diff --git a/ja/man/Makefile b/ja/man/Makefile index 953c988336..db980ec78f 100644 --- a/ja/man/Makefile +++ b/ja/man/Makefile @@ -1,8 +1,8 @@ BINDIR= /usr/share -SUBDIR= man1 man5 man8 +SUBDIR= man1 man5 man6 man7 man8 makedb: LANG=ja_JP.EUC jmakewhatis ${DESTDIR}${BINDIR}/man/ja/ .include diff --git a/ja/man/man5/magic.5 b/ja/man/man5/magic.5 index 8e33a177ed..cda55bfd53 100644 --- a/ja/man/man5/magic.5 +++ b/ja/man/man5/magic.5 @@ -1,230 +1,230 @@ .\" .\" @(#)%Id: magic.5,v 1.9 1998/02/04 07:29:20 charnier Exp % .\" .\" install as magic.4 on USG, magic.5 on V7 or Berkeley systems. .\" .\" jpman %Id: magic.5,v 1.3 1998/07/21 05:29:49 jsakai Stab % .Dd September 3, 1994 .Dt MAGIC 5 .Os "Public Domain" .Sh 名称 .Nm magic .Nd file コマンドのマジック番号ファイル .Sh 解説 このマニュアルページでは .Xr file 1 コマンド バージョン 3.22 で使用されるマジックファイルのフォーマットに ついて説明します。 .Nm file コマンドは、他のテストと共に、ファイルがある .Em "マジック番号" で始まっているかどうかをテストして、ファイルのタイプを識別します。 ファイル .Pa /usr/share/misc/magic では、どのマジック番号をテストするか、 あるマジック番号が見つかったときにどのようなメッセージを出力するか、 また、そのファイルから抽出するべき追加情報について指定しています。 .Pp このファイルの各行ではテストすべき項目について指定しています。 テストは、ファイル中のある特定のオフセットで始まるデータを 1 バイト、2 バイトもしくは 4 バイトの数値あるいは文字列と 比較して行います。 もしテストが成功するとメッセージが出力されます。 各行は以下のフィールドから構成されます。 .Bl -tag -width indent .It offset テストするファイルのデータのオフセットをバイト数で指定する数字です。 .It type テストするデータの型です。指定できる値は .Bl -tag -width indent .It byte 1 バイトの値。 .It short (ほとんどのシステムにおいて) 2 バイトの値。 そのマシンの固有のバイト順で指定します。 .It long (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 そのマシンの固有のバイト順で指定します。 .It string バイトの文字列。 .It date UNIX 日時として解釈される 4 バイトの値。 .It beshort (ほとんどのシステムにおいて) 2 バイトの値。 ビッグエンディアンのバイト順です。 -.IP belong +.It belong (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 ビッグエンディアンのバイト順です。 -.IP bedate +.It bedate UNIX 日時として解釈される (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 ビッグエンディアンのバイト順です。 -.IP leshort +.It leshort (ほとんどのシステムにおいて) 2 バイトの値。 リトルエンディアンのバイト順です。 -.IP lelong +.It lelong (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 リトルエンディアンのバイト順です。 -.IP ledate +.It ledate UNIX 日時として解釈される (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 リトルエンディアンのバイト順です。 .El .El .Pp 数字の型にはオプションとして .Em & と数値を続けることができ、 これにより比較を行う前に AND をとる数値を指定します。 型の前に .Em u を付加すると比較は符号なしで行なわれます。 .Bl -tag -width indent .It test ファイル中の値と比較される値。 型が数字の場合、この値は C 言語の形式で指定されます。 これが文字列の場合、 通常のエスケープ記法 (たとえば改行では\en) が可能な C 言語文字列として 指定されます。 .It "" 数値の前には実行される操作を示す文字を付加することができます。 その文字には ファイルの値が指定された値と等価であることを指定する .Em = 、ファイルの値が指定された値より小さいことを指定する .Em < 、ファイルの値が指定された値より大きいことを指定する .Em > 、指定された値の中でセットされているすべてのビットが ファイルでの値ですべてセットされていることを指定する .Em & 、指定された値の中でセットされているどれかのビットが ファイルでの値でオフであることを指定する .Em ^ 、何らかの値がマッチすることを指定する .Em x があります。 これらの文字がない場合は .Em = が指定されているものとみなされます。 .It "" 数値は C 言語の形式で指定されます。例えば .Em 13 は 10 進数、 .Em 013 は 8 進数、 .Em 0x13 は 16 進数となります。 .It "" 文字列値については、 ファイル中のバイト文字列は指定されたバイト文字列に マッチしなければなりません。 オペレータ .Em = と .Em < と .Em > ( .Em & を除く) が文字列に適用できます。 マッチングに使用される長さは マジックファイルでの文字列の引数の長さとなります。 これは .Em >\e0 とすることにより、 その行はどの文字列にもマッチすることが可能であり、 おそらくその文字列が出力されることを意味します (すべての文字列はヌル文字列より長いため)。 .It message 比較が成立したときに出力されるメッセージです。 文字列に .Xr printf 3 指定形式が含まれている場合は、ファイルから得た値 (指定されたマスクを 適用したもの) が、そのメッセージをフォーマット文字列として用いて出力さ れます。 .El .Pp いくつかのファイルフォーマットは、ファイルタイプと共に出力される追加情報 を含んでいます。文字 .Em > で始まる行は追加テストと出力されるメッセージを指定します。 その行での .Em > の数はテストのレベルを指定します。行頭に .Em > がない行はレベル 0 とみなされます。 レベル .Em n+1 の各行はマジックファイル中でその行より前にあるもっとも近いレベル .Em n の行の制御下にあります。レベル .Em n での行のテストが成功した場合、それに続く行で指定されたすべてのレベル .Em n+1 のテストが実施され、 それらのテストが成功するとメッセージが出力されます。 次のレベル .Em n の行でこれが終了します。 最後の .Em > に続く最初の文字が .Em ( であれば、その括弧の後の文字列は間接オフセットとして解釈されます。 これは括弧の後の数字がそのファイル中のオフセットとして使用されることを 意味します。そのオフセットでの値が読み込まれ、再度ファイルのオフセット として使用されます。間接オフセットは .Em (x[.[bsl]][+-][y]) の形式をとります。値 .Em x はファイル中でのオフセットとして使われます。 型指定子 .Em [bsl] によりそれぞれバイト、short もしくは long として読み込まれます。 その数字に値 .Em y が加算され、その結果はファイルの中でのオフセットとして使用されます。型 指定子がない場合は long がデフォルトの型となります。 .Pp オフセットは、その前にあるフィールドの長さに依存するため、 正確な値が分からない場合があります。 そのような場合は最後の上位レベルのフィールドの最後からの 相対的なオフセットを指定することができます。 (もちろんこれは下位レベルのテスト、すなわち .Em > で始まるテストでのみ可能です。) この場合の相対オフセットは .Em & をオフセットのプレフィックスとして使用して指定します。 .Sh バグ フォーマット .Em long , .Em belong , .Em lelong , .Em short , .Em beshort , .Em leshort , .Em date , .Em bedate , .Em ledate はシステムに依存します。 テストされるファイルは通常それらの長さが不変であるシステムのものであり、 これらはおそらくバイト数 (2B とか 4B とか) として指定すべきででょう。 .Pp 間接オフセットで使用されるエンディアンを指定したデータは (現在は) サポートされていません。 .Sh 関連項目 .Xr file 1 .\" .\" From: guy@sun.uucp (Guy Harris) .\" Newsgroups: net.bugs.usg .\" Subject: /etc/magic's format isn't well documented .\" Message-ID: <2752@sun.uucp> .\" Date: 3 Sep 85 08:19:07 GMT .\" Organization: Sun Microsystems, Inc. .\" Lines: 136 .\" .\" Here's a manual page for the format accepted by the "file" made by adding .\" the changes I posted to the S5R2 version. .\" .\" Modified for Ian Darwin's version of the file command. diff --git a/ja/man/man8/mrouted.8 b/ja/man/man8/mrouted.8 index 35bbecac8d..d13f58ba37 100644 --- a/ja/man/man8/mrouted.8 +++ b/ja/man/man8/mrouted.8 @@ -1,449 +1,449 @@ .\"%Id: mrouted.8,v 1.11 1998/08/31 16:41:08 wosch Exp % .