diff --git a/ja_JP.eucJP/man/man8/ntpdc.8 b/ja_JP.eucJP/man/man8/ntpdc.8 index ddfd7516c8..3a695ebd82 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/man8/ntpdc.8 +++ b/ja_JP.eucJP/man/man8/ntpdc.8 @@ -1,619 +1,619 @@ .\" .\" %FreeBSD: src/usr.sbin/ntp/doc/ntpdc.8,v 1.2.2.6 2002/01/24 11:59:15 sheldonh Exp % .\" .\" $FreeBSD$ .Dd January 7, 2000 .\" WORD: dotted-quad form ドットで 4 つの部分に区切られた形式 .\" WORD: local clock ローカル時計 .\" WORD: request リクエスト (名詞の場合) .\" WORD: common key 共通鍵 .\" WORD: key identifier 鍵の識別子 .\" WORD: key number 鍵番号 .\" WORD: The following options are available: .\" WORD: 以下のオプションが使用可能です: .\" WORD: falsetick 偽時計 .\" WORD: the precision time kernel modifications are in use .\" WORD: カーネルに高精度な時刻保持のための変更がなされている .\" WORD: discipline 規律 .\" WORD: association .\" WORD: 無理に訳さなかった (ntp.conf.5, ntpq.8 とは不整合) .\" WORD: reference clock 参照クロック .\" WORD: symmetric active 対称的アクティブ .\" WORD: symmetric passive 対称的パッシブ .Dt NTPDC 8 .Os .Sh 名称 .Nm ntpdc .Nd NTP の特別な問い合わせプログラム .Sh 書式 .Nm .Op Fl ilnps .Op Fl c Ar command .Op Ar host ... .Sh 解説 .Nm は .Xr ntpd 8 デーモンの現在の状態について問い合わせたり、状態の変更を要求する際に使 われます。このプログラムは、対話的モードで実行させることも コマンドライン引数を使って制御することもできます。 広範囲にわたる状態や統計の情報が、 .Nm のインタフェースを通じて提供されています。 それに加えて、 .Xr ntpd 8 の設定ファイルを使って起動時に指定できるほとんどすべて の設定オプションが、 .Nm を使って、実行時にも指定できます。 .Pp 以下のオプションが使用可能です: .Bl -tag -width indent .It Fl c Ar command 次の引数が対話的なフォーマットのコマンドとして解釈され、 指定されたホスト (群) 上で実行すべきコマンドのリストに 付け加えられます。 複数の .Fl c オプションを与えることもできます。 .It Fl i .Nm を強制的に対話的モードで動作させます。標準出力にプロンプトが 表示され、標準入力からコマンドが読み込まれます。 .It Fl l サーバ (群) が知っている通信相手 (peer) のリストを取得します。 このスイッチは、 .Ql -c listpeers と同等です。 .It Fl n すべてのホストアドレスを、ドットで 4 つの部分に区切られた数値の形式で出力し、 正規のホスト名に変換しません。 .It Fl p サーバが知っている通信相手のリストと、それらの状態の概要を出力します。 これは、 .Ql -c peers と同等です。 .It Fl s サーバが知っている通信相手のリストと、それらの状態の概要を、 .Fl p スイッチとは少し異なるフォーマットで出力します。 これは .Ql -c dmpeers と同等です。 .El .Pp .Nm が実行されたとき、1 つ以上のリクエストオプションが コマンドラインに含まれる場合は、それぞれのリクエストは、コマンドライン 引数で与えられた各ホスト (デフォルトでは localhost ) で動いている NTP サーバに送られます。 リクエストオプションが与えられなかった場合、 .Nm は、コマンドを標準入力から読み込み、 コマンドラインで指定された最初のホストで動いている NTP サーバに対して実行しようとします。 このときも、 ホストが指定されていないときは、デフォルトで localhost になります。 .Nm は、標準入力が端末である場合は、プロンプトを出してコマンドを受け付けます。 .Pp .Nm は、NTP サーバとの通信に NTP モード 7 パケットを使うため、 ネットワーク上でそれを許すような互換サーバへの問い合わせに使用できます。 NTP は UDP のプロトコルなので、特にネットワークトポロジ的に 遠くにある場合は、この通信はやや信頼性に欠けるということに注意して ください。 .Nm は、リクエストを再送する試みを行ないません。適当な制限時間の 範囲内でリモートホストから返事がなかったときは、時間切れとなります。 .Pp .Nm の動作は .Xr ntpd 8 の特定の実装に特化しており、このデーモンまたは、古いバージョンのものの いくつかに対してしか動かないでしょう。 リモートの .Nm プログラムからのリクエストがローカルサーバの状態を変更する場合は、 そのリクエストが認証される必要があります。その際に、 リモートプログラムとローカルサーバの両方が共通鍵と鍵の識別子を共有する ことが必要です。 .Fl i または .Fl n 以外のコマンドラインオプションを指定すると、指定したホスト (群) に、 指定した問い合わせ (または複数の問い合わせ) を直ちに送ることになります。 指定しなかった場合、 .Nm は標準入力から対話的なフォーマットのコマンドを読み込もうとします。 .Ss 対話的コマンド 対話的なフォーマットのコマンドは、キーワードとそれに続く 0 から 4 個の 引数から構成されます。キーワード全長のうち、他と区別できる文字数が タイプされれば、有効になります。 コマンドの出力は通常標準出力に送られますが、コマンドライン上で .\"kuma 英語版は .Ql \&; であった。訂正要求を send-pr 予定 .Ql \&> に続けてファイル名を指定することで、個々のコマンドの出力を ファイルに送ることができます。 .Pp いくつかの対話的フォーマットのコマンドは、 .Nm プログラム自身の中で全体が実行され、サーバへの NTP モード 7 リクエストは 送られません。この種類のコマンドには以下のものがあります: .Bl -tag -width indent .It Ic \&? Ar command_keyword .It Ic help Ar command_keyword 単独の .Ic \&? は、 .Nm が知っているすべてのコマンドキーワードのリストを出力します。 .Ic \&? の後にコマンドキーワードが続くときは、コマンドの機能と用法を出力します。この コマンドは、 .Xr ntpq 8 に関して、多分このマニュアルよりも良い情報源となるでしょう。 .It Ic delay Ar milliseconds 認証を求めるリクエストに含まれるタイムスタンプに加えられる時間間隔を 指定します。これは、長い遅延のあるネットワーク経路や時計の同期していない マシン間で (信頼できない) サーバの再設定ができるようにするために 使われます。 実際にはもうサーバは認証リクエストにおいてタイムスタンプを要求しませんので、 このコマンドはもはや用いられないかもしれません。 .It Ic host Ar hostname 今後問い合わせを送るホストを指定します。 ホスト名 は、ホストの名前でも数値アドレスでもかまいません。 .It Ic hostnames Op Cm yes | Cm no .Cm yes が指定されると、情報の表示の際、ホスト名が使用されます。 .Cm no が与えられると、代わりに数値アドレスが使用されます。 コマンドラインの .Fl n スイッチによって変えられていなければ、 デフォルトは .Cm yes になります。 .It Ic keyid Ar keyid このコマンドで、認証設定リクエストに使われる鍵番号を指定できます。 この番号は、この目的で使うためにサーバに設定しておいた鍵番号に対応して いなければなりません。 .It Ic quit .Nm を終了します。 .It Ic passwd このコマンドは、認証設定リクエストに使われるパスワードの入力 (画面に表示されません) を求めるプロンプトを出します。 このリクエストが成功するためには、NTP サーバが認証のために使うよう 設定した鍵に、パスワードが対応していなければなりません。 .It Ic timeout Ar milliseconds サーバへの問い合わせに対する応答の制限時間を指定します。デフォルト は、約 8000 ミリ秒です。 .Nm はそれぞれの問い合わせに対して時間切れを待ったあと再試行するため、 合計の待ち時間は設定された制限時間の値の 2 倍になることに注意してください。 .\" XXX retry しないんじゃなかったの? .El .Ss 制御メッセージコマンド 問い合わせコマンドは、情報を要求する NTP モード 7 パケットをサーバに送ります。 これらは、サーバの設定状態を変更しない 読み込み専用 コマンドです。 .Bl -tag -width indent .It Ic listpeers サーバが状態を管理する通信相手の簡略なリストを得て、出力します。 これには、サーバが今後同期する可能性のある候補であるとみなす階層の 通信相手とのアソシエーションを含め、 設定された通信相手とのアソシエーションのすべてを含んでいるはずです。 .It Ic peers サーバが状態を管理する通信相手と、その状態の概要を出力します。 状態の概要は、以下のものを含みます。すなわち、リモートの通信相手のアドレス、 ローカルインタフェースアドレス (ローカルアドレスが決まっていないなら 0.0.0.0)、リモートの通信相手の階層 (階層 16 は、リモートの通信相手が同期し ていない事を示します)、秒で表すポーリング間隔、8 進で表す到達可能性レジスタ、 通信相手の遅れ、オフセット、ばらつきを秒で表した現在の推定値です。 .Pp 左端の文字は、この通信相手エントリが操作しているモードを 示します。 .Ql \&+ は対称的アクティブを、 .Ql \&- は対称的パッシブを表し、 .Ql \&= は、リモートサーバがクライアントモードでポーリングされていることを意味し、 .Ql \&^ は、サーバがこのアドレスにブロードキャストしていることを示し、 .Ql \&~ は、リモートの通信相手がブロードキャストを送っていることを示し、 .Ql \&* は、サーバが現在同期している通信相手であることを示します。 .Pp ホストフィールドの内容は、ホスト名、IP アドレス、 参照クロック実装名とパラメータ、あるいは、 .Fn REFCLK "implementation number" "parameter" の 4 つの形のうち 1 つです。 .Ic hostnames .Cm no の状態では、IP アドレスだけが表示されます。 .It Ic dmpeers 少々異なる通信相手概要リストです。 行の左端の文字以外は .Ic peers と同じ出力になります。 文字は、時計選択アルゴリズムの最後のステージに含まれる通信相手の隣にだけ 現れます。 .Ql \&. は、偽時計検出でこの通信相手が捨てられたことを、 .Ql \&+ は検出により同期対象として適切であると判断されたことを示します。 .Ql \&* は、通信相手であるサーバは現在同期しているサーバであることを示しています。 .It Ic showpeer Ar peer_address ... 1 つ以上の通信相手に対して、現在の通信相手の変数に関する詳細な内容を 表示します。 ほとんどの値に関しては、NTP バージョン 2 仕様書に詳しく述べられています。 .It Ic pstats Ar peer_address ... 指定した通信相手に関連する統計カウンタを通信相手毎に表示します。 .It Ic clockinfo Ar clock_peer_address ... 通信相手の時計に関する情報を得て、それを表示します。得られた値は、 設定上のあいまいな要因の情報と他の時計性能の情報を 提供してくれます。 .It Ic kerninfo カーネルのフェーズロックループ操作パラメータを得て、それを表示します。 この情報は、精度の高い時刻保持機能のために、カーネルが特に 修正されている場合にだけ得られます。 .It Ic loopinfo Op Cm oneline | Cm multiline 選択されたループフィルタ変数の値を表示します。ループフィルタとは、 ローカルシステム時計の調節を行なう NTP の一部です。 .Sq offset は、パケット処理コードによってループフィルタに与えられた最後のオフセットです。 .Sq frequency は、100 万分の 1 (ppm) で表わされるローカル時計の周波数誤差です。 .Sq time_const は、フェーズロックループの 堅固さ (stiffness)、 つまり発振器のゆらぎを調整する速度を制御します。 .Sq watchdog timer の値は、ループフィルタに最後のサンプルのオフセットが与えられてから 経過した秒数です。 .Cm oneline と .Cm multiline オプションはこの情報が 出力されるフォーマットの指定で、 .Cm multiline がデフォルトです。 .It Ic sysinfo システム状態変数、すなわち、ローカルサーバに関するさまざまな状態を 表示します。 最後の 4 行以外は、皆 NTP バージョン 3 仕様である RFC-1305 で 述べられています。 .Pp .Sq system flags は、いろいろなシステムフラグを表示し、一部は .Ic enable 及び .Ic disable 設定コマンドで、それぞれの設定やクリアができます。 それらのフラグは .Cm auth , .Cm bclient , .Cm monitor , .Cm pll , .Cm pps , .Cm stats です。 これらのフラグの意味については、 .Xr ntpd 8 の文書を参照して下さい。 その他に .Cm kernel_pll と .Cm kernel_pps という 読み込み専用のフラグが 2 つあります。 カーネルに高精度な時刻保持のための変更がなされている時に、 これらのフラグは同期状態を示します。 .Sq kernel_pll は kernel がローカル時計を学習されていることを示し、 .Sq kernel_pps は PPS 信号により kernel が学習していることを 示します。 .Pp .Sq stability は、システム周波数の修正がされた後に残る残留周波数誤差で、 保守やデバッグに使われます。 多くのアーキテクチャでは、この値は初期の 500 ppm 程度から、.01 から 0.1 ppm という低い範囲にまで減少します。 もしデーモンが起動後しばらくしてもこの値が高いままである場合は、 ローカルな時計がどこかおかしいか、カーネル変数 -.Va kern.clocrate.tick +.Va kern.clockrate.tick が正しくないかもしれません。 .Pp .\"kuma .Ic -> .Sq, send-pr 提出予定 .Sq broadcastdelay は、 .Sq broadcastdelay 設定コマンドで設定されるデフォルトのブロードキャスト遅延時間を 表示します。 .Pp .Sq authdelay は、 .Ic authdelay 設定コマンドで設定されるデフォルトの認証遅延時間を表示します。 .It Ic sysstats プロトコルモジュールで管理される統計カウンタを表示します。 .It Ic memstats メモリ割り当てコードに関する統計カウンタを表示します。 .It Ic iostats 入出力モジュールで管理される統計カウンタを表示します。 .It Ic timerstats タイマ/イベントキューをサポートするコードで管理される統計カウンタを表示します。 .It Ic reslist サーバの制限リストを得て、表示します。このリストは、 (通常) ソートされた順で出力され、制限がどのように適用されるかを 理解する助けになるかもしれません。 .It Ic monlist Op Ar version モニタ機能により収集、管理されるトラフィックカウントの値を得て、表示します。 通常、バージョン番号は指定する必要がありません。 .\"kuma clock_peer_address に Ar 修飾子付加は send-pr 予定(2001-12-25) .It Ic clkbug Ar clock_peer_address ... 参照クロックドライバのデバッグ情報を得ます。この情報は、 一部の時計ドライバでのみ提供され、 ドライバのソースのコピーが手元に無い場合、ほとんどデコードできません。 .El .Ss 実行時設定リクエスト サーバ内で状態を変更するようなリクエストは、 設定された NTP 鍵を使って、サーバがすべてを認証します (この機能はサーバ側で鍵を設定しないことにより、無効にすることもできます)。 鍵番号とそれに対応する鍵を、 .Nm にも知らせておかねばなりません。 これは、 .Ic keyid と .Ic passwd コマンドを使えば可能で、後者では、暗号化鍵を使うために パスワードを求めるプロンプトを端末に出します。 サーバにより認証されるリクエストを送出するコマンドが最初に与えられた 時点にもまた、自動的に鍵番号とパスワード両方の入力が要求されます。 認証は、リクエスト送出側がそのような変更をする権限を持っているか どうかを検証するだけでなく、送信エラーに対するより一層の保護を 提供することになります。 .Pp 認証されるリクエストは、常にパケットデータの中にタイムスタンプを 含んでいます。これは認証コードの計算に含まれます。 このタイムスタンプは、サーバによって受信時刻と比較されます。 この差がある小さな値より大きければ、そのリクエストは拒否されます。 これには 2 つの理由があります。 1 つ目は、あなたの LAN のトラフィックを盗み聞きできる誰かが、サーバへ 単純な繰り返し攻撃 (replay attack) を行なうことをより困難にします。 2 つ目は、ネットワーク的に 離れたホストから、あなたのサーバへ設定変更リクエストを行なうことを より困難にします。 この再設定機能は、ローカルホストのサーバに対してはうまくいきますし、 同じ LAN 上にある時刻同期したホストでも普通に行なえますが、 より離れたホストでは非常にやりにくくなっています。 したがって、適当なパスワードを選択し、鍵の配布と防護に注意を払い、 適切な送信元アドレス制限が施されれば、実行時再設定の機能については 適切なセキュリティレベルにあることになります。 .Pp 以下のコマンドは皆、認証を必要とするリクエストです。 .Bl -tag -width indent .It Xo Ic addpeer Ar peer_address .Op Ar keyid .Op Ar version .Op Cm prefer .Xc 与えられたアドレスにある通信相手アソシエーションを設定に追加し、 そのアソシエーションを対称的アクティブモードで動作させます。 その通信相手とすでにアソシエーションが存在している場合、 そのアソシエーションは このコマンドが実行されたときに削除 されるか、単に新しい設定に従うよう適当に変更されることに注意してください。 オプションの .Ar keyid が 0 でない整数の場合、リモートサーバに 出ていくすべてのパケットは、この鍵により暗号化された 認証フィールドを付加されることになります。値が 0 の場合 (または指定されなかった場合)、認証は行なわれません。 .Ar version は、1, 2, 3 のどれでもよく、デフォルトでは 3 になります。 .Cm prefer キーワードは、優先する通信相手を示します (その結果、可能であれば主要な時計同期元として使用されます)。 優先する通信相手は、 PPS 信号の信頼性も決めます。優先する通信相手が同期に 適している場合、PPS 信号も同期に適していると判断されます。 .It Xo Ic addserver Ar peer_address .Op Ar keyid .Op Ar version .Op Cm prefer .Xc 操作モードがクライアントであること以外は、 addpeer コマンドと同等です。 .It Xo Ic broadcast .Ar peer_address .Op Ar keyid .Op Ar version .Op Cm prefer .Xc 操作モードがブロードキャストであること以外は、 .Ic addpeer コマンドと同等です。この場合、正当な鍵の識別子と鍵が必要になります。 .Ar peer_address パラメータは、ローカルネットワークのブロードキャストアドレスか、または NTP に割り当てられたマルチキャストグループアドレスにできます。 マルチキャストアドレスの場合、マルチキャストに対応したカーネルが 必要になります。 .It Ic unconfig Ar peer_address ... このコマンドは、指定した通信相手 (群) から設定済みを表すビットを除去します。 多くの場合、これによってその通信相手とのアソシエーションが 削除されることになります。 しかしながら、リモートの通信相手が未設定状態の継続を希望し、 それが適切である場合は、アソシエーションは未設定モードのまま 残る場合もあります。 .It Xo Ic fudge Ar peer_address .Op Cm time1 .Op Cm time2 .Op Ar stratum .Op Ar refid .Xc このコマンドは、あるデータを参照クロックとしてセットできるようにします。 詳細な情報は、ソースリストを参照してください。 .\"kuma 以下2つに Ic を追加、これも send-pr 予定(2001-12-25) .It Ic enable Ar flag ... .It Ic disable Ar flag ... これらのコマンドは .Xr ntpd 8 の設定ファイルにおける .Ic enable や .Ic disable と同じ方法で操作します。 以下はフラグの説明です。 .Cm auth , .Cm bclient , .Cm monitor , .Cm pll , .Cm pps , .Cm stats フラグのみが .Nm で設定でき、 .Cm pll_kernel , .Cm pps_kernel フラグは読み込み専用であることに 注意してください。 .Bl -tag -width indent .It Cm auth 通信相手が信頼できる鍵と 鍵の識別子を使って正しく認証されたときだけ、未設定の 通信相手にサーバを同期させるようにします。 デフォルトでは有効になっています。 .It Cm bclient デフォルトアドレス付きの .Ic mutlicastclient コマンドの場合と同様に、 ブロードキャストサーバやマルチキャストサーバからのメッセージを 聞く (listen) ようにします。 デフォルトでは無効になっています。 .It Cm monitor モニタ機能を有効にします。詳細な情報については、 .Ic monlist コマンドを参照して下さい。 デフォルトでは有効になっています。 .It Cm pll サーバが NTP を使ってローカル時計を合わせるようにします。 無効の場合は、ローカル時計は 内部の時間および周波数オフセットによって勝手に動作することになります。 このフラグは、ローカル時計が他のデバイスやプロトコルにより制御されていて、 NTP は他のクライアントが同期するためだけに使われるような場合に便利です。 この場合、ローカル時計ドライバが使用されます。 より詳細な情報は .Qq "参照クロックドライバ" のページを参照してください (より詳細な情報については、 .Pa /usr/share/doc/ntp ページにある HTML 文書の一部が利用可能です)。 デフォルトでは有効になっています。 .It Cm pps 高精度な時刻保持のための変更がなされたカーネルにより、 周波数と時刻が学習されている場合に、 1 秒ごとのパルス信号 (PPS) を有効にします。 より詳細な情報は .Qq "高精度な時刻保持のためのカーネルモデル" のページを参照してください。 デフォルトでは無効になっています。 .It Cm stats 統計機能を有効にします。 より詳細な情報は .Xr ntp.conf 5 マニュアルページの .Sx 監視機能のサポート 節を参照してください。 デフォルトでは有効になっています。 .It Cm pll_kernel 高精度な時刻保持のための変更がカーネルになされている場合、 カーネルが時計の学習を制御していることを示します。 そうでない場合はデーモンが時計の学習を制御しています。 .It Cm pps_kernel 高精度な時刻保持のための変更がカーネルになされており、 また1 秒ごとのパルス信号 (PPS) が存在している場合、 PPS 信号が時計の学習を制御していることを示します。 そうでない場合は .Cm pll_kernel フラグの示すとおり、 デーモンまたはカーネルが時計の学習を制御しています。 .El .It Xo Ic restrict Ar address Ar mask .Ar flag ... .Xc このコマンドは .Xr ntpd 8 の .Ic restrict 設定ファイルコマンドと同様に動作します。 .It Xo Ic unrestrict Ar address Ar mask .Ar flag ... .Xc 制限リストにおいて、マッチしたエントリの制限を解除します。 .It Xo Ic delrestrict Ar address Ar mask .Op Cm ntpport .Xc 制限リストから一致するエントリを削除します。 .It Ic readkeys 現在の認証鍵のセットを一掃し、鍵ファイル (これは .Xr ntpd 8 設定ファイルの中で指定されていなければなりません) の 再読み込みを行なって新しいセットにします。 こうすることで、サーバを再スタートさせずに暗号化鍵の変更ができます。 .It Ic trustedkey Ar keyid ... .It Ic untrustedkey Ar keyid ... これらのコマンドは .Xr ntpd 8 の .Ic trustedkey 設定ファイルコマンドや .Ic untrustedkey 設定ファイルコマンドと同様に動作します。 .It Ic authinfo 既知の鍵や実行した暗号化、復号化の数を含む、認証モジュールに関する 情報を返します。 .It Ic traps サーバに設定されているトラップを表示します。 詳細はソースリストを参照してください。 .It Xo Ic addtrap Ar address .Op Ar port .Op Ar interface .Xc 非同期メッセージに対するトラップをセットします。 詳細はソースリストを参照してください。 .It Xo Ic clrtrap Ar address .Op Ar port .Op Ar interface .Xc 非同期メッセージに対するトラップを解除します。 詳細はソースリストを参照してください。 .It Ic reset サーバのいろいろなモジュールのなかの統計カウンタをクリアします。 詳細はソースリストを参照してください。 .El .Sh 関連項目 .Xr ntp.conf 5 , .Xr ntpd 8 .Rs .%A David L. Mills .%T Network Time Protocol (Version 3) .%O RFC1305 .Re .Sh バグ .Nm は、未完成のハックです。表示される情報の多くは死ぬほど退屈で、実装した 人間だけに気に入られるものです。このプログラムは、新しい (そして一時的な) 仕様を追加しやすいようデザインされており、使いやすくするしようとすると 無茶苦茶手間が かかります。それでも、このプログラムは、場合によっては有用です。 diff --git a/ja_JP.eucJP/man/man8/pccardc.8 b/ja_JP.eucJP/man/man8/pccardc.8 index f09f33bc90..518456f671 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/man8/pccardc.8 +++ b/ja_JP.eucJP/man/man8/pccardc.8 @@ -1,263 +1,263 @@ .\" .\" Copyright (c) 1998 Toshihiko ARAI .\" All rights reserved. .\" .\" Redistribution and use in source and binary forms, with or without .\" modification, are permitted provided that the following conditions .\" are met: .\" 1. Redistributions of source code must retain the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer. .\" 2. Redistributions in binary form must reproduce the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer in the .\" documentation and/or other materials provided with the distribution. .\" 3. The name of the author may not be used to endorse or promote products .\" derived from this software without specific prior written permission. .\" .\" THIS SOFTWARE IS PROVIDED BY THE AUTHOR ``AS IS'' AND ANY EXPRESS OR .\" IMPLIED WARRANTIES, INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, THE IMPLIED WARRANTIES .\" OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE ARE DISCLAIMED. .\" IN NO EVENT SHALL THE AUTHOR BE LIABLE FOR ANY DIRECT, INDIRECT, .\" INCIDENTAL, SPECIAL, EXEMPLARY, OR CONSEQUENTIAL DAMAGES (INCLUDING, BUT .\" NOT LIMITED TO, PROCUREMENT OF SUBSTITUTE GOODS OR SERVICES; LOSS OF USE, .\" DATA, OR PROFITS; OR BUSINESS INTERRUPTION) HOWEVER CAUSED AND ON ANY .\" THEORY OF LIABILITY, WHETHER IN CONTRACT, STRICT LIABILITY, OR TORT .\" (INCLUDING NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY OUT OF THE USE OF .\" THIS SOFTWARE, EVEN IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF SUCH DAMAGE. .\" .\" Translated to English by Hiroki Sato .\" .\" %FreeBSD: src/usr.sbin/pccard/pccardc/pccardc.8,v 1.7.2.6 2001/08/16 15:56:12 ru Exp % .\" -.\" $FreeBSD: doc/ja_JP.eucJP/man/man8/pccardc.8,v 1.10 2001/07/29 05:15:29 horikawa Exp $ +.\" $FreeBSD$ .\" 原文である PAO の pccardc.8 をほぼそのまま利用しています .Dd November 14, 1998 .Dt PCCARDC 8 .Os .Sh 名称 .Nm pccardc .Nd PC-CARD (PCMCIA) の制御とモニタを行うツール .Sh 書式 .Nm .Ar subcommand .Op Ar arg ... .Sh 解説 .Nm は PC-CARD スロットの制御と、PCMCIA カードの設定や情報表示を行います。 .Nm は次のサブコマンドを理解します: .Pp .Bl -tag -width pccardmem -compact .It Ic beep ビープタイプを設定します .It Ic dumpcis カードの CIS (複数可) を表示します .It Ic enabler デバイスドライバのイネーブラ .It Ic help コマンドのまとめを表示します .It Ic pccardmem pccard ドライバにメモリを割り当てます .It Ic power スロットの電源をオン/オフします .It Ic rdattr アトリビュートメモリを読み込みます .It Ic rdmap pcic マッピングを読み込みます .It Ic rdreg pcic レジスタを読み込みます .It Ic wrattr アトリビュートメモリへバイトを書き込みます .It Ic wrreg pcic レジスタへ書き込みます .El .Bl -enum .It -.Ic beep Ar 0|1 +.Ic beep Ar beep_mode .Pp カード挿抜時のサウンド種別を設定します。 本サブコマンドは、 .Xr rc.conf 5 中の .Va pccard_beep に対応します。 .Ar beep_mode に使用可能な値は次の通りです: .Pp .Bl -tag -width Ds -compact .It Li 0 サイレントモード .It Li 1 シンプルビープモード .It Li 2 メロディモード .El .It .Ic dumpcis .Op Ar slot .Pp カードの不揮発性メモリ (EEPROM) に格納されている .Em CIS (Card Information Structure) タプルを表示します。 .Ar slot は、どのスロットを読み込むのかを指定します。 オプションを指定しないと、利用可能なすべてのカードの CIS を表示します。 .It .Ic enabler Ar slot driver .Op Fl m Ar card addr size .Op Fl a Ar iobase .Op Fl i Ar irq .Pp 「ポイントイネーブラ」です。 .Xr pccardd 8 によるドライバの割り当てがうまく動作しないときに、 手動でパラメータを設定するために使用します。 .Ar slot で PC-CARD スロットを指定し、 .Ar driver でデバイス名 ("ed0" や "sio2" など) を指定し、 それと同時に次のオプションの一部またはすべてを指定します: .Bl -tag -width Ds .It Fl m Ar card addr size カードの共有メモリウィンドウをホストアドレスにマップします。 .Ar card はカードのアドレス空間での共有メモリ開始アドレス (16 進数) であり、 .Ar addr はホスト側のアドレス空間でのマップするメモリのアドレス (16 進数) であり、 .Ar size はメモリウィンドウのサイズ (kb) です。 .It Fl a Ar iobase .Ar iobase は、I/O ウィンドウをマップするポート番号 (16 進数) を指定します。 .It Fl i Ar irq .Ar irq は、カードが割り込みに使用する IRQ (1 から 15 までの 10 進数) を指定します。 .El .Pp 例えば .Bd -literal enabler 0 ed0 -m 2000 d4000 16 -a 300 -i 3 .Ed .Pp は、スロット 0 を、ポート 0x300 で IRQ 3 にある -最初の NE200 イーサネットカードドライバに割り当て、 +最初の NE2000 イーサネットカードドライバに割り当て、 カード内の 0x2000 からの 16KB のメモリ領域を 0xd4000 にマップします。 .Pp いままでにも壊れた CIS タプルのために認識できないカードを この機能で使用することができたようです。また、動作報告 のまだ無いカードをテストするときにも有用でしょう。 それでも、新しいカードを正しく認識できないことが多いので、注意して下さい。 .It .Ic help .Pp .Nm のヘルプを表示します。 .It .Ic pccardmem Ar addr .Pp PC-CARD コントローラ (PCIC) がカードをマップするために使用する ホストアドレスを指定します。 PCIC は 16KB の連続するメモリを必要とするため、 指定可能なアドレスは次の 4 通りとなります: .Pp .Bl -tag -width 0xd0000 -compact .It Ar 0xd0000 0xd0000-0xd3fff (デフォルト) .It Ar 0xd4000 0xd4000-0xd7fff .It Ar 0xd8000 0xd8000-0xdbfff .It Ar 0xdc000 0xdc000-0xdffff .El .Pp 0xd0000 の代わりに "DEFAULT" を指定可能です。 このサブコマンドは、 .Xr rc.conf 5 の .Va pccard_mem に対応します。 .It .Ic power Ar slot power_mode .Pp .Ar slot で指定されるスロット中のカードの給電状態を変えます。 .Pp .Bl -tag -width Ds .It Li 0 給電をオフにします。 活性状態で抜くとカードが不安定になる場合、 本機能によりまず強制的に不活性状態として、安全にカードを取り除けます。 .It Li 1 給電をオンにし、カード挿入時と同様に活性状態にします。 .El .Pp .It .Ic rdattr Ar slot offs length .Pp スロット .Ar slot で .Ar offs から開始する .Ar length バイトの不揮発性メモリ (EEPROM) を、16 進ダンプ表示します。 すべてのパラメータは 16 進数です。 .It .Ic rdmap .Op Ar slot .Pp PC-CARD スロットの 4 つのメモリウィンドウと 2 つの I/O ウィンドウの ホストマシンへのマッピング状況を報告します。 .Ar slot を指定しない場合には、システム上の全スロットに関して表示します。 .It .Ic rdreg .Op Ar slot .Pp .Ar slot の 64 個のレジスタを表示します (デフォルトでは全スロットを対象とします)。 .It .Ic wrattr Ar slot offs value .Pp カードの不揮発性メモリ (EEPROM) の、先頭からのオフセット .Ar offs (16 進数) の 1 バイトを .Ar value (16 進数) で書き換えます。変更結果はカードを抜いても保存されます。 .It .Ic wrreg Ar slot reg value .Pp PC-CARD のレジスタへ書き込みます。 PC-CARD スロット番号は .Ar slot で指定し、レジスタ番号を .Ar reg (16 進数) で指定し、値を .Ar value (16 進数) で指定します。 .El .Sh 関連ファイル .Bl -tag -width /etc/rc.conf -compact .It Pa /etc/rc.conf 設定ファイル .El .Sh 関連項目 .Xr rc.conf 5 , .Xr pccardd 8 .Sh 作者 .An -nosplit オリジナルバージョンを .An Andrew McRae Aq andrew@mega.com.au が記述しました。 .An Tatsumi Hosokawa Aq hosokawa@mt.cs.keio.ac.jp がバグ修正と機能拡張を行いました。 このマニュアルページを .An Toshihiko ARAI Aq toshi@jp.FreeBSD.org が記述しました。 .Sh バグ .Ic enabler と .Ic wrattr の使用に際しては注意して下さい。 誤用すると、 システムを不安定にしたり、カードにダメージを与えるかもしれません。 diff --git a/ja_JP.eucJP/man/man8/ping.8 b/ja_JP.eucJP/man/man8/ping.8 index a50d022255..044644c553 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/man8/ping.8 +++ b/ja_JP.eucJP/man/man8/ping.8 @@ -1,464 +1,464 @@ .\" Copyright (c) 1985, 1991, 1993 .\" The Regents of the University of California. All rights reserved. .\" .\" Redistribution and use in source and binary forms, with or without .\" modification, are permitted provided that the following conditions .\" are met: .\" 1. Redistributions of source code must retain the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer. .\" 2. Redistributions in binary form must reproduce the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer in the .\" documentation and/or other materials provided with the distribution. .\" 3. All advertising materials mentioning features or use of this software .\" must display the following acknowledgement: .\" This product includes software developed by the University of .\" California, Berkeley and its contributors. .\" 4. Neither the name of the University nor the names of its contributors .\" may be used to endorse or promote products derived from this software .\" without specific prior written permission. .\" .\" THIS SOFTWARE IS PROVIDED BY THE REGENTS AND CONTRIBUTORS ``AS IS'' AND .\" ANY EXPRESS OR IMPLIED WARRANTIES, INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, THE .\" IMPLIED WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE .\" ARE DISCLAIMED. IN NO EVENT SHALL THE REGENTS OR CONTRIBUTORS BE LIABLE .\" FOR ANY DIRECT, INDIRECT, INCIDENTAL, SPECIAL, EXEMPLARY, OR CONSEQUENTIAL .\" DAMAGES (INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, PROCUREMENT OF SUBSTITUTE GOODS .\" OR SERVICES; LOSS OF USE, DATA, OR PROFITS; OR BUSINESS INTERRUPTION) .\" HOWEVER CAUSED AND ON ANY THEORY OF LIABILITY, WHETHER IN CONTRACT, STRICT .\" LIABILITY, OR TORT (INCLUDING NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY .\" OUT OF THE USE OF THIS SOFTWARE, EVEN IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF .\" SUCH DAMAGE. .\" .\" @(#)ping.8 8.2 (Berkeley) 12/11/93 .\" %FreeBSD: src/sbin/ping/ping.8,v 1.25.2.8 2002/02/14 09:24:36 maxim Exp % .\" .\" $FreeBSD$ .\" .Dd September 25, 2001 .Dt PING 8 .Os .Sh 名称 .Nm ping .Nd .Tn ICMP ECHO_REQUEST パケットをネットワーク上のホストへ送る .Sh 書式 .Nm .Op Fl AQRadfnqrv .Op Fl c Ar count .Op Fl i Ar wait .Op Fl l Ar preload .Op Fl m Ar ttl .Op Fl P Ar policy .Op Fl p Ar pattern .Op Fl s Ar packetsize .Op Fl S Ar src_addr .Op Fl t Ar timeout .Bo .Ar host | .Op Fl L .Op Fl I Ar interface .Op Fl T Ar ttl .Ar mcast-group .Bc .Sh 解説 .Nm は、 .Tn ICMP の .Tn ECHO_REQUEST データグラムを用いて、指定したホストやゲートウェイ からの .Tn ICMP ECHO_RESPONSE を引き出します。 .Tn ECHO_REQUEST -データグラム ( +データグラム .Pq Dq ping -) には IP および +には IP および .Tn ICMP ヘッダ、 .Dq struct timeval 、パケットの残りを埋める適当な数の .Dq pad バイトが順にあります。 オプションは以下の通りです: .Bl -tag -width indent .It Fl A 聴覚モード。 次のパケットを送信する前にパケットを受け取らないと、 ベル .Tn ( ASCII 0x07) 文字を出力します。 送信間隔よりも往復時間が長い場合のために、 未受信パケット数の最大値を増加させた場合のみ、 それを越えて喪失したパケットがベルを鳴らします。 .It Fl a 聴覚モード。パケットを受け取った時に、出力にベル .Tn ( ASCII 0x07) 文字を 含みます。このオプションは、別形式のオプションがある場合は無視されます。 .It Fl c Ar count .Tn ECHO_RESPONSE パケットを .Ar count 回送出 (そして受信) してから終了します。 本オプションが指定されない場合、 .Nm は割り込まれるまで動作を継続します。 .It Fl d 使用する socket に .Dv SO_DEBUG オプションを設定します。 .It Fl f .Tn ECHO_REQUEST ping を垂れ流します。 パケットが返って来るとすぐ、もしくは 100 分の 1 秒に 1 回のいずれか多い回数だけ パケットを出力します。 .Tn ECHO_REQUEST パケットを送るたびに .Dq .\& が表示され、 .Tn ECHO_REPLY パケットを受信するたびにバックスペースが表示されます。 これによりどれだけのパケットが欠落したのかをすばやく表示することができます。 スーパユーザのみ使用可能です .Bf -emphasis このオプションはネットワークに非常に負荷をかけるので、注意して使用する 必要があります。 .Ef .It Fl i Ar wait .Ar wait で指定した秒数だけパケットの送出間隔を空けます。 デフォルトでは送出間隔は 1 秒です。 より小さい値を指定できますが、 1 より小さい値を指定できるのはスーパユーザだけです。 このオプションは .Fl f オプションとは同時に指定できません。 .It Fl I Ar interface 与えられたインタフェースアドレスに対して、マルチキャストパケットを 送ります。このフラグは、 ping の宛先アドレスがマルチキャストアドレスの 場合だけに適用できます。 .It Fl l Ar preload 指定した .Ar preload 値だけ .Tn ECHO_REQUEST パケットを出来るだけ速く送信し、通常の動作に戻ります。 スーパユーザのみがこのオプションを使用できます。 .It Fl m Ar ttl 出力パケットの IP Time To Live を設定します。 指定しないと、カーネルは .Va net.inet.ip.ttl MIB 変数の値を使用します。 .It Fl L マルチキャストパケットのループバックを抑制します。 このフラグは、宛先アドレスがマルチキャストアドレスの場合だけ 適用できます。 .It Fl n 数値のみ出力します。ホストアドレスに対する名前を調べるようなことは しません。 .It Fl p Ar pattern 送出するパケットを埋める .Dq pad バイトを指定します。 .Dq pad バイトは 16 バイトを上限とします。 これはネットワーク上でデータ依存の問題を診断するときに有効です。たとえば .Dq Li \-p ff は全て 1 の送出パケットを生成します。 .It Fl P Ar policy .Ar policy は、ping セッションの IPsec ポリシを指定します。 詳細については .Xr ipsec 4 と .Xr ipsec_set_policy 3 を参照してください。 .It Fl Q いくらか静かな出力にします。 自己が行なった問い合わせに対しての応答に含まれる ICMP エラーメッセージは表示されません。 もともとは、 .Fl v オプションがそのようなエラーを表示するために必要でしたが、 .Fl v オプションは全ての ICMP エラーメッセージを表示します。忙しい機械上では、 この出力は更に負荷になるでしょう。 .Fl Q オプションを指定しないと、 .Nm は、 自己の ECHO_REQUEST メッセージに起因する ICMP エラーメッセージを表示します。 .It Fl q 出力を抑制します。開始時と終了時の要約行しか表示しません。 .It Fl R 指定ホストまでの到達経路を記録します。 .Tn ECHO_REQUEST パケット中に .Tn RECORD_ROUTE オプションをつけ、返送パケット上の経路バッファを表示します。IP ヘッダには 経路を 9 個収める大きさしかないことに注意してください; 特定の宛先に対してパケットを経路づけるには、通常 .Xr traceroute 8 コマンドを使う方が良いでしょう。 不正に偽ったパケットによるなどして しかるべき経路数よりも大くの経路が帰って来た場合、 ping は経路リストを表示し、正しい位置にまで縮めます。 多くのホストは .Tn RECORD_ROUTE オプションを無視するか捨てます。 .It Fl r 通常のルーティングテーブルを無視し、 直接接続されているネットワーク上のホストに対して送信します。 指定接続されたネットワーク上にホストが存在しない場合には、エラーが返されます。 このオプションは経路情報を持たないインタフェースを経由してローカル ホストに ping をかけるのに用いられます (たとえばインタフェースが .Xr routed 8 によってドロップされた後)。 .It Fl s Ar packetsize 送出するデータのバイト数を指定します。 デフォルトでは 56 バイトです。 これは .Tn ICMP ヘッダデータの 8 バイトと合せて 64 .Tn ICMP バイトになります。 スーパユーザのみこのオプションを指定できます。 .It Fl S Ar src_addr 引き続いて指定する IP アドレスを、 出力パケットの送信元アドレスとして使用します。 複数の IP アドレスを持つホストでは、このオプションを使用することにより、 プローブパケットを送信するインタフェース以外の送信アドレスを強制可能です。 IP アドレスがこのマシンのインタフェースアドレスではない場合、 エラーが返され、送信は行われません。 .It Fl t Ar timeout タイムアウトを、秒単位で指定します。 タイムアウトすると、受信パケット数にかかわらず .Nm が終了します。 .It Fl T Ar ttl マルチキャストパケットの IP 寿命時間 (Time To Live) を設定します。 このオプションは、宛先アドレスがマルチキャストアドレスの場合だけ 適用できます。 .It Fl v 冗長出力を有効にします。 .Tn ECHO_RESPONSE 以外の受信 .Tn ICMP パケットも表示されます。 .El .Pp 問題の切り分けのために .Nm を用いるにはローカルインタフェースが up かつ running であることを 確認するため、まずローカルホスト上で実行します。 その後により遠くのホストやゲートウェイに .Dq ping します。 経路周回時間 (round trip time) と消失パケットの統計が計算されます。 重複したパケットが受信された場合、そのパケットは消失パケットの計算には 含まれませんが、経路周回時間の統計の計算には 使われます。 指定されたパケットの数が送信され (受信され) たとき、もしくはプログラムが .Dv SIGINT で終了した場合、簡単な要約が表示されます。 要約は、送出したパケット数、受信したパケット数、そして 経路周回時間の最小/平均/最大/分散です。 .Pp .Nm が .Dv SIGINFO シグナル ( .Xr stty 1 に対する .Cm status 引数を参照) を受信した場合、 現時点で送信および受信されたパケット数、 経路周回時間の最小/平均/最大/分散を、標準エラー出力に書き込みます。 .Pp このプログラムは主にネットワークのテスト、計測、管理に用いられことを 想定しています。 .Nm はそれ自体ネットワークに負荷をかけるので、トラブルのないときや自動スクリ プトで用いることは勧められません。 .Sh ICMP パケットの詳細 オプションなしの IP ヘッダは 20 バイトです。 .Tn ICMP .Tn ECHO_REQUEST パケットはさらなる 8 バイトの .Tn ICMP ヘッダとそれに続く任意の大きさのデータからなっています。 この大きさは .Ar packetsize によって指定されます (デフォルトでは 56 バイトです)。 このように受信した IP パケット内の .Tn ICMP .Tn ECHO_REPLY データ量は常に指定されたデータ .No ( Tn ICMP ヘッダ) の大きさよりも 8 バイト大きくなります。 .Pp データ領域が少なくとも 8 バイトあるとき、 .Nm は最初の 8 バイトを経路周回時間の計算に用いるタイムスタンプを書くために 用います。指定された pad の大きさが 8 バイトより小さい場合経路周回時間は 得られません。 .Sh 重複パケットと障害パケット .Nm は重複パケットと障害パケットを報告します。重複パケットは ユニキャストアドレスに対しては起こるはずのないものですが、 リンク層での不適切な再送信によって引き起こされるようです。 重複は様々な状況で起こる可能性があります。低いレベルの重複の存在は 必ずしも警告にならないかもしれませんが、よい兆候ではありません。 ブロードキャストもしくは マルチキャストアドレスに ping する時には、重複が起こることが期待されます。 実際に重複するのではなく、 異ったホストから同じ要求に対して応答が行われからです。 .Pp 障害を受けたパケットは明らかに重大な警告です。多くの場合、 .Nm パケットの経路のどこか(ネットワーク内かホスト内)のハードウェアの故障が 考えられます。 .Sh 異なったデータパターンの試行 (インター)ネットワーク層はデータ部分に含まれるデータによってパケットの扱い を変えません。不幸にもデータ依存性の問題がネットワークに侵入し長い間検知さ れないままとなる可能性が知られています。多くの場合、問題を引き起こす特殊 なパターンはたとえば全部 1 や全部 0 のようなもの、あるいは右端以外が 0 であるような十分な .Dq 遷移 を持たないものです。コマンドラインで(たとえば) 全部 0 のデータパターンを指定するだけでは不十分かもしれません。なぜな ら問題のパターンはデータリンク層にあり、コマンドラインで指定したものと コントローラが送信するものとの間の関係は複雑だからです。 .Pp このことはデータ依存性が問題となるとき、それを見付けるために多くのテストをし なければならないということを意味します。運がよければ、あるネットワーク を通して送れない、あるいは同じような長さのファイルよりもずっと長時間かか るファイルを見付けることができるかもしれません。この場合、そのファイル を調べ繰り返し現われるパターンを .Nm の .Fl p オプションを使ってテストできます。 .Sh TTL の詳細 IP パケットの .Tn TTL 値はパケットが捨てられずに通過できる IP ルータの最大数を表わ します。今のところインターネット上の各ルータは .Tn TTL フィールドをちょうど 1 だけ減らすと期待できます。 .Pp .Tn TCP/IP の仕様では .Tn TCP パケットの .Tn TTL フィールドを 60 にすべきだとなっていますが、多くのシステムは もっと小さい値を用いています .No ( Bx 4.3 では 30、 .Bx 4.2 では 15 を用いています)。 .Pp このフィールドに許される最大値は 255 です。 そして多くの .Ux システムでは .Tn ICMP ECHO_REQUEST パケットの .Tn TTL フィールドを 255 にしています。これが .Pq ping は出来るのに .Xr telnet 1 や .Xr ftp 1 で入れないホストが発生する理由です。 .Pp 通常 .Nm は受け取ったパケットの ttl 値を出力します。リモートシステム が ping パケットを受け取るとき、その応答における .Tn TTL フィールドに関し以下の 3 つのうちの 1 つを行なうことができます。 .Bl -bullet .It 変更しない;これは .Bx 4.3 tahoe リリース前の .Bx システムが行なっていたことです。 この場合、受け取ったパケット中の .Tn TTL 値は 255 から周回経路におけるルータの数を引いた数です。 .It 255 にセットする; これは現在の .Bx システムが行なっている ことです。この場合、受け取ったパケット中の .Tn TTL 値は 255 から、リモートシステム .Em から .Nm .Em している ホスト .Em まで の経路におけるルータの数を引いた数となります。 .It ある他の値にセットする。マシンによっては 30 あるいは 60 のような .Tn TCP パケットで用いるのと同じ値を .Tn ICMP パケットに使います。また全く異なる値を用いるマシンもあるかもしれません。 .El .Sh 戻り値 .Nm コマンドは、指定した .Ar host から少なくとも 1 回の応答を受信した場合、終了値 0 を返します; 送出は成功したものの応答を受信できない場合は 2 を返します; エラーが発生した場合は、他の値 .No ( Aq Pa sysexits.h に記述されている値) が返されます。 .Sh 関連項目 .Xr netstat 1 , .Xr ifconfig 8 , .Xr routed 8 , .Xr traceroute 8 .Sh 歴史 .Nm コマンドは .Bx 4.3 から登場しました。 .Sh 作者 オリジナルの .Nm コマンドは、 .An Mike Muuss が US Army Ballistics Research Laboratory にて記述しました。 .Sh バグ 多くのホストやゲートウェイは、 .Tn RECORD_ROUTE オプションを無視します。 .Pp 最大IPヘッダ長は、 .Tn RECORD_ROUTE オプションを付加するには小さ過ぎます。しかしながら、これについては出来 ることは多くありません。 .Pp ping を垂れ流しにするのは、一般に勧められません。特に ブロードキャストアドレスに対して ping の垂れ流しを行なうのは、 きちんと条件を整えた場合においてのみにとどめるべきです。 diff --git a/ja_JP.eucJP/man/man8/ping6.8 b/ja_JP.eucJP/man/man8/ping6.8 index 5c533212f8..e4f6915ca3 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/man8/ping6.8 +++ b/ja_JP.eucJP/man/man8/ping6.8 @@ -1,491 +1,491 @@ .\" $KAME: ping6.8,v 1.43 2001/06/28 06:54:29 suz Exp $ .\" .\" Copyright (C) 1995, 1996, 1997, and 1998 WIDE Project. .\" All rights reserved. .\" .\" Redistribution and use in source and binary forms, with or without .\" modification, are permitted provided that the following conditions .\" are met: .\" 1. Redistributions of source code must retain the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer. .\" 2. Redistributions in binary form must reproduce the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer in the .\" documentation and/or other materials provided with the distribution. .\" 3. Neither the name of the project nor the names of its contributors .\" may be used to endorse or promote products derived from this software .\" without specific prior written permission. .\" .\" THIS SOFTWARE IS PROVIDED BY THE PROJECT AND CONTRIBUTORS ``AS IS'' AND .\" ANY EXPRESS OR IMPLIED WARRANTIES, INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, THE .\" IMPLIED WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE .\" ARE DISCLAIMED. IN NO EVENT SHALL THE PROJECT OR CONTRIBUTORS BE LIABLE .\" FOR ANY DIRECT, INDIRECT, INCIDENTAL, SPECIAL, EXEMPLARY, OR CONSEQUENTIAL .\" DAMAGES (INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, PROCUREMENT OF SUBSTITUTE GOODS .\" OR SERVICES; LOSS OF USE, DATA, OR PROFITS; OR BUSINESS INTERRUPTION) .\" HOWEVER CAUSED AND ON ANY THEORY OF LIABILITY, WHETHER IN CONTRACT, STRICT .\" LIABILITY, OR TORT (INCLUDING NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY .\" OUT OF THE USE OF THIS SOFTWARE, EVEN IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF .\" SUCH DAMAGE. .\" .\" %FreeBSD: src/sbin/ping6/ping6.8,v 1.3.2.11 2002/03/08 09:18:59 ume Exp % .\" .\" $FreeBSD$ .\" .\" WORD: ICMPv6 Node Information Node Addresses = ICMPv6 ノード情報(アドレス)問い合わせ .\" WORD: ICMPv6 Node Information FQDN query = ICMPv6 ノード情報(FQDN)問い合わせ .Dd May 17, 1998 .Dt PING6 8 .Os .Sh 名称 .Nm ping6 .Nd ネットワークホストに対して .Tn ICMPv6 ECHO_REQUEST パケットを送信する .Sh 書式 .Nm .\" without ipsec, or new ipsec .Op Fl dfHnNqRtvwW .\" old ipsec .\" .Op Fl AdEfnNqRtvwW .Bk -words .Op Fl a Ar addrtype .Ek .Bk -words .Op Fl b Ar bufsiz .Ek .Bk -words .Op Fl c Ar count .Ek .Bk -words .Op Fl h Ar hoplimit .Ek .Bk -words .Op Fl I Ar interface .Ek .Bk -words .Op Fl i Ar wait .Ek .Bk -words .Op Fl l Ar preload .Ek .Bk -words .Op Fl p Ar pattern .Ek .Bk -words .\" new ipsec .Op Fl P Ar policy .Ek .Bk -words .Op Fl S Ar sourceaddr .Ek .Bk -words .Op Fl s Ar packetsize .Ek .Bk -words .Op Ar hops...\& .Ek .Bk -words .Ek .Ar host .Sh 解説 .Nm は、 .Tn ICMPv6 プロトコルで必須の .Tn ICMP6_ECHO_REQUEST データグラムを使用し、ホストまたはゲートウェイから .Tn ICMP6_ECHO_REPLY データグラムを返させます。 .Tn ICMP6_ECHO_REQUEST データグラム (``ping'') は、IPv6 ヘッダと .Tn ICMPv6 を持ちます。 .Tn ICMPv6 の書式は RFC2463 に記述されています。 オプションは次の通りです: .Bl -tag -width Ds .\" old ipsec .\" .It Fl A .\" トランスポートモード IPsec 認証ヘッダを有効にします .\" (実験なものです)。 .It Fl a Ar addrtype .Tn ECHO_REQUEST ではなく ICMPv6 ノード情報 (アドレス) 問い合わせパケットを 生成します。 .Ar addrtype は以下の文字より構成される文字列でなければなりません。 .Bl -tag -width Ds -compact .It Ic a 応答者の全てのユニキャストアドレスを要求します。 もし省略されると、応答者のアドレスを持つ インタフェースに属するアドレスのみ要求します。 .It Ic c 応答者の IPv4 互換アドレスと IPv4 にマップされたアドレスを要求します。 .It Ic g 応答者のグローバルスコープアドレスを要求します。 .It Ic s 応答者のサイトローカルアドレスを要求します。 .It Ic l 応答者のリンクローカルアドレスを要求します。 .It Ic A 応答者のエニーキャストアドレスを要求します。 この文字がない場合、応答者はユニキャストアドレスのみ返します。 この文字がある場合、応答者はエニーキャストのみ返します。 仕様では、応答者のエニーキャストアドレスをどのように取得するかは 述べられていないことに注意してください。 これは実験的なオプションです。 .El .It Fl b Ar bufsiz ソケットのバッファサイズを設定します。 .It Fl c Ar count .Tn ECHO_RESPONSE パケットを .Ar count 回送出 (そして受信) してから終了します。 .It Fl d 使用されているソケットに .Dv SO_DEBUG オプションを設定します。 .\" .It Fl E .\" トランスポートモード IPsec 暗号ペイロードを有効にします .\" (実験なものです)。 .It Fl f .Tn ECHO_REQUEST ping を垂れ流します。 パケットが返って来るとすぐ、もしくは 100 分の 1 秒に 1 回のうちの どちらか多い方の頻度でパケットを出力します。 .Tn ECHO_REQUEST パケットを送るたびに .Dq .\& が表示され、 .Tn ECHO_REPLY パケットを受信するたびにバックスペースが表示されます。 これによりどれだけのパケットが欠落したのかをすばやく表示することができます。 スーパユーザのみ使用可能です。 .Bf -emphasis このオプションはネットワークに非常に負荷をかけるので、注意して使用する 必要があります。 .Ef .It Fl H IPv6 アドレスの逆検索を試行するよう、指定します。 本オプションを指定しない場合、 .Nm コマンドは逆検索を試行しません。 .It Fl h Ar hoplimit IPv6 の中継限界数を設定します。 .It Fl I Ar interface 与えられたインタフェースアドレスに対して、送ります。 このフラグは、ping の宛先アドレスが マルチキャストアドレスの場合か、 リンクローカル / サイトローカルなユニキャストアドレスの場合に適用できます。 .It Fl i Ar wait .Ar wait で指定した秒数だけパケットの送出間隔を空けます。 デフォルトでは送出間隔は 1 秒です。 このオプションは .Fl f オプションとは同時に指定できません。 .It Fl l Ar preload .Nm は指定した .Ar preload 値だけ .Tn ECHO_REQUEST パケットを出来るだけ速く送信し、通常の動作に戻ります。 スーパユーザのみがこのオプションを使用できます。 .It Fl n 数値の出力のみになります。 応答中に含まれるホストアドレスに対し、シンボル名の解決を試みません。 .It Fl N ノード情報マルチキャストグループ (node information multicast group) +.Pq Li ff02::2:xxxx:xxxx をプローブします。 -.Pq Li ff02::2:xxxx:xxxx . .Ar host はターゲットの文字列のホスト名であることが必要です (数値の IPv6 アドレスであってはなりません)。 ノード情報マルチキャストグループは、指定した .Ar host に基づいて計算し、最終的な終点として使用されます。 ノード情報マルチキャストグループは リンクローカルなマルチキャストグループなので、 終点リンクを .Fl I で指定する必要があります。 .It Fl p Ar pattern 送出するパケットを埋める .Dq pad バイトを指定します。 .Dq pad バイトは 16 バイトを上限とします。 これはネットワーク上でデータ依存の問題を診断するときに有効です。たとえば .Dq Li \-p ff は全て 1 の送出パケットを生成します。 .It Fl q 出力を抑制します。開始時と終了時の要約行しか表示しません。 .It Fl R 対象 ( .Ar hops を指定した場合には最初の .Ar hop ) が到達可能であると、カーネルに信じさせます。 これは、上位層の到達可能性確認ヒントを挿入することで実現します。 本オプションは、対象 .Ar host (または最初のホップ) が隣である場合意味があります。 .It Fl S Ar sourceaddr 要求パケットの始点アドレスを指定します。 