこない、/usr/home/example/local にインストールします。そして &prompt.root; make WRKDIRPREFIX=../ports PREFIX=../local install とすれば両者を組み合わせることが可能です。 これらを環境変数に設定する方法もあります。 どのように環境変数を設定するかについては、 あなたの使っているシェルのマニュアルページを参照してください。 インストールした ports の削除 ports 削除 インストールされた ports は、 pkg delete コマンドで削除できます。 このコマンドの使用例は、 にあります。 あるいは、port のディレクトリにて make deinstall を実行することでも削除できます。 &prompt.root; cd /usr/ports/sysutils/lsof make deinstall ===> Deinstalling for sysutils/lsof ===> Deinstalling Deinstallation has been requested for the following 1 packages: lsof-4.88.d,8 The deinstallation will free 229 kB [1/1] Deleting lsof-4.88.d,8... done port が削除されるときに表示されるメッセージを読むことをお勧めします。 もし削除した port に依存するアプリケーションがあった場合には、 その情報が表示されますが、port の削除は行われます。 そのようなケースでは、依存を直すためにアプリケーションを再インストールするとよいでしょう。 ports のアップグレード ports アップグレード ports のインストール後、時間が経過すると、Ports Collection で新しいバージョンのソフトウェアを利用できるようになります。 この章では、 どのようにしてアップグレードする必要のあるソフトウェアを判断するか、 そしてアップグレードの方法について説明します。 インストールされている ports の新しいバージョンを利用できるかどうかを知るには、まず、 最新の ports ツリーがインストールされていることを確認してください。 これには、 もしくは で書かれているアップデートのコマンドを使ってください。 &os; 10 以降のシステム、または、pkg に変換されたシステムでは、 以下のコマンドを実行すると、現在利用可能なバージョンよりも古い ports の一覧が表示されます。 &prompt.root; pkg version -l "<" &os; 9.X より前のシステムでは、 現在利用可能なバージョンよりも古い ports の一覧を表示されるには、以下のコマンドを実行してください。 &prompt.root; pkg_version -l "<" アップグレードする前に /usr/ports/UPDATING を、ファイルの頭から、ports を最後にアップデートした日、 もしくはシステムをインストールをした日に最も近い日まで目を通してください このファイルには port をアップグレードする際にユーザが遭遇するであろう問題や、 追加で必要な作業などが記述されています。 例えば、ファイル形式の変更や設定ファイルの場所の変更、 前のバージョンと互換性がなくなったことなどが書かれています。 アップグレードする必要のある ports に関連した手順に注意し、 アップグレードする際にはこれらの手順に従ってください。 実際にアップグレードを行うには、 Portmaster もしくは Portupgrade を使ってください。 <application>portmaster</application> を用いた ports のアップグレード portmaster ports-mgmt/portmaster package または port は、 &os; と共にインストールされているツールだけを使うので、 インストールされている ports のアップグレードに推奨されているツールです。 portmaster は、 他の ports に依存せずに、base システムのツールのみを使うように設計されています。 このアプリケーションは、 どの ports をアップグレードすべきかの判断を、 /var/db/pkg/ の情報を使って行います。port からこのユーティリティをインストールするには以下のようにしてください。 &prompt.root; cd /usr/ports/ports-mgmt/portmaster &prompt.root; make install clean Portmaster は、 ports を 4 つのカテゴリに分類します。 Root ports: 他の port に依存せず、 他の port からも依存されない ports。 Trunk ports: 他の port には依存しないが、 他の port から依存されている ports。 Branch ports: 他の port に依存し、 他の port からも依存されている ports。 Leaf ports: 他の port に依存するが、 他の port からは依存されない ports。 これらのカテゴリの一覧や、アップデート可能な port の一覧を表示するには以下のようにしてください。 &prompt.root; portmaster -L ===>>> Root ports (No dependencies, not depended on) ===>>> ispell-3.2.06_18 ===>>> screen-4.0.3 ===>>> New version available: screen-4.0.3_1 ===>>> tcpflow-0.21_1 ===>>> 7 root ports ... ===>>> Branch ports (Have dependencies, are depended on) ===>>> apache22-2.2.3 ===>>> New version available: apache22-2.2.8 ... ===>>> Leaf ports (Have dependencies, not depended on) ===>>> automake-1.9.6_2 ===>>> bash-3.1.17 ===>>> New version available: bash-3.2.33 ... ===>>> 32 leaf ports ===>>> 137 total installed ports ===>>> 83 have new versions available 以下のコマンドを使うと、 古くなった ports をすべてアップデートします。 &prompt.root; portmaster -a Portmaster のデフォルトの設定では、 インストールされている port を削除する前にバックアップ用の package が作成されます。 このバックアップは、 新しいバージョンのインストールに成功すると削除されます。 を使うと、 Portmaster の自動的なバックアップの削除は行いません。 を追加すると、 Portmaster をインタラクティブモードで使用できます。 このモードでは、各 port をアップグレードするかどうかの選択を対話的に行うことがでます。 多くのオプションが利用可能です。portmaster(8) のマニュアルページから、 それらの使用方法に関する詳細な説明を読んでください。 アップグレードの過程でエラーに遭遇した場合には、 を使ってすべての ports のアップグレードや再構築を行なってください。 &prompt.root; portmaster -af Portmaster を使ってシステムに新しい ports をインストールしたり、 新しい port のコンパイルやインストール前に依存するすべての port をアップグレードできます。この機能を使う時には、 Ports Collection の場所を指定してください。 &prompt.root; portmaster shells/bash Portupgrade を用いた ports のアップグレード portupgrade Portupgrade は、 インストールした ports のアップグレードを行なうためのもう一つのユーティリティです。 ports-mgmt/portupgrade package または port から利用できます。 このユーティリティは ports を管理するために用いられるアプリケーションをインストールします。 Ruby に依存します。 port をインストールするには、以下を実行してください。 &prompt.root; cd /usr/ports/ports-mgmt/portupgrade &prompt.root; make install clean このユーティリティを使ってアップグレードを行う前に、 pkgdb -F を使って、 インストールされている ports の一覧を調べてください。 矛盾が検出された場合には修復してください。 システムにインストールされている port の中で古くなったものをすべてアップデートするには portupgrade -a を実行してください。 もし、すべての ports に対して個別にアップグレードするかどうかを確認したいのであれば、 を追加してください。 &prompt.root; portupgrade -ai ports で利用可能なすべてのアプリケーションではなく、 ある特定のアプリケーションだけを更新したいのであれば、 portupgrade pkgname を実行してください。 アップグレードするアプリケーションが依存しているすべての ports をまず先に更新したい場合には、 を使ってください。 &prompt.root; portupgrade -R firefox オプションを使うと、 portupgradePKG_PATH に登録されているローカルディレクトリから、 利用可能な package を探します。 ローカルに利用可能な packages が見つからなければ、 リモートサイトから package のダウンロードを試みます。 packages をローカルに見つけることができず、 リモートサイトからもダウンロードできない場合には、 portupgrade は ports からインストールを行ないます。 ports を使用したくなければ、 オプションを指定してください。 この最後のオプションを設定すると、 もし package が利用できなければ Portupgrade は終了します。 &prompt.root; portupgrade -PP gnome2 また、ビルドやインストールを行なわず、 distfiles または packages だけをダウンロードしたければ、 オプションを指定してください。 利用可能なすべてのオプションについては、 &man.portupgrade.1; のマニュアルを参照してください。 ports とディスク容量 ports ディスク容量 Ports Collection を使い続けていると、 そのうちディスクを食いつぶしてしまうでしょう。 ports をビルドしてインストールした後、 ports スケルトンで make clean を実行すると、作業用の work ディレクトリを削除します。 Portmaster を使って port をインストールする場合には、 を使わなければこのディレクトリは自動的に削除されます。 Portupgrade がインストールされている場合には、 以下のコマンドはローカルの Ports Collection に見つかったすべての work ディレクトリを削除します。 &prompt.root; portsclean -C さらに、時間が経つにつれ /usr/ports/distfiles には、古くなったソースファイルがたまっていきます。 Portupgrade がインストールされている場合には、 次のコマンドで、どの ports からも使われていない distfiles を削除できます。 &prompt.root; portsclean -D Portupgrade を使って、システムにインストールされている port から使われていない distfiles をすべて削除するには、以下のコマンドを使ってください。 &prompt.root; portsclean -DD もし Portmaster がインストールされているのであれば、以下を実行してください。 &prompt.root; portmaster --clean-distfiles デフォルトでは、このコマンドはインタラクティブに設定されているため、 ユーザに対して distfile を削除すべきかどうかを確認するプロンプトが表示されます。 これらのコマンドに加え、ports-mgmt/pkg_cutleaves package または port は、 必要なくなった ports を削除する作業を自動化します。 <application>Poudriere</application> を用いた package の構築 poudriere は、&os; package を作成したり、試験に用いられる BSD ライセンスのユーティリティです。 このユーティリティは、&os; jails を用いて、 独立したコンパイル環境を構築します。 これらの jail を使って、 インストールされている &os; のバージョンとは異なるバージョンの package を作成したり、ホストが &arch.amd64; のシステムでは、 i386 用の package を構築することもできます。 