\" jpman %Id: mrouted.8,v 1.3 1997/07/26 22:00:11 horikawa Stab % .Dd May 8, 1995 .Dt MROUTED 8 .Sh 名称 .Nm mrouted .Nd IP マルチキャストルーティングデーモン .Sh 書式 .Nm mrouted .Op Fl c Ar config_file .Op Fl d Op Ar debug_level .Op Fl p .Sh 解説 .Nm は、RFC1075 にて規定されている Distance-Vector Multicast Routing Protocol (DVMRP) の実装です。本コマンドは distance-vector routing protocol (RIP に似たプロトコルであり、RFC1058 に記述されています) を使うことで、ネットワークトポロジに関する情報を管理し、 そのプロトコルの上で、Reverse Path Multicasting と呼ばれる マルチキャストデータグラムフォワーディングアルゴリズムを実装しています。 .Pp .Nm は、マルチキャストデータグラムを、データグラムが生成されたサブネットを幹と して樹状に構成されるパス上に、パスの最短距離を通過するようにして送出します。 マルチキャストツリーは目的のグループを含むサブネットを越えないブロード キャストツリーと考えることができます。 したがって、データグラムはマルチキャストの受け手がいない枝には送出され ません。 さらに、マルチキャストデータグラムパケットの生存時間によっては、到達で きる範囲が限定される場合もあります。 .Pp IP マルチキャストをサポートしない (ユニキャスト) ルータを介したサブネット間で、 マルチキャストを実現する場合、 .Nm の実装にはトンネリングのサポートも含まれます。トンネリングとは、 インターネットのあらゆるところにて稼働している .Nm の組の間で仮想的なポイントツーポイントリンクを確立する技術です。 IP マルチキャストパケットは、トンネルを通過するところでカプセル化されます。 カプセル化されたパケットは、 ルータ及びサブネットを進む通常のユニキャストデータグラムに見えます。 トンネルの入口でカプセル化が行われ、トンネルの出口でカプセルが取り外されます。 デフォルトでは、パケットは、IP-in-IP プロトコル (IP プロトコル番号 4) を用いることでカプセル化を 行ないます。 古いバージョンの .Nm のトンネリングは、 IP ソースルーティングを用いたものですが、 本手法はルータによっては大きな負荷をかけることになります。 本バージョンでは、IP ソースルーティングを用いたトンネリングは サポートしません。 .Pp トンネリング機構の実装により、 .Nm は、 実際のインターネットとは独立の、 マルチキャストパケットのみを扱う広範囲の自立システムに跨る 仮想インターネットを構築できます。 これを可能にすることにより、 実験的ではあるが、インターネットマルチキャストをサポートし、 (ユニキャスト)ルータによるマルチキャストルーティング を可能にします。 .Nm は deistance vector ルーティングプロトコルが持つ よく知られたスケーリングの問題の影響を被りますし、 階層的なマルチキャストルーティングを (まだ) サポートしていません。 .Pp .Nm はマルチキャストルーティングのみを扱いますので、同じ機械の上でユニキャ ストルーティングソフトが走っていてもいなくても構いません。 トンネリングを利用すれば、 .Nm はマルチキャストフォーワーディングのためにひとつより多くの 物理的なサブネットにアクセスする必要がありません。 .Pp 以下のオプションを使用可能です: .Bl -tag -width indent .It Fl c Ar config_file 別の設定コマンドファイルを指定します。 デフォルトは .Pa /etc/mrouted.conf です。 .Fl d オプションが与えられないか、もしくは debug level として 0 が指定された 場合、 .Nm は起動された端末から切り離されます。それ以外の場合は、 .Nm は、起動された端末に残り、起動された端末からの割り込みを受け付けます。 .Fl d が引数なしで指定された場合の debug level はデフォルトの 2 です。 debug level の指定の有無にかかわらず、 .Nm は常に警告メッセージやエラーメッセージを syslogd に対して送ります。 0 以外の debug level が指定された場合、以下の挙動を示します: .Bl -tag -width indent .It "level 1" すべての syslog へ出力されるメッセージは、stderr へも出力されます。 .It "level 2" debug level 1での挙動に加え、重要と思われる挙動通知を stderr に出力します。 .It "level 3" debug level 2 での挙動に加え、すべてのパケット送出/到着について stderr に出力します。 .El .It Fl p 枝苅りを抑止します。 .El 起動にともない、 .Nm はその pid を .Pa /var/run/mrouted.pid ファイルに 書き出します。 .Sh 初期設定 .Nm は、自動的にすべてのマルチキャスト可能なインタフェース、 つまり、IFF_MULTICAST フラグがセットされたインタフェース (ループバックインタフェースは除きます) に対して初期化を行い、別の .Nm に直接接続可能なインタフェースを探索します。 デフォルトの設定を上書きする、あるいは別の .Nm に対するトンネルリンクを付加するには、 .Pa /etc/mrouted.conf (もしくは .Fl c オプションによって指定されるファイル) を編集します。 コンフィギュレーションのためには以下の 4 種類のコマンドがあります。 .nf phyint [disable] [metric ] [advert_metric ] [threshold ] [rate_limit ] [boundary (|/)] [altnet /] tunnel [metric ] [advert_metric ] [threshold ] [rate_limit ] [boundary (|/)] cache_lifetime name / .fi .Pp ファイルの形式は自由です。すなわち、空白文字 (改行も含みます) は意味を 持ちません。 .Em boundary と .Em altnet オプションは必要な数だけ指定して下さい。 .Pp phyint コマンドはローカル IP アドレス によって認識される 物理インタフェース上のマルチキャストルーティングを無効にするか、 デフォルトでない metric あるいは threshold を 物理インタフェースに結びつけます。 ローカル IP アドレス はインタフェース名 (le0 等) で代用できます。 phyint が複数の IP からなるサブネットに向けられる場合、 altnet キーワードを使用してそれぞれのサブネットについて記述して下さい。 phyint コマンドは tunnel コマンドより前に書く必要が有ります。 .Pp tunnel コマンドはローカル IP アドレス と リモート IP アドレス とを結ぶトンネルリンクを作り、 デフォルトでない metric あるいは threshold をそのトンネルに結びつけます。 ローカル IP アドレス はインタフェース名(le0 等)で 置き換えても構いません。 リモート IP アドレス は、 ホスト名に結びつけられた IP アドレスが 1 つである場合に限り、 ホスト名で置き換えても構いません。 双方のルータの .Pa mrouted.conf ファイルにおいて、 そのトンネルが使用される前に記述されている必要があります。 .Pp cache_lifetime はキャッシュされたマルチキャスト経路がタイムアウトまで に kernel 内にどれだけ保持されるかを定めます。この変数は 300 (5 分) か ら 86400 (1 日) の間がいいでしょう。デフォルトは 300 です。 .Pp 設定をキーワードを用いて簡単に行うために、境界に名前をつけることもでき ます。phyint あるいは tunnel コマンドの boundary オプションは 名前もしくは boundary のいずれかを受け付けます。 .Pp metric は与えられたインタフェースかトンネルへデータグラムを送るため の \&"コスト" です; 経路の選択に影響を与えます。 デフォルト値は 1 です。metric は可能なかぎり小さくすべきです。 なぜなら、 .Nm は metric の合計が 31 を越える経路を通ることができないからです。 .Pp advert_metric は、与えられたインタフェースもしくは tunnel に関連する \&"コスト" です; これは経路選択に影響します。 advert_metric のデフォルト値は 0 です。 リンクの実際の metric は一端の metric ともう一端の advert_metric との和です。 .Pp threshold は最小の IP の生存時間であり、 この要件を満たすマルチキャストデータグラムは 指定されるインタフェースもしくはトンネルを転送されます。 このパラメータによりマルチキャストデータグラムの到達範囲が定められます。 (転送されたパケットの TTL は threshold と比較するだけで、 threshold だけ TTL を減らしたりはしません。 すべてのマルチキャストルータは TTL を 1 づつ減らします。) デフォルト値は 1 です。 .Pp 特定のサブネットやトンネルへ接続する .Nm は、一般的にはすべて同じ metric と threshold を持ちます。 .Pp rate_limit オプションによって、ネットワークの管理者はマルチキャスト トラフィックのために何キロビット毎秒のバンド幅をわりあてればよいかを指定 できます。デフォルト値は、トンネルは 500Kbps、 物理インタフェースは 0 (無制限) です。 .Pp boundary オプションは、ある範囲のアドレスに対して、管理可能な境界を設 定します。この範囲のアドレスに属するパケットは範囲内のインタフェース には転送されません。boundary オプションは名前もしくは境界にて指定します。 .Pp .Nm は 2 つ以上の有効な vif (仮想インタフェース) が無いときには実行を開始しません。 vif はマルチキャスト可能な物理インタフェースもしくはトンネルです。 全ての仮想インタフェースがトンネルの場合は警告が記録されます; そのような .Nm の設定は、より多くの直接トンネルを指定した方が良いかもしれません (中間管理者を削除するという意味です)。 .Sh 設定例 以下は大きな学校にある架空のマルチキャストルータでの例です。 .sp .nf # # mrouted.conf example # # Name our boundaries to make it easier name LOCAL 239.255.0.0/16 name EE 239.254.0.0/16 # # le1 is our gateway to compsci, don't forward our # local groups to them phyint le1 boundary EE # # le2 is our interface on the classroom net, it has four # different length subnets on it. # note that you can use either an ip address or an # interface name phyint 172.16.12.38 boundary EE altnet 172.16.15.0/26 altnet 172.16.15.128/26 altnet 172.16.48.0/24 # # atm0 is our ATM interface, which doesn't properly # support multicasting. phyint atm0 disable # # This is an internal tunnel to another EE subnet # Remove the default tunnel rate limit, since this # tunnel is over ethernets tunnel 192.168.5.4 192.168.55.101 metric 1 threshold 1 rate_limit 0 # # This is our tunnel to the outside world. # Careful with those boundaries, Eugene. tunnel 192.168.5.4 10.11.12.13 metric 1 threshold 32 boundary LOCAL boundary EE .fi .Sh シグナル .Nm は以下のシグナルに反応します。 .Bl -tag -width indent .It HUP .Nm を再スタートします。 設定ファイルは再度読み込まれます。 .It INT 後かたづけをしてから実行終了します (たとえば、隣接するルータすべてにさよならのメッセージを送ります)。 .It TERM INT と同じです。 .It USR1 内部ルーティングテーブルを .Pa /var/tmp/mrouted.dump にダンプします。 .It USR2 内部キャッシュテーブルを .Pa /var/tmp/mrouted.cache にダンプします。 .It QUIT 内部ルーティングテーブルを stderr にダンプします。 ただし、 .Nm が 0 以外の debug level の時のみです。 .El .Pp シグナルを送る際の便宜のために、 .Nm は開始時に自身の pid を .Pa /var/run/mrouted.pid に書き出します。 .SH 使用例 ルーティングテーブルは以下のようになります: .nf Virtual Interface Table Vif Local-Address Metric Thresh Flags 0 36.2.0.8 subnet: 36.2 1 1 querier groups: 224.0.2.1 224.0.0.4 pkts in: 3456 pkts out: 2322323 1 36.11.0.1 subnet: 36.11 1 1 querier groups: 224.0.2.1 224.0.1.0 224.0.0.4 pkts in: 345 pkts out: 3456 2 36.2.0.8 tunnel: 36.8.0.77 3 1 peers: 36.8.0.77 (2.2) boundaries: 239.0.1 : 239.1.2 pkts in: 34545433 pkts out: 234342 3 36.2.0.8 tunnel: 36.6.8.23 3 16 Multicast Routing Table (1136 entries) Origin-Subnet From-Gateway Metric Tmr In-Vif Out-Vifs 36.2 1 45 0 1* 2 3* 36.8 36.8.0.77 4 15 2 0* 1* 3* 36.11 1 20 1 0* 2 3* . . . .fi この例では、4 つの vif が 2 つのサブネットと 2 つのトンネルにつながっています。 vif 3 がつながったトンネルは使われていません (peer アドレスが有りません)。 vif 0 と vif 1 がつながったサブネットには いくつかのグループが有ります; トンネルにはグループは有りません。 この例の .Nm は、 \&"querier" フラグが示すように、 定期的なグループメンバシップクエリを vif 0 および vif 1 サブネットにて 送出する責任が有ります。 境界のリストは当該インタフェースのアドレス範囲が示されます。 入力及び出力パケット数が各インタフェースに対して示されます。 .Pp マルチキャストデータグラムの起源となりうるサブネットに関連して 表示される情報は、 直前のホップのルータのアドレス(サブネットが直接接続されていない場合)、 起源までのパスのメトリック、 当該サブネットから最後に更新を受信してから経過した時間、 当該起源からのマルチキャストが入力される vif、 出力 vif 一覧です。 \&"*" は、 起源を根とするブロードキャストツリーの葉に、 当該出力 vif が接続していることを意味します。 宛先グループのメンバが当該葉にいる時のみ、 当該起源からのマルチキャストデータグラムを当該出力 vif からフォワードします。 .Pp .Nm はカーネル内のフォワーディングキャッシュテーブルも管理します。 エントリの生成及び削除は .Nm が行います。 .Pp キャッシュテーブルは以下のようなものです: .nf Multicast Routing Cache Table (147 entries) Origin Mcast-group CTmr Age Ptmr IVif Forwvifs 13.2.116/22 224.2.127.255 3m 2m - 0 1 >13.2.116.19 >13.2.116.196 138.96.48/21 224.2.127.255 5m 2m - 0 1 >138.96.48.108 128.9.160/20 224.2.127.255 3m 2m - 0 1 >128.9.160.45 198.106.194/24 224.2.135.190 9m 28s 9m 0P >198.106.194.22 .fi 各エントリは起源のサブネット番号、マスク、宛先マルチキャストグループにて 区別します。 .Pp \&'CTmr' フィールドは当該エントリの生存時間を表します。 このタイマ値が 0 まで減算されたエントリはキャッシュテーブルから削除されます。 .Pp \&'Age' フィールドはこのエントリが最初に生成されてから経過した時間を表します。 キャッシュエントリはリフレッシュされるため、 当該エントリに関するトラフィックが続く限りルーティングエントリは生き残ります。 .Pp \&'Ptmr' フィールドは、上流に枝刈が送出されていなければ単に -、 そうでないばあいには上流の枝刈がタイムアウトするまでの時間を表します。 .Pp \&'Ivif' フィールドは起源からのマルチキャストパケットが入力される vif を表します。 各ルータは特定のソース及びグループに関し、 隣接するルータより受信する枝刈数の記録も管理します。 あるサブネットに関してマルチキャストツリーの下流の枝において マルチキャストグループのメンバが存在しない場合、 上流のルータに対して枝刈メッセージが送信されます。 この場合、vif 番号の後に \&"P" が付けられます。 .Pp \&'Forwvifs' フィールドは ソースグループに属するデータグラムがフォワードされる インタフェースを表します。 \&"p" は、このインタフェースを介してフォワードされるデータグラムが存在しない ことを表します。 リストされないインタフェースは葉のサブネットであり、 特定のグループのメンバを当該サブネットに持ちません。 インタフェースにおける "b" の表示は、 当該インタフェースが境界インタフェースであることを表します。 すなわち、範囲内のアドレスのトラフィックは 当該インタフェースを介してフォワードされないことを意味します。 .Pp \&">" を最初の文字として表示する追加の行は、 当該サブネット上のソースと表します。 一つのサブネット上に複数のソースが存在可能であることに注意して下さい。 .Sh 関連ファイル .Bl -tag -width /var/tmp/mrouted.cache -compact .It Pa /etc/mrouted.conf .It Pa /var/run/mrouted.pid .It Pa /var/tmp/mrouted.dump .It Pa /var/tmp/mrouted.cache .El .Sh 関連項目 .Xr map-mbone 8 , .Xr mrinfo 8 , .Xr mtrace 8 .Pp DVMRP は、 他のマルチキャスト経路制御アルゴリズムと共に、 ACM SIGCOMM '88 コンファレンスのプロシーディングに、 S. Deering が \&"Multicast Routing in Internetworks and Extended LANs" として記述しています。 -.SH 作者 +.Sh 作者 .An Steve Deering , .An Ajit Thyagarajan , .An Bill Fenner diff --git a/ja/man/man8/ppp.8 b/ja/man/man8/ppp.8 index cdca52191c..3185c65df6 100644 --- a/ja/man/man8/ppp.8 +++ b/ja/man/man8/ppp.8 @@ -1,3742 +1,3742 @@ .\" %Id: ppp.8,v 1.126 1998/09/18 23:28:10 brian Exp % .\" jpman %Id: ppp.8,v 1.4 1997/06/08 18:41:58 saeki Stab % .\" WORD: expect string 受信待ち文字列 (chat.8) .\" WORD: negotiation 交渉 .Dd 20 September 1995 .Os FreeBSD .Dt PPP 8 .Sh 名称 .Nm ppp .Nd PPP (Point to Point Protocol) (別名 user-ppp) .Sh 書式 .Nm .Oo .Fl auto | .Fl background | .Fl ddial | .Fl direct | .Fl dedicated .Oc .Op Fl alias .Op Ar system .Sh 解説 本プログラムは、ユーザプロセスとして動作する .Em PPP パッケージです。 .Em PPP は通常、( .Xr pppd 8 でそうなっているように) カーネルの一部として実装されますが、 そのため、デバッグや動作の変更が少々難しい場合があります。 