始点アドレスは、 送信元ノードのユニキャストアドレスのうちのひとつであることが必要です。 出力インタフェースを .Fl I で指定する場合には、 .Ar sourceaddr は当該インタフェースに割り当てたアドレスであることが必要です。 .It Fl s Ar packetsize 送出するデータのバイト数を指定します。 デフォルトでは 56 バイトです。 これは、 .Tn ICMP ヘッダデータの 8 バイトをつけた 64 バイトの .Tn ICMP データに変換されます。 .Fl b オプションも共に指定して、ソケットのバッファサイズを 拡張する必要があるかもしれません。 .It Fl v 冗長出力を有効にします。 .Tn ECHO_RESPONSE 以外の受信 .Tn ICMP パケットも表示されます。 .It Fl w .Tn ECHO_REQUEST ではなく ICMPv6 ノード情報 (FQDN) 問い合わせパケットを生成します。 .Fl w オプションを指定した場合 .Fl s オプションは無効となります。 .It Fl W .Fl w オプションと同じですが、03 ドラフトベースの古いパケット書式を使用します。 -このオプションは後方互換性のために残されていました。 +このオプションは後方互換性のために残されています。 .Fl w オプションを指定した場合 .Fl s オプションは無効となります。 .It Ar hops タイプ 0 ルーティングヘッダ中に置かれる、中間ノード用の IPv6 です。 .It Ar host 最終的な終点ノードの IPv6 アドレスです。 .El .Pp 問題の切り分けのために .Nm を用いるには、ローカルインタフェースが up かつ running であることを 確認するため、まずローカルホスト上で実行します。 その後、より遠くのホストやゲートウェイに .Dq ping をしていきます。 経路周回時間 (round-trip time) と消失パケットの統計が計算されます。 重複したパケットが受信された場合、そのパケットは消失パケットの計算には 含まれませんが、経路周回時間の統計の計算には 使われます。 指定されたパケットの数が送信され (受信され) たとき、もしくはプログラムが .Dv SIGINT で終了した場合、簡単な要約が表示されます。 要約に書き出されるのは、送出したパケット数、受信したパケット数、そして 経路周回時間の最小/平均/最大/標準偏差です。 .Pp .Nm が .Dv SIGINFO シグナル ( .Xr stty 1 に対する .Cm status 引数を参照) を受信した場合、 現時点で送信および受信されたパケット数と 経路周回時間の最小/平均/最大/分散を、 標準の終了メッセージとして、標準出力に書き込みます。 .Pp このプログラムは主にネットワークのテスト、計測、管理に用いられることを 想定しています。 .Nm はそれ自体ネットワークに負荷をかけるので、トラブルのないときや自動スクリ プトで用いることは勧められません。 .\" .Sh ICMP PACKET DETAILS .\" An IP header without options is 20 bytes. .\" An .\" .Tn ICMP .\" .Tn ECHO_REQUEST .\" packet contains an additional 8 bytes worth of .\" .Tn ICMP .\" header followed by an arbitrary amount of data. .\" When a .\" .Ar packetsize .\" is given, this indicated the size of this extra piece of data .\" (the default is 56). .\" Thus the amount of data received inside of an IP packet of type .\" .Tn ICMP .\" .Tn ECHO_REPLY .\" will always be 8 bytes more than the requested data space .\" (the .\" .Tn ICMP .\" header). .\" .Pp .\" If the data space is at least eight bytes large, .\" .Nm .\" uses the first eight bytes of this space to include a timestamp which .\" it uses in the computation of round trip times. .\" If less than eight bytes of pad are specified, no round trip times are .\" given. .Sh 重複パケットと障害パケット .Nm は重複パケットと障害パケットを報告します。重複パケットは ユニキャストアドレスに対して ping をかけている場合は起こるはずの ないものですが、 リンク層での不適切な再送信によって引き起こされるようです。 重複は様々な状況で起こる可能性があります。低いレベルの重複の存在は 必ずしも警告にならないかもしれませんが、 (まず) よい兆候ではありません。 ブロードキャストもしくは マルチキャストアドレスに ping する時には、 重複パケットが出ることが予想されます。 なぜなら、そのパケットは、実際には重複したパケットなのではなく、 異ったホストからの同じ要求に対する応答であるからです。 .Pp 障害パケットは、警告を引き起こす重大な原因であることは間違いありません。 多くの場合、 .Nm ping パケットの経路のどこか (ネットワーク内かホスト内) のハードウェアの故障が 考えられます。 .Sh 異なったデータパターンの試行 (インタ) ネットワーク層は、データ部分に含まれるデータによってパケットの扱い を変えません。不幸にも、パケットがネットワークに侵入し、 長い間検知されないままとなるというデータに依存した問題が知られています。 多くの場合、問題を引き起こす特殊なパターンは、 たとえば全部 1 や全部 0 のようなもの、あるいは右端以外が 0 であるようなものといった、十分な .Dq 遷移 を持たないものです。コマンドラインで (たとえば) 全部 0 のデータパターンを指定するだけでは不十分かもしれません。なぜな ら問題のパターンはデータリンク層にあり、コマンドラインで指定したものと コントローラが送信するものとの関係は複雑である可能性があるからです。 .Pp このことは、つまり、データに依存した問題があるとき、それを見付けるためには テストをたくさんしなければならないということです。運がよければ、 あるネットワークを通して送れない、あるいは同じような長さのファイル よりも送るのにずっと長時間かかるようなファイルを見付けることが できるかもしれません。 この場合、そのファイルを調べ、繰り返し現われるパターンを .Nm の .Fl p オプションを使ってテストできます。 .Sh 戻り値 .Nm は、成功時 (ホストが生きている場合) には 0 を、 引数が正しくない場合やホストが応答しない場合には非 0 を返します。 .Sh 使用例 通常、 .Nm は、 .Xr ping 8 が動作するように動作します。 以下は、ICMPv6 エコー要求を .Li dst.foo.com へ送ります。 .Bd -literal -offset indent ping6 -n dst.foo.com .Ed .Pp 以下は、 .Li wi0 インタフェースに接続されたネットワークリンク上の 全ノードのホスト名を検出します。 アドレス .Li ff02::1 は、リンクローカル全ノードマルチキャストアドレスと名付けられており、 パケットはネットワークリンク上の全ノードに到達します。 .Bd -literal -offset indent ping6 -w ff02::1%wi0 .Ed .Pp 以下は、終点ノード .Li dst.foo.com に割り当てられたアドレスを検出します。 .Bd -literal -offset indent ping6 -a agl dst.foo.com .Ed .Sh 関連項目 .Xr netstat 1 , .Xr ifconfig 8 , .Xr ping 8 , .Xr routed 8 , .Xr traceroute 8 , .Xr traceroute6 8 .Rs .%A A. Conta .%A S. Deering .%T "Internet Control Message Protocol (ICMPv6) for the Internet Protocol Version 6 (IPv6) Specification" .%N RFC2463 .%D December 1998 .Re .Rs .%A Matt Crawford .%T "IPv6 Node Information Queries" .%N draft-ietf-ipngwg-icmp-name-lookups-05.txt .%D October 22, 1999 .%O work in progress material .Re .Sh バグ 我々が何故 .Nm と .Xr ping 8 の実装を分けたのかという議論が沢山ありました。 IPv4 と IPv6 両用の ping コマンドに統一した方が便利だと言う人もいました。 この要求に対する答えは次の通りです。 .Pp 開発者の視点から: IPv4 と IPv6 とで下位の raw ソケット API が全く異りますので、 2 種類のコードベースを持つことになります。 ふたつのコマンドをあわせて単一コマンドにしても、実際、 開発者の立場からは利益はないでしょう。 .Pp 操作者の視点から: リモートログインツールのような通常のネットワークアプリケーションとは異り、 通常、ネットワーク管理ツールを使用するときはアドレスファミリを意識します。 単にホストへの到達可能性を知りたいのではなく、 IPv6 等の特定のプロトコルでのホスト到達性を知りたいのです。 よって、IPv4 と IPv6 用に統合された .Xr ping 8 コマンドがあったとしても、常に .Fl 6 または .Fl 4 のオプション (またはこれに類するもの) を入力して、 特定のアドレスファミリを指定することになるでしょう。 これは、本質的に、ふたつの異なったコマンドを持つのと同じことを意味します。 .Sh 歴史 .Nm ping コマンドは .Bx 4.3 で登場しました。 IPv6 をサポートした .Nm コマンドは KAME IPv6 プロトコルスタックキットではじめて登場しました。 .Pp KAME Project (http://www.kame.net/) スタックを基とする IPv6 および IPsec のサポートは、 .Fx 4.0 で始めて組み込まれました。 diff --git a/ja_JP.eucJP/man/man8/ppp.8 b/ja_JP.eucJP/man/man8/ppp.8 index 1b5254e496..4ba171e032 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/man8/ppp.8 +++ b/ja_JP.eucJP/man/man8/ppp.8 @@ -1,5609 +1,5609 @@ .\" .\" Copyright (c) 2001 Brian Somers .\" All rights reserved. .\" .\" Redistribution and use in source and binary forms, with or without .\" modification, are permitted provided that the following conditions .\" are met: .\" 1. Redistributions of source code must retain the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer. .\" 2. Redistributions in binary form must reproduce the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer in the .\" documentation and/or other materials provided with the distribution. .\" .\" THIS SOFTWARE IS PROVIDED BY THE AUTHOR AND CONTRIBUTORS ``AS IS'' AND .\" ANY EXPRESS OR IMPLIED WARRANTIES, INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, THE .\" IMPLIED WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE .\" ARE DISCLAIMED. IN NO EVENT SHALL THE AUTHOR OR CONTRIBUTORS BE LIABLE .\" FOR ANY DIRECT, INDIRECT, INCIDENTAL, SPECIAL, EXEMPLARY, OR CONSEQUENTIAL .\" DAMAGES (INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, PROCUREMENT OF SUBSTITUTE GOODS .\" OR SERVICES; LOSS OF USE, DATA, OR PROFITS; OR BUSINESS INTERRUPTION) .\" HOWEVER CAUSED AND ON ANY THEORY OF LIABILITY, WHETHER IN CONTRACT, STRICT .\" LIABILITY, OR TORT (INCLUDING NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY .\" OUT OF THE USE OF THIS SOFTWARE, EVEN IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF .\" SUCH DAMAGE. .\" .\" %FreeBSD: src/usr.sbin/ppp/ppp.8,v 1.209.2.33 2002/03/26 11:42:46 brian Exp % .\" .\" $FreeBSD$ .\" .\" WORD: expect string 受信待ち文字列[chat.8,ppp.8] .Dd 20 September 1995 .nr XX \w'\fC00' .Dt PPP 8 .Os .Sh 名称 .Nm ppp .Nd PPP (Point to Point Protocol) (別名 user-ppp) .Sh 書式 .Nm .Op Fl Va mode .Op Fl nat .Op Fl quiet .Op Fl unit Ns Ar N .Op Fl alias .Op Ar system ... .Sh 解説 本プログラムは、ユーザプロセスとして動作する .Em PPP パッケージです。 .Em PPP は通常、( .Xr pppd 8 でそうなっているように) カーネルの一部として実装されますが、 そのため、デバッグや動作の変更が少々難しい場合があります。 それに対し、この実装ではトンネルデバイスドライバ (tun) を利用して、 ユーザプロセスで .Em PPP を実現しています。 .Pp .Fl nat フラグは、 .Dq nat enable yes と等価であり、 .Nm のネットワークアドレス変換機能を有効にします。 これにより .Nm は、内部 LAN 上の全マシンに対する NAT、 すなわちマスカレーディングエンジンとして動作します。 詳細は .Xr libalias 3 を参照してください。 .Pp .Fl quiet フラグを指定すると、 .Nm は起動時に静かになり、 モードとインタフェースを標準出力へ表示しなくなります。 .Pp .Fl unit フラグは、 .Nm が .Pa /dev/tun Ns Ar N のみのオープンを試みるように指定します。 通常、 .Nm は .Ar N に対して値 0 から開始し、成功するまで .Ar N を値 1 ずつ増加させて、トンネルデバイスのオープンを試みます。 デバイスファイルが存在しないために、3 回連続して失敗すると、諦めます。 .Pp .Nm は次の .Va mode を理解します: .Bl -tag -width XXX -offset XXX .It Fl auto .Nm は tun インタフェースをオープンし、 これを設定した後バックグラウンドになります。 出力データが tun インタフェース上で検出されるまでリンクはアップせず、 出力データが tun インタフェース上で検出されると .Nm はリンクをアップしようとします。 .Nm がリンクをアップしようとしている間に受信したパケット (最初のものを含みます) は、デフォルトで 2 分間キューにとどまります。 後述の .Dq set choked コマンドを参照してください。 .Pp .Fl auto モードでは、 コマンドラインには少なくとも 1 つの .Dq system を指定する必要があり (後述)、 インタフェース設定時に使用する相手の IP アドレスを指定する .Dq set ifaddr を、システムプロファイルで実行する必要があります。 通常、 .Dq 10.0.0.1/0 のようなものが適切です。例としては、 .Pa /usr/share/examples/ppp/ppp.conf.sample の .Dq pmdemand システムを参照してください。 .It Fl background この場合、 .Nm は相手との接続をすぐに確立しようとします。 成功すると、 .Nm はバックグラウンドになり、親プロセスは終了コード 0 を返します。 失敗すると、 .Nm は非 0 の結果で終了します。 .It Fl foreground フォアグラウンドモードでは、 .Nm は相手との接続をすぐに確立しようとしますが、デーモンにはなりません。 リンクはバックグラウンドモードで作成されます。 .Nm の起動を別のプロセスから制御したい場合に有用です。 .It Fl direct これは入力接続を受け付けるために使用します。 .Nm は .Dq set device 行を無視し、リンクに記述子 0 を使用します。 .Pp コールバックの設定を行うと、ダイヤルバック時に .Nm は .Dq set device 情報を使用します。 .It Fl dedicated このオプションは、専用線で接続されたマシンのためにデザインされています。 .Nm はデバイスを常にオープンに保ち、設定チャットスクリプトは一切使用しません。 .It Fl ddial .Fl auto モードと等価ですが、なんらかの理由でリンクが落ちた場合に .Nm が再度リンクをアップすることが違います。 .It Fl interactive これは no-op であり、 前述のフラグがどれも指定されなかった場合の動作を行います。 .Nm はコマンドラインで指定されたセクションをロードし、対話プロンプトを提供します。 .El .Pp ( .Pa /etc/ppp/ppp.conf に指定される) 設定エントリ、すなわち system を、コマンドラインで 1 つ以上指定可能です。 起動時に .Nm は .Pa /etc/ppp/ppp.conf から .Dq default システムを読み込み、その後コマンドラインで指定した各 system を読み込みます。 .Sh 主な特徴 .Bl -diag .It 対話的なユーザインタフェースを提供 コマンドモードで利用する場合、ユーザがコマンドを 入力することで、簡単にリモートコンピュータとの接続の確立、 接続状態の確認、 接続の切断を行うことができます。 オプションとして、セキュリティ確保のために すべての機能をパスワードで保護することができます。 .It 手動と自動でのダイヤルをサポート 対話モードでは、直接デバイスと通信できるように .Dq term コマンドが用意されています。 リモートホストと接続されて、 .Em PPP での通信が始まったら、 .Nm はそれを検出して自動的にパケットモードに移行します。 ひとたびリモートホストとの接続に必要なコマンドシーケンスがわかったら、 後々の接続を簡単にするため、必要なダイヤル手順やログイン手順を定義した チャットスクリプトを書くことができます。 .It オンデマンドでのダイヤルアップをサポート .Fl auto モード (自動モード) では .Nm はデーモンとして動作し、 .Em PPP リンクを通して送られるパケットを待ちうけます。 パケットを検出すると、デーモンが自動的にダイヤルを行って接続を確立します。 .Fl ddial モード (直接ダイヤルモード) でも ほぼ同様に、自動ダイヤルと接続の確立を行います。 しかしながらこのモードは、送るべきパケットが存在しない場合にも、 リンクが切れていることを検出するといつでもリモートへダイヤルするという点が auto モードと異なります。 このモードは、電話料金よりも常時接続されていることが重視される場合に有用です。 3 番目の .Fl dedicated モード (専用線モード) も利用可能です。 このモードは 2 つのマシン間の専用線を対象にしています。 専用線モードでは .Nm は自発的に動作を終了することはありません - 終了するには .Dq quit all コマンドを診断ソケットを介して送る必要があります。 .Dv SIGHUP は LCP の再ネゴシエーションを強要し、 .Dv SIGTERM は終了を強要します。 .It クライアントコールバックをサポート .Nm は標準 LCP コールバックプロトコルならびに Microsoft コールバック制御プロトコル (ftp://ftp.microsoft.com/developr/rfc/cbcp.txt) を使用できます。 .It NAT、すなわちパケットエイリアシングをサポート パケットエイリアシング (別名: IP マスカレード) により、 未登録でプライベートなネットワーク上のコンピュータからも インターネットにアクセスすることが可能です。 .Em PPP ホストはマスカレードゲートウェイとして動作します。 送信パケットの IP アドレスと TCP や UDP のポート番号は どちらも NAT され、返信パケットではエイリアスが元に戻されます。 .It バックグラウンド PPP 接続をサポート バックグラウンドモードでは、接続を確立するのに成功した場合に .Nm はデーモンになります。 それ以外の場合はエラーで終了します。 これにより、 接続が成功裏に確立した場合のみコマンドを実行するようなスクリプト をセットアップすることが出来ます。 .It サーバとしての PPP 接続をサポート ダイレクトモードでは、 .Nm は標準入力/標準出力からの .Em PPP 接続を受け入れるサーバとして動作させることができます。 .It "PAP と CHAP (rfc 1994, 2433 および 2759) による認証をサポート" PAP もしくは CHAP を用いることにより、Unix スタイルの .Xr login 1 手続きをスキップし、 .Em PPP プロトコルを代りに認証に使用することが可能です。 相手が Microsoft CHAP 認証を要求し、かつ .Nm が DES をサポートするようにコンパイルされている場合、適当な MD4/DES 応答がなされます。 .It RADIUS (rfc 2138) 認証をサポート PAP と CHAP の拡張である .Em \&R Ns No emote .Em \&A Ns No ccess .Em \&D Ns No ial .Em \&I Ns No n .Em \&U Ns No ser .Em \&S Ns No ervice は、集中データベースまたは分散データベースに、 ユーザごとに異なる接続特性を含んだ認証情報を、格納できます。 コンパイル時に .Xr libradius 3 が利用可能な場合、利用するように設定すると、 .Nm はこれを使用して .Em RADIUS 要求を作成します。 .It 代理 arp (Proxy Arp) をサポート .Nm が相手のために 1 個以上の代理 arp エントリを作成するように、設定可能です。 LAN 上の各マシンでの設定を行わずに、 相手側から LAN へのルーティングを可能とします。 .It パケットのフィルタリングをサポート ユーザは 4 種類のフィルタを定義できます。 .Em in は受信パケットに対するフィルタです。 .Em out は送信パケットに対するフィルタです。 .Em dial はダイヤルを行うきっかけとなるパケットを定義するフィルタで、 .Em alive は接続を保持するためのパケットを定義するフィルタです。 .It トンネルドライバは bpf (Berkeley Packet Filter) をサポート .Em PPP リンクを流れるパケットを調べるために、 .Xr tcpdump 1 を使うことができます。 .It PPP オーバ TCP および PPP オーバ UDP をサポート デバイス名が .Em host Ns No : Ns Em port Ns .Xo .Op / Ns tcp|udp , .Xc 形式で指定された場合、 .Nm は通常のシリアルデバイスを使うのではなく、 データ転送のための TCP または UDP の 接続を開きます。 UDP 接続は、 .Nm を強制的に同期モードにします。 .It PPP オーバ ISDN をサポート .Nm がオープンすべきリンクとして 生の B チャネル i4b デバイスを指定すると、 .Xr isdnd 8 と対話して ISDN 接続を確立できます。 .It PPP オーバイーサネットをサポート (rfc 2516) .Nm が .No PPPoE: Ns Ar iface Ns Xo .Op \&: Ns Ar provider Ns .Xc の書式のデバイス指定を与えられ、 .Xr netgraph 4 が利用可能な場合、 .Nm は .Ar iface ネットワークインタフェースを使用し、 .Ar provider に対して .Em PPP オーバイーサネットを話そうとします。 .Pp .Xr netgraph 4 をサポートしないシステム上では、 .Xr pppoe 8 のような外部プログラムを使用可能です。 .It "IETF ドラフトの Predictor-1 (rfc 1978) と DEFLATE (rfc 1979) 圧縮をサポート .Nm は VJ 圧縮の他に Predictor-1 と DEFLATE 圧縮もサポートしています。 モデムは通常 (例えば v42.bis のような) 組み込みの圧縮機能を持っており、 その結果システムは .\"(訳注)「転送データレートよりも」をここにいれたいと考えています。 .\" 2.2.1R 対象(1997/04/02) Takeshi MUTOH より高いデータレートで通信できます。 これは一般には良いことですが、より高速のデータによってシリアル回線からの 割り込みが増加します。 システムはこの割り込みをモデムと通信して処理しなくてはならないため、 システムの負荷と遅延時間が増加することになります。 VJ 圧縮とは異なり、Predictor-1 と DEFLATE 圧縮はリンクを通る .Em すべての ネットワークトラフィックをあらかじめ圧縮しておくことで、オーバヘッドを 最小にします。 .It Microsoft の IPCP 拡張をサポート (rfc 1877) Microsoft の .Em PPP スタックを使用するクライアント (つまり Win95, WinNT) との間で ネームサーバのアドレスと NetBIOS ネームサーバのアドレスを ネゴシエーションできます。 .It マルチリンク PPP をサポート (rfc 1990) 接続先への複数の物理的な回線をオープンし、すべてのリンクの 帯域幅を合わせてより高いスループットを得ることができます。 .It MPPE (draft-ietf-pppext-mppe) のサポート MPPE は、Microsoft 社の Point to Point 暗号化機構です。 .Nm を設定して、Microsoft Windows の仮想プライベートネットワーク (VPN) に参加できるようになります。現在のところ、 .Nm は、CHAP 81 認証機構からしか暗号鍵を取得することができません。 MPPE を動作させるためには、DES つきで .Nm をコンパイルしなくてはなりません。 .El .Sh パーミッション .Nm はユーザ .Dv root 、グループ .Dv network 、パーミッション .Dv 04554 でインストールされます。 デフォルトでは .Nm は、起動したユーザ ID が 0 でない場合には実行しません。 これは .Dq allow users コマンドを .Pa /etc/ppp/ppp.conf に記載することにより変更することが可能です。 通常ユーザとして実行する場合には、 .Nm はユーザ ID 0 に変わり、システムの経路表の変更と、 システムロックファイルの作成と、 ppp の設定ファイルの読み込みを行います。 すべての外部コマンド ("shell" や "!bg" で実行されます) は、 .Nm を起動したユーザ ID で実行されます。 ユーザ ID 0 にて正確になにが行われているのかに興味がある場合には、 ログ機能の .Sq ID0 を参照してください。 .Sh 始める前に 最初に .Nm を実行する時には、いくつかの初期設定を整える必要があります。 .Bl -bullet .It カーネルにトンネルデバイスが含まれていることが必要です (GENERIC カーネルではデフォルトで 1 つ含まれます)。 tun デバイスが含まれていない場合や、 複数の tun インタフェースが必要な場合、 次の行をカーネル設定ファイルに追加して、 カーネルを再構築する必要があります: .Pp .Dl pseudo-device tun N .Pp ここで .Ar N は .Em PPP 接続を行いたい最大の数です。 .It .Pa /dev ディレクトリにトンネルデバイスのエントリ .Pa /dev/tunN があるかどうかを調べてください。 ここで .Sq N は、0 から始まる tun デバイスの番号です。 もし無いようならば、"sh ./MAKEDEV tunN" を実行すれば作ることができます。 これにより 0 から .Ar N までの tun デバイスが作成されます。 .It あなたのシステムの .Pa /etc/group ファイルに .Dq network グループがあり、そのグループが .Nm を使うと想定されるすべてのユーザ名を含んでいることを確かめてください。 詳細は .Xr group 5 マニュアルページを参照してください。また、これらのユーザは .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルで .Dq allow users コマンドを使用してアクセス権が与えられなければなりません。 .It ログファイルを作成します。 .Nm は .Xr syslog 3 を使用して情報を記録します。通常のログファイル名は .Pa /var/log/ppp.log です。 このファイルに出力を行うためには、次の行を .Pa /etc/syslog.conf ファイルに記述してください: .Bd -literal -offset indent !ppp *.*/var/log/ppp.log .Ed .Pp .Nm の実行形式にリンクを作成することにより、複数の .Em PPP ログファイルを持つことが可能です: .Pp .Dl # cd /usr/sbin .Dl # ln ppp ppp0 .Pp として .Pa /etc/syslog.conf で .Bd -literal -offset indent !ppp0 *.*/var/log/ppp0.log .Ed .Pp とします。 .Pa /etc/syslog.conf を更新した後に、 .Xr syslogd 8 に .Dv HUP シグナルを送ることをお忘れなく。 .It 厳密には .Nm の操作とは関係ありませんが、リゾルバが正しく働くように設定した方が 良いでしょう。 これは ( .Xr named 8 -を用いてローカルな DNS サーバを設定するか、もしくは +を用いて) ローカルな DNS サーバを設定するか、もしくは .Pa /etc/resolv.conf ファイルに適切な .Sq nameserver 行を加えることで行われます。 詳細は .Xr resolv.conf 5 のマニュアルを参照してください。 .Pp 他の方法として、もし接続先がサポートしている場合には .Nm が接続先にネームサーバのアドレスを尋ねて、自動的に .Pa /etc/resolv.conf を更新することができます。詳細は後述の .Dq enable dns コマンドと .Dq resolv コマンドとを参照してください。 .El .Sh 手動ダイヤル 次の例では、あなたのマシン名が .Dv awfulhak であるとして説明します。 .Nm を引数無しで起動すると (前述の .Sx パーミッション 参照) 次のプロンプトが表示されます: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> .Ed .Pp プロンプトの .Sq ON の部分は常に大文字であるべきです。ここが小文字の場合、 .Dq passwd コマンドを使用してパスワードを入力しなければならないことを意味します。 実行中の .Nm に接続し、 まだ正しいパスワードを入力していない場合にのみこのような状態になります。 .Pp .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set device /dev/cuaa0 ppp ON awfulhak> set speed 38400 .Ed .Pp 通常ハードウェアフロー制御 (CTS/RTS) を使用します。 しかし、特定の場合 (特定の PPP 可能な端末サービスに直接接続している場合に起り得ます)、 .Nm が通信リンクにデータを書き込もうとしたときに、 永遠に来ない CTS (送信時にクリア) シグナルを待つことにより .Nm がハングします。 直通線で接続できない場合は、 .Dq set ctsrts off で CTS/RTS をオフにしてみてください。 これが必要な場合、後述の .Dq set accmap の記述も参照してください - .Dq set accmap 000a0000 も必要かもしれません。 .Pp 通常、パリティは .Dq none に設定します。これが .Nm のデフォルトです。 パリティはどちらかというと古風なエラーチェック機構であり、 今となっては使用しません。 最近のモデムは各自のエラーチェック機構を持っており、 ほとんどのリンク層プロトコル ( .Nm はこれです) はより信頼できるチェック機構を使用します。 パリティは相対的に大きなオーバヘッドを持ちますので (トラフィックが 12.5% 増加します)、 .Dv PPP がオープンされると常に無効化 ( .Dq none に設定) されます。 しかし、ISP (インターネットサービスプロバイダ) によっては、 特定のパリティ設定を接続時 ( .Dv PPP がオープンする前) に使用するものがあります。 特に、Compuserve はログイン時に偶数パリティに固執しています: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set parity even .Ed .Pp ここで、現在のデバイス設定がどのようになっているか見られます: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> show physical Name: deflink State: closed Device: N/A Link Type: interactive Connect Count: 0 Queued Packets: 0 Phone Number: N/A Defaults: Device List: /dev/cuaa0 Characteristics: 38400bps, cs8, even parity, CTS/RTS on Connect time: 0 secs 0 octets in, 0 octets out Overall 0 bytes/sec ppp ON awfulhak> .Ed .Pp ここでは、直接デバイスと通信するために term コマンドを使用可能です: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> term at OK atdt123456 CONNECT login: myispusername Password: myisppassword Protocol: ppp .Ed .Pp 相手が .Em PPP で話しはじめると、 .Nm はそれを自動的に検出してコマンドモードに戻ります。 .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> # リンクは確立していません Ppp ON awfulhak> # 接続完了、LCP 完了 PPp ON awfulhak> # 認証完了 PPP ON awfulhak> # IP アドレス合意完了 .Ed .\" your end で「あなた側」 .Pp このようにならない場合、接続先がこちらのネゴシエーション開始を 待っている可能性があります。 強制的に .Nm に接続先への PPP 設定パケットの送出を開始させるためには .Dq ~p コマンドを使い、端末モードを抜けてパケットモードに移行して下さい。 .Pp それでもログインプロンプトが得られない場合、 Unix 的なログイン/パスワード認証ではなく、PAP または CHAP の認証を、 相手は要求している可能性が非常に高いです。 正しく設定するためには、プロンプトに戻り、 認証用の名前とキーを設定し、再度接続します: .Bd -literal -offset indent ~. ppp ON awfulhak> set authname myispusername ppp ON awfulhak> set authkey myisppassword ppp ON awfulhak> term at OK atdt123456 CONNECT .Ed .Pp ここで再度、ネゴシエーションを開始するように ppp に指定できます: .Bd -literal -offset indent ~p ppp ON awfulhak> # リンクは確立していません Ppp ON awfulhak> # 接続完了、LCP 完了 PPp ON awfulhak> # 認証完了 PPP ON awfulhak> # IP アドレス合意完了 .Ed .Pp これで接続されました! プロンプトの .Sq PPP が大文字に変化して、接続されたことを知らせます。もし 3 つの P の内 いくつかだけが大文字になっている場合には、すべての文字が大文字もしくは 小文字になるまで待ってください。もし小文字に戻った場合には、それは .Nm が接続先とのにネゴシエーションに成功しなかったことを意味します。 この時点での問題解決の第一歩としては、次のようにし、再挑戦します。 .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set log local phase lcp ipcp .Ed .Pp 詳細は、下記の .Dq set log コマンドの説明を参照してください。 この時点でも失敗する場合、 ログを有効にして再挑戦することが非常に重要です。 プロンプトの変化に注意し、あなたを助けてくれる人に報告することもまた重要です。 .Pp リンクが確立したら、show コマンドを使用することで、 どのように事態が進行しているのかが分ります: .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> show physical * モデム関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show ccp * CCP (圧縮) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show lcp * LCP (回線制御) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show ipcp * IPCP (IP) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show link * (高レベル) リンク関係の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show bundle * (高レベル) 論理接続関係の情報がここに表示されます * .Ed .Pp この時点で、マシンは接続先に対するホスト単位の経路 (host route) を持っています。 これはリンクの相手のホストとのみ接続可能であるという意味です。 デフォルト経路のエントリ (他の経路エントリを持たずに、全パケットを .Em PPP リンクの相手に送る ように、あなたのマシンに指示します)を追加したければ、 次のコマンドを入力してください。 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> add default HISADDR .Ed .Pp .Sq HISADDR という文字列は、相手側の IP アドレスを表します。 既存の経路のために失敗する場合には、 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> add! default HISADDR .Ed .Pp を用いることで既存の経路を上書きできます。 このコマンドは、実際に接続を作成する前に実行可能です。 新しい IP アドレスを接続時にネゴシエートする場合、これに従って .Nm がデフォルト経路を更新します。 .Pp ここで、(ping, telnet, ftp のような) ネットワークアプリケーションを、 あなたのマシンの別のウィンドウまたは端末で使用可能です。 現在の端末を再利用したい場合、 .Nm をバックグラウンドモードにするために、 標準のシェルのサスペンドとバックグラウンドコマンド (通常 .Dq ^Z の後に .Dq bg ) を使用可能です。 .Pp 使用可能コマンドの詳細は .Sx PPP コマンドリスト の節を参照してください。 .Sh 自動ダイヤル 自動ダイヤルを行うためには、ダイヤルとログインのチャットスクリプトを 用意しなければなりません。定義の例は .Pa /usr/share/examples/ppp/ppp.conf.sample を見てください ( .Pa /etc/ppp/ppp.conf の書式は非常に簡単です)。 各行は単一のコメント、インクルード、ラベル、コマンドのいずれかを含みます。 .Bl -bullet .It .Pq Dq # 文字で始まる行は、コメントとして扱われます。 コメント行と認識した場合、先行する空白は無視されます。 .It インクルードは語 .Sq !include から始まる行です。 1 つの引数 - インクルードするファイル - を持つ必要があります。 古いバージョンの .Nm との互換性のために、 .Dq !include ~/.ppp.conf を使用したいかもしれません。 .It ラベルは行頭から始まり、最後にコロン .Pq Dq \&: が続かなければなりません。 .It コマンド行は、最初の桁に空白かタブを含む必要があります。 .El .Pp .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルには少なくとも .Dq default セクションが存在する必要があります。 このセクションは常に実行されます。 このファイルには 1 つ以上のセクションが含まれます。 セクション名は用途に応じて付けます。例えば、 .Dq MyISP はあなたの ISP を表したり、 .Dq ppp-in は入力の .Nm 構成を表したります。 .Nm を立ち上げる際に、接続先のラベル名を指定可能です。 .Dq default ラベルに関係づけられたコマンドが実行されてから、 接続先ラベルに関連づけられたコマンドが実行されます。 .Nm を引数無しで起動した場合、 .Dq default だけは実行されます。load コマンドを使用して、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf のセクションを手動でロード可能です: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> load MyISP .Ed .Pp セクションロード後には、 .Nm はいかなる動作も行わないことに注意してください。 これは、コマンドラインでラベルを指定した結果でも、 .Dq load コマンドを使用した結果でも同様です。 設定ファイル中で、そのラベルに対して指定されたコマンドのみが、実行されます。 一方、 .Nm を .Fl background , .Fl ddial , .Fl dedicated のいずれかのスイッチ付きで起動したときには、 .Nm が接続を確立するように、リンクモードが指示します。 更なる詳細については、後述の .Dq set mode コマンドを参照してください。 .Pp ひとたび接続が確立したなら、プロンプトの .Sq ppp は .Sq PPP に変わります: .Bd -literal -offset indent # ppp MyISP \&... ppp ON awfulhak> dial Ppp ON awfulhak> PPp ON awfulhak> PPP ON awfulhak> .Ed .Pp Ppp プロンプトは .Nm が認証フェーズに入ったことを示します。PPp プロンプトは .Nm がネットワークフェーズに入ったことを示します。PPP プロンプトは .Nm がネットワーク層プロトコルのネゴシエーションに成功し、 使用可能状態にあることを示します。 .Pp もし .Pa /etc/ppp/ppp.linkup が利用可能ならば、 .Em PPP 接続が確立された時に、その内容が実行されます。 接続が確立された後のバックグラウンドでのスクリプト実行については、 提供されている .Pa /usr/share/examples/ppp/ppp.conf.sample (使用可能な置換文字列については、後述の .Dq shell と .Dq bg を参照してください) の .Dq pmdemand の例を参照してください。 同様に、接続が閉じられると、 .Pa /etc/ppp/ppp.linkdown ファイルの内容が実行されます。 これらのファイルのフォーマットは .Pa /etc/ppp/ppp.conf と同じです。 .Pp 以前のバージョンの .Nm では、デフォルト経路のような経路は .Pa ppp.linkup ファイルで追加し直す必要がありました。 現在では .Nm は、 .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR が変化したときに、自動的に .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR 文字列を含むすべての経路を更新する .Sq スティッキー経路 をサポートします。 .Sh バックグラウンドダイヤル .Nm を使って非対話的に接続を確立したい場合 (例えば .Xr crontab 5 エントリや .Xr at 1 ジョブから使うような場合) には、 .Fl background オプションを使います。 .Fl background が指定された場合、 .Nm はすぐに接続を確立しようとします。 複数の電話番号が指定された場合には、各電話番号が 1 回づつ試されます。 これらに失敗すると、 .Nm は即座に終了し、0 でない終了コードを返します。 接続に成功すると .Nm はデーモンになり、呼び出し側に終了コード 0 を返します。 デーモンは、リモートシステムが接続を終了した場合、 もしくは .Dv TERM シグナルを受け取った場合に、自動的に終了します。 .Sh ダイヤルオンデマンド デマンドダイヤル機能は .Fl auto または .Fl ddial オプションにて有効にされます。この場合にも .Pa /etc/ppp/ppp.conf で定義された接続先のラベルを指定しなければなりません。 これには、リモート接続先の IP アドレスを指定するための .Dq set ifaddr コマンドも書かれていなければなりません ( .Pa /usr/share/examples/ppp/ppp.conf.sample を参照してください)。 .Bd -literal -offset indent # ppp -auto pmdemand .Ed .Pp .Fl auto または .Fl ddial が指定された時に .Nm はデーモンとして動作しますが、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf 中で .Dq set server コマンドを使うことで、設定を確認したり変更したりすることができます。 (たとえば、 .Dq Li "set server +3000 mypasswd" とすると) 次のように診断ポートを通じて接続することができます。 .Bd -literal -offset indent # pppctl 3000 (tun0 を仮定) Password: PPP ON awfulhak> show who tcp (127.0.0.1:1028) * .Ed .Pp .Dq show who コマンドは現在 .Nm 自身に接続しているユーザの一覧を表示します。診断ソケットが閉じられる、 もしくは異なるソケットに変更された場合、すべての接続は即座に終了します。 .Pp .Fl auto モードにて 送信パケットが検出された時、 .Nm は (チャットスクリプトに基づいて) ダイヤルを行い、 通信相手に接続しようとします。 .Fl ddial モードでは回線がダウンしていることが確認された場合にはいつでも ダイヤルが行われます。 接続に失敗したら、デフォルトの動作では 30 秒間待ってから、 別の送信パケットが検出された時に接続しようとします。 .Pp この動作は .Dq set redial コマンドで変更できます。 .Pp .No set redial Ar secs Ns Xo .Oo + Ns Ar inc Ns .Op - Ns Ar max Ns .Oc Ns Op . Ns Ar next .Op Ar attempts .Xc .Pp .Bl -tag -width attempts -compact .It Ar secs は、再び接続しようとするまでの秒数です。 引数がリテラル文字列 .Sq Li random の場合には、待ち時間を 1 秒以上から 30 秒以下の間でランダムに選びます。 .It Ar inc は秒数であり、 新規にダイヤルするときに .Ar secs に加えられます。 このタイムアウト値が .Ar secs に戻るのは、接続が成功裏に確立した後だけです。 .Ar inc のデフォルト値は 0 です。 .It Ar max は、 .Nm が .Ar secs を増加させる最大回数です。 .Ar max のデフォルト値は 10 です。 .It Ar next は電話番号リストの中の次の番号をダイヤルする前に待つ秒数です。( .Dq set phone コマンドを参照してください)。これのデフォルトは 3 秒です。 繰り返しますが、引数がリテラル文字列 .Sq Li random の場合には、待ち時間を 1 秒以上 30 秒以下の間でランダムに選びます。 .It Ar attempts は、受け取った個々の送信パケットに対して、最大何回接続を試みるのかを示す 数字です。 パラメータを省略すると、以前の値は変更されません。 .Ar attempts に 0 を指定すると、接続されるまで試みを続けます。 .El .Pp .Bd -literal -offset indent set redial 10.3 4 .Ed .Pp は個々の送信パケットに対して 4 回接続を試み、 番号間の待ち時間が 3 秒で、すべての番号を試した後に 10 秒待つことを表します。 複数の電話番号が指定されている場合でも、トータルのダイヤル回数は 4 回のままです。 (それぞれの番号を 4 回ダイヤルするのではありません)。 .Pp 代りに、 .Pp .Bd -literal -offset indent set redial 10+10-5.3 20 .Ed .Pp は、 .Nm に接続を 20 回試みさせます。最初の試みの後は、 .Nm は 10 秒待ちます。 次の試みの後は 20 秒待ちということを、 6 番目の試みの後では 1 分待つところまで行います。 次の 14 回の停止は、同じ 1 分間となります。 .Nm が接続し、切断した後、再度接続に失敗した場合、 タイムアウト値は再度 10 秒から開始します。 .Pp リンクの両端が .Nm の .Fl auto ダイヤルモードを利用している場合は、 ダイヤル間隔を変更しておくのが良いでしょう。 もし、リンクの両端が同じタイムアウト時間に設定されていて、 リンクが切れて両方に送信待ちのパケットがあった場合、 両方が同時に相手を呼び出しあうことになってしまいます。 場所によっては、シリアルリンクに信頼性がなく、 切れるべきでない時にキャリアが失われるかもしれません。 セッションの途中で予期せずキャリアが失われた場合、 .Nm にリダイヤルさせることができます。 .Bd -literal -offset indent set reconnect timeout ntries .Ed .Pp このコマンドは、キャリアが失われた時に .Ar timeout 秒の間隔を置いて .Ar ntries 回まで接続を再確立するよう .Nm に指示します。例えば、 .Bd -literal -offset indent set reconnect 3 5 .Ed .Pp は、予期せぬキャリア喪失の際に .Ar 3 秒待ってから再接続を試みるように .Nm に指示します。これは .Nm があきらめる前に .Ar 5 回まで行われます。 ntries のデフォルト値は 0 (再接続しない) です。 このオプションを使用する際には注意が必要です。 もしローカル側のタイムアウトがリモート側よりもわずかに長いと、 リモート側がタイムアウトにより回線を切断した場合に、 再接続機能が (指定した回数まで) 起動されてしまいます。 注: この文脈においては、多くの LQR を喪失するとキャリア喪失を引き起こし、 ひいては再接続を引き起こします。 .Fl background フラグが指定された場合、接続が行えるまで すべての電話番号が最大 1 回ダイヤルされます。 .Dq set redial コマンドにて、リダイヤル期間の後に、 再接続回数を指定します。 リダイヤル値が指定した電話番号数より少ない場合、 指定した電話番号で使用されないものが出来ます。 プログラムを終了させるには、次のように入力してください。 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> close ppp ON awfulhak> quit all .Ed .Pp .Dq quit コマンドは .Xr pppctl 8 もしくは .Xr telnet 1 による接続を終了しますが、 プログラム自身は終了させません。 .Nm も終了させたい場合には、 .Dq quit all を実行してください。 .Sh PPP 接続の受け入れ (方法その 1) .Em PPP 接続要求を受け入れるには、次の手順にしたがってください。 .Bl -enum .It モデムと、 (必要であれば) .Pa /etc/rc.serial が正しく設定されていることを確認します。 .Bl -bullet -compact .It フロー制御にはハードウェアハンドシェイク (CTS/RTS) を使います。 .It モデムはエコーバックを行わず (ATE0)、コマンドの結果も報告しない (ATQ1) ように設定されていなければなりません。 .El .Pp .It モデムが接続されているポートで .Xr getty 8 が起動されるように .Pa /etc/ttys を編集します。 例えば、次のように設定すれば良いでしょう: .Pp .Dl ttyd1 Qo /usr/libexec/getty std.38400 Qc dialup on secure .Pp .Xr getty 8 を起動するために .Xr init 8 プロセスに .Dv HUP シグナルを送るのを 忘れないでください: .Pp .Dl # kill -HUP 1 .Pp 通常、あなたのモデムの DTR 速度を getty と同じに設定する必要があります: .Bd -literal -offset indent # ppp ppp ON awfulhak> set device /dev/cuaa1 ppp ON awfulhak> set speed 38400 ppp ON awfulhak> term deflink: Entering terminal mode on /dev/cuaa1 Type `~?' for help at OK at OK atz OK at OK ~. ppp ON awfulhak> quit .Ed .It .Pa /usr/local/bin/ppplogin ファイルを次のような内容で作成します: .Bd -literal -offset indent #!/bin/sh exec /usr/sbin/ppp -direct incoming .Ed .Pp ダイレクトモード .Pq Fl direct では、 .Nm は標準入力と標準出力を使って動作します。クライアント動作の .Nm と同様に、 .Xr pppctl 8 を使用することで、構成された診断ポートに接続可能です。 .Pp ここで .Pa /etc/ppp/ppp.conf 中の .Ar incoming セクションが設定されていなければなりません。 .Pp .Ar incoming セクションに適当な .Dq allow users コマンドがあることを確かめておいてください。 .It 受け入れるユーザのアカウントを用意してください。 .Bd -literal ppp:xxxx:66:66:PPP Login User:/home/ppp:/usr/local/bin/ppplogin .Ed .Pp 詳細は .Xr adduser 8 と .Xr vipw 8 のマニュアル項目を参照してください。 .Dq accept dns および .Dq set nbns コマンドを使うことで IPCP によるドメインネームサーバと NetBIOS ネームサーバの ネゴシエーションを有効にすることが可能です。 下記の記述を参照してください。 .El .Sh PPP 接続の受け入れ (方法その 2) この方法は、 .Xr login 1 ではなく .Nm で接続の認証を行うという点が異なります。 .Bl -enum .It .Pa /etc/gettytab の default セクションに .Dq pp ケーパビリティを指定することで ppp を自動的に認識するように 設定してください。 .Bd -literal default:\\ :pp=/usr/local/bin/ppplogin:\\ ..... .Ed .It 上記の方法その 1 の最初の 3 手順と同じように、 シリアルデバイスを設定し、 .Xr getty 8 を有効にして、 .Pa /usr/local/bin/ppplogin を作成してください。 .It .Pa /etc/ppp/ppp.conf の .Sq incoming ラベル (もしくは .Pa ppplogin が用いるラベルならなんでも構いません) 下に .Dq enable chap か .Dq enable pap (もしくはその両方) を加えてください。 .It .Pa /etc/ppp/ppp.secret に、受け入れるユーザそれぞれについて、エントリを作成してください。 .Bd -literal Pfredxxxx Pgeorgeyyyy .Ed .El .Pp これで、 .Xr getty 8 は (HDLC フレームヘッダを認識することで) ppp 接続を検出すると、すぐに .Dq /usr/local/bin/ppplogin を実行します。 .Pp 上記のように PAP もしくは CHAP を有効にすることは .Em 必須 です。そうしなければ、あらゆる人があなたのマシンにパスワード .Em なしに ppp セッションを確立することを許可し、 あらゆる種類の潜在的な攻撃に対して門戸を開いていることになります。 .Sh 内向き接続の認証 通常、接続の受信側は相手が相手自身を認証することを要求します。 これは通常 .Xr login 1 にて行われますが、代りに PAP か CHAP を使用可能です。 2 つのうちで CHAP の方がより安全ですが、 クライアントによってはサポートしていないものがあります。 どちらを使いたいか決めたら、 .Sq enable chap または .Sq enable pap を .Pa ppp.conf の適切なセクションに追加してください。 .Pp その後、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイルの設定を行う必要があります。 このファイルは、クライアントになりうるマシンごとに 1 行を含みます。 各行は 5 つまでのフィールドからなります: .Pp .Ar name Ar key Oo .Ar hisaddr Op Ar label Op Ar callback-number .Oc .Pp .Ar name と .Ar key は期待されるクライアントのユーザ名とパスワードを指定します。 .Ar key が .Dq \&* で PAP が使用される場合、 .Nm は認証時にパスワードデータベース .Pq Xr passwd 5 を検索します。 .Pa ppp.secret の如何なる .Ar name Ns No / Ar key の組み合わせにおいても適切でない返答をクライアントが与える場合、 認証は失敗します。 .Pp 認証に成功したならば、 (指定時には) .Ar hisaddr を IP 番号ネゴシエーション時に使用します。詳細は .Dq set ifaddr コマンドを参照してください。 .Pp 認証に成功し .Ar label が指定された場合、現在のシステムラベルは .Ar label にマッチするように修正されます。 このことはファイル .Pa ppp.linkup と .Pa ppp.linkdown の後続のパーズに影響があります。 .Pp 認証に成功し .Ar callback-number が指定され .Dq set callback が .Pa ppp.conf で指定された場合、クライアントは指定された番号でコールバックされます。 CBCP が使用される場合、 .Dq set cbcp コマンドに渡すのと同様の形式で、 .Ar callback-number にもまた番号のリストまたは .Dq \&* を含むことが可能です。 この値は、 .Nm で後続する CBCP フェーズで使用します。 .Sh PPP オーバ TCP と PPP オーバ UDP (別名: トンネリング) シリアルリンク上以外の .Nm の使用方法として、 device にホストとポートを指定することにより、 TCP 接続を使用することが可能です: .Pp .Dl set device ui-gate:6669/tcp .Pp シリアルデバイスをオープンする代りに、 .Nm は指定されたマシンの指定されたソケットへの TCP 接続をオープンします。 .Nm は telnet プロトコルを使用しないこと、 telnet サーバとネゴシエーションできないことに注意を払うべきです。 受信マシン (ui-gate) 上に、 この ppp 接続を受信するポートを設定する必要があります。まず .Pa /etc/services を更新して、サービスを定義します: .Pp .Dl ppp-in 6669/tcp # Incoming PPP connections over tcp .Pp そして .Pa /etc/inetd.conf を更新して、このポートへの受信接続をどのように扱うかを .Xr inetd 8 に指示します: .Pp .Dl ppp-in stream tcp nowait root /usr/sbin/ppp ppp -direct ppp-in .Pp .Pa /etc/inetd.conf を更新した後には、 .Xr inetd 8 に .Dv HUP シグナルを送るのをお忘れなく。 ここではラベル名 .Dq ppp-in を使用します。 ui-gate (受信側) の .Pa /etc/ppp/ppp.conf エントリは次の内容を含みます: .Bd -literal -offset indent ppp-in: set timeout 0 set ifaddr 10.0.4.1 10.0.4.2 .Ed .Pp また、 .Pa /etc/ppp/ppp.linkup 中のエントリには、次のようなものを含まなくてはなりません。 .Bd -literal -offset indent ppp-in: add 10.0.1.0/24 HISADDR .Ed .Pp .Nm がネゴシエーションを行い、インタフェースにアドレスを割り当てて からだけしか経路を追加しないように、 .Pa ppp.linkup ファイル中には .Dq add コマンドを置く必要があります。 .Pp セキュリティのために PAP もしくは CHAP の設定をしたいかもしれません。 PAP を有効にするには次の行を追加します: .Bd -literal -offset indent enable PAP .Ed .Pp また、次のエントリを .Pa /etc/ppp/ppp.secret に作成する必要があります: .Bd -literal -offset indent MyAuthName MyAuthPasswd .Ed .Pp .Ar MyAuthPasswd が .Dq * の場合には、パスワードは .Xr passwd 5 データベースから検索されます。 .Pp awfulhak (起動側) の .Pa /etc/ppp/ppp.conf エントリは次の内容を含む必要があります: .Bd -literal -offset indent ui-gate: set escape 0xff set device ui-gate:ppp-in/tcp set dial set timeout 30 set log Phase Chat Connect hdlc LCP IPCP CCP tun set ifaddr 10.0.4.2 10.0.4.1 .Ed .Pp そして、 .Pa /etc/ppp/ppp.linkup ファイル中に経路の設定もつけます。 .Bd -literal -offset indent ui-gate: add 10.0.2.0/24 HISADDR .Ed .Pp PAP を有効にするのなら、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf プロファイル中に、次のような設定も必要です。 .Bd -literal -offset indent set authname MyAuthName set authkey MyAuthKey .Ed .Pp 我々は、 ui-gate に 10.0.4.1 のアドレスを割り当て、 awfulhak に 10.0.4.2 のアドレスを割り当てようとしています。 接続をオープンするためには、次の内容をタイプするだけで良いです。 .Pp .Dl awfulhak # ppp -background ui-gate .Pp 結果として、 awfulhak にはネットワーク 10.0.2.0/24 への新たな「経路」が、 ui-gate にはネットワーク 10.0.1.0/24 への新たな「経路」が、 TCP 接続経由でそれぞれ作成されます。 ネットワークは実質的にブリッジされます - 下位レベルの TCP 接続はパブリックなネットワーク (例えばインターネット) を またがっても良いです。 また 2 つのゲートウェイ間では ppp トラフィックは 概念的に TCP ストリーム中でカプセル化されます (パケットがパケットに対応するわけではありません)。 .Pp この機構の大きな欠点は、同時に 2 つの「配送保証」機構が存在することです - この 2 つとは、下位レベルの TCP ストリームと .Em PPP リンク上で使用されるプロトコルであり、おそらくまた TCP でしょう。 パケット喪失が起ると、両者はそれぞれの方法で喪失した パケットを再送しようと するでしょう。 .Pp このオーバヘッドを避けるために、 トランスポートとして TCP の代りに UDP を使用できます。 これは単にプロトコルを "tcp" から "udp" に変えるだけで可能です。 トランスポートとして UDP を使用するとき、 .Nm は同期モードで動作します。 入力データがパケットに再構成されないという、別の利点もあります。 .Pp このように、トンネルされた設定を通してデフォルトの経路を追加する ときには注意してください。 デフォルトの経路 ( .Pa /etc/ppp/ppp.linkup に追加されます) が、最終的にはリンクのトンネル経由の TCP 接続を ルーティングすることになるのは良く起こることであり、 結果的に接続を狭めてしまうことになります。 これを避けるため、トンネル経由の接続の助けになるように、静的経路を 追加することを忘れないでください。 .Bd -literal -offset indent ui-gate: set escape 0xff set device ui-gate:ppp-in/tcp add ui-gate x.x.x.x ..... .Ed .Pp ここで、 .Dq x.x.x.x は、 .Dq ui-gate への経路が通常使用する IP アドレスです。 .Pp インターネットのような、公共のネットワークを通して接続を ルーティングさせる場合、データを暗号化する方が望ましいです。 MPPE プロトコルの助けを借りれば、それが可能になります。 しかし、現在のところ、MPPE が圧縮層として実装している (この点に関しては Microsoft 社に感謝します) ように、 トラフィックを圧縮することもできるというわけではありません。 MPPE 暗号化を有効にするには、次のような行をサーバ側の .Pa /etc/ppp/ppp.conf に追加してください。 .Bd -literal -offset indent enable MSCHAPv2 disable deflate pred1 deny deflate pred1 .Ed .Pp その際、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret に必要なエントリを置いたことを確認してください (MSCHAPv2 はチャレンジコードベースです。そのため、 .Xr passwd 5 は使用しません)。 .Pp MSCHAPv2 および MPPE はデフォルトで受け取ることができます。 ですので、クライアント側では、何も変更を加えなくても動くはずです (ですが、プロファイル中に .Dq set authname と .Dq set authkey があることは確認してください)。 .Sh ネットワークアドレス変換 (パケットエイリアシング) .Fl nat コマンドラインオプションにより、 ネットワークアドレス変換 (別名、パケットエイリアシング) が有効になります。 これにより、 .Nm ホストがローカルエリアネットワークの他のコンピュータに対して マスカレードゲートウェイとして動作するようになります。 送信される IP パケットは、まるで .Nm ホストから来たかのように NAT され、 受信パケットは、それがローカルエリアネットワークの正しいマシンに 送られるように NAT が戻されます。 NAT により、 未登録でプライベートなサブネット上のコンピュータを 外部から見えないようにしつつ、 インターネットへアクセス可能とします。 一般に、 .Nm が正しく動作していることの確認は、 まず最初にネットワークアドレス変換を禁止して行います。 次に .Fl nat オプションを有効にして、 .Nm ホストの上で (ウェブブラウザや .Xr telnet 1 , .Xr ftp 1 , .Xr ping 8 , .Xr traceroute 8 などの) ネットワークアプリケーションの動作を確認します。 最後に、LAN 上の別のコンピュータの上で同様なアプリケーションの 動作を確認することになります。 .Nm ホストではネットワークアプリケーションが正しく動作するのに、 LAN 上の別のコンピュータでは動かないのであれば、マスカレードソフトウェアは 正しく動いているけれども、ホストが IP パケットをフォワーディングしないか、 ひょっとするとパケットが送られて来ていないかのどちらかです。 .Pa /etc/rc.conf で IP フォワーディングが有効にされていることと、 他のコンピュータで .Nm ホストがその LAN のゲートウェイとして 指定されていることを確認してください。 .Sh パケットのフィルタリング この実装では、パケットのフィルタリングがサポートされています。 .Em in フィルタ、 .Em out フィルタ、 .Em dial フィルタ、そして .Em alive フィルタの 4 種類のフィルタがあります。 