構築された package のレイアウトは公式のミラーと同じです。 これらの package は、&man.pkg.8; や他の package 管理ツールで利用できます。 ports-mgmt/poudriere package または port から poudriere をインストールしてください。 アプリケーションをインストールすると、サンプルの設定ファイルである /usr/local/etc/poudriere.conf.sample もインストールされます。 このファイルを /usr/local/etc/poudriere.conf にコピーして、 ローカルの環境に合わせて編集してください。 poudriere を実行するシステムで、 必ずしも ZFS を使う必要はありませんが、 有用です。ZFS を使う際には、 /usr/local/etc/poudriere.conf の中で ZPOOL を指定する必要があります。 そして、FREEBSD_HOST を最も近いミラーに設定してください。 CCACHE_DIR を定義することで、 devel/ccache を使ったコンパイルのキャッシュが可能となり、 コンパイルで頻繁に使われるコードの構築時間を短縮できます。 poudriere データセットを /poudriere にマウントされた独立したツリーに置くと良いでしょう。 他の値はデフォルトの値で十分です。 同時に走らせるコンパイル数の定義には、 認識されたコアプロセッサの数が用いられます。 RAM もしくはスワップ空間のどちらかの仮想メモリを十分用意してください。 もし、仮想メモリを使い切ってしまったら、jail の構築は中断し、 異常なメッセージが表示されることでしょう。 Jails および Port ツリーの初期化 設定が終わったら、poudriere を初期化して、必要とする &os; ツリーおよび jail、 そして ports ツリーをインストールしてください。 jail の名前を 、 &os; のバージョンを で指定してください。 &os;/&arch.amd64; システムでは、 を使ってアーキテクチャに i386 または amd64 を設定できます。 デフォルトでは、uname で表示されるアーキテクチャに設定されます。 &prompt.root; poudriere jail -c -j 10amd64 -v 10.0-RELEASE ====>> Creating 10amd64 fs... done ====>> Fetching base.txz for FreeBSD 10.0-RELEASE amd64 /poudriere/jails/10amd64/fromftp/base.txz 100% of 59 MB 1470 kBps 00m42s ====>> Extracting base.txz... done ====>> Fetching src.txz for FreeBSD 10.0-RELEASE amd64 /poudriere/jails/10amd64/fromftp/src.txz 100% of 107 MB 1476 kBps 01m14s ====>> Extracting src.txz... done ====>> Fetching games.txz for FreeBSD 10.0-RELEASE amd64 /poudriere/jails/10amd64/fromftp/games.txz 100% of 865 kB 734 kBps 00m01s ====>> Extracting games.txz... done ====>> Fetching lib32.txz for FreeBSD 10.0-RELEASE amd64 /poudriere/jails/10amd64/fromftp/lib32.txz 100% of 14 MB 1316 kBps 00m12s ====>> Extracting lib32.txz... done ====>> Cleaning up... done ====>> Jail 10amd64 10.0-RELEASE amd64 is ready to be used &prompt.root; poudriere ports -c -p local ====>> Creating local fs... done ====>> Extracting portstree "local"... Looking up portsnap.FreeBSD.org mirrors... 7 mirrors found. Fetching public key from ec2-eu-west-1.portsnap.freebsd.org... done. Fetching snapshot tag from ec2-eu-west-1.portsnap.freebsd.org... done. Fetching snapshot metadata... done. Fetching snapshot generated at Tue Feb 11 01:07:15 CET 2014: 94a3431f0ce567f6452ffde4fd3d7d3c6e1da143efec76100% of 69 MB 1246 kBps 00m57s Extracting snapshot... done. Verifying snapshot integrity... done. Fetching snapshot tag from ec2-eu-west-1.portsnap.freebsd.org... done. Fetching snapshot metadata... done. Updating from Tue Feb 11 01:07:15 CET 2014 to Tue Feb 11 16:05:20 CET 2014. Fetching 4 metadata patches... done. Applying metadata patches... done. Fetching 0 metadata files... done. Fetching 48 patches. (48/48) 100.00% done. done. Applying patches... done. Fetching 1 new ports or files... done. /poudriere/ports/tester/CHANGES /poudriere/ports/tester/COPYRIGHT [...] Building new INDEX files... done. 一つのコンピュータ上で、 複数の設定、複数の jails、異なる port ツリーから poudriere は port をビルドできます。 