それに対し、この実装ではトンネルデバイスドライバ (tun) を利用して、 ユーザプロセスで .Em PPP を実現しています。 .Sh 主な特徴 .Bl -diag .It 対話的なユーザインタフェースを提供 コマンドモードで利用する場合、ユーザがコマンドを 入力することで、簡単にリモートコンピュータとの接続の確立、 接続状態の確認、 接続の切断を行うことができます。 オプションとして、セキュリティ確保のために すべての機能をパスワードで保護することができます。 .It 手動と自動でのダイヤルをサポート 対話モードでは、直接モデムと通信できるように .Dq term コマンドが用意されています。 モデムがリモートホストと接続されて、 .Em PPP での通信が始まったら、 .Nm はそれを検出して自動的にパケットモードに移行します。 ひとたびリモートホストとの接続に必要なコマンドシーケンスがわかったら、 後々の接続を簡単にするため、必要なダイヤル手順やログイン手順を定義した チャットスクリプトを書くことができます。 .It オンデマンドでのダイヤルアップをサポート .Fl auto モード (自動モード) では .Nm はデーモンとして動作し、 .Em PPP リンクを通して送られるパケットを待ちうけます。 パケットを検出すると、デーモンが自動的にダイヤルを行って接続を確立します。 .Fl ddial モード (直接ダイヤルモード) でも ほぼ同様に、自動ダイヤルと接続の確立を行います。 しかしながらこのモードは、送るべきパケットが存在しない場合にも、 リンクが切れていることを検出するといつでもリモートへダイヤルするという点が auto モードと異なります。 このモードは、電話料金よりも常時接続されていることが重視される場合に有用です。 3 番目の .Fl dedicated モード (専用線モード) も利用可能です。 このモードは 2 つのマシン間の専用線を対象にしています。 専用線モードでは .Nm は自発的に動作を終了することはありません - 終了するには .Dq quit all コマンドを診断ソケットを介して送る必要があります。 .Dv SIGHUP は LCP の再交渉を強要し、 .Dv SIGTERM は終了を強要します。 .It クライアントコールバックをサポート .Nm は標準 LCP コールバックプロトコルならびに Microsoft コールバック制御プロトコル (ftp://ftp.microsoft.com/developr/rfc/cbcp.txt) を使用できます。 .It パケットエイリアシングをサポート パケットエイリアシング (別名: IP マスカレード) により、 未登録でプライベートなネットワーク上のコンピュータからも インターネットにアクセスすることが可能です。 .Em PPP ホストはマスカレードゲートウェイとして動作します。 送信パケットの IP アドレスと TCP や UDP のポート番号は どちらもエイリアスされ、返信パケットではエイリアスが元に戻されます。 .It バックグラウンド PPP 接続をサポート バックグラウンドモードでは、接続を確立するのに成功した場合に .Nm はデーモンになります。 それ以外の場合はエラーで終了します。 これにより、 接続が成功裏に確立した場合のみコマンドを実行するようなスクリプト をセットアップすることが出来ます。 .It サーバとしての PPP 接続をサポート ダイレクトモードでは、 .Nm は標準入力/標準出力からの .Em PPP 接続を受け入れるサーバとして動作させることができます。 .It PAP と CHAP による認証をサポート PAP もしくは CHAP を用いることにより、Unix スタイルの .Xr login 1 手続きをスキップし、 .Em PPP プロトコルを代りに認証に使用することが可能です。 相手が Microsoft CHAP 認証を要求し、かつ .Nm が DES をサポートするようにコンパイルされている場合、適当な MD4/DES 応答がなされます。 .It 代理 arp (Proxy Arp) をサポート .Em PPP がサーバとして動作している時、その接続について代理 arp を行うよう 設定できます。 .It パケットのフィルタリングをサポート ユーザは 4 種類のフィルタを定義できます。 .Em in は受信パケットに対するフィルタです。 .Em out は送信パケットに対するフィルタです。 .Em dial はダイヤルを行うきっかけとなるパケットを定義するフィルタで、 .Em alive は接続を保持するためのパケットを定義するフィルタです。 .It トンネルドライバは bpf (Berkeley Packet Filter) をサポート .Em PPP リンクを流れるパケットを調べるために、 .Xr tcpdump 1 を使うことができます。 .It PPP オーバ TCP をサポート デバイス名が .Em host Ns No : Ns Em port 形式で指定された場合、 .Nm は通常のシリアルデバイスを使うのではなく、データ転送のための TCP 接続を開きます。 .It IETF ドラフトの Predictor-1 と DEFLATE 圧縮をサポート .Nm は VJ 圧縮の他に Predictor-1 と DEFLATE 圧縮もサポートしています。 モデムは通常 (例えば v42.bis のような) 組み込みの圧縮機能を持っており、 その結果システムは .\"(訳注)「転送データレートよりも」をここにいれたいと考えています。 .\" 2.2.1R 対象(1997/04/02) Takeshi MUTOH より高いデータレートで通信できます。 これは一般には良いことですが、より高速のデータによってシリアル回線からの 割り込みが増加します。 システムはこの割り込みをモデムと通信して処理しなくてはならないため、 システムの負荷と遅延時間が増加することになります。 VJ 圧縮とは異なり、Predictor-1 と DEFLATE 圧縮はリンクを通る .Em すべての ネットワークトラフィックをあらかじめ圧縮しておくことで、オーバヘッドを 最小にします。 .It Microsoft の IPCP 拡張をサポート Microsoft の .Em PPP スタックを使用するクライアント (つまり Win95, WinNT) との間で ネームサーバのアドレスと NetBIOS ネームサーバのアドレスを 交渉することができます。 .It マルチリンク PPP をサポート 接続先への複数の物理的な回線をオープンし、すべてのリンクの 帯域幅を合わせてより高いスループットを得ることができます。 .El .Sh パーミッション .Nm はユーザ .Dv root 、グループ .Dv network 、パーミッション .Dv 4554 でインストールされます。 デフォルトでは .Nm は、起動したユーザ ID が 0 でない場合には実行しません。 これは .Dq allow users コマンドを .Pa /etc/ppp/ppp.conf に記載することにより変更することが可能です。 通常ユーザとして実行する場合には、 .Nm はユーザ ID 0 に変わり、システムの経路表の変更と、 システムロックファイルの作成と、 ppp の設定ファイルの読み込みを行います。 すべての外部コマンド ("shell" や "!bg" で実行されます) は、 .Nm を起動したユーザ ID で実行されます。 ユーザ ID 0 にて正確になにが行われているのかに興味がある場合には、 ログ機能の .Sq ID0 を参照してください。 .Sh 始める前に 最初に .Nm を実行する時には、いくつかの初期設定を整える必要があります。 .Bl -bullet .It カーネルにトンネルデバイスが含まれていなければ なりません (GENERIC カーネルではデフォルトで 1 つ含まれます)。 もし含まれていない場合や複数の tun インタフェースが必要な場合、 次の行をカーネル設定ファイルに追加して、 カーネルを再構築する必要があります: .Pp .Dl pseudo-device tun N .Pp ここで .Ar N は .Em PPP 接続を行いたい最大の数です。 .It .Pa /dev ディレクトリにトンネルデバイスのエントリ .Pa /dev/tunN があるかどうかを調べてください。 ここで .Sq N は、0 から始まる tun デバイスの番号です。 もし無いようならば、"sh ./MAKEDEV tunN" を実行すれば作ることができます。 これにより 0 から .Ar N までの tun デバイスが作成されます。 .It あなたのシステムの .Pa /etc/group ファイルに .Dq network グループがあり、そのグループが .Nm を使うと想定されるすべてのユーザ名を含んでいることを確かめてください。 詳細は .Xr group 5 マニュアルページを参照してください。また、これらのユーザは .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルで .Dq allow users コマンドを使用してアクセス権が与えられなければなりません。 .It ログファイルを作成します。 .Nm は .Xr syslog 3 を使用して情報をログします。通常のログファイル名は .Pa /var/log/ppp.log です。 このファイルに出力を行うためには、次の行を .Pa /etc/syslog.conf ファイルに記述してください: .Bd -literal -offset indent !ppp *.*/var/log/ppp.log .Ed .Pp TAB と書かれている場所には、実際にはタブを入力します。 空白文字を使うと、 .Xr syslogd 8 はこの行を無視し、そのことも報告しません。 .Pp .Nm の実行形式にリンクを作成することにより、複数の .Em PPP ログファイルを持つことが可能です: .Pp .Dl # cd /usr/sbin .Dl # ln ppp ppp0 .Pp として .Pa /etc/syslog.conf で .Bd -literal -offset indent !ppp0 *.*/var/log/ppp0.log .Ed .Pp とします。 .Pa /etc/syslog.conf を更新した後に、 .Xr syslogd 8 に .Dv HUP シグナルを送ることをお忘れなく。 .It 厳密には .Nm の操作とは関係ありませんが、リゾルバが正しく働くように設定した方が 良いでしょう。 これは .Pq Xr named 8 を用いて ローカルな DNS サーバを設定するか、もしくは .Pa /etc/resolv.conf ファイルに適切な .Sq name-server 行を加えることで行われます。 詳細は .Xr resolv.conf 5 のマニュアルを参照してください。 .Pp 他の方法として、もし接続先がサポートしている場合には .Nm が接続先にネームサーバのアドレスを尋ねて、自動的に .Pa /etc/resolv.conf を更新することができます。詳細は後述の .Dq enable dns コマンドを参照してください。 .El .Sh 手動ダイヤル 次の例では、あなたのマシン名が .Dv awfulhak であるとして説明します。 .Nm を引数無しで起動すると (前述の .Em パーミッション 参照) 次のプロンプトが表示されます: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> .Ed .Pp プロンプトの .Sq ON の部分は常に大文字であるべきです。ここが小文字の場合、 .Dq passwd コマンドを使用してパスワードを入力しなければならないことを意味します。 実行中の .Nm に接続し、 まだ正しいパスワードを入力していない場合にのみこのような状態になります。 .Pp ここで、モデムのデバイス名、スピードやパリティの設定、 CTS/RTS 信号を使うかどうか (デフォルトでは CTS/RTS が使用されます) を 指定して、開始可能です。もしハードウェアが CTS/RTS 信号を持っていない場合 (これは PPP 可能な端末サーバに直接つなぐ場合に起こり得ます)、 .Nm はそのポートを通してどんな出力も送らず、来るはずのない信号を待ち続けます。 したがって、直接接続で通信ができないような場合には、 CTS/RTS を off にしてみてください: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set line /dev/cuaa0 ppp ON awfulhak> set speed 38400 ppp ON awfulhak> set parity even ppp ON awfulhak> set ctsrts on ppp ON awfulhak> show modem * モデム関連のパラメータが、ここに示されます * ppp ON awfulhak> .Ed .Pp ここでは、直接モデムと通信するために term コマンドを使用可能です: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> term at OK atdt123456 CONNECT login: ppp Password: Protocol: ppp .Ed .Pp 相手が .Em PPP で話しはじめると、 .Nm はそれを自動的に検出してコマンドモードに戻ります。 .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> Ppp ON awfulhak> PPp ON awfulhak> PPP ON awfulhak> .Ed .\" your end で「あなた側」 このようにならない場合、接続先がこちらの開始交渉を 待っている可能性があります。強制的に .Nm に接続先への PPP 設定パケットの送出を開始させるためには .Dq ~p コマンドを使ってパケットモードに移行して下さい。 .Pp これで接続されました! プロンプトの .Sq PPP が大文字に変化して、接続されたことを知らせます。もし 3 つの P の内 いくつかだけが大文字になっている場合には、すべての文字が大文字もしくは 小文字になるまで待ってください。もし小文字に戻った場合には、それは .Nm が接続先との交渉に成功しなかったことをを意味します。 たいてい、その原因は PAP もしくは CHAP 認証の name や key が 正しくないことです。 .Dq set log local phase することが、この時点でのトラブルシューティングへの第一歩としては 良いでしょう。 詳細は、下記の .Dq set log コマンドの説明を参照してください。 .Pp リンクが確立したら、show コマンドを使用することで、 どのように事態が進行しているのかが分ります: .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> show modem * モデム関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show ccp * CCP (圧縮) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show lcp * LCP (回線制御) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show ipcp * IPCP (IP) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show link * (高レベル) リンク関係の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show bundle * (高レベル) 論理接続関係の情報がここに表示されます * .Ed .Pp この時点で、マシンは接続先に対するホスト単位の経路 (host route) を持っています。 これはリンクの相手のホストとのみ接続可能であるという意味です。 デフォルト経路のエントリ (他の経路エントリを持たずに、全パケットを .Em PPP リンクの相手に送る ように、あなたのマシンに指示します)を追加したければ、 次のコマンドを入力してください。 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> add default HISADDR .Ed .Pp .Sq HISADDR という文字列は、相手側の IP アドレスを表します。 .Sq HISADDR の位置に .Sq INTERFACE キーワードを使用可能です。 これにより tun インタフェース上に直接経路を作成します。 既存の経路のために失敗する場合には、 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> add! default HISADDR .Ed .Pp を用いることで既存の経路を上書きできます。 ここで、(ping, telnet, ftp のような) ネットワークアプリケーションを 別のウィンドウで使用可能です。 使用可能コマンドの詳細は .Em PPP コマンドリスト の節を参照してください。 .Sh 自動ダイヤル 自動ダイヤルを行うためには、ダイヤルとログインのチャットスクリプトを 用意しなければなりません。定義の例は .Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample を見てください ( .Pa /etc/ppp/ppp.conf の書式は非常に簡単です)。 各行は単一のコメント、インクルード、ラベル、コマンドのいずれかを含みます。 .Bl -bullet .It .Pq Dq # 文字で始まる行は、コメントとして扱われます。 コメント行と認識した場合、先行する空白は無視されます。 .It インクルードは語 .Sq !include から始まる行です。 1 つの引数 - インクルードするファイル - を持つ必要があります。 古いバージョンの .Nm との互換性のために、 .Dq !include ~/.ppp.conf を使用したいかもしれません。 .It ラベルは行頭から始まり、最後にコロン .Pq Dq \&: が続かなければなりません。 .It コマンド行は、最初の桁に空白かタブを含む必要があります。 .El .Pp .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルには少なくとも .Dq default セクションが存在する必要があります。 このセクションは常に実行されます。 このファイルには 1 つ以上のセクションが含まれます。 セクション名は用途に応じて付けます。例えば、 .Dq MyISP はあなたの ISP を表したり、 .Dq ppp-in は入力の .Nm 構成を表したります。 .Nm ppp を立ち上げる際に、接続先のラベル名を指定可能です。 .Dq default ラベルに関係づけられたコマンドが実行されてから、 接続先ラベルに関連づけられたコマンドが実行されます。 .Nm を引数無しで起動した場合、 .Dq default だけは実行されます。load コマンドを使用して、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf のセクションを手動でロード可能です: .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> load MyISP .Ed .Pp ひとたび接続が確立したなら、プロンプトの .Sq ppp は .Sq PPP に変わります: .Bd -literal -offset indent # ppp MyISP ... ppp ON awfulhak> dial Ppp ON awfulhak> PPp ON awfulhak> PPP ON awfulhak> .Ed .Pp Ppp プロンプトは .Nm が認証フェースに入ったことを示します。PPp プロンプトは .Nm がネットワークフェーズに入ったことを示します。PPP プロンプトは .Nm がネットワーク層プロトコルの交渉に成功し、使用可能状態にあることを示します。 .Pp もし .Pa /etc/ppp/ppp.linkup が利用可能ならば、 .Em PPP 接続が確立された時に、その内容が実行されます。 接続が確立された後のバックグラウンドでのスクリプト実行については、 提供されている .Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample の .Dq pmdemand の例を参照してください。 .Dv HISADDR , .Dv MYADDR , .Dv INTERFACE というリテラル文字列を使用することができ、それらは関連する IP アドレスと インタフェース名に置換されます。 同様に、接続が閉じられると、 .Pa /etc/ppp/ppp.linkdown ファイルの内容が実行されます。 これらのファイルのフォーマットは .Pa /etc/ppp/ppp.conf と同じです。 .Pp 以前のバージョンの .Nm では、デフォルト経路のような経路は .Pa ppp.linkup ファイルで追加し直す必要がありました。 現在では .Nm は、 .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR が変化したときに、自動的に .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR 文字列を含むすべての経路を更新する .Sq スティッキー経路 をサポートします。 .Sh バックグラウンドダイヤル .Nm を使って非対話的に接続を確立したい場合 (例えば .Xr crontab 5 エントリや .Xr at 1 ジョブから使うような場合) には、 .Fl background オプションを使います。 .Fl background が指定された場合、 .Nm はすぐに接続を確立しようとします。 複数の電話番号が指定された場合には、各電話番号が 1 回づつ試されます。 これらに失敗すると、 .Nm は即座に終了し、0 でない終了コードを返します。 