ここでは基本的なことについて書くことにします。 .Bl -bullet .It フィルタ定義は次のような構文になっています。 .Pp set filter .Ar name .Ar rule-no .Ar action .Op !\& .Oo .Op host .Ar src_addr Ns Op / Ns Ar width .Op Ar dst_addr Ns Op / Ns Ar width .Oc .Ar [ proto Op src Ar cmp port .Op dst Ar cmp port .Op estab .Op syn .Op finrst .Op timeout Ar secs ] .Bl -enum .It .Ar name は .Sq in , .Sq out , .Sq dial , .Sq alive のいずれかです。 .It .Ar rule-no は .Sq 0 から .Sq 39 までの数値で、ルール番号を指定します。 ルールは .Ar rule-no の番号順に指定されます。 ただしルール .Sq 0 が指定されている場合のみです。 .It .Ar action は .Sq permit , .Sq deny を指定可能であり、 あるパケットがこれらのルールに一致した場合、 結びつけられた action が直ちに実行されます。 また .Ar action には .Sq clear も指定可能です。 この場合、このルールに結びつけられた action をクリアします。 また .Ar action には、現在のルール番号よりも大きなルール番号を指定可能です。 この場合には、あるパケットが現在のルールに一致した場合、 (次のルール番号の代りに) この新しいルールに対して次にパケットが一致するかを確認します。 .Pp .Ar action にはエクスクラメーションマーク .Pq Dq !\& を続けることが可能です。この場合、 .Nm は後続する一致の意味を反転させます。 .It .Op Ar src_addr Ns Op / Ns Ar width と .Op Ar dst_addr Ns Op / Ns Ar width は始点と終点の IP アドレスです。 .Op / Ns Ar width が指定された場合には、それによって適切なネットマスクのビット値を与え、 アドレスの範囲を指定することができます。 .Pp .Ar src_addr と .Ar dst_addr には、 .Dv MYADDR と .Dv HISADDR という値を使用可能です (これらの値の解説は .Dq bg を参照してください)。 これらの値を使用した場合、これらの値が変化するたびにフィルタが更新されます。 これは、後述の .Dq add コマンドの動作と似ています。 .It .Ar proto は .Sq icmp , .Sq igmp , .Sq ipip , .Sq ospf , .Sq udp , .Sq tcp のうちのいずれか 1 つです。 .It .Ar cmp は .Sq \< , .Sq \&eq , .Sq \> のうちいずれか 1 つです。それぞれ、より小さい、等しい、 より大きいを意味します。 .Ar port はポート番号で指定するか、 .Pa /etc/services のサービス名で指定することができます。 .It .Sq estab , .Sq syn , .Sq finrst フラグは .Ar proto が .Sq tcp に設定されているときにのみ許可され、それぞれ TH_ACK、TH_SYN、および TH_FIN もしくは TH_RST という TCP フラグを表わします。 .It タイムアウト値は、現在のアイドルタイムアウトを最低でも .Ar secs 秒へと修正します。 タイムアウトを、alive フィルタと in/out フィルタの両方で指定すると、 in/out での値が使用されます。 タイムアウトを指定しないと、デフォルトタイムアウト ( .Ic set timeout を使用して設定するもので、デフォルトでは 180 秒になります) が使用されます。 .El .Pp .It 各フィルタはルール 0 から始まり、40 個までのルールをもつことができます。 規則のルールは、ルール 0 が定義されていなければ、有効にはなりません。 すなわち、デフォルトではすべてが通されます。 .It 定義されたルール集合中にマッチするものが無い場合、 パケットは破棄 (ブロック) されます。 フィルタにルールが存在しない場合、パケットは通過を許されます。 .It .Em PROTO_IP .Em PPP フレームヘッダを持つ UDP フレームに対しては、 ペイロードに基づいたフィルタリングを行なうことが可能です。 詳細については、後述の .Ar filter-decapsulation を参照してください。 .It すべての規則を消去するには、 .Dq set filter Ar name No -1 を使ってください。 .El .Pp .Pa /usr/share/examples/ppp/ppp.conf.sample . を参照してください。 .Sh アイドルタイマの設定 アイドルタイマを調べたり/設定するためには、それぞれ .Dq show bundle と .Dq set timeout コマンドを使ってください: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set timeout 600 .Ed .Pp タイムアウト時間は秒数で指定します。デフォルト値は timeout が 180 秒 (3 分) です。 アイドルタイマ機能を使わないようにするためには、 次のコマンドを利用してください。 .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set timeout 0 .Ed .Pp .Fl ddial と .Fl dedicated モードではアイドルタイムアウトは無視されます。 .Fl auto モードでは、アイドルタイムアウトが発生すると .Nm プログラムは実行したままで .Em PPP セッションを終了します。別の引金となるパケットがきた時に リンクを再び確立しようとします。 .Sh Predictor-1 および DEFLATE 圧縮 .Nm は Predictor type 1 圧縮および deflate 圧縮をサポートしています。 デフォルトでは、 .Nm は、接続相手が同意 (あるいは要求) した場合に、 この機能を使おうと (もしくは受け入れようと) します。 .Nm は deflate プロトコルを優先します。 これらの機能を使用したくない時には .Dq disable と .Dq deny のコマンドを参照してください。 .Pp .Dq disable deflate か .Dq deny deflate の一方を使用することにより、 方向ごとに異ったアルゴリズムを使用することができます (接続相手が両方のプロトコルをサポートしていると仮定しています)。 .Pp デフォルトでは、DEFLATE についてネゴシエートするときには .Nm はウィンドウサイズとして 15 を使います。この動作を変更したい場合には .Dq set deflate コマンドを参照してください。 .Pp デフォルトでは無効にされ受け付けませんが、DEFLATE24 と呼ばれる特殊な アルゴリズムを使用することもできます。これは CCP ID 24 を ネゴシエーションに使う点を除いては DEFLATE と完全に同じものです。 これを使用することで .Nm は .Nm pppd バージョン 2.3.* と DEFLATE ネゴシエーションを成功させることができます。 .Sh IP アドレスの制御 .Nm は IP アドレスのネゴシエーションのために IPCP を使います。接続の両側は、自分が 使おうとするアドレスを提示し、要求された IP アドレスが受け入れ可能な ものであれば、相手に ACK (肯定応答) を返します。 受け入れることができなければ、別の IP アドレスの使用を促すために .Nm は相手に NAK (否定応答) を返します。 接続の両側が受け取った要求に同意し (ACK を送っ) た時、 IPCP はオープン状態にセットされ、ネットワーク層での接続が確立されます。 IPCP の動作を制御するために、この実装はローカルとリモートの IP アドレスを定義するための .Dq set ifaddr コマンドを持っています。 .Bd -ragged -offset indent .No set ifaddr Oo Ar src_addr Ns .Op / Ns Ar \&nn .Oo Ar dst_addr Ns Op / Ns Ar \&nn .Oo Ar netmask .Op Ar trigger_addr .Oc .Oc .Oc .Ed .Pp ここで、 .Sq src_addr はローカル側で使おうと思っている IP アドレスで、 .Sq dst_addr はリモート側が使用すべき IP アドレスです。 .Sq netmask は使用すべきネットマスクです。 .Sq src_addr のデフォルトは現在の .Xr hostname 1 のもの、 .Sq dst_addr のデフォルトは 0.0.0.0 であり、 .Sq netmask のデフォルトは .Sq src_addr に適したマスク値です。 .Sq netmask はデフォルトより小さくすることのみ可能です。 ほとんどのカーネルが POINTOPOINT インタフェースのネットマスクを 無視するので、便利な値は 255.255.255.255 でしょう。 .Pp 誤った .Em PPP の実装には、接続ネゴシエーションのために、 .Sq src_addr ではなく特別な IP アドレスを使用しなければならないものがあります。 この場合、 .Sq trigger_addr で指定した IP アドレスが使用されます。 相手がこの提案された番号に同意しない限り、経路表には影響しません。 .Bd -literal -offset indent set ifaddr 192.244.177.38 192.244.177.2 255.255.255.255 0.0.0.0 .Ed .Pp 上の例の意味は次の通りです: .Pp .Bl -bullet -compact .It 自分の IP アドレスとしてまず 0.0.0.0 を提案しますが、アドレス 192.244.177.38 のみは受け付けます。 .It 相手側のアドレスとして 192.244.177.2 を使うように要求し, 192.244.177.2 以外のどんなアドレスを使うことも許可しません。 相手側が別の IP アドレスを要求してきた時は、いつでも 192.244.177.2 を提案します。 .It 経路表のネットマスク値は 0xffffffff に設定されます。 .El .Pp これは、両側が既に決まった IP アドレスを持っている場合には うまくいきますが、多くの場合、一方がすべての IP アドレスを制御する サーバとして動作しており、もう一方はその方針に従います。 より柔軟な動作をさせるために、 .Dq set ifaddr コマンドで IP アドレス指定をもっと緩やかにすることが可能です: .Pp .Dl set ifaddr 192.244.177.38/24 192.244.177.2/20 .Pp スラッシュ .Pq Dq / に続く数字は、この IP アドレスで意味のあるビットの数を 表現しています。上の例は次のことを示しています。 .Pp .Bl -bullet -compact .It 可能なら自分のアドレスとして 192.244.177.38 を使おうとしますが、 192.244.177.0 から 192.244.177.255 の間の任意の IP アドレスも受け入れます。 .It 相手のアドレスとして 192.244.177.2 を使うことを希望しますが、 192.244.176.0 から 192.244.191.255 の間の任意の IP アドレスも許可します。 .It すでにお気づきと思いますが、 192.244.177.2 は 192.244.177.2/32 と書くことと 等価です。 .It 例外として、0 は 0.0.0.0/0 と等価であり、希望する IP アドレスは 特に無く、リモート接続先の選択に従うことを意味します。 0 を使用した場合は、接続が確立するまで、経路表のエントリは まったく設定されません。 .It 192.244.177.2/0 は、どんな IP アドレスでも受け入れる/許可することを 意味しますが、最初に 192.244.177.2 を使うように提案します。 .El .Sh インターネットサービスプロバイダと接続する プロバイダに接続する際には、次のステップを踏む必要があるでしょう: .Bl -enum .It .Dq set phone コマンドを使って、ダイヤルスクリプトにプロバイダの電話番号を記述します。 ダイヤルやリダイヤルに使用する電話番号は、 パイプ .Pq Dq \&| またはコロン .Pq Dq \&: で区切って複数指定することができます。例えば、次のようになります: .Bd -ragged -offset indent .No set phone Ar telno Ns Xo .Oo \&| Ns Ar backupnumber .Oc Ns ... Ns Oo : Ns Ar nextnumber .Oc Ns ... .Xc .Ed .Pp 最初のパイプで区切られたリストの番号は、 直前の番号でダイヤルもしくはログインスクリプトが失敗した場合のみ使用されます。 コロンで区切られた番号は、直前の番号の使用によりなにが起ったのかにかかわらず、 この順番で使用されます。例えば: .Bd -literal -offset indent set phone "1234567|2345678:3456789|4567890" .Ed .Pp この場合、まず 1234567 にダイヤルしてみます。 ダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したら、 次は 2345678 を使用します。 しかしこれはダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したとき *のみ* です。 このダイヤルの後、3456789 が使用されます。 4567890 は 345689 でダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したときのみ 使用されます。 2345678 のログインスクリプトが失敗したとしても、次の番号は 3456789 です。 必要な数だけ、パイプとコロンを使用可能です (しかし、通常はパイプのみかコロンのみであり両方の使用はないでしょう)。 次の番号へのリダイヤルまでのタイムアウトは、すべての番号にて使用されます。 リストが終了すると、 通常のリダイヤル期間だけ待ち、 最初から再開します。 .Dq set dial コマンドの \\\\T 文字列は選択された番号で置きかえられます。 (以降を参照してください)。 .It リダイヤルに関する設定は、 .Dq set redial で行います。 例えば回線の調子が悪かったり、 (最近では それほど多くないでしょうが) プロバイダがいつも話中だったりすると、 次のように設定したくなるかもしれません: .Bd -literal -offset indent set redial 10 4 .Ed .Pp これは最初の番号にリダイヤルを行う前に 10 秒待って、 4 回までダイヤルしてみるという意味になります。 .It .Dq set dial と .Dq set login コマンドを使ってログイン手続きを記述します。 .Dq set dial コマンドはモデムと通信してプロバイダへのリンクを確立するのに使われます。 例えば、次のようになります: .Bd -literal -offset indent set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\\\sCARRIER TIMEOUT 4 \\"\\" \e ATZ OK-ATZ-OK ATDT\\\\T TIMEOUT 60 CONNECT" .Ed .Pp このモデム「チャット」文字列の意味は次の通りです。 .Bl -bullet .It \&"BUSY" または "NO CARRIER" を受信した場合には処理を中止します。 .It タイムアウトを 4 秒にセットします。 .It 文字列の受信待ちは行いません。 .It ATZ を送信します。 .It OK の受信待ちを行います。もし 4 秒以内に受信できなければ、 もう 1 度 ATZ を送信し、OK の受信待ちを行います。 .It ATDTxxxxxxx を送信します。xxxxxxx は 上記の電話番号リストの中の、次にダイヤルする番号です。 .It タイムアウトを 60 にセットします。 .It 文字列 CONNECT の受信待ちを行います。 .El .Pp 一旦接続が確立されると、ログインスクリプトが実行されます。 このスクリプトはダイヤルスクリプトと同じスタイルで書かれますが、 パスワードが記録されないように注意してください: .Bd -literal -offset indent set authkey MySecret set login "TIMEOUT 15 login:-\\\\r-login: awfulhak \e word: \\\\P ocol: PPP HELLO" .Ed .Pp このログイン「チャット」文字列の意味は次の通りです。 .Bl -bullet .It タイムアウトを 15 秒にセットします。 .It \&"login:" の受信待ちを行います。もし受信できなければ 復改文字を送信して、再び "login:" の受信待ちを行います。 .It \&"awfulhak" を送信します。 .It \&"word:" ("Password:" プロンプトの末尾) の受信待ちを行います。 .It .Ar authkey に現在設定されている値を送信します。 .It \&"ocol:" ("Protocol:" プロンプトの末尾) の受信待ちを行います。 .It \&"PPP" を送信します。 .It \&"HELLO" の受信待ちを行います。 .El .Pp .Dq set authkey コマンドのログは特別な方法でとられます。 .Ar command または .Ar chat のログが有効な時は、実際のパスワードは記録されません。 代りに .Sq ******** が記録されます。 .Pp ログインスクリプトはプロバイダによって大きく違うものになるでしょう。 始めてそれを設定するときには .Em チャットログを有効化 することで、あなたのスクリプトが予定通りに動いているかを 調べることができます。 .It シリアル回線と通信速度を指定するためには .Dq set device と .Dq set speed を使います。例えば次のようになります。 .Bd -literal -offset indent set device /dev/cuaa0 set speed 115200 .Ed .Pp .Fx では cuaa0 が 1 つめのシリアルポートになります。 .Ox で .Nm を実行している場合には cua00 が 1 つめです。 あなたのモデムが 28800 かそれ以上のビットレートで通信することが できるなら、シリアルポートの速度には 115200 を指定しておくべきでしょう。 一般に、シリアルポートの速度はモデムの速度の約 4 倍にしておきます。 .It .Dq set ifaddr コマンドで IP アドレスを定義します。 .Bl -bullet .It プロバイダがどの IP アドレスを使っているのか知っている場合には、 それをリモートアドレス (dst_addr) として使ってください。 知らない場合には、10.0.0.2/0 か何かを使ってください (以降を参照してください)。 .It 特定の IP アドレスをプロバイダから割り当てられている場合は、 それをローカルアドレス (src_addr) として使ってください。 .It プロバイダが IP アドレスを動的に割り当てる場合は、適当に控えめで 緩やかに記述した IP アドレスをローカルアドレスに選んでください。 10.0.0.1/0 が適切でしょう。 / に続く数値は、このアドレスのうち何ビットを重視しているかを示します。 もしもクラス C のネットワーク 1.2.3.0 上のアドレスを使うことを 主張したいのなら、1.2.3.1/24 と指定することができます。 .It プロバイダがあなたが提示した最初の IP 番号を受け付ける場合、 第 3, 4 の引数に .Dq 0.0.0.0 を指定してください。 これによりプロバイダが番号を割り当てます (3 つめの引数は、 .Sq src_addr に対してデフォルトのマスクよりも制約が緩いため、無視されます)。 .El .Pp 自分の IP アドレスもプロバイダの IP アドレスも 知らない場合には、次の例のようにするとよいでしょう。 .Bd -literal -offset indent set ifaddr 10.0.0.1/0 10.0.0.2/0 0.0.0.0 0.0.0.0 .Ed .Pp .It ほとんどの場合、プロバイダはデフォルトルータでもあるでしょう。 この場合、次の行を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に追加します。 .Bd -literal -offset indent add default HISADDR .Ed .Pp これは、 .Nm 接続先のアドレスが何であっても .Pq この例では 10.0.0.2 デフォルト経路として追加するように指示します。 この経路は .Sq スティッキー です。これは .Dv HISADDR の値が変わると、経路もそれに従って自動的に更新されるという意味です。 .Pp 以前のバージョンの .Nm では .Pa /etc/ppp/ppp.linkup ファイルにこれと似たエントリが必要でした。 .Sq スティッキー経路 の出現により、これはもはや必要ではなくなりました。 .It プロバイダが PAP/CHAP による認証を要求している場合は、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルに次の行を追加してください: .Bd -literal -offset indent set authname MyName set authkey MyPassword .Ed .Pp デフォルトではどちらも受け付けられますので、ISP が何を要求しても大丈夫です。 .Pp PAP もしくは CHAP を使用する場合、ログインスクリプトはほとんどの場合、 必要とされないことを記述しておくべきでしょう。 .It 次のような行を加え、ISP にネームサーバアドレスを確認してください。 .Bd -literal -offset indent enable dns .Ed .Pp ローカル DNS を走らせている場合には、 .Dq resolv readonly を使わず、かつ、 .Dq resolv restore を .Pa /etc/ppp/ppp.linkdown に含めていないならば、 これを .Em やらない でください。 .Nm は単純に .Pa /etc/resolv.conf に nameserver 行を入れることで、ローカル DNS の使用を 出し抜いてしまうからです。 .El .Pp 現実の例を見たい場合には、 .Pa /usr/share/examples/ppp/ppp.conf.sample と .Pa /usr/share/examples/ppp/ppp.linkup.sample を参照してください。 ラベル pmdemand は、ほとんどのプロバイダで使用できるでしょう。 .Sh ログ機能 .Nm は次のログ情報を、 .Xr syslog 3 経由で、もしくはスクリーンに出力することができます: .Pp .Bl -tag -width XXXXXXXXX -offset XXX -compact .It Li All ロギング用ファシリティをすべて有効にします。 この場合、ログがたくさんできます。 `all' の最も一般的な使い方は、共通部分として使うことです。 この場合、すべてのファシリティを有効にしたあとで一部の ファシリティを削ったりします (`debug' や `timer' が通常は無効にするのに最適な ファシリティです)。 .It Li Async 非同期レベルパケットの 16 進ダンプ。 .It Li CBCP CBCP (CallBack Control Protocol) ログの生成。 .It Li CCP CCP パケットトレースの生成。 .It Li Chat .Sq dial , .Sq login , .Sq logout , .Sq hangup のチャットスクリプトのトレースログの生成。 .It Li Command コマンド実行のログ。 .It Li Connect 文字列 "CONNECT" を含むチャット行のログ。 .It Li Debug デバッグ情報のログ。 .It Li DNS DNS QUERY パケットのログ。 .It Li Filter ダイヤルフィルタに許可され、他のフィルタに拒否されたパケットのログ。 .It Li HDLC HDLC パケットの 16 進ダンプ。 .It Li ID0 ユーザ ID 0 で実行された全関数呼び出しを詳細に記録。 .It Li IPCP IPCP パケットトレースの生成。 .It Li LCP LCP パケットトレースの生成。 .It Li LQM LQR レポートの生成。 .It Li Phase フェーズ遷移ログの出力。 .It Li Physical 物理レベルパケットの 16 進ダンプ。 .It Li Sync 同期レベルパケットの 16 進ダンプ。 .It Li TCP/IP 全 TCP/IP パケットのダンプ。 .It Li Timer タイマ操作のログ。 .It Li TUN ログの各行に tun デバイスを含めます .It Li Warning 端末デバイスへの出力。端末が存在しない場合は、 .Dv LOG_WARNING を使用してログファイルに送ります。 .It Li Error 端末デバイスとログファイルへの出力で、 .Dv LOG_ERROR を使用します。 .It Li Alert ログファイルへの出力で、 .Dv LOG_ALERT を使用します。 .El .Pp .Dq set log コマンドで、ログの出力レベルを設定することができます。 また、複数のレベルを単一コマンドラインにて指定することも可能です。 デフォルトは、 .Dq set log Phase です。 .Pp スクリーンに直接ログを表示することも可能です。 文法は同じで、語 .Dq local が .Dq set log の直後に付くことだけが違います。 デフォルトは .Dq set log local (つまり、マスクされない警告、エラーと注意のみ出力) です。 .Pp .Dq set log Op local への最初の引数が .Sq + か .Sq - の文字で始まる場合、現在のログレベルを消去せずに修正します。例えば: .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> set log phase PPP ON awfulhak> show log Log: Phase Warning Error Alert Local: Warning Error Alert PPP ON awfulhak> set log +tcp/ip -warning PPP ON awfulhak> set log local +command PPP ON awfulhak> show log Log: Phase TCP/IP Warning Error Alert Local: Command Warning Error Alert .Ed .Pp レベル Warning, Error, Alert のメッセージログは .Dq set log Op local では制御できません。 .Pp .Ar Warning レベルは特別で、ローカルに表示可能な場合には記録されません。 .Sh シグナルハンドリング .Nm は次のシグナルを扱います: .Bl -tag -width "USR2" .It INT このシグナルを受信すると、現在の接続がもしあればそれを終了します。 .Fl auto もしくは .Fl ddial のモードではない場合、 .Nm は終了します。 .It HUP, TERM, QUIT .Nm を終了させます。 .It USR1 .Nm に既存のサーバソケットを再度オープンさせ、すべての既存の診断ポートへの接続を 取り下げます。 以前にオープン出来なかったソケットは、再度試されます。 .It USR2 .Nm に全サーバソケットを閉じさせ、すべての既存の診断ポートへの接続を 取り下げます。 再度オープンするためには、 .Dv SIGUSR1 が使用できます。 .El .Sh マルチリンク PPP .Em PPP 相手に接続するのに複数の物理的なリンクを利用したいなら、 接続相手も .Em マルチリンク PPP プロトコルを理解する必要があります。 仕様の詳細は RFC 1990 を参照してください。 .Pp 接続先は、 .Dq 終点の選択 とその .Dq 認証 ID の組み合わせによって識別されます。 これらの一方、もしくは両方を指定することができます。 最低でも片方は指定しておくことが推奨されます。 そうでないと、すべてのリンクが実際に同一のプログラムに接続されていることを 確認する方法がなくなり、 混乱してロックアップを引き起こすことがあります。 ローカルには、これらの識別変数は .Dq set enddisc と .Dq set authname コマンドを用いることで指定されます。先立って接続相手と .Sq authname (と .Sq authkey ) について合意しておく必要があります。 .Pp マルチリンクの能力は .Dq set mrru コマンド (set maximum reconstructed receive unit) を用いることで 有効になります。一度マルチリンクが有効になれば、 .Nm は接続相手とマルチリンク接続のネゴシエーションを行います。 .Pp デフォルトでは ( .Sq deflink と呼ばれる) ただ 1 つの .Sq リンク のみが有効です。さらにリンクを作成するには .Dq clone コマンドが使われます。このコマンドは既存のリンクを複製します。 それは次の点を除いてすべての性質が同じものです: .Bl -enum .It 新しいリンクは .Dq clone コマンドラインで指定された独自の名前を持ちます。 .It 新しいリンクは .Sq interactive リンクです。そのモードは次の .Dq set mode コマンドで変更することができます。 .It 新しいリンクは .Sq closed の状態にあります。 .El .Pp すべての有効なリンクのまとめは、 .Dq show links コマンドを用いて見ることができます。 .Pp 一度リンクが作成されると、コマンドの使用方法が変わります。 すべてのリンク固有のコマンドの前には、 .Dq link Ar name プレフィックスをつけて、 コマンドを適用するリンクを指定する必要があります。 .Nm は十分賢いので、 利用可能なリンクが 1 つだけの場合には、 .Dq link Ar name プレフィックスは不要です。 .Pp コマンドの中には依然としてリンクの指定なしに使用できるものがあり、それは .Sq バンドル レベルの操作を行います。たとえば、2 つ以上のリンクが存在するとき .Dq show ccp はマルチリンクレベルの CPP 設定と統計を表示し .Dq link deflink show ccp は .Dq deflink のリンクレベルの同じ情報を表示します。 .Pp これらの情報を用いて、次の設定を用いることができます: .Pp .Bd -literal -offset indent mp: set timeout 0 set log phase chat set device /dev/cuaa0 /dev/cuaa1 /dev/cuaa2 set phone "123456789" set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\sCARRIER TIMEOUT 5 \\"\\" ATZ \e OK-AT-OK \\\\dATDT\\\\T TIMEOUT 45 CONNECT" set login set ifaddr 10.0.0.1/0 10.0.0.2/0 0.0.0.0 0.0.0.0 set authname ppp set authkey ppppassword set mrru 1500 clone 1,2,3 # 3 個の新規リンクを作成 - デフォルトを複製 link deflink remove # デフォルトリンクを削除 (``deflink'' という名前) .Ed .Pp すべての複製が設定の最後で行われていることに注意してください。 一般にはリンクは最初に設定され、そして複製されます。 あなたが常にすべてのリンクがアップ状態であることを望む場合には、 設定の最後に次の行を追加することができます。 .Pp .Bd -literal -offset indent link 1,2,3 set mode ddial .Ed .Pp リンクが必要に応じてダイヤルされることを望む場合には、次のコマンドを 使うことができます。 .Pp .Bd -literal -offset indent link * set mode auto .Ed .Pp 上記の .Dq set device 行を取り除き、 .Dq clone コマンドに続けて次の内容を指定することで、 リンクを特定の名前に結びつけることもできます: .Pp .Bd -literal -offset indent link 1 set device /dev/cuaa0 link 2 set device /dev/cuaa1 link 3 set device /dev/cuaa2 .Ed .Pp どのコマンドが ( .Dq link コマンドを使用した) コンテキスト (文脈) を要求し、 どのコマンドがコンテキストをオプションとし、 そしてどのコマンドがコンテキストを一切とらないかを調べるには、 .Dq help コマンドを使用します。 .Pp .Nm が接続相手と .Em マルチリンク モードでネゴシエートすると、 .Nm はローカルドメインソケットを .Pa /var/run ディレクトリに作成します。このソケットは、 リンク情報 (実際のリンクファイル記述子も含む) を、異なる .Nm の間で受け渡しするために使われます。 この機能によって、 .Nm はシリアル回線の初期制御を行う必要なしに .Xr getty 8 から、もしくは直接 .Pa /etc/gettydefs から ( .Sq pp= ケーパビリティを用いて) 実行することが可能となっています。 ひとたび .Nm がマルチリンクモードのネゴシエーションを行うと、 .Nm は自分がオープンした リンクをすでに実行されている任意の他のプロセスに渡すことができます。 すでに実行されているプロセスがない場合、 .Nm はマスタとして振る舞い、ソケットを作成し、新たな接続を待ちます。 .Sh PPP コマンドリスト この節では利用可能コマンドとその効果をリストします。 .Nm セッションで対話的に使用することも、 設定ファイルで指定することも、 .Xr pppctl 8 もしくは .Xr telnet 1 セッションで指定することも可能です。 .Bl -tag -width 2h .It accept|deny|enable|disable Ar option.... これらのディレクティブは 最初の接続においてどのように相手とネゴシエートするかを .Nm に指示します。各 .Dq option は、accept/deny および enable/disable のデフォルトを持ちます。 .Dq accept は相手がこのオプションを要求したら、ACK を送ることを意味します。 .Dq deny は相手がこのオプションを要求したら、NAK を送ることを意味します。 .Dq enable はこのオプションを当方が要求することを意味します。 .Dq disable はこのオプションを当方が要求しないことを意味します。 .Pp .Dq option は次のいずれかです: .Bl -tag -width 2h .It acfcomp デフォルト: enable かつ accept。 ACFComp はアドレスおよびコントロールフィールド圧縮 (Address and Control Field Compression) を意味します。 LCP パケット以外は通常、 アドレスフィールド 0xff (全ステーションアドレス) と 制御フィールド 0x03 (番号付けされていない情報コマンド) を持ちます。 このオプションがネゴシエートされると、これらの 2 バイトは単に送信されなくなり、 流量が少なくなります。 .Pp 詳細は .Pa rfc1662 を参照してください。 .It chap Ns Op \&05 デフォルト: disable かつ accept。 CHAP はチャレンジ交換認証プロトコル (Challenge Handshake Authentication Protocol) を意味します。 CHAP もしくは PAP (後述) のどちらか一方のみネゴシエーション可能です。 CHAP では、認証者は「チャレンジ」メッセージを相手に送ります。 相手は一方向ハッシュ関数を使用して「チャレンジ」を暗号化し、 結果を送り返します。 認証者は同じことを行い結果を比較します。 この機構の利点は、接続を介してパスワードを送らないことです。 接続が最初に確立する時にチャレンジが行われます。 更なるチャレンジが行われるかもしれません。 相手の認証を行いたい場合は、 .Dq enable chap を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に書き、相手のエントリを .Pa /etc/ppp/ppp.secret に書く必要があります。 .Pp クライアントとして CHAP を使用する場合、 .Dq AuthName と .Dq AuthKey を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に指定するだけで良いです。 CHAP はデフォルトで accept されます。 .Em PPP の実装によっては、チャレンジの暗号化に MD5 ではなく "MS-CHAP" を使用するものがあります。 MS-CHAP は MD4 と DES の組み合わせです。もし .Nm が DES ライブラリの存在するマシン上で構築された場合 MS-CHAP 認証要求に応答しますが、要求はしません。 .It deflate デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは圧縮制御プロトコル (Compression Control Protocol; CCP) に deflate 圧縮を使用するか否かを決定します。 使用されるアルゴリズムは .Xr gzip 1 プログラムが使用するものと同じです。 注: .Xr pppd 8 - 多くのオペレーティングシステムで使用可能な .Em PPP の実装 - との .Ar deflate 能力についてのネゴシエーションには問題があります。 .Nm pppd (バージョン 2.3.1) が .Ar deflate 圧縮のネゴシエーションを行おうとする CCP コンフィギュレーションタイプは、 .Pa rfc1979 に規定されたタイプ .Em 26 ではなくタイプ .Em 24 であり、誤っています。 タイプ .Ar 24 は実際には .Pa rfc1975 では .Dq PPP Magna-link Variable Resource Compression と指定されています! .Nm は .Nm pppd とネゴシエートする能力がありますが、 .Dq deflate24 が .Ar enable かつ .Ar accept されている場合のみです。 .It deflate24 デフォルト: disable かつ deny。 これは .Ar deflate のバリエーションで、 .Xr pppd 8 プログラムとのネゴシエーションを許可します。 詳細は上記の .Ar deflate セクションを参照してください。 これは .Pa rfc1975 に反するため、デフォルトでは disable となっています。 .It dns デフォルト: disable かつ deny。 このオプションは DNS ネゴシエーションを許可します。 .Pp .Dq enable にすることにより、 .Nm は接続相手が .Pa /etc/resolv.conf ファイルのエントリを確認することを要求します。 もし接続相手が当方の要求に否定応答をした場合 (新しい IP アドレスを 提案したら)、 .Pa /etc/resolv.conf ファイルは更新され、新しいエントリを確認するように要求を送ります。 .Pp .Dq accept にすることにより、 .Nm は接続相手からの DNS 検索要求を拒否せずに、返答します。 .Dq set dns コマンドの使用によって上書きされていない場合には、応答は .Pa /etc/resolv.conf から採られます。 .It enddisc デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは、終点選択値をネゴシエートするか否かを制御します。 .Dq set enddisc が使用され .Ar enddisc が enable の場合のみ、当方の選択値を送ります。 .Ar enddisc が disable の場合、相手の選択値を拒否します。 .It LANMan|chap80lm デフォルト: disable かつ accept。 この認証プロトコルの使用は勧められません。 単一の CHAP タイプ (0x80) を装って、 2 つの異った機構 (LANMan と NT) を実装することにより、 部分的に認証プロトコルを侵害しているからです。 .Dq LANMan は単純な DES 暗号化機構を使用するものであり、 CHAP 代替としては最低の安全性のものです (それでも PAP よりは安全です)。 .Pp 更なる詳細は後述の .Dq MSChap の記述を参照してください。 .It lqr デフォルト: disable かつ accept。 このオプションはリンク品質要求 (Link Quality Request) を送信する、 もしくは受け入れるかどうかを決定します。 LQR は、モデムのキャリア検出を使用せずに、リンクダウンを .Nm に決定させるプロトコルです。 LQR が enable になっていると、 .Nm は LCP 要求の一部として .Em QUALPROTO オプション (後述の .Dq set lqrperiod を参照) を送ります。 接続相手が同意した場合、両端は同意した間隔で LQR パケットを交換し、 LQM ロギングを有効にすることで、詳細なリンク品質を監視することが 可能になります。 接続相手が同意しなかった場合、 .Nm は代りに ECHO LQR 要求を 送ります。これらのパケットは興味ある情報を何も渡しませんが、 .Em 必ず 接続相手に応答しなければなりません。 .Pp LQR, ECHO LQR のいずれを用いるにせよ、 .Nm は 5 つのパケットを送ったが確認応答が無い場合、6 つ目のパケットを送らずに 回線を切断します。 メッセージを .Em PHASE レベルで記録し、回線切断の原因が接続相手にあるものとして、適当な .Dq reconnect 値を使用します。 .It mppe デフォルト: enable かつ accept。 これは、Microsoft 社の Point to Point 暗号化機構です。 MPPE の鍵のサイズは、40, 56, 128 ビットです。 .Dq set mppe コマンドを参照してください。 .It MSChapV2|chap81 デフォルト: disable かつ accept。 標準 CHAP (タイプ 0x05) と非常に似ていますが、長さ 16 バイト固定の チャレンジコードを送ることと、チャレンジコードを暗号化するのに、 標準の MD5 機構ではなく MD4, SHA-1 そして DES を混合して使用する 点が異なります。 .It MSChap|chap80nt デフォルト: disable かつ accept。 この認証プロトコルの使用は勧められません。 単一の CHAP タイプ (0x80) を装って、 2 つの異った機構 (LANMan と NT) を実装することにより、 部分的に認証プロトコルを侵害しているからです。 標準の CHAP (タイプ 0x05) に非常に良く似ていますが、 チャレンジを固定 8 バイト長で発行し、 標準の MD5 機構ではなく MD4 と DES を組み合わせてチャレンジを暗号化するところが違います。 LANman 用の CHAP タイプ 0x80 もまたサポートされています - 詳細は .Dq enable LANMan を参照してください。 .Pp .Dq LANMan と .Dq NT の両方が CHAP タイプ 0x80 を使用しますので、両方を .Dq enable にして認証者として動作するときには、 相手が誤った方のプロトコルを使用して応答した場合には、 .Nm は最大 3 回相手に再チャレンジします。 これにより、相手が両方のプロトコルを使用する機会を与えます。 .Pp 逆に、両プロトコルを .Dq enable にして .Nm が被認証者となる場合、チャレンジに答えるたびに使用プロトコルを交換します。 .Pp 注: LANMan のみが enable にされた場合、 .Xr pppd 8 (バージョン 2.3.5) は被認証者としては誤った動作を行います。 NT と LANMan の両方の応答を行いますが、 NT の応答のみ使用すべきことも指示してしまうのです。 .It pap デフォルト: disable かつ accept。 PAP はパスワード認証プロトコル (Password Authentication Protocol) を 意味します。 CHAP (前述) もしくは PAP のどちらか一方のみネゴシエーション可能です。 PAP では、ID とパスワードが相手に送られ続け、 認証されるか接続が終了されるまでこれが続きます。 これは比較的良くないセキュリティ機構です。 接続が最初に確立した時のみ実行可能です。 相手の認証を行いたい場合は、 .Dq enable pap を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に書き、相手のエントリを .Pa /etc/ppp.secret に書く必要があります (ただし、後述の .Dq passwdauth と .Dq set radius オプションを参照)。 .Pp クライアントとして PAP を使用する場合、 .Dq AuthName と .Dq AuthKey を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に指定するだけで良いです。 PAP はデフォルトで accept されます。 .It pred1 デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは圧縮制御プロトコル (Compression Control Protocol; CCP) に Predictor 1 圧縮を使用するかどうかを決定します。 .It protocomp デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは PFC (プロトコルフィールド圧縮) のネゴシエートするために使用されます。 この機構により、 プロトコルフィールド数が 2 オクテットから 1 オクテットに減ります。 .It shortseq デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは .Nm がマルチリンクモードのネゴシエーション時に (12 ビットの) 短いシーケンス番号を要求し、そして受け入れるかどうかを決定します。 これは、当方の MMRU が設定されたときのみ (マルチリンクが有効になっているときのみ) 適用されます。 .It vjcomp デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは Van Jacobson ヘッダ圧縮を使用するかどうかを決定します。 .El .Pp 次に示すオプションは、実際には相手とネゴシエートしません。 それゆえ accept および deny は意味を持ちません。 .Bl -tag -width 20 .It filter-decapsulation デフォルト: disable。 本オプションを enable にすると、 .Nm は UDP フレームを検査し、 .Em PPP フレームをペイロードとして持っているか否かを見ます。 これが真である場合、パケット自身に対してではなく、ペイロードに対して、 すべてのフィルタを適用します。 .Pp .Em PPP リンク上で PPPoUDP トラフィックを送りたい場合で、 UDP ラッパではなく、 実際のデータに基いて賢いことをリンクにやらせたい場合に有用です。 .Pp UDP フレームのペイロードは、如何なる方法であっても圧縮してはなりません。 圧縮した場合には、 .Nm はペイロードを解釈できません。 ですから、UDP リンクに対する .Nm の起動の際には、設定中で .Ic disable vj pred1 deflate と .Ic deny vj pred1 deflate を行なうことを推奨します。 .It idcheck デフォルト: enable。 低レベルな LCP, CCP, IPCP 設定トラフィックを交換するときに、 すべての応答の識別子フィールドはその要求の識別子フィールドと 同一であることが予定されています。デフォルトでは .Nm は予定された識別子フィールドを持たないすべての応答パケットを 捨て、それぞれのログレベルで報告します。もし .Ar idcheck が disable になっている場合、 .Nm は識別子フィールドを無視します。 .It keep-session デフォルト: disable。 .Nm がマルチリンクサーバとして動作するとき、別の .Nm インスタンスが最初に各接続を受け付けます。 リンクが (別の .Nm によって制御されている) 既存のバンドルに属すと判定すると、 .Nm はこのリンクを当該別プロセスへ移管します。 .Pp リンクが tty デバイスである場合かこのオプションが enable されている場合、 .Nm は終了せず、自己のプロセス名を .Dq session owner に変え、リンクを制御する方の .Nm が処理を完了してアイドルプロセスの方へシグナルを返すまで待ちます。 リンク資源が再利用可能であると .Nm の親がみなす結果により生じる混乱を、これにより防ぎます。 .Pp .Pa /etc/ttys にエントリがある tty デバイスの場合、別の .Xr getty 8 の開始を防ぐために、これが必要です。 .Xr sshd 8 のようなプログラムリンクの場合、子供の死による .Xr sshd 8 の終了を防ぐために、これが必要です。 .Nm は親の要件を判断できませんので (tty の場合を除く)、 状況に応じて手動で本オプションを設定する必要があります。 .It loopback デフォルト: enable。 .Ar loopback が enable の場合、 .Nm は自動的に .Em PPP インタフェースと同じ終点アドレス宛に送出されたパケットを ループバックします。 disable の場合、 .Nm がパケットを送ると、おそらく他の終点からの ICMP リダイレクトとなります。 インタフェースがデフォルト経路であるため、 ループバック経路を必要とすることを避けたい場合、 このオプションを enable にすると便利です。 .It passwdauth デフォルト: disable。 このオプションを enable にすることにより、 PAP 認証コードが呼び出し側を認証する時に、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイル中でみつからない場合、パスワードデータベース ( .Xr passwd 5 参照) を使用します。 .Pa /etc/ppp/ppp.secret は常に、最初に調べられます。 .Xr passwd 5 からパスワードを調べ、かつそのクライアントに対して IP アドレスもしくは ラベルを指定したい場合には、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイル中のクライアントのパスワードとして .Dq \&* を用いてください。 .It proxy デフォルト: disable。 このオプションを enable にすることにより、 .Nm に相手のために代理 ARP をさせます。 .Dv HISADDR と .Dv HISADDR がいるローカルネットワークの .Dv MAC アドレスを使用して、 .Nm が ARP 表に単一エントリを作成することを意味します。 これにより、 相手自身がその LAN に接続されたかのような状態で、 LAN に接続された他のマシンと相手とが 通信できるようになります。 .Dv HISADDR が LAN からのアドレスではない場合、代理エントリは作成できません。 .It proxyall デフォルト: disable。 このオプションを enable にすることにより、 .Nm に代理 ARP エントリを追加させます。 追加されるエントリは、 tun インタフェースによってルーティングされる すべてのクラス C もしくはそれ以下のサブネットの中の、全 IP アドレスです。 .Pp 代理 arp エントリは、 .Dq add コマンドによって追加されたスティッキー経路に対してのみ作成されます。( .Dq set ifaddr コマンドによって作成された) インタフェースアドレス自身に対しては、代理 arp エントリは作成されません。 .It sroutes デフォルト: enable。 .Dq add コマンドが .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR という値とともに用いられると、エントリは .Sq スティック経路 リストに格納されます。 .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR が変更される度に、このリストが経路表に適用されます。 .Pp このオプションを disable にすると、 スティッキー経路が適用されなくなります。 .Sq スティッキー経路 リストは依然として保守されます。 .It Op tcp Ns Xo .No mssfixup .Xc デフォルト: enable。 このオプションは、 .Nm に、TCP SYN パケットを調整するように指示し、 インタフェース MTU が許可しているサイズを受信セグメントサイズの 最大値が超えないようにします。 .It throughput デフォルト: enable。 このオプションを有効にすると、 .Nm はスループット統計を収集します。 ずれ動く 5 秒間のウィンドウにおいて入出力が検査され、 現在、最良時、総計の数値が保持されます。 このデータは関連する .Em PPP 層が終了するときに出力され、また .Dq show コマンドで表示することで得られます。スループット統計は .Dq IPCP と .Dq physical のレベルで利用可能です。 .It utmp デフォルト: enable。 通常ユーザが PAP もしくは CHAP で認証された時で、 .Nm が .Fl direct モードで実行されている時は、このユーザのエントリが utmp ファイルおよび wtmp ファイルに作成されます。 このオプションを disable にすると、 .Nm は utmp および wtmp のエントリを作成しません。 通常、 ユーザがログインしかつ認証することを要求する場合のみ必要です。 .It iface-alias デフォルト: .Fl nat が指定された場合 enable。 このオプションは、 インタフェースのアドレスを交換するのではなく、 インタフェースに新規アドレスを追加するように、 .Nm に指示します。 ネットワークアドレス変換が有効な場合のみ .Pq Dq nat enable yes 、本オプションを enable にできます。 .Pp 本オプションを enable にすると、 .Nm は古いインタフェースアドレスのトラフィックを NAT エンジン .Pq Xr libalias 3 参照 を通すようになり、( .Fl auto モードでは) 最初に PPP リンクを立ち上げたプロセスが正しく接続できるようにします。 .Pp .Dq nat enable no として NAT を disable すると、 .Sq iface-alias も disable します。 .El .Pp .It add Ns Xo .Op !\& .Ar dest Ns Op / Ns Ar nn .Op Ar mask .Op Ar gateway .Xc .Ar dest は宛先 IP アドレスです。 ネットマスクは .Ar /nn によってビット数で指定するか、もしくは .Ar mask を用いて IP 番号で指定します。 .Ar 0 0 ならびにマスクなしの .Ar 0 はデフォルト経路を意味します。 .Ar 0 の代りにシンボル名 .Ar default を使うことが可能です。 .Ar gateway は、 .Ar dest マシン/ネットワークに至る、次のホップのゲートウェイです。 詳細は .Xr route 8 コマンドを参照してください。 .Pp 宛先にシンボル名 .Sq MYADDR と .Sq HISADDR を使用可能であり、 .Ar gateway には .Sq HISADDR を使用可能です。 .Sq MYADDR はインタフェースアドレスに置き換えられ、 .Sq HISADDR はインタフェースの宛先 (相手の) アドレスに置き換えられます。 .Pp .Ar add!\& コマンド ( .Dq !\& に注意) 使用時には、経路が存在する場合には .Sq route change コマンド (詳細は .Xr route 8 参照) にて経路を更新します。 .Pp .Dq HISADDR , .Dq MYADDR , .Dq DNS0 , .Dq DNS1 のいずれかを含む経路は .Sq スティッキー と見なされます。これらはリスト (リストを見るには .Dq show ipcp コマンドを使用します) に格納され、 .Dv HISADDR .Dq MYADDR , .Dq DNS0 , .Dq DNS1 のいずれかの値が変更される度に、経路表の関連するエントリが更新されます。 この機能は .Dq disable sroutes を使用することで無効にできます。 .It allow user Ns Xo .Op s .Ar logname Ns No ... .Xc このコマンドは .Nm と設定ファイルへのアクセスを制御します。 設定ファイルのラベルと .Nm 実行モードにより、 ユーザレベルでのアクセスも可能です。 例えば、 .Fl background モードでは、ユーザ .Sq fred のみがラベル .Sq fredlabel にアクセスできるように、 .Nm を構成したいかもしれません。 .Pp ユーザ ID 0 はこれらのコマンドの対象外です。 .Bl -tag -width 2h .It allow user[s] Ar logname... デフォルトでは、ユーザ ID 0 のみが .Nm へのアクセスを許されています。 このコマンドを指定することで、 .Dq allow users が記載されているセクションに列挙されているユーザは、 そのセクションへのアクセスが可能となります。 .Sq default セクションは 常に最初にチェックされます (スタートアップ時に常にロードされる唯一の セクションです)。 あるセクションの中では、複数の .Dq allow users コマンドは、加算的です。 しかしながら、あるセクション中で許可されたユーザ群は、 .Sq default セクションで許可されたユーザ群を上書きします。 ですから、デフォルトユーザを .Sq default セクションで指定し、新しいユーザリストをあるラベルに指定することで、 あるラベル以外のすべてにアクセスを許すといったことが可能です。 .Pp ユーザ .Sq * が指定されると、全ユーザにアクセスが許されます。 .It allow mode Ns Xo .Op s .Ar mode Ns No ... .Xc デフォルトでは全 .Nm モードが使用可能です。 このコマンドが使用されると、 このコマンドが指定されたラベルのロードに許されるアクセス .Ar mode が制限されます。 .Dq allow users コマンドと同様、 各 .Dq allow modes コマンドは先行するコマンドに優先し、 .Sq default セクションは常に最初にチェックされます。 .Pp 使用可能なモードは次の通りです: .Sq interactive , .Sq auto , .Sq direct , .Sq dedicated , .Sq ddial , .Sq background , .Sq * 。 .Pp マルチリンクモードで動作するときには、 現在存在する回線モードを許可するセクションをロード可能です。 .El .Pp .It nat Ar command Op Ar args このコマンドは .Nm 組込みのネットワークアドレス変換機能 (マスカレーディングや IP エイリアシングとしても知られています) を 制御するために使用します。 NAT は、外部インタフェースでのみ動作し、 .Fl direct フラグと共に使用してもおそらく意味がありません。 .Pp あなたのシステムで nat を有効にすると (コンパイル時に削除できます)、 次のコマンドが使用可能となります: .Bl -tag -width 2h .It nat enable yes|no このコマンドは、ネットワークアドレス変換を有効もしくは無効にします。 .Fl nat コマンドラインフラグは .Dq nat enable yes と同じ意味です。 .It nat addr Op Ar addr_local addr_alias このコマンドには、 .Ar addr_alias のデータを .Ar addr_local へリダイレクトします。 少数の実 IP アドレスを持ち、 それらをゲートウェイの後の特定のマシンにマップしたい場合に有用です。 .It nat deny_incoming Op yes|no yes に設定すると、 エイリアシングリンクがまだ存在しないところでは、 このコマンドは全パケットを拒否します。 .Dq エイリアシングリンク が何であるかについては、 .Xr libalias 3 の .Sx 概念の背景 節を参照してください。 .Pp どのような状況において .Xr libalias 3 がエイリアシングリンクを作成したか、気をつける必要があります。 .Dq set filter または .Dq nat target のコマンドを使用して、更にネットワークを保護する必要があるかもしれません。 .It nat help|? このコマンドは、使用可能な nat コマンドのまとめを表示します。 .It nat log Op yes|no このオプションは、NAT の様々な統計と情報がファイル .Pa /var/log/alias.log に記録されるようにします。 .It nat port Ar proto Ar targetIP Ns Xo .No : Ns Ar targetPort Ns .Oo .No - Ns Ar targetPort .Oc Ar aliasPort Ns .Oo .No - Ns Ar aliasPort .Oc Oo Ar remoteIP : Ns .Ar remotePort Ns .Oo .No - Ns Ar remotePort .Oc Ns .Oc .Xc このコマンドは、 .Ar aliasPort への入力の .Ar proto 接続を、 .Ar targetIP の .Ar targetPort へリダイレクトします。 .Ar proto は、 .Dq tcp または .Dq udp です。 .Pp ポート番号の範囲は、前述のように指定可能です。 範囲は同じ大きさであることが必要です。 .Pp .Ar remoteIP が指定された場合、この IP 番号から来たデータのみがリダイレクトされます。 .Ar remotePort は、 .Dq 0 (すべての送信元ポート) か、もう一方の範囲と同じ大きさのポート範囲です。 .Pp あなたのゲートウェイの後のマシンでインターネット電話等を実行したい場合に、 このオプションは有用です。 しかし、送信元ホストと宛先ポートにつき 内部マシン 1 台のみに接続可能という制限があります。 .It nat proto Ar proto localIP Oo .Ar publicIP Op Ar remoteIP .Oc このコマンドは、プロトコルタイプ .Ar proto ( Xr protocols 5 参照) のパケットを内部アドレス .Ar localIP にリダイレクトするよう .Nm に指示します。 .Pp .Ar publicIP が指定された場合、そのアドレスが宛先のパケットのみが適合し、 そうでない場合、デフォルトのエイリアスアドレスが使用されます。 .Pp .Ar remoteIP が指定された場合、その始点アドレスに適合するパケットのみが適合します。 .Pp このコマンドは、 トンネルのエンドポイントを内部マシンにリダイレクトするために有用です。 例えば次のようにします: .Pp .Dl nat proto ipencap 10.0.0.1 .It "nat proxy cmd" Ar arg Ns No ... このコマンドは、 .Nm に特定の接続に対する代理をさせ、 これらの接続を指定したサーバにリダイレクトします。 使用可能なコマンドについての詳細は .Xr libalias 3 の .Fn PacketAliasProxyRule の記述を参照してください。 .It nat same_ports yes|no 有効になると、 ネットワークアドレス変換エンジンに対して、 出力パケットのポート番号をできるだけ変更しないように指示します。 RPC や LPD といった、 ウェルノウンポート (well known port) からの接続を要求する プロトコルをサポートするのに有用です。 .It nat target Op Ar address アドレスを指定したときは、そのアドレスをターゲットアドレスとして設定し、 指定しないときは、ターゲットアドレスの設定をクリアします。 ターゲットアドレスは、デフォルトでどのように受信パケットを NAT するかを指定するために libaliases が使用します。 ターゲットアドレスが設定されていないか、または .Dq default が与えられている場合、パケットは変更されないまま内部ネットワークに ルーティングされるようになります。 .Pp ターゲットアドレスを .Dq MYADDR に設定することもでき、その場合、libaliases はすべてのパケットを 内部ネットワークにリダイレクトします。 .It nat use_sockets yes|no 有効になると、 ネットワークアドレス変換エンジンにソケットを作成させ、 正しい ftp データ入力や IRC 接続を保証できるようになります。 .It nat unregistered_only yes|no 登録されていない送信元アドレスの出力パケットのみを、変更します。 RFC1918 によると、登録されていない送信元アドレスは 10.0.0.0/8, 172.16.0.0/12, 192.168.0.0/16 です。 .El .Pp これらのコマンドはソース配布物の .Pa README.nat ファイル中でも議論されています。 .Pp .It Op !\& Ns Xo .No bg Ar command .Xc 指定した .Ar command を、次の語を置換した後に、バックグラウンドで実行します: .Bl -tag -width PEER_ENDDISC .It Li AUTHNAME これは、ローカルの .Ar authname の値と置き換えられます。後述の .Dq set authname コマンドを参照してください。 .It Li COMPILATIONDATE これは、 .Nm がコンパイルされた日付と置き換えられます。 .It Li DNS0 & DNS1 これは、それぞれプライマリ DNS サーバ、セカンダリ DNS サーバの IP アドレスに置き換えられます。IPCP によりネームサーバが ネゴシエーションされた場合、このマクロの値は変わります。 .It Li ENDDISC これは、ローカルの終点選択値と置き換えられます。 後述の .Dq set enddisc コマンドを参照してください。 .It Li HISADDR これは、相手の IP 番号と置き換えられます。 .It Li INTERFACE これは、使用中のインタフェース名と置き換えられます。 .It Li LABEL これは、最後に使用したラベル名と置き換えられます。 ラベルは、 .Nm のコマンドラインから .Dq load または .Dq dial のコマンドから指定するか、 .Pa ppp.secret ファイルから指定可能です。 .It Li MYADDR これは、ローカルインタフェースに割り当てられた IP 番号と置き換えられます。 .It Li PEER_ENDDISC これは、相手の終点選択番号と置き換えられます。 .It Li PROCESSID これは、現在のプロセス ID と置き換えられます。 .It Li VERSION これは、 .Nm の現在のバージョン番号と置き換えられます。 .It Li USER これは、PAP もしくは CHAP で認証されたユーザ名と置き換えられます。 通常、この変数は -direct モードでのみ割り当てられます。 この値は、utmp ロギングが有効になっているかどうかに関わらず、利用可能です。 .El .Pp これらの置換は .Dq set proctitle コマンドによっても実行されます。 .Pp コマンド実行中に .Nm を停止させたい場合は、 .Dq shell コマンドを使用してください。 .It clear physical|ipcp Op current|overall|peak... .Dq physical もしくは .Dq ipcp 階層で、指定されたスループット値をクリアします。 .Dq modem を指定する場合にはコンテキストが与えられなければなりません (後述の .Dq link コマンドを参照)。 第 2 引数が与えられない場合、すべての値がクリアされます。 .It clone Ar name Ns Xo .Op \&, Ns Ar name Ns .No ... .Xc 指定されたリンクを複製し、引数の .Ar name に関連づけた新しいリンクを作成します。 このコマンドは、リンクが 1 つしかない場合 (この場合にはそのリンクがデフォルトになります) を除いて後述の .Dq link コマンドから使用する必要があります。 リンクは下記の .Dq remove コマンドで削除できます。 .Pp デフォルトのリンク名は .Dq deflink です。 .It close Op lcp|ccp Ns Op !\& 引数が与えられないと、適切なプロトコル層がダウンし、リンクが閉じられます。 .Dq lcp が指定されると LCP 層がダウンしますが、 .Nm をオフラインにはしません。例えば .Dq slirp のようなものを使用すれば、 .Dq term (後述) を使用して相手のマシンと会話できます。 .Dq ccp が指定されると適切な圧縮層が閉じられます。 .Dq !\& が使用されると、圧縮層はクローズ状態のままとなります。 使用されない場合には、STOPPED 状態へ再度入り、 相手が更なる CCP ネゴシエーションを開始するのを待ちます。 なにが起きようとも、ユーザを .Nm から切り離すことはありませんし、 .Nm を終了させることもありません。 後述の .Dq quit を参照してください。 .It delete Ns Xo .Op !\& .Ar dest .Xc このコマンドは指定した .Ar dest IP アドレスの経路を削除します。 .Ar dest に .Sq ALL が指定された場合、 現在のインタフェースの経路表の非直接エントリと .Sq スティッキー経路 がすべて削除されます。 .Ar dest に .Sq default が指定された場合、デフォルト経路が削除されます。 .Pp .Ar delete!\& コマンドが使用された場合 (最後の .Dq !\& に注意)、存在しない経路について .Nm は文句を言わなくなります。 .It dial|call Op Ar label Ns Xo .No ... .Xc このコマンドは、 .Dq load label の次に .Dq open を指定することと同等です。後方互換性のために提供されています。 .It down Op Ar lcp|ccp 適切な階層をダウンさせますが、 綺麗な方法ではなく、下位層が使用不能になったように見えます。 オープン状態にある有限状態機械でこのコマンドを使用することは、 丁寧ではないとされています。 引数が与えられない場合、すべてのリンクが閉じられます (コンテキストが与えられない場合にはすべてのリンクが終了されます)。 .Sq lcp が指定された場合、 .Em LCP 層は終了されますが、デバイスはオフラインに移行せず、 リンクも閉じられません。 .Sq ccp が指定された場合、 関連する圧縮層のみが終了されます。 .It help|? Op Ar command 利用可能なコマンドをリストします。 .Ar command を指定した場合、このコマンドの使用方法を表示します。 .It iface add Ns Xo .Op !\& .Ar addr Ns Op / Ns Ar bits .Op Ar peer .Xc .It iface add Ns Xo .Op !\& .Ar addr .Ar mask .Ar peer .Xc このコマンドは、 .Nm が使用するインタフェースを制御します。 .Ar command は次のいずれかです: .Bl -tag -width 2h .It iface add Ns Xo .Op !\& .Ar addr Ns Op / Ns Ar bits .Op Ar peer .Xc 指定された .Ar addr mask peer の組み合わせをインタフェースに追加します。 .Ar mask を指定する代りに、 .Ar /bits を使用可能です ( .Ar addr との間に空白を入れてはなりません)。 指定したアドレスが既に存在する場合、 .Dq !\& を使用していない限りコマンドは失敗します - この場合、 以前のインタフェースアドレスエントリは新しいもので置き換えられ、 ネットマスクと相手のアドレスの変更を許します。 .Pp .Ar addr のみが指定されると、 .Ar bits はデフォルト値 .Dq 32 になり、 .Ar peer はデフォルト値 .Dq 255.255.255.255 になります。 このアドレス (ブロードキャストアドレス) は、 相手のアドレスとして複数存在することを .Nm が唯一許すものです。 .It iface clear .Nm が OPENED 状態または .Fl auto モードの場合にこのコマンドを使用すると、 IPCP ネゴシエートされたアドレス以外の全アドレスが インタフェースから削除されます。 .Nm が OPENED 状態でも .Fl auto モードでもない場合、全インタフェースアドレスが削除されます。 .Pp .It iface delete Ns Xo .Op !\& Ns .No |rm Ns Op !\& .Ar addr .Xc このコマンドは、指定した .Ar addr をインタフェースから削除します。 .Dq !\& が指定されると、現在そのアドレスがインタフェースに割り当てられていなくても、 エラーは報告されません (削除も行われません)。 .It iface show インタフェースの現在の状態と現在のアドレスを表示します。 .Dq ifconfig INTERFACE を実行することと、ほとんど同じです。 .It ident Op Ar text Ns No ... .Ar text を使用して、相手に対してリンクを自己証明 (identify) します。 .Ar text が空の場合、リンクの自己証明は無効化されます。 前述の .Ic bg コマンドに使用できる語はすべて使用可能です。 .Nm が相手に対して自己証明する場合についての詳細は、 .Ic sendident コマンドを参照してください。 .It iface help Op Ar sub-command このコマンドを .Ar sub-command 無しで起動すると、利用可能な .Dq iface サブコマンドと、おのおのの短い書式を表示します。 .Ar sub-command 付きで起動すると、指定した sub-command の書式のみを表示します。 .El .It Op data Ns Xo .No link .Ar name Ns Op , Ns Ar name Ns .No ... Ar command Op Ar args .Xc コマンドが影響を与えるリンクを特定したい場合に、このコマンドを 任意の他のコマンドのプレフィックスとして使うことができます。 これはマルチリンクモードで .Dq clone コマンドを使って複数のリンクを作成した後でのみ適用されます。 .Pp .Ar name は存在するリンク名を指定します。 .Ar name がコンマ区切りのリストの場合には、 .Ar command はそれぞれのリンクに対して実行されます。 .Ar name が .Dq * の場合には、 .Ar command はすべてのリンクに対して実行されます。 .It load Op Ar label Ns Xo .No ... .Xc .Pa ppp.conf ファイルから指定された .Dq label (複数指定可) をロードします。 .Dq label が指定されない場合、 .Dq default ラベルが仮定されます。 .Pp .Ar label セクションが .Dq set mode , .Dq open , .Dq dial のいずれのコマンドも使用しない場合、 .Nm はすぐに接続を確立しようとはしません。 .It open Op lcp|ccp|ipcp これは .Dq close の反対のコマンドです。 閉じられているリンクのうち、2 番目以降の .Ar demand-dial リンク以外、全リンクがすぐに立ち上がります - 2 番目以降の .Ar demand-dial リンクは、どのような .Dq set autoload コマンドが使用されたかに依存して立ち上ります。 .Pp LCP 層がすでにオープンされているときに .Dq lcp 引数を指定すると、LCP は再度ネゴシエートされます。 したがって、種々の LCP オプションを変更したあとで .Dq open lcp コマンドを用いることで、変更を有効にすることができます。 LCP が再度ネゴシエートされた後、 同意したあらゆる認証が実行されます。 .Pp .Dq ccp 引数が用いられると、関連する圧縮層がオープンされます。 すでにオープンされている場合には、再度ネゴシエートされます。 .Pp .Dq ipcp 引数が用いられると、リンクが通常通り起動されます。すでに IPCP が オープンされている場合には、IPCP は再度ネゴシエートされ、 ネットワークインタフェースが再設定されます。 .Pp このようにして PPP の状態機械を再オープンするのは、 おそらく良い手段ではありません。 接続相手が正しく振る舞わない可能性があるためです。 しかしながら、強制的に CCP もしくは VJ 辞書をリセットする手段としては 便利です。 .It passwd Ar pass すべての .Nm コマンドセットにアクセスするために要求されるパスワードを指定します。 このパスワードは診断ポート ( .Dq set server コマンド参照) に接続するときに必要です。 .Ar pass は .Dq set server コマンドラインで指定します。 .Ar command ログが有効でも、値 .Ar pass は記録されず、文字列 .Sq ******** が記録されます。 .It quit|bye Op all .Dq quit が制御接続もしくはコマンドファイルから実行されると、 ppp はすべての接続を閉じた後に終了します。その他の場合、 つまりユーザが診断ソケットから接続している場合には、 単にその接続が失われます。 .Pp .Ar all 引数が与えられた場合、 .Nm はコマンドがどこから発行されたかに関わらず、 すべての存在する接続を閉じて終了します。 .It remove|rm このコマンドは与えられたリンクを消去します。 これはマルチリンクモードでのみ有用です。リンクは消去する前に .Dv CLOSED 状態になっていなければなりません。 .It rename|mv Ar name このコマンドは与えられたリンクの名前を .Ar name に変更します。 .Ar name がすでに他のリンクで使用されている場合には、失敗します。 .Pp デフォルトリンクの名前は .Sq deflink です。これを .Sq modem , .Sq cuaa0 , .Sq USR のいずれかに変更すると、ログファイルの可読性が向上するかも知れません。 .It resolv Ar command このコマンドは .Nm が行なう .Xr resolv.conf 5 ファイルの操作を制御します。 .Nm の起動時に、以後の参照に備え、このファイルの内容をメモリに読み込み 保持します。 .Ar command は次のいずれかです。 .Bl -tag -width readonly .It Em readonly .Pa /etc/resolv.conf を読み込み専用とします。 .Dq dns が有効にされている場合、 .Nm は、接続相手との間でネームサーバのネゴシエーションを試みます。 ネゴシエーションの結果は、マクロ .Dv DNS0 , .Dv DNS1 を通じて利用可能となります。 このコマンドは、 .Dq resolv writable コマンドの反対です。 .It Em reload .Pa /etc/resolv.conf をメモリに再ロードします。 例えば、DHCP クライアントが .Pa /etc/resolv.conf を上書きする場合などに、このコマンドが必要になります。 .It Em restore .Pa /etc/resolv.conf を、起動時に読み込んだ元のバージョンか、もしくは .Dq resolv reload コマンドで最後に読み込んだ状態のものに戻します。 このコマンドは、 .Pa /etc/ppp/ppp.linkdown ファイルの中でうまく使えることがあります。 .It Em rewrite .Pa /etc/resolv.conf ファイルを書き換えます。 このコマンドは、 .Dq resolv readonly コマンドが既に使用されていても動作します。 他のコマンドが完了するまで .Pa /etc/resolv.conf の更新を遅らせたい場合に、 .Pa /etc/ppp/ppp.linkup の中でうまく使えることがあります。 .It Em writable .Dq dns が有効になっており、DNS の ネゴシエーションが成功した場合に、 .Nm が .Pa /etc/resolv.conf を更新できるようにします。 これは .Dq resolv readonly コマンドの反対です。 .El .It save このオプションは (まだ) 実装されていません。 .It sendident このコマンドは、 .Nm に対し、相手に対して自己証明するように指示します。 リンクは、LCP 状態以上であることが必要です。( .Ic ident コマンドによって) 自己証明の設定がなされていない場合、 .Ic sendident は失敗します。 .Pp 自己証明の設定がなされている場合、 設定拒否を送信または受信するときか、 ネゴシエーションが失敗したときか、 LCP が OPENED 状態になるときのいずれかのときに、 .Nm は自動的に自己証明します。 .Pp 受信した自己証明パケットは、LCP ログに記録し (詳細は .Ic set log を参照してください)、これに対する応答は行いません。 .It set Ns Xo .Op up .Ar var value .Xc このオプションは次に示す変数の設定のために使用します: .Bl -tag -width 2h .It set accmap Ar hex-value ACCMap は非同期制御文字マップ (Asyncronous Control Character Map) を 意味します。 これはいつも相手とネゴシエートされ、デフォルト値は 16 進数で 00000000 です。 このプロトコルが必要なのは、 (XON/XOFF などの) 特定の文字を終点間で受渡すことに依存するハードウェアを 使用する場合です。 .Pp XON/XOFF については .Dq set accmap 000a0000 を使用します。 .It set Op auth Ns Xo .No key Ar value .Xc クライアントモードでの PAP または CHAP のネゴシエーションで使用される 認証キー (もしくはパスワード) を、指定した値に設定します。 ダイヤルまたはログインスクリプトの .Sq \eP シーケンスで使用するパスワードもまた指定します。 これにより実際のパスワードは記録されません。 .Ar command または .Ar chat のログが有効な場合、セキュリティの観点から、 .Ar value は .Sq ******** として記録されます。 .Pp .Ar value の最初の文字がエクスクラメーションマーク .Pq Dq !\& の場合、 .Nm は残りの文字列を、 .Dq authname と .Dq authkey の値を確定するために実行すべきプログラムとして扱います。 .Pp 実行するプログラムを得るために .Ar value をパーズする際には、 .Dq !\& が二重 ( .Dq !!\& ) である場合、単一のリテラル .Dq !\& として扱います、そうでない場合、 .Dq !\& を無視します。また、前述の .Dq !bg コマンドと同様に特殊な名前を置換します。 プログラムを実行すると、 .Nm はこのプログラムに対して次の 3 行の入力を与えます。 各行の末尾には改行文字が置かれます。 .Bl -bullet .It CHAP チャレンジで送られたホスト名。 .It CHAP チャレンジで送られたチャレンジ文字列。 .It ローカルに定義された .Dq authname 。 .El .Pp そして、出力として次の 2 行を待ちます。 .Bl -bullet .It CHAP 応答と共に送るための .Dq authname 。 .It .Dq authkey 。これは、チャレンジと要求 ID で暗号化したもの であり、この結果は CHAP 応答パケットに含めて送られます。 .El .Pp .Nm をこのように設定するとき、 ホストチャレンジは ASCII の数値もしくは文字であることを 想定しています。 指定されたチャレンジに対する適切な秘密情報を計算するために、 通常は、暗号化デバイスまたは Secure ID カードが必要です。 .It set authname Ar id クライアントモードでの PAP または CHAP のネゴシエーションで使用される 認証 ID を設定します。 .Pp CHAP を enable にして .Fl direct モードで利用すると、 .Ar id は初期認証チャレンジで用いられ、通常はローカルマシン名に設定されます。 .It set autoload Xo .Ar min-percent max-percent period .Xc これらの設定はマルチリンクモードでのみ適用され、 デフォルト値はそれぞれ 0, 0, 5 です。 1 つ以上の .Ar demand-dial ( .Fl auto としても知られる) モードのリンクが存在する場合、 .Nm が最初に tun デバイスからデータを読むときには最初のリンクのみが 有効になっています。 次の .Ar demand-dial リンクが開かれるのは、現在のバンドルの .Ar period 秒間のスループットがバンドルの総バンド幅の最低 .Ar max-percent パーセントであるときに限られます。 現在のバンドルの .Ar period 秒間のスループットがバンドルの総バンド幅の .Ar min-percent パーセント以下に減少したとき、最後のアクティブな リンクでない場合、 .Ar demand-dial リンクはダウンします。 .Pp バンドルのスループットは、 内向きおよび外向きのトラフィックの最大値として計測されます。 .Pp デフォルト値では .Ar demand-dial リンクは 1 つだけオープンされます。 .Pp デバイスによっては物理バンド幅を判定できないものがありますので、 .Dq set autoload が正しく動作するためには、(後述の) .Dq set bandwidth コマンドを使用する必要がある場合があります。 .It set bandwidth Ar value 本コマンドは、接続のバンド幅を、秒あたりのビット数で設定します。 .Ar value は 0 より大きいことが必要です。 現在、前述の .Dq set autoload コマンドのみが使用します。 .It set callback Ar option Ns No ... 引数が与えられない場合、コールバックは disable になります。 そうでない場合には、 .Nm は与えられた .Ar option でコールバックを要求します (もしくは .Ar direct モードでは受け付けます)。 クライアントモードでは、 .Ar option の否定応答が返されると、 .Nm は他に選択肢がなくなるまで別の .Ar option 要求を出します ( .Ar option のひとつとして .Dq none を指定していた場合を除きます)。 サーバモードでは、 .Nm は与えられるプロトコルをなんでも受け付けますが、 クライアントがいずれかひとつを要求する .Em 必要があります 。コールバックをオプションにしたいのであれば、オプションとして .Ar none を指定する必要があります。 .Pp .Ar option は下記の通りです (優先度順): .Pp .Bl -tag -width Ds .It auth コールバック応答側は、認証に基づいてコールバック番号を 決定することが求められます。 .Nm がコールバック応答側である場合、番号は .Pa /etc/ppp/ppp.secret 中の接続先エントリの 5 番目のフィールドで指定されます。 .It cbcp Microsoft コールバック制御プロトコルが用いられます。後述の .Dq set cbcp を参照してください。 .Pp クライアントモードで .Ar cbcp をネゴシエートしたい場合でありかつ、 CBCP ネゴシエーション時にサーバがコールバック無しを要求することを許したい場合、 コールバックオプションとして .Ar cbcp と .Ar none の両方を指定する必要があります。 .It E.164 *| Ns Xo .Ar number Ns Op , Ns Ar number Ns .No ... .Xc コールバック要求側が .Ar number を指定します。 .Nm がコールバック応答側である場合、 .Ar number は許可する番号をコンマで区切って並べたリスト、もしくは 任意の番号を許可するという意味の .Dq \&* とします。 .Nm がコールバック要求側である場合、1 つの数字だけを指定します。 .Pp .Dq \&* を用いる場合、このオプションはとても危険なものとなることに 注意してください。 というのは、悪意あるコールバック要求者が、最初の認証なしに 電話すべき番号として任意の (国際通話番号も可能です) 番号を 伝えることができるからです。 .It none 接続相手がコールバックをまったく望まない場合、 .Nm はそのことを受け入れ、接続を終了するのではなく コールバックせずに処理を続けます。 コールバックをオプションにしたいのであれば、 (1 個以上の他のコールバックオプションに加えて) これも指定する必要があります。 .El .Pp .It set cbcp Oo .No *| Ns Ar number Ns Oo .No , Ns Ar number Ns ...\& Oc .Op Ar delay Op Ar retry .Oc 引数が与えられない場合、CBCP (Microsofts CallBack Control Protocol) は disable です。言い換えれば .Dq set callback コマンドで CBCP を設定すると .Nm が CBCP フェーズでコールバック要求を行わなくなります。 そうでない場合、 .Nm は与えられた電話番号 .Ar number を使おうとします。 .Pp サーバモード .Pq Fl direct では、 .Dq \&* を使わない限り .Nm はクライアントがこれらの番号の 1 つを使うことを主張します。 .Dq \&* を使った場合には、クライアントが番号を指定するものと想定します。 .Pp クライアントモードでは .Nm は与えられた番号 (そのうち接続相手と合意可能なもの) を使用しようとします。 .Dq \&* が指定された場合には、 .Nm 接続相手が番号を指定するものと想定します。 .It set cd Oo .No off| Ns Ar seconds Ns Op !\& .Oc 通常、オープンしたデバイスのタイプにより、 .Nm はキャリアの存在をチェックします。 .Bl -tag -width XXX -offset XXX .It 端末デバイス ログインスクリプト完了後、1 秒間キャリアがチェックされます。 このパラメータが設定されていない場合、 デバイスがキャリアをサポートしていない (ほとんどの .Dq laplink ヌルモデムケーブルの場合がそうです) と .Nm は仮定し、この事実をログに取って、キャリアのチェックを止めます。 .Pp 仮想端末 (pty) は TIOCMGET ioctl をサポートしていないため、 デバイスが仮想端末であることを検知した場合、 端末デバイスはすべてのキャリア検出をオフにします。 .It ISDN (i4b) デバイス 6 秒間、1 秒ごとに 1 回キャリアの検出を行ないます。 6 秒後にキャリアが設定されない場合、接続の試みは失敗したと見なされ、 デバイスはクローズされます。 i4b デバイスの場合、キャリアが常に要求されます。 .It PPPoE (netgraph) デバイス 5 秒間、1 秒ごとに 1 回キャリアの検出を行ないます。 5 秒後にキャリアが設定されない場合、接続の試みは失敗したと見なされ、 デバイスはクローズされます。 PPPoE デバイスの場合、キャリアが常に要求されます。 .El .Pp 他のすべてのデバイスタイプはキャリアをサポートしていません。 デバイスをオープンするときにキャリアを設定すると警告が出ます。 .Pp モデムによっては、接続が確立してからキャリア信号線がアサートされるまで 1 秒以上かかるものがあります。この遅れを増やせない場合、 .Nm はそのデバイスがキャリアをアサートできないと見なすので、 .Nm はリンクのドロップを検出できないことになります。 .Pp .Dq set cd コマンドはデフォルトのキャリアの動作を上書きします。 .Ar seconds は、ダイヤルスクリプトが完了してからキャリアが利用可能か判断する前に、 .Nm が待つべき秒数の上限を指定します。 .Pp .Dq off が指定されると、 .Nm はデバイスのキャリアを確認しません。そうでない場合、 キャリアが検出されるか .Ar seconds の秒数が経過するまで、 .Nm はログインスクリプトへは進みません。このとき、 .Ar seconds の秒数が経過した時点で、 .Nm はデバイスがキャリアを設定できないと想定します。 .Pp 引数を与えない場合、キャリア設定はデフォルトの値に戻ります。 .Pp .Ar seconds の直後にエクスクラメーションマーク .Pq Dq !\& がある場合、 .Nm はキャリアを .Em 要求 します。 .Ar seconds 秒後にキャリアが検知されないと、リンクは切断されます。 .It set choked Op Ar timeout これは .Nm がすべての未送出パケットを破棄する前に 送出キュー詰まりを保持する秒数を設定します。 .Ar timeout が 0 以下もしくは .Ar timeout が指定されない場合、デフォルト値の .Em 120 秒 に設定されます。 .Pp 送出キュー詰まりは .Nm がローカルネットワークから特定の数の送出パケットを読み込んだが、 リンク失敗 (接続相手がビジーなど) のためにデータを送れない場合に 発生します。 .Nm はパケットを無限には読み込みません。代りに .Em 30 パケット (マルチリンクモードでは .Em 30 No + .Em nlinks No * .Em 2 パケット) まで読み込み、 .Ar timeout 秒経過するか、1 つ以上のパケットが送られるまで ネットワークインタフェースの読み込みを停止します。 .Pp .Ar timeout 秒が経過すると、すべての未送出パケットは破棄されます。 .It set ctsrts|crtscts on|off ハードウェアフロー制御をセットします。 デフォルトではハードウェアフロー制御は .Ar on です。 .It set deflate Ar out-winsize Op Ar in-winsize DEFLATE アルゴリズムの、 デフォルトの出力ウィンドウサイズと入力ウィンドウサイズを設定します。 .Ar out-winsize および .Ar in-winsize は、 .Em 8 から .Em 15 までの値をとる必要があります。 .Ar in-winsize が指定されると、 .Nm はこのウィンドウサイズの使用を強要し、相手が他の値を示しても受け入れません。 .It set dns Op Ar primary Op Ar secondary .Dq accept dns コマンドで使用される、DNS 上書きを設定します。 詳細については前述の .Dq accept コマンドの記述を参照してください。本コマンドは .Dq enable dns を使用して要求される IP 番号には影響を与えません。 .It set device|line Xo .Ar value Ns No ... .Xc .Nm が使用するデバイスを、指定された .Dq value に設定します。 .Pp すべての ISDN デバイスとシリアルデバイスの名前は .Pa /dev/ から始まることが仮定されています。 ISDN デバイスは通常 .Pa i4brbchX という名前であり、シリアルデバイスは通常 .Pa cuaXX という名前です。 .Pp .Dq value が .Pa /dev/ から始まらない場合、エクスクラメーションマーク .Pq Dq !\& から始めるか、 .No PPPoE: Ns Ar iface Ns Xo .Op \&: Ns Ar provider Ns .Xc の形式 ( .Xr netgraph 4 が有効なシステム上) であるか、 .Sm off .Ar host : port /tcp|udp .Sm on の形式である必要があります。 .Pp エクスクラメーションマークで始まる場合、 デバイス名の残りはプログラム名として扱われ、 そのデバイスがオープンされるときにそのプログラムが実行されます。 標準入出力およびエラーは .Nm にフィードバックされ、それらが通常デバイスであるかのように読み書きされます。 .Pp .No PPPoE: Ns Ar iface Ns Xo .Op \&: Ns Ar provider Ns .Xc 指定が与えられる場合、 .Nm は、指定された .Ar iface インタフェースを使用して .Em PPP オーバイーサネット接続を作成しようとします。 この際 .Xr netgraph 4 を使用します。 .Xr netgraph 4 が使用不能の場合、 .Nm は .Xr kldload 2 を使用してロードしようとします。 これが失敗する場合には、 .Ox で利用できる .Xr pppoe 8 のような外部プログラムを使用する必要があります。 与えられた .Ar provider は、PPPoE Discovery Initiation (PADI) パケット中で サービス名として渡されます。 provider が与えられないと、空の値が使用されます。 .Pp PPPoE 接続が確立されるとき、 .Nm は、アクセスコンセントレータの名前を環境変数 .Va ACNAME に設定します。 .Pp さらなる詳細は .Xr netgraph 4 と .Xr ng_pppoe 4 を参照してください。 .Pp .Ar host Ns No : Ns Ar port Ns Oo .No /tcp|udp .Oc 指定が与えられる場合、 .Nm は、指定された .Ar host の指定された .Ar port と接続しようとします。 .Dq /tcp または .Dq /udp のサフィックスがない場合、デフォルトは .Dq /tcp となります。 詳細は上述の .Em PPP オーバ TCP と PPP オーバ UDP の節を参照してください。 .Pp 複数の .Dq value を指定した場合、 .Nm は成功するか全デバイスについて実行し終るまで、順番にオープンを試みます。 .It set dial Ar chat-script 相手へダイヤルする際に使用されるチャットスクリプトを指定します。 後述の .Dq set login コマンドも参照してください。 チャットスクリプトのフォーマットの詳細については、 .Xr chat 8 と設定ファイルの例を参照してください。 次の特殊な .Sq value をチャットスクリプトに指定可能です: .Bl -tag -width 2n .It \ec .Sq 送信 文字列の最後の文字として使用した場合、 改行を追加してはならないことを意味します。 .It \ed チャットスクリプトがこのシーケンスに出会うと、2 秒待ちます。 .It \ep チャットスクリプトがこのシーケンスに出会うと、1/4 秒待ちます。 .It \en 改行文字と置き換えられます。 .It \er 復改文字と置き換えられます。 .It \es 空白文字と置き換えられます。 .It \et タブ文字と置き換えられます。 .It \eT 現在の電話番号と置き換えられます (後述の .Dq set phone 参照)。 .It \eP 現在の .Ar authkey 値と置き換えられます (前述の .Dq set authkey 参照)。 .It \eU 現在の .Ar authname 値と置き換えられます (前述の .Dq set authname 参照)。 .El .Pp 2 つのパーザがこれらのエスケープシーケンスを検査することに注意してください。 .Sq チャットのパーザ にエスケープ文字を見せるには、 .Sq コマンドパーザ からエスケープする必要があります。 つまり、2 つのエスケープを使用する必要があります。例えば次のようにします: .Bd -literal -offset indent set dial "... ATDT\\\\T CONNECT" .Ed .Pp チャットスクリプトから外部コマンドを実行することもできます。 そうするためには、 受信待ち文字列または送信文字列の最初の文字をエクスクラメーションマーク .Pq Dq !\& にします。 リテラルのエクスクラメーションマークが必要な場合には、二重 .Dq !!\& にすれば、単一のリテラル .Dq !\& として扱われます。 コマンドが実行されると、標準入力と標準出力がオープンデバイス ( .Dq set device 参照) に向けられ、標準エラー出力が .Nm に読まれて受信待ち文字列もしくは送信文字列に置き換えられます。 .Nm が対話モードで実行されている場合、ファイル記述子 3 は .Pa /dev/tty に接続されます。 .Pp 例えば (読み易さのために折り返しています); .Bd -literal -offset indent set login "TIMEOUT 5 \\"\\" \\"\\" login:--login: ppp \e word: ppp \\"!sh \\\\-c \\\\\\"echo \\\\-n label: >&2\\\\\\"\\" \e \\"!/bin/echo in\\" HELLO" .Ed .Pp は次のチャットシーケンスになります (ダイヤル前の .Sq set log local chat コマンドによる出力): .Bd -literal -offset indent Dial attempt 1 of 1 dial OK! Chat: Expecting: Chat: Sending: Chat: Expecting: login:--login: Chat: Wait for (5): login: Chat: Sending: ppp Chat: Expecting: word: Chat: Wait for (5): word: Chat: Sending: ppp Chat: Expecting: !sh \\-c "echo \\-n label: >&2" Chat: Exec: sh -c "echo -n label: >&2" Chat: Wait for (5): !sh \\-c "echo \\-n label: >&2" --> label: Chat: Exec: /bin/echo in Chat: Sending: Chat: Expecting: HELLO Chat: Wait for (5): HELLO login OK! .Ed .Pp 複数レベルのネストについて、 エスケープ文字の使用方法に (再度) 注意してください。 ここでは、4 つのパーザが動作してます。 1 番目は、オリジナルの行をパーズし、3 つの引数として読みます。 2 番目は、第 3 引数を 11 個の引数として読みます。 ここで、 .Dq \&- 記号がエスケープされていることが重要です。 そうでなければパーザは、 受信待ち-送信-受信待ちのシーケンスとして見てしまいます。 .Dq !\& 文字を見付けると、実行パーザは最初のコマンドを 3 つの引数として読み、 .Xr sh 1 自身が .Fl c 以降の引数を展開します。 我々は出力をモデムに送り返したいので、 1 番目の例では出力をファイル記述子 2 (stderr) にリダイレクトして .Nm 自身に送信および記録させ、 2 番目の例では単に stdout に出力して直接モデムに出力させます。 .Pp もちろん全体を、組み込みのものではなく外部の .Dq chat コマンドに実行させることが可能です。 良い代替方法については .Xr chat 8 を参照してください。 .Pp 実行される外部コマンドは、 .Dq !bg コマンドと同様に、特殊語の展開対象となります。 .It set enddisc Op label|IP|MAC|magic|psn value このコマンドは、ローカル終点の選択値を設定します。 LCP ネゴシエーションの前に設定された場合であり、 .Dq disable enddisc コマンドを使用していない場合、 .Nm は LCP 終点選択値オプションを使用して、相手に情報を送ります。 次の選択値を設定可能です。 .Bl -tag -width indent .It Li label 現在のラベルが使用されます。 .It Li IP 当方のローカル IP 番号を使用します。 LCP は IPCP より前にネゴシエートされますので、 IPCP 層が後からこの値を変更することが可能です。 その場合、手動でリセットしない限り、終点の選択値は古い値のままとなります。 .It Li MAC 前述の .Ar IP オプションに似ていますが、 ローカル IP 番号に関係する MAC アドレスが使用される点が異なります。 ローカル IP 番号がどのイーサネットインタフェースにも存在しない場合、 本コマンドは失敗します。 .Pp ローカル IP 番号のデフォルトは、 マシンホスト名がなんであれ、その名前になりますので、通常 .Dq set enddisc mac を .Dq set ifaddr コマンドよりも先に実行します。 .It Li magic 20 桁の乱数が使用されます。 マジックナンバを使用するときには注意が必要です。 .Nm の再開や別の .Nm を使ったリンク作成においては、別のマジックナンバを使用するため、 同じバンドルに属すとは相手に認識されないのです。 このため、 .Fl direct 接続では使えません。 .It Li psn Ar value 指定された .Ar value が使用されます。 .Ar value は、絶対的な公衆スイッチネットワーク番号の先頭に 国コードを付けたものであるべきです。 .El .Pp 引数が与えられない場合、終点の選択値はリセットされます。 .It set escape Ar value... このオプションは前述の .Dq set accmap オプションに似ています。 リンクを経由する時に .Sq エスケープ される文字を指定するために使用します。 .It set filter dial|alive|in|out Ar rule-no Xo .No permit|deny|clear| Ns Ar rule-no .Op !\& .Oo Op host .Ar src_addr Ns Op / Ns Ar width .Op Ar dst_addr Ns Op / Ns Ar width .Oc [ tcp|udp|ospf|ipip|igmp|icmp Op src lt|eq|gt Ar port .Op dst lt|eq|gt Ar port .Op estab .Op syn .Op finrst .Op timeout Ar secs ] .Xc .Nm は 4 つのフィルタセットをサポートします。 .Em alive フィルタは接続を活性状態に保つパケットを指定します - アイドルタイマをリセットします。 .Em dial フィルタは、 .Fl auto モード時に .Nm にダイヤルさせるパケットを指定します。 .Em in フィルタは、マシンに入力可能なパケットを指定します。 .Em out フィルタは、マシンから出力可能なパケットを指定します。 .Pp フィルタリングが行われるのは、 出力パケットでは NAT エンジンによる IP 変更前であり、 入力パケットでは NAT エンジンによる IP 変更後です。 デフォルトでは、すべての空のフィルタセットは全パケットの通過を許可します。 ルールは .Ar rule-no に従って順番に処理されます (ルール番号を .Ar action に指定してスキップする場合を除きます)。 各セットに対し 40 までのルールを指定可能です。 指定されるセットにおけるどのルールにもマッチしないパケットは破棄されます。 .Em in と .Em out のフィルタでは、パケットをドロップすることを意味します。 .Em alive フィルタでは、アイドルタイマをリセットしないことを意味します (これは .Ar in Ns No / Ns Ar out フィルタが .Dq timeout 付きである場合でもです)。 .Em dial フィルタではダイヤルさせることにはならないことを意味します。 ダイヤルを引き起こさないパケットは、 キューされるのではなく、捨てられることに注意してください。 上述の .Sx パケットのフィルタリング の節を参照してください。 .It set hangup Ar chat-script デバイスを閉じる前にこれをリセットする時に使用する、 チャットスクリプトを指定します。 通常は不要であるべきですが、 閉じる時に自己を正しくリセットできないデバイスに対して使用できます。 .It set help|? Op Ar command 利用可能な set コマンドのまとめを表示するか、 .Ar command が指定されると、コマンドの使用方法を表示します。 .It set ifaddr Oo Ar myaddr Ns .Op / Ns Ar \&nn .Oo Ar hisaddr Ns Op / Ns Ar \&nn .Oo Ar netmask .Op Ar triggeraddr .Oc Oc .Oc このコマンドは、IPCP ネゴシエーションの間使用される IP アドレスを指定します。 アドレスのフォーマットは次の通りです。 .Pp .Dl a.b.c.d/nn .Pp ここで .Dq a.b.c.d は希望する IP アドレスであり、 .Ar nn はこのうち何ビットが有効であるかを示します。 .No / Ns Ar nn が省略された場合、デフォルトの .Dq /32 になります。 ただし IP アドレスが 0.0.0.0 である場合には、マスクのデフォルトは .Dq /0 です。 .Pp 相手に動的な IP 番号を割り当てたい場合、 .Ar hisaddr に IP 番号の範囲として .Bd -ragged -offset indent .Ar \&IP Ns Oo \&- Ns Ar \&IP Ns Xo .Oc Ns Oo , Ns Ar \&IP Ns .Op \&- Ns Ar \&IP Ns .Oc Ns ... .Xc .Ed .Pp のフォーマットを指定できます。例えば: .Pp .Dl set ifaddr 10.0.0.1 10.0.1.2-10.0.1.10,10.0.1.20 .Pp は .Dq 10.0.0.1 のみをローカル IP 番号としてネゴシエートしますが、 指定された 10 個の IP 番号から 相手に割り当てを行います。 相手がこれらの番号のうちの 1 つを要求し、この番号が未使用な場合には、 .Nm は相手の要求を認めます。 相手がリンクを再確立して前回割り当てていた IP 番号を使用したい場合に有用です (既存の TCP と UDP の接続を保存します)。 .Pp 相手が要求した IP 番号が範囲外もしくは使用中の場合、 .Nm は範囲内の未使用 IP 番号をランダムに指示します。 .Pp .Ar triggeraddr が指定された場合、この値が .Ar myaddr の代りに IPCP ネゴシエートで使用されます。 ただし、 .Ar myaddr の範囲のアドレスのみ受け入れられます。 これが有用なのは、相手が .Dq 0.0.0.0 を要求しない限り IP アドレスを割り当てようとしない .Dv PPP 実装とネゴシエートするときです。 .Pp .Fl auto モードでは設定ファイルの .Dq set ifaddr 行を読んだ直後に .Nm がインタフェースを構成することに注意してください。 他のモードではこれらの値は IPCP ネゴシエーションで使用され、 IPCP 層がアップするまでこれらのインタフェースは構成されません。 .Pp (PAP か CHAP が .Dq enable である場合) クライアントが自己証明をした後では、 .Ar HISADDR 引数は .Pa ppp.secret ファイルの第 3 引数で上書きされうることに注意してください。 .Sx 内向き接続の認証 の節を参照してください。 .Pp どの場合でも、インタフェースが既に構成されている場合には、 .Nm はインタフェースの IP 番号を保存して、 既にバインドされているソケットが正しいままであるようにします。 .It set ifqueue Ar packets どのリンクへもデータが送信できない状態のとき、 .Nm がトンネルインタフェースから読み込むパケット数の最大値を 指定します。 .Nm が利用できるリンクの束よりもトンネルインタフェースがはるかに 高速となりそうな場合に、送出データのフロー制御のために このキューの制限は必要になります。 .Ar packets にリンクの数よりも小さな値を設定した場合、 その設定に関わらず .Nm はリンクの数までは読み込みます。これにより、遅延の問題が回避されます。 .Pp .Ar packets のデフォルトの値は .Dq 30 です。 .It set ccpretry|ccpretries Oo Ar timeout .Op Ar reqtries Op Ar trmtries .Oc .It set chapretry|chapretries Oo Ar timeout .Op Ar reqtries .Oc .It set ipcpretry|ipcpretries Oo Ar timeout .Op Ar reqtries Op Ar trmtries .Oc .It set lcpretry|lcpretries Oo Ar timeout .Op Ar reqtries Op Ar trmtries .Oc .It set papretry|papretries Oo Ar timeout .Op Ar reqtries .Oc これらのコマンドは .Nm が有限状態機械 (Finite State Machine; FSM) に要求パケットを送る前に 待つ秒数を指定します。 .Ar timeout のデフォルトは、全 FSM において 3 秒です (ほとんどの場合十分です)。 .Pp .Ar reqtries を指定すると、 相手から応答を受信しなくても諦めるまでに設定要求を作成する回数を、 .Nm に指示します。 デフォルトの試行回数は、CCP, LCP, IPCP の場合 5 回であり、 PAP と CHAP の場合 3 回です。 .Pp .Ar trmtries を指定すると、 相手の応答を待つことを諦めるまでに終了要求を作成する回数を、 .Nm に指示します。 デフォルトの試行回数は 3 回です。 認証プロトコルは終了されませんので、 PAP や CHAP に対して指定することは不正です。 .Pp 合意できない相手とのネゴシエーションを避けるために、 どのようなネゴシエーションセッションであっても諦めたり層をクローズする前には、 .Nm は最大で .Ar reqtries の設定値の 3 倍までのみ送信します。 .It set log Xo .Op local .Op +|- Ns .Ar value Ns No ... .Xc このコマンドにより現在のログレベルを修正できます。 詳細はログ機能の節を参照してください。 .It set login chat-script この .Ar chat-script はダイヤルスクリプトを補います。 もし両方が指定された場合、ダイヤルスクリプトの後で、 ログインスクリプトが実行されます。 ダイヤルスクリプト中で使用可能なエスケープシーケンスはここでも使用可能です。 .It set logout Ar chat-script このコマンドは、 ハングアップスクリプトが呼ばれる前にログアウトのために使用される、 チャットスクリプトを指定します。 通常では必要ないでしょう。 .It set lqrperiod Ar frequency このコマンドは、 .Em LQR または .Em ECHO LQR のパケットが送信される頻度 .Ar frequency を秒で指定します。デフォルトは 30 秒です。 相手に LQR 要求を送りたい場合には、 .Dq enable lqr コマンドもまた使用する必要があります。 .It set mode Ar interactive|auto|ddial|background 指定したリンクにおけるモード .Sq mode を変更できます。通常マルチリンクモードでのみ有用ですが、 単一リンクモードでも使用可能です。 .Pp .Sq direct または .Sq dedicated のリンクを変更することはできません。 .Pp 注: コマンド .Dq set mode auto を発行し、ネットワークアドレス変換が enable にされていた場合、後で .Dq enable iface-alias を行うと便利です。 .Nm が必要なアドレス変換を行うようにすることにより、 相手が当方に新しい (動的な) IP アドレスを割り当てたとしても、 リンクがアップすると接続のトリガとなるプロセスが接続できるようにします。 .It set mppe Op 40|56|128|* Op stateless|stateful|* 本オプションは、 MPPE のネゴシエーション時に使用する暗号パラメータを選択します。 .Dq disable mppe コマンドで、MPPE は完全に無効化可能です。 引数を指定しないと、 .Nm は、128 ビット鍵の状態有りリンクをネゴシエートしようとしますが、 相手が要求するすべてに合意します (暗号化無しも含みます)。 .Pp 引数を指定すると、MPPE の使用に .Nm は .Em 固執 し、相手が拒否するとリンクを閉じます。 .Pp 第 1 引数は、ネゴシエート中に .Nm が固執すべきビット数を指定し、第 2 引数は、 状態有りモードまたは状態無しモードのいずれに .Nm が固執すべきかを指定します。 状態無しモードでは、各パケットに応じて変更される暗号化鍵に対応し、 暗号化辞書が再インストールされます。 状態有りモードでは、 暗号化辞書は 256 パケット毎もしくはデータ喪失後に再インストールされ、 鍵は 256 パケット毎に変更されます。 状態無しモードは、効率が悪いものの、 信頼性の無いトランスポート層では良いです。 .It set mrru Op Ar value このオプションを設定すると、 マルチリンクプロトコルまたは MP としても知られる、 マルチリンク PPP ネゴシエーションを有効にします。 MRRU (Maximum Reconstructed Receive Unit) の値にはデフォルトはありません。 引数を指定しないと、マルチリンクモードは無効にされます。 .It set mru Xo .Op max Ns Op imum .Op Ar value .Xc デフォルトの MRU (最大受信単位; Maximum Receive Unit) は 1500 です。 この値を増加させた場合、相手は MTU を増加させても *かまいません*。 理論的には、デフォルトの MRU より減らすことは意味がありません。 なぜなら、 .Em PPP プロトコルでは少なくとも 1500 オクテットのパケットを 受信できなければ *ならない* からです。 .Pp .Dq maximum キーワードが使用された場合、より大きな値のネゴシエートを .Nm は拒否します。 最大 MRU は、最大でも 2048 です。 最大値を 1500 未満にすることは .Em PPP RFC 違反ですが、必要な場合もあります。 例えば、 .Em PPPoE では、ハードウェアの制約により最大が 1492 になります。 .Pp 引数を指定しないと、1500 が仮定されます。 .Dq maximum 指定時には、値の指定が必要です。 引数が指定されないと、1500 が仮定されます。 .It set mtu Xo .Op max Ns Op imum .Op Ar value .Xc デフォルトの MTU は 1500 です。 ネゴシエーション時に、(296 バイト未満でなく、最大値を越えなければ) 相手が望むいかなる MRU も受け付け可能です。 MTU が設定されると、 .Nm は .Ar value よりも小さい MRU の値を受け付けなくなります。 ネゴシエーションが完了すると、 相手がより大きな MRU を要求していたとしても、 インタフェースに対して書き込みを行う時には MTU が使用されます。 当方のパケットサイズを制限するのに有用です (よりよくバンド幅を共有できるようになりますが、 ヘッダデータが増えるというコストがかかります)。 .Pp .Dq maximum キーワードが使用された場合、より大きな値のネゴシエートを .Nm は拒否します。 最大 MTU は、最大でも 2048 です。 .Pp .Ar value を指定しないと、1500 または相手が要求した値が使用されます。 .Dq maximum 指定時には、値の指定が必要です。 .It set nbns Op Ar x.x.x.x Op Ar y.y.y.y このオプションは、相手の要求によって返される Microsoft NetBIOS ネームサーバの値を設定します。 値を指定しないと、 .Nm はそのような要求を拒否するようになります。 .It set openmode active|passive Op Ar delay デフォルトでは、 .Ar openmode は常に、1 秒の .Ar delay をもって .Ar active となります。 この場合、 .Nm は回線が設定されてから 1 秒が経過したなら いつでも LCP/IPCP/CCP のネゴシエーションを開始します。 相手がネゴシエーションを開始するのを待ちたい場合は、値 .Dq passive を使用します。 直ちにもしくは 1 秒以上待ってからネゴシエーションを開始したい場合、 .Ar delay を秒単位で指定します。 .It set parity odd|even|none|mark 回線のパリティを設定できます。デフォルト値は .Ar none です。 .It set phone Ar telno Ns Xo .Oo \&| Ns Ar backupnumber .Oc Ns ... Ns Oo : Ns Ar nextnumber .Oc Ns ... .Xc ダイヤルおよびログインのチャットスクリプトで使用される \\\\T 文字列が 置き換えられる電話番号を指定できます。 複数の電話番号をパイプ .Pq Dq \&| もしくはコロン .Pq Dq \&: で区切って指定可能です。 .Pp パイプの後の番号がダイヤルされるのは、 直前の番号へのダイヤルもしくはログインのスクリプトが失敗した場合のみです。 回線の切断の理由にかかわらず、 コロンで区切られた番号は順番に試行されます。 .Pp 複数の番号を指定した場合、接続が確立するまで .Nm はこのルールに基づいてダイヤルします。 再試行の最大値は、後述の .Dq set redial で指定します。 .Fl background モードでは各番号は最大 1 回試行されます。 .It set Op proc Ns Xo .No title Op Ar value .Xc .Xr ps 1 が表示する現在のプロセスタイトルを、 .Ar value に従って変更します。 .Ar value が指定されないと、元のプロセスタイトルが回復されます。 シェルコマンドが行うすべての語置換 (前述の .Dq bg コマンドを参照してください) は、ここでも行われます。 .Pp プロセスタイトル中に USER が必要な場合、 .Dq set proctitle コマンドは .Pa ppp.linkup 中に登場する必要があることに注意してください。 .Pa ppp.conf が実行されているときには、分からないからです。 .It set radius Op Ar config-file このコマンドは RADIUS サポートを (組み込まれていれば) 有効にします。 .Ar config-file は、 .Xr radius.conf 5 に記述されている radius クライアント設定ファイルを参照します。 PAP または CHAP が .Dq enable にされている場合、 .Nm は .Em \&N Ns No etwork .Em \&A Ns No ccess .Em \&S Ns No erver として振舞い、設定されている RADIUS サーバを使用して認証し、 .Pa ppp.secret ファイルやパスワードデータベースによる認証は行いません。 .Pp PAP と CHAP のいずれも有効になっていない場合、 .Dq set radius は効果がありません。 .Pp .Nm は、RADIUS 応答中の、次の属性を使用します: .Bl -tag -width XXX -offset XXX .It RAD_FRAMED_IP_ADDRESS 相手の IP アドレスは指定された値に設定されました。 .It RAD_FRAMED_IP_NETMASK tun インタフェースのネットマスクは指定された値に設定されました。 .It RAD_FRAMED_MTU 指定された MTU が LCP ネゴシエーションで合意された相手の MRU より 小さい場合であり、 *かつ* 設定された MTU のいずれよりも小さい場合 ( .Dq set mru コマンド参照)、 tun インタフェースの MTU は指定した値に設定されます。 .It RAD_FRAMED_COMPRESSION 受信した圧縮タイプが .Dq 1 の場合、 .Dq disable vj 設定コマンドが指定されていたとしても、IPCP ネゴシエーションにおいて .Nm は VJ 圧縮を要求します。 .It RAD_FRAMED_ROUTE 受信した文字列は、 .Ar dest Ns Op / Ns Ar bits .Ar gw .Op Ar metrics という書式であると期待します。 指定した metrics は無視されます。 .Dv MYADDR と .Dv HISADDR は、 .Ar dest と .Ar gw の正当な値として理解されます。 .Dq default を .Ar dest に使用可能であり、デフォルト経路を指定します。 .Dq 0.0.0.0 は、 .Ar dest に対する .Dq default と同じであると解釈され、 .Ar gw に対する .Dv HISADDR と同じであると解釈されます。 .Pp 例えば、戻り値 .Dq 1.2.3.4/24 0.0.0.0 1 2 -1 3 400 は 1.2.3.0/24 ネットワークへは .Dv HISADDR を介するという経路表エントリになり、 戻り値 .Dq 0.0.0.0 0.0.0.0 または .Dq default HISADDR は .Dv HISADDR 行きのデフォルト経路になります。 .Pp すべての RADIUS の経路は、 すべてのスティッキーな経路が適用された後で適用されます。 これにより、RADIUS の経路が、設定済みの経路に優先します。 これは、 .Dv MYADDR または .Dv HISADDR というキーワードを含まない RADIUS の経路にもあてはまります。 .Pp .El RADIUS サーバから受信した値は、 .Dq show bundle を使用して見られます。 .It set reconnect Ar timeout ntries (CD の喪失もしくは LQR の失敗により) 予想外の回線切断となった場合、 指定した .Ar timeout の後に接続が再確立されます。 回線は最大 .Ar ntries 回、再接続されます。 .Ar ntries のデフォルトは 0 です。 .Ar timeout に .Ar random を指定すると、1 から 30 秒の間の任意時間の停止となります。 .It set recvpipe Op Ar value ルーティングテーブルの RECVPIPE 値を設定します。 最適な値は、MTU 値を 2 倍した値を丁度越える値です。 .Ar value が指定されないまたは 0 の場合、デフォルトの、カーネルが制御する値を使用します。 .It set redial Ar secs Ns Xo .Oo + Ns Ar inc Ns .Op - Ns Ar max Ns .Oc Ns Op . Ns Ar next .Op Ar attempts .Xc .Nm に .Ar attempts 回のリダイヤルを指示できます。 1 より大きな数を指定した場合 (前述の .Ar set phone 参照)、 各番号にダイヤルする前に、 .Ar next だけ停止します。 最初の番号に戻ってダイヤル開始する前に .Ar secs だけ停止します。リテラル値 .Dq Li random を .Ar secs および .Ar next のところで使用でき、1 から 30 秒の間の任意時間の停止となります。 .Pp .Ar inc が指定されると、 .Nm が新規番号を試すたびに、この値が .Ar secs に加えられます。 .Ar secs が増加されるのは、最大 .Ar max 回だけです。 .Ar max のデフォルト値は 10 です。 .Ar attempts が経過した後でも .Ar secs の遅延は効果があるので、 すぐに手動でダイヤルしても何も起ってないように見えるかもしれません。 すぐにダイヤルする必要がある場合、 .Dq !\& を .Dq open キーワードの直後に付けます。 更なる詳細については、前述の .Dq open の記述を参照してください。 .It set sendpipe Op Ar value ルーティングテーブルの SENDPIPE 値を設定します。 最適な値は、MTU 値を 2 倍した値を丁度越える値です。 .Ar value が指定されないまたは 0 の場合、デフォルトの、カーネルが制御する値を使用します。 .It "set server|socket" Ar TcpPort Ns No \&| Ns Xo .Ar LocalName Ns No |none|open|closed .Op password Op Ar mask .Xc このコマンドは .Nm に指定したソケットもしくは .Sq 診断ポート にてコマンド接続の入力を listen するように指示します。 .Pp 語 .Ar none は .Nm に既に存在するソケットを閉じさせ、ソケット設定を消させます。 語 .Dq open は .Nm にポートを再度オープンさせます。 語 .Dq closed は .Nm にオープンしているポートを閉じさせます。 .Pp ローカルドメインソケットを指定したい場合、 .Ar LocalName に絶対ファイル名を指定します。そうしないと、TCP ポートの名前もしくは番号 であると解釈されます。 ローカルドメインソケットに使用される 8 進 umask を指定可能です。 umask の詳細については .Xr umask 2 を参照してください。TCP ポート名がどのように変換されるかについては .Xr services 5 を参照してください。 .Pp このソケットにクライアントが接続するときに使用されねばならないパスワードも 指定可能です ( 前述の .Dq passwd 変数を使用します)。 パスワードが空文字列として指定される場合、 クライアントが接続するときにパスワードを必要とされません。 .Pp ローカルドメインソケットが指定される場合、ソケット名中の最初の .Dq %d シーケンスは現在のインタフェースユニット番号で置換されます。 複数接続のために同一のプロファイルを使用したい場合に便利です。 .Pp 同様の方法で TCP ソケットの前に .Dq + 文字を付けることができます。 この場合、現在のインタフェースユニット番号が、ポート番号に加算されます。 .Pp .Nm をサーバソケットと共に使用する場合、通信機構として .Xr pppctl 8 コマンドを使用することが好ましいです。 現在 .Xr telnet 1 も使用可能ですが、将来リンク暗号化が実装されるかもしれませんので、 .Xr telnet 1 は避けてください。 .Pp 注: .Dv SIGUSR1 と .Dv SIGUSR2 は、診断ソケットと相互に作用します。 .It set speed Ar value シリアルデバイスの速度を指定します。 速度指定が .Dq sync の場合、 .Nm はデバイスを同期デバイスとして扱います。 .Pp デバイスタイプによっては、 同期または非同期のいずれかであることが分るものがあります。 これらのデバイスでは、不正な設定を上書きして、 この結果に対する警告を記録します。 .It set stopped Op Ar LCPseconds Op Ar CCPseconds このオプションが指定されると、 指定した FSM (有限状態機械; Finite State Machine) が停止状態になってから .Dq seconds で指定した秒数だけ停止したのち、 .Nm はタイムアウトします。 このオプションは、 相手が終了要求を送り我々が終了確認応答を送ったにもかかわらず 実際には接続を閉じない場合に、有用かもしれません。また、 .Dq set openmode passive を使用した場合に相手が指定時間内に Configure Request を送らないことを タイムアウト検出する場合には、便利かもしれません。 .Dq set log +lcp +ccp を使用すると、 .Nm は適切な状態遷移を記録します。 .Pp デフォルト値は 0 であり、 停止状態による .Nm のタイムアウトは発生しません。 .Pp この値は openmode の遅延 (上述の .Dq set openmode 参照) より小さくなってはなりません。 .It set timeout Ar idleseconds Op Ar mintimeout このコマンドはアイドルタイマの値を指定します。 更なる詳細については .Sx アイドルタイマの設定 というタイトルの節を参照してください。 .Pp .Ar mintimeout が指定された場合、 最短でも指定された秒数だけリンクがアップしていないと、 .Nm はアイドルアウトしません。 .It set urgent Xo .Op tcp|udp|none .Oo Op +|- Ns .Ar port .Oc No ... .Xc このコマンドは、データ転送時に .Nm が優先するポートを制御します。 デフォルトの優先 TCP ポートは、ポート 21 (ftp control), 22 (ssh), 23 (telnet), 513 (login), 514 (shell), 543 (klogin), 544 (kshell) です。 優先 UDP ポートは、デフォルトではありません。 詳細は .Xr services 5 を参照してください。 .Pp .Dq tcp も .Dq udp も指定しないと、 .Dq tcp が仮定されます。 .Pp .Ar port を指定しないと、優先ポートリストがクリアされます ( .Dq tcp または .Dq udp を指定すると、そのリストのみがクリアされます)。 最初の .Ar port 引数にプラス .Pq Dq \&+ またはマイナス .Pq Dq \&- のプレフィックスを付けた場合、現在のリストが修正されますが、 そうでない場合には、再割り当てされます。 プラスのプレフィックス付きまたはプレフィックス無しの .Ar port はリストに追加され、マイナスのプレフィックス付きの .Ar port はリストから削除されます。 .Pp .Dq none が指定された場合、優先ポートリスト全体が無効になり、 .Dv IPTOS_LOWDELAY パケットも特別扱いされなくなります。 .It set vj slotcomp on|off このコマンドは .Nm に VJ スロット圧縮をネゴシエートするか否かを指示します。 デフォルトではスロット圧縮は .Ar on です。 .It set vj slots Ar nslots このコマンドは最初の .Ar slots 番号を指定します。 .Nm は VJ 圧縮が enable されている時には、 これを使用して相手とネゴシエートします (前述の .Sq enable コマンドを参照してください)。 デフォルト値は 16 です。 .Ar nslots は .Ar 4 以上 .Ar 16 以下の値です。 .El .Pp .It shell|! Op Ar command .Ar command が指定されない場合、 .Dv SHELL 環境変数で指定されるシェルが起動されます。 そうでなければ指定された .Ar command が実行されます。 語の置換は、前述の .Dq !bg コマンドと同様の方法で行われます。 .Pp 文字 ! を使用する場合、コマンドとの間に空白が必要です。 このコマンドはフォアグラウンドで実行されることに注意してください - .Nm はプロセスが終了するまでは実行を続けません。 バックグラウンドでコマンド処理を行いたい場合には、 .Dv bg コマンドを使用してください。 .It show Ar var このコマンドを使用して、次の内容を確認できます: .Bl -tag -width 2n .It show bundle 現在のバンドル設定を表示します。 .It show ccp 現在の CCP 圧縮統計を表示します。 .It show compress 現在の VJ 圧縮統計を表示します。 .It show escape 現在のエスケープ文字を表示します。 .It show filter Op Ar name 指定したフィルタの現在のルールをリストします。 .Ar name を指定しないと、全フィルタが表示されます。 .It show hdlc 現在の HDLC 統計を表示します。 .It show help|? 利用可能な show コマンドのまとめを表示します。 .It show iface 現在のインタフェース情報 ( .Dq iface show と同じです) を表示します。 .It show ipcp 現在の IPCP 統計を表示します。 .It show layers 現在使用中のプロトコル層を表示します。 .It show lcp 現在の LCP 統計を表示します。 .It show Op data Ns Xo .No link .Xc 高レベルリンク情報を表示します。 .It show links 利用可能な論理リンクのリストを表示します。 .It show log 現在のログ値を表示します。 .It show mem 現在のメモリ統計を表示します。 .It show physical 現在の下位レベルリンク情報を表示します。 .It show mp マルチリンク情報を表示します。 .It show proto 現在のプロトコルの総計を表示します。 .It show route 現在の経路表を表示します。 .It show stopped 現在の stopped タイムアウト値を表示します。 .It show timer アクティブアラームタイマを表示します。 .It show version .Nm の現在のバージョン番号を表示します。 .El .Pp .It term 端末モードに移行します。 キーボードからタイプした文字はデバイスに送られます。 デバイスから読んだ文字はスクリーンに表示されます。 .Nm の相手が認識された時には、 .Nm は自動的にパケットモードを有効にし、コマンドモードに戻ります。 .El .Sh 更に詳細について .Bl -bullet .It 設定ファイルの例を読んでください。良い情報源です。 .It 何が利用できるかについては、 .Dq help , .Dq nat \&? , .Dq enable \&? , .Dq set \&? , .Dq show \&? コマンドを使って、オンライン情報を取得してください。 .It 次の URL に有用な情報があります: .Bl -bullet -compact .It http://www.FreeBSD.org/FAQ/userppp.html .It http://www.FreeBSD.org/handbook/userppp.html .El .Pp .El .Sh 関連ファイル .Nm は、4 つのファイル .Pa ppp.conf , .Pa ppp.linkup , .Pa ppp.linkdown , .Pa ppp.secret を参照します。 これらのファイルは .Pa /etc/ppp に置かれます。 .Bl -tag -width 2n .It Pa /etc/ppp/ppp.conf システムのデフォルト設定ファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.secret 各システム用の認証設定ファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.linkup .Nm がネットワークレベルの接続を確立した時に実行されるファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.linkdown .Nm がネットワークレベルの接続を閉じる時にチェックするファイル。 .It Pa /var/log/ppp.log ログとデバッグ情報のファイル。このファイル名は .Pa /etc/syslog.conf にて指定されます。詳細は .Xr syslog.conf 5 を参照してください。 .It Pa /var/spool/lock/LCK..* tty ポートをロックするためのファイル。詳細は .Xr uucplock 3 を参照してください。 .It Pa /var/run/tunN.pid tunN デバイスに接続されている .Nm プログラムのプロセス ID (pid)。 ここで .Sq N はデバイスの番号です。 .It Pa /var/run/ttyXX.if このポートで使われている tun インタフェース。 このファイルも .Fl background , .Fl auto , .Fl ddial のいずれかのモードの時のみ作成されます。 .It Pa /etc/services サービス名でポート番号が指定されている場合に、ポート番号を取得します。 .It Pa /var/run/ppp-authname-class-value マルチリンクモードでは、 相手の認証名称 .Pq Sq authname と相手の終点選択クラス .Pq Sq class と相手の終点選択値 .Pq Sq value を使用して、ローカルドメインソケットが生成されます。 終点選択値はバイナリ値であってもかまわないため、 実際のファイル名を判定するために 16 進数に変換されます。 .Pp このソケットは、別の .Nm のインスタンスとリンクを受け渡しを行うために使用します。 .El .Sh 関連項目 .Xr at 1 , .Xr ftp 1 , .Xr gzip 1 , .Xr hostname 1 , .Xr isdnd 8 , .Xr login 1 , .Xr tcpdump 1 , .Xr telnet 1 , .Xr kldload 2 , .Xr libalias 3 , .Xr libradius 3 , .Xr syslog 3 , .Xr uucplock 3 , .Xr netgraph 4 , .Xr ng_pppoe 4 , .Xr crontab 5 , .Xr group 5 , .Xr passwd 5 , .Xr radius.conf 5 , .Xr resolv.conf 5 , .Xr syslog.conf 5 , .Xr adduser 8 , .Xr chat 8 , .Xr getty 8 , .Xr inetd 8 , .Xr init 8 , .Xr named 8 , .Xr ping 8 , .Xr pppctl 8 , .Xr pppd 8 , .Xr pppoe 8 , .Xr route 8 , .Xr sshd 8 , .Xr syslogd 8 , .Xr traceroute 8 , .Xr vipw 8 .Sh 歴史 元のプログラムは .An Toshiharu OHNO Aq tony-o@iij.ad.jp が作成し、 .Fx 2.0.5 に .An Atsushi Murai Aq amurai@spec.co.jp が提出しました。 .Pp 1997 年中に .An Brian Somers Aq brian@Awfulhak.org が本格的な修正をし、 11 月に .Ox に移植されました (2.2-RELEASE の直後です)。 .Pp 1998 年初頭にマルチリンク ppp サポートが追加されたときに、 ほとんどのコードを .An Brian Somers が書き直しました。