これらのコンビネーションのカスタム設定は セット と呼ばれます。 詳細については、ports-mgmt/poudriere もしくは ports-mgmt/poudriere-devel をインストール後、 &man.poudriere.8; の CUSTOMIZATION の章をご覧下さい。 ここで示される基本設定では、jail, ports そしてセット固有の make.conf/usr/local/etc/poudriere.d に置いてください。 この例でのファイル名 10amd64-local-workstation-make.conf は、jail 名、port 名そして、セット名の組み合わせで付けられています。 システムの make.conf と、この新しいファイルは、ビルド時に結合され、構築した jail で用いられる make.conf を作成します。 ビルドする package を 10amd64-local-workstation-pkglist に記載してください。 editors/emacs devel/git ports-mgmt/pkg ... 特定の ports に対し、 オプションや依存を設定してください。 - &prompt.root; poudriere options -j 10amd64 -p local -z workstation -f workstation-pkglist + &prompt.root; poudriere options -j 10amd64 -p local -z workstation -f 10amd64-local-workstation-pkglist 最後に packages を構築し、 package リポジトリを生成してください。 - &prompt.root; poudriere bulk -j 10amd64 -p local -z workstation -f workstation-pkglist + &prompt.root; poudriere bulk -j 10amd64 -p local -z workstation -f 10amd64-local-workstation-pkglist Ctrlt は現在のビルド状況を表示します。 Poudriere/poudriere/logs/bulk/jailname にあるファイルも構築します。 このファイルをウェブサーバと共に使うことで、 ビルド情報を表示できます。 これで poudriere リポジトリを package のインストールに利用できるようになりました。 poudriere を利用する上でのより多くの情報については、 &man.poudriere.8; およびメインのウェブサイトである + xlink:href="https://github.com/freebsd/poudriere/wiki"> を参照してください。 インストール後の作業 バイナリ package もしくは port のどちらを用いてソフトウェアをインストールするかに関わらず、 サードパーティ製のアプリケーションの多くは、 インストール後にある程度の設定を必要とします。 以下のコマンドや場所の情報は、 アプリケーションとともに何がインストールされたかを知るための助けとなるでしょう。 多くのアプリケーションでは、 デフォルトの設定ファイルが、少なくとも一つは /usr/local/etc にインストールされます。 数多くの設定ファイルを持つようなアプリケーションでは、 それらのファイルを格納するためにサブディレクトリを作成するものもあります。 サンプルの設定ファイルは、しばしば .sample といった拡張子がついた名前でインストールされます。 設定ファイルを確認し、 必要に応じてシステムの要求に合うように編集してください。 最初にサンプルファイルを .sample を外した名前のファイルにコピーしてから、編集してください。 ドキュメントが付属しているアプリケーションは、 ドキュメントを /usr/local/share/doc にインストールします。また、 多くのアプリケーションは、マニュアルページもインストールします。 これらのドキュメントは、 アプリケーションを使い続ける前に見ておくべきものです。 ある種のアプリケーションでは、 サービスを実行するためには、 アプリケーションの起動前に、 /etc/rc.conf に追加する必要があります。 これらのアプリケーションでは、通常、 スタートアップスクリプトが /usr/local/etc/rc.d にインストールされます。詳細は、 サービスの起動 をご覧ください。 &man.csh.1; のユーザは、 rehash を実行して、 シェルの PATH のバイナリリストを再構築してください。 pkg info を使って、アプリケーションと共にインストールされたファイル、 マニュアルページ、およびバイナリを調べることができます。 うまく動作しない ports に遭遇した場合には port をうまくコンパイルできなかったりインストールできない場合には、 以下を試してください。 その port に対する修正案が提出されていないかどうかを 障害報告 (Problem Report) データベース で調べてください。 もし提案されていれば、 その提案されている修正によって問題を解決できるかもしれません。 port の保守担当者に対応してもらいましょう。 port スケルトンで make maintainer と入力するか、 port の Makefile を読み、 保守担当者の電子メールアドレスを調べてください。 保守担当者にメールを送る際には、port の Makefile$FreeBSD: 行、 そしてエラーが出力されるまでの出力ログを忘れずに添付してください。 特定の保守担当者が存在せず、かわりに メーリングリスト が保守している ports があります。 そのような場合には、メールアドレスは freebsd-listname@FreeBSD.org のようになります。 メールを送る際には、このことに気をつけてください。 特に ports@FreeBSD.org が保守している ports には、保守担当者がいません。 そのかわり、 そのメーリングリストを購読する人々からなるコミュニティが、 修正や対応をおこなっています。 もっとボランティアが必要です! メールに対して返信がなければ、 &os; 障害報告の書き方 に書かれている手順にしたがって、 &man.send-pr.1; を使ってバグレポートを提出してください。 自分で直しましょう! ports システムに関する詳細な情報は port 作成者のためのハンドブック にあります。 このセクションを読むと、壊れてしまった port を直したり、 自分で作った port を提出したりできるようになります! に書かれている手順にしたがって、 package をインストールしてください。