接続に成功すると .Nm はデーモンになり、呼び出し側に終了コード 0 を返します。 デーモンは、リモートシステムが接続を終了した場合、 もしくは .Dv TERM シグナルを受け取った場合に、自動的に終了します。 .Sh ダイヤルオンデマンド デマンドダイヤル機能は .Fl auto または .Fl ddial オプションにて有効にされます。この場合にも .Pa /etc/ppp/ppp.conf で定義された接続先のラベルを指定しなければなりません。 これには、リモート接続先の IP アドレスを指定するための .Dq set ifaddr コマンドも書かれていなければなりません ( .Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample を参照してください)。 .Bd -literal -offset indent # ppp -auto pmdemand .Ed .Pp .Fl auto または .Fl ddial が指定された時に .Nm はデーモンとして動作しますが、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf 中で .Dq set server コマンドを使うことで、設定を確認したり変更したりすることができます。 .Po たとえば、 .Dq set server +3000 mypasswd とすると .Pc 次のように診断ポートを通じて接続することができます。 .Bd -literal -offset indent # pppctl 3000 (tun0 を仮定 - ``set server'' の記述を参照) Password: PPP ON awfulhak> show who tcp (127.0.0.1:1028) * .Ed .Pp .Dq show who コマンドは現在 .Nm 自身に接続しているユーザの一覧を表示します。診断ソケットが閉じられる、 もしくは異なるソケットに変更された場合、すべての接続は即座に終了します。 .Pp .Fl auto モードにて 送信パケットが検出された時、 .Nm は (チャットスクリプトに基づいて) ダイヤルを行い、 通信相手に接続しようとします。 .Fl ddial モードでは回線がダウンしていることが確認された場合にはいつでも ダイヤルが行われます。 接続に失敗したら、デフォルトの動作では 30 秒間待ってから、 別の送信パケットが検出された時に接続しようとします。 この動作は次の方法で変更できます。 .Bd -literal -offset indent set redial seconds|random[.nseconds|random] [dial_attempts] .Ed .Pp .Sq seconds は、再び接続しようとするまでの秒数です。 引数が .Sq random の場合には、待ち時間を 0 秒から 30 秒の間でランダムに選びます。 .Sq nseconds は電話番号リストの中の次の番号をダイヤルする前に待つ秒数です。( .Dq set phone コマンドを参照してください)。これのデフォルトは 3 秒です。 繰り返しますが、引数が .Sq random の場合には、待ち時間を 0 秒から 30 秒の間でランダムに選びます。 .Sq dial_attempts は、受け取った個々の送信パケットに対して、何回接続を試みるのかを示す 数字です。 このパラメータが省略された場合には、以前の値がそのまま使われます。 .Sq dial_attempts に 0 が指定された場合には、 .Nm は接続できるまでダイヤルを続けます。 .Bd -literal -offset indent set redial 10.3 4 .Ed .Pp は個々の送信パケットに対して 4 回接続を試み、 番号間の待ち時間が 3 秒で、すべての番号を試した後に 10 秒待つことを表します。 複数の電話番号が指定されている場合でも、トータルのダイヤル回数は 4 回のままです。 (それぞれの番号を 4 回ダイヤルするのではありません)。 リンクの両端が .Nm のデマンドダイヤルモードを利用している場合は、 ダイヤル間隔を変更しておくのが良いでしょう。 もし、リンクの両端が同じタイムアウト時間に設定されていて、 リンクが切れて両方に送信待ちのパケットがあった場合、 両方が同時に相手を呼び出しあうことになってしまいます。 場所によっては、シリアルリンクに信頼性がなく、 切れるべきでない時にキャリアが失われるかもしれません。 セッションの途中で予期せずキャリアが失われた場合、 .Nm にリダイヤルさせることができます。 .Bd -literal -offset indent set reconnect timeout ntries .Ed .Pp このコマンドは、キャリアが失われた時に .Ar timeout 秒の間隔を置いて .Ar ntries 回まで接続を再確立するよう .Nm に指示します。例えば、 .Bd -literal -offset indent set reconnect 3 5 .Ed .Pp は、予期せぬキャリア喪失の際に .Ar 3 秒待ってから再接続を試みるように .Nm に指示します。これは .Nm があきらめる前に .Ar 5 回まで行われます。 ntries のデフォルト値は 0 (再接続しない) です。 このオプションを使用する際には注意が必要です。 もしローカル側のタイムアウトがリモート側よりもわずかに長いと、 リモート側がタイムアウトにより回線を切断した場合に、 再接続機能が (指定した回数まで) 起動されてしまいます。 注: この文脈においては、多くの LQR を喪失するとキャリア喪失を引き起こし、 ひいては再接続を引き起こします。 .Fl background フラグが指定された場合、接続が行えるまで すべての電話番号が最大 1 回ダイヤルされます。 .Dq set redial コマンドにて、リダイヤル期間の後に、 再接続回数を指定します。 リダイヤル値が指定した電話番号数より少ない場合、 指定した電話番号で使用されないものが出来ます。 プログラムを終了させるには、次のように入力してください。 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> close ppp ON awfulhak> quit all .Ed .Pp .Dq quit コマンドは .Xr pppctl 8 もしくは .Xr telnet 1 による接続を終了しますが、 プログラム自身は終了させません。 .Nm も終了させたい場合には、 .Dq quit all を実行してください。 .Sh PPP 接続の受け入れ (方法その 1) .Em PPP 接続要求を受け入れるには、次の手順にしたがってください。 .Bl -enum .It モデムと、 (必要であれば) .Pa /etc/rc.serial が正しく設定されていることを確認します。 .Bl -bullet -compact .It フロー制御にはハードウェアハンドシェイク (CTS/RTS) を使います。 .It モデムはエコーバックを行わず (ATE0) 、コマンドの結果も報告しない (ATQ1) ように設定されていなければなりません。 .El .Pp .It モデムが接続されているポートで .Xr getty 8 が起動されるように .Pa /etc/ttys を編集します。 例えば、次のように設定すれば良いでしょう: .Pp .Dl ttyd1 "/usr/libexec/getty std.38400" dialup on secure .Pp .Xr getty 8 を起動するために .Xr init 8 プロセスに .Dv HUP シグナルを送るのを 忘れないでください: .Pp .Dl # kill -HUP 1 .It .Pa /usr/local/bin/ppplogin ファイルを次のような内容で作成します: .Bd -literal -offset indent #!/bin/sh exec /usr/sbin/ppp -direct incoming .Ed .Pp ダイレクトモード .Pq Fl direct では、 .Nm は標準入力と標準出力を使って動作します。クライアント動作の .Nm と同様に、 .Xr pppctl 8 を使用することで、構成された診断ポートに接続可能です。 .Pp ここで .Pa /etc/ppp/ppp.conf 中の .Ar incoming セクションが設定されていなければなりません。 .Pp .Ar incoming セクションに適当な .Dq allow users コマンドがあることを確かめておいてください。 .It 受け入れるユーザのアカウントを用意してください。 .Bd -literal ppp:xxxx:66:66:PPP Login User:/home/ppp:/usr/local/bin/ppplogin .Ed .Pp 詳細は .Xr adduser 8 と .Xr vipw 8 のマニュアル項目を参照してください。 .Dq accept dns および .Dq set nbns コマンドを使うことで IPCP によるドメインネームサーバと NetBIOS ネームサーバの 交渉を有効にすることが可能です。 下記の記述を参照してください。 .El .Pp .Sh PPP 接続の受け入れ (方法その 2) この方法は、 .Xr login 1 ではなく .Nm ppp で接続の認証を行うという点が異なります。 .Bl -enum .It .Pa /etc/gettytab の default セクションに .Dq pp ケーパビリティを指定することで ppp を自動的に認識するように 設定してください。 .Bd -literal default:\\ :pp=/usr/local/bin/ppplogin:\\ ..... .Ed .It 上記の方法その 1 の最初の 3 手順と同じように、 シリアルデバイスを設定し、 .Xr getty 8 を有効にして、 .Pa /usr/local/bin/ppplogin を作成してください。 .It .Pa /etc/ppp/ppp.conf の .Sq incoming ラベル (もしくは .Pa ppplogin が用いるラベルならなんでも構いません) 下に .Dq enable chap か .Dq enable pap .Pq もしくはその両方 を加えてください。 .It .Pa /etc/ppp/ppp.secret に、受け入れるユーザそれぞれについて、エントリを作成してください。 .Bd -literal Pfredxxxx Pgeorgeyyyy .Ed .El .Pp これで、 .Xr getty 8 は (HDLC フレームヘッダを認識することで) ppp 接続を検出すると、すぐに .Dq /usr/local/bin/ppplogin を実行します。 .Pp 上記のように PAP もしくは CHAP を有効にすることは .Em 必須 です。そうしなければ、あらゆる人があなたのマシンにパスワード .Em なしに ppp セッションを確立することを許可し、 あらゆる種類の潜在的な攻撃に対して門戸を開いていることになります。 .Sh 内向き接続の認証 通常、接続の受信側は相手が相手自身を認証することを要求します。 これは通常 .Xr login 1 にて行われますが、代りに PAP か CHAP を使用可能です。 2 つのうちで CHAP の方がより安全ですが、 クライアントによってはサポートしていないものがあります。 どちらを使いたいか決めたら、 .Sq enable chap または .Sq enable pap を .Pa ppp.conf の適切なセクションに追加してください。 .Pp その後、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイルの設定を行う必要があります。 このファイルは、クライアントになりうるマシンごとに 1 行を含みます。 各行は 4 つまでのフィールドからなります: .Bd -literal -offset indent name key [hisaddr [label]] .Ed .Pp .Ar name と .Ar key は期待されるクライアントを指定します。 .Ar key が .Dq \&* で PAP が使用される場合、 .Nm は認証時にパスワードデータベース .Pq Xr passwd 5 を検索します。 .Pa ppp.secret の如何なる .Ar name No / Ar key の組み合わせにおいても適切でない返答をクライアントが与える場合、 認証は失敗します。 .Pp 認証に成功したならば、 .Pq 指定時には .Ar hisaddr を IP 番号交渉時に使用します。詳細は .Dq set ifaddr コマンドを参照してください。 .Pp 認証に成功し .Ar label が指定された場合、現在のシステムラベルは .Ar label にマッチするように修正されます。 このことはファイル .Pa ppp.linkup と .Pa ppp.linkdown の後続のパーズに影響があります。 .Sh PPP オーバ TCP (別名: トンネリング) シリアルリンク上以外の .Nm の使用方法として、 device にホストとポートを指定することにより、 TCP 接続を使用することが可能です: .Pp .Dl set device ui-gate:6669 .Pp シリアルデバイスをオープンする代りに、 .Nm は指定されたマシンの指定されたソケットへの TCP 接続をオープンします。 .Nm は telnet プロトコルを使用しないこと、 telnet サーバと交渉できないことに注意を払うべきです。 受信マシン (ui-gate) 上に、 この ppp 接続を受信するポートを設定する必要があります。まず .Pa /etc/services を更新して、サービスを定義します: .Pp .Dl ppp-in 6669/tcp # Incoming PPP connections over tcp .Pp そして .Pa /etc/inetd.conf を更新して、このポートへの受信接続をどのように扱うかを .Xr inetd 8 に指示します: .Pp .Dl ppp-in stream tcp nowait root /usr/sbin/ppp ppp -direct ppp-in .Pp .Pa /etc/inetd.conf を更新した後には、 .Xr inetd 8 に .Dv HUP シグナルを送るのをお忘れなく。 ここではラベル名 .Dq ppp-in を使用します。 ui-gate (受信側) の .Pa /etc/ppp/ppp.conf エントリは次の内容を含みます: .Bd -literal -offset indent ppp-in: set timeout 0 set ifaddr 10.0.4.1 10.0.4.2 add 10.0.1.0/24 10.0.4.2 .Ed .Pp セキュリティのために PAP もしくは CHAP の設定をしたいかもしれません。 PAP を有効にするには次の行を追加します: .Bd -literal -offset indent enable PAP .Ed .Pp また、次のエントリを .Pa /etc/ppp/ppp.secret に作成する必要があります: .Bd -literal -offset indent MyAuthName MyAuthPasswd .Ed .Pp .Ar MyAuthPasswd が .Pq Dq * の場合には、パスワードは .Xr passwd 5 データベースから検索されます。 .Pp awfulhak (起動側) の .Pa /etc/ppp/ppp.conf エントリは次の内容を含む必要があります: .Bd -literal -offset indent ui-gate: set escape 0xff set device ui-gate:ppp-in set dial set timeout 30 set log Phase Chat Connect hdlc LCP IPCP CCP tun set ifaddr 10.0.4.2 10.0.4.1 add 10.0.2.0/24 10.0.4.1 .Ed .Pp PAP を有効にしようとしている場合、次の設定も必要です: .Bd -literal -offset indent set authname MyAuthName set authkey MyAuthKey .Ed .Pp 我々は、 ui-gate に 10.0.4.1 のアドレスを割り当て、 awfulhak に 10.0.4.2 のアドレスを割り当てようとしています。 接続をオープンするためには、次の内容をタイプするだけで良いです。 .Pp .Dl awfulhak # ppp -background ui-gate .Pp 結果として、 awfulhak にはネットワーク 10.0.2.0/24 への新たな「経路」が、 ui-gate にはネットワーク 10.0.1.0/24 への新たな「経路」が、 TCP 接続経由でそれぞれ作成されます。 ネットワークは実質的にブリッジされます - 下位レベルの TCP 接続はパブリックなネットワーク (例えばインターネット) を またがっても良いです。 また 2 つのゲートウェイ間では ppp トラフィックは 概念的に TCP ストリーム中でカプセル化されます (パケットがパケットに対応するわけではありません)。 この機構の大きな欠点は、同時に 2 つの「配送保証」機構が存在することです - この 2 つとは、下位レベルの TCP ストリームと .Em PPP リンク上で使用されるプロトコルであり、おそらくまた TCP でしょう。 パケット喪失が起ると、両者はそれぞれの方法で喪失した パケットを再送しようと するでしょう。 .Sh パケットエイリアシング .Fl alias コマンドラインオプションにより、 パケットエイリアシングが有効になります。 これにより、 .Nm ホストがローカルエリアネットワークの他のコンピュータに対して マスカレードゲートウェイとして動作するようになります。 送信される IP パケットは、まるで .Nm ホストから来たかのようにエイリアスされ、 受信パケットは、それがローカルエリアネットワークの正しいマシンに 送られるようにエイリアスが戻されます。 パケットエイリアシングにより、 未登録でプライベートなサブネット上のコンピュータを 外部から見えないようにしつつ、 インターネットへアクセス可能とします。 一般に、 .Nm が正しく動作していることの確認は、 まず最初にパケットエイリアシングを禁止して行います。 次に .Fl alias オプションを有効にして、 .Nm ホストの上で (ウェブブラウザや .Xr telnet 1 , .Xr ftp 1 , .Xr ping 8 , .Xr traceroute 8 などの) ネットワークアプリケーションの動作を確認します。 最後に、LAN 上の別のコンピュータの上で同様なアプリケーションの 動作を確認することになります。 .Nm ホストではネットワークアプリケーションが正しく動作するのに、 LAN 上の別のコンピュータでは動かないのであれば、マスカレードソフトウェアは 正しく動いているけれども、ホストが IP パケットをフォワーディングしないか、 ひょっとするとパケットが送られて来ていないかのどちらかです。 .Pa /etc/rc.conf で IP フォワーディングが有効にされていることと、 他のコンピュータで .Nm ホストがその LAN のゲートウェイとして 指定されていることを確認してください。 .Sh パケットのフィルタリング この実装では、パケットのフィルタリングがサポートされています。 .Em in フィルタ、 .Em out フィルタ、 .Em dial フィルタ、そして .Em alive フィルタの 4 種類のフィルタがあります。 ここでは基本的なことについて書くことにします。 .Bl -bullet .It フィルタ定義は次のような構文になっています。 .Pp set filter .Ar name .Ar rule-no .Ar action .Op Ar src_addr Ns Op / Ns Ar width .Op Ar dst_addr Ns Op / Ns Ar width [ .Ar proto .Op src Op Ar cmp No Ar port .Op dst Op Ar cmp No Ar port .Op estab .Op syn .Op finrst ] .Bl -enum .It .Ar name は、 .Sq in , .Sq out , .Sq dial , .Sq alive のうちのいずれか 1 つです。 .It .Ar rule-no は .Sq 0 から .Sq 19 までの数値で、ルール番号を指定します。 ルールは .Ar rule-no の番号順に指定されます。 ただしルール .Sq 0 が指定されている場合のみです。 .It .Ar action は .Sq permit , .Sq deny のいずれかです。 もし、あるパケットがルールに一致した場合、 結びつけられた action が直ちに実行されます。 .It .Op Ar src_addr Ns Op / Ns Ar width と .Op Ar dst_addr Ns Op / Ns Ar width は始点と終点の IP アドレスです。 .Op / Ns Ar width が指定された場合には、それによって適切なネットマスクのビット値を与え、 アドレスの範囲を指定することができます。 .It .Ar proto は .Sq icmp , .Sq udp , .Sq tcp のうちのいずれか 1 つです。 .It .Ar cmp は .Sq \< , .Sq \&eq , .Sq \> のうちいずれか 1 つです。それぞれ、より小さい、等しい、 より大きいを意味します。 .Ar port はポート番号で指定するか、 .Pa /etc/services のサービス名で指定することができます。 .It .Sq estab , .Sq syn , .Sq finrst フラグは .Ar proto が .Sq tcp に設定されているときにのみ許可され、それぞれ TH_ACK、TH_SYN、および TH_FIN もしくは TH_RST という TCP フラグを表わします。 .El .Pp .It 各フィルタはルール 0 から始まり、20 個までのルールをもつことができます。 規則のルールは、ルール 0 が定義されていなければ、有効にはなりません。 すなわち、デフォルトではすべてが通されます。 .It パケットにマッチするルールが無い場合は、パケットは破棄 (ブロック) されます。 .It すべての規則を消去するには、 .Dq set filter Ar name No -1 を使ってください。 .El .Pp -.Pa /etc/ppp/ppp.conf.example +.Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample を参照してください。 .Sh アイドルタイマの設定 アイドルタイマを調べたり/設定するためには、それぞれ .Dq show bundle と .Dq set timeout コマンドを使ってください: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set timeout 600 .Ed .Pp タイムアウト時間は秒数で指定します。デフォルト値は timeout が 180 秒 .Pp 3 分 です。 アイドルタイマ機能を使わないようにするためには、 次のコマンドを利用してください。 .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set timeout 0 .Ed .Pp .Fl ddial と .Fl direct モードではアイドルタイムアウトは無視されます。 .Fl auto モードでは、アイドルタイムアウトが発生すると .Nm プログラムは実行したままで .Em PPP セッションを終了します。別の引金となるパケットがきた時に リンクを再び確立しようとします。 .Sh Predictor-1 および DEFLATE 圧縮 .Nm は Predictor type 1 圧縮および deflate 圧縮をサポートしています。 デフォルトでは、 .Nm は、接続相手が同意 .Pq あるいは要求 した場合に、 この機能を使おうと (もしくは受け入れようと) します。 .Nm は deflate プロトコルを優先します。 これらの機能を使用したくない時には .Dq disable と .Dq deny のコマンドを参照してください。 .Pp .Dq disable deflate か .Dq deny deflate の一方を使用することにより、 方向ごとに異ったアルゴリズムを使用することができます。 .Pq 接続相手が両方のプロトコルをサポートしていると仮定しています。 .Pp デフォルトでは、DEFLATE について交渉するときには .Nm はウィンドウサイズとして 15 を使います。この動作を変更したい場合には .Dq set deflate コマンドを参照してください。 .Pp デフォルトでは無効にされ受け付けませんが、DEFLATE24 と呼ばれる特殊な アルゴリズムを使用することもできます。これは CCP ID 24 を 交渉に使う点を除いては DEFLATE と完全に同じものです。 これを使用することで .Nm は .Nm pppd バージョン 2.3.* と DEFLATE 交渉を成功させることができます。 .Sh IP アドレスの制御 .Nm は IP アドレスの交渉のために IPCP を使います。接続の両側は、自分が 使おうとするアドレスを提示し、要求された IP アドレスが受け入れ可能な ものであれば、相手に ACK (肯定応答) を返します。 受け入れることができなければ、別の IP アドレスの使用を促すために .Nm は相手に NAK (否定応答) を返します。 接続の両側が受け取った要求に同意し (ACK を送っ) た時、 IPCP はオープン状態にセットされ、ネットワーク層での接続が確立されます。 IPCP の動作を制御するために、この実装はローカルとリモートの IP アドレスを定義するための .Dq set ifaddr コマンドを持っています。 .Bd -literal -offset indent set ifaddr [src_addr [dst_addr [netmask [trigger_addr]]]] .Ed .Pp ここで、 .Sq src_addr はローカル側で使おうと思っている IP アドレスで、 .Sq dst_addr はリモート側が使用すべき IP アドレスです。 .Sq netmask は使用すべきネットマスクです。 .Sq src_addr のデフォルトは現在の .Xr hostname 1 のもの、 .Sq dst_addr のデフォルトは 0.0.0.0 であり、 .Sq netmask のデフォルトは .Sq src_addr に適したマスク値です。 .Sq netmask はデフォルトより小さくすることのみ可能です。 ほとんどのカーネルが POINTOPOINT インタフェースのネットマスクを 無視するので、便利な値は 255.255.255.255 でしょう。 .Pp 誤った .Em PPP の実装には、接続交渉のために、 .Sq src_addr ではなく特別な IP アドレスを使用しなければならないものがあります。 この場合、 .Sq trigger_addr で指定した IP アドレスが使用されます。 相手がこの提案された番号に同意しない限り、経路表には影響しません。 .Bd -literal -offset indent set ifaddr 192.244.177.38 192.244.177.2 255.255.255.255 0.0.0.0 .Ed .Pp 上の例の意味は次の通りです: .Pp .Bl -bullet -compact .It 自分の IP アドレスとしてまず 0.0.0.0 を提案しますが、アドレス 192.244.177.38 のみは受け付けます。 .It 相手側のアドレスとして 192.244.177.2 を使うように要求し, 192.244.177.2 以外のどんなアドレスを使うことも許可しません。 相手側が別の IP アドレスを要求してきた時は、いつでも 192.244.177.2 を提案します。 .It 経路表のネットマスク値は 0xffffffff に設定されます。 .El .Pp これは、両側が既に決まった IP アドレスを持っている場合には うまくいきますが、多くの場合、一方がすべての IP アドレスを制御する サーバとして動作しており、もう一方はその方針に従わなくてはなりません。 より柔軟な動作をさせるために、`ifaddr' 変数の IP アドレス指定を もっと緩やかにすることが可能です: .Pp .Dl set ifaddr 192.244.177.38/24 192.244.177.2/20 .Pp スラッシュ (/) に続く数字は、この IP アドレスで意味のあるビットの数を 表現しています。上の例は次のことを示しています。 .Pp .Bl -bullet -compact .It 可能なら自分のアドレスとして 192.244.177.38 を使おうとしますが、 192.244.177.0 から 192.244.177.255 の間の任意の IP アドレスも受け入れます。 .It 相手のアドレスとして 192.244.177.2 を使うことを希望しますが、 192.244.176.0 から 192.244.191.255 の間の任意の IP アドレスも許可します。 .It すでにお気づきと思いますが、 192.244.177.2 は 192.244.177.2/32 と書くことと 等価です。 .It 例外として、0 は 0.0.0.0/0 と等価であり、希望する IP アドレスは 特に無く、リモート接続先の選択に従うことを意味します。 0 を使用した場合は、接続が確立するまで、経路表のエントリは まったく設定されません。 .It 192.244.177.2/0 は、どんな IP アドレスでも受け入れる/許可することを 意味しますが、最初に 192.244.177.2 を使うように提案します。 .El .Pp .Sh インターネットサービスプロバイダと接続する プロバイダに接続する際には、次のステップを踏む必要があるでしょう: .Bl -enum .It .Dq set phone コマンドを使って、ダイヤルスクリプトにプロバイダの電話番号を記述します。 ダイヤルやリダイヤルに使用する電話番号は、 パイプ (|) またはコロン (:) で区切って 複数指定することができます。例えば、次のようになります。 .Bd -literal -offset indent set phone "111[|222]...[:333[|444]...]..." .Ed .Pp 最初のパイプで区切られたリストの番号は、 直前の番号でダイヤルもしくはログインスクリプトが失敗した場合のみ使用されます。 コロンで区切られた番号は、直前の番号の使用によりなにが起ったのかにかかわらず、 この順番で使用されます。例えば: .Bd -literal -offset indent set phone "1234567|2345678:3456789|4567890" .Ed .Pp この場合、まず 1234567 にダイヤルしてみます。 ダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したら、 次は 2345678 を使用します。 しかしこれはダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したとき *のみ* です。 このダイヤルの後、3456789 が使用されます。 4567890 は 345689 でダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したときのみ 使用されます。 2345678 のログインスクリプトが失敗したとしても、次の番号は 3456789 です。 必要な数だけ、パイプとコロンを使用可能です (しかし、通常はパイプのみかコロンのみであり両方の使用はないでしょう)。 次の番号へのリダイヤルまでのタイムアウトは、すべての番号にて使用されます。 リストが終了すると、 通常のリダイヤル期間だけ待ち、 最初から再開します。 .Dq set dial コマンドの \\\\T 文字列は選択された番号で置きかえられます。 (以降を参照してください)。 .It リダイヤルに関する設定は、 .Dq set redial で行います。 例えば回線の調子が悪かったり、 (最近では それほど多くないでしょうが) プロバイダがいつも話中だったりすると、 次のように設定したくなるかもしれません: .Bd -literal -offset indent set redial 10 4 .Ed .Pp これは最初の番号にリダイヤルを行う前に 10 秒待って、 4 回までダイヤルしてみるという意味になります。 .It .Dq set dial と .Dq set login コマンドを使ってログイン手続きを記述します。 .Dq set dial コマンドはモデムと通信してプロバイダへのリンクを確立するのに使われます。 例えば、次のようになります: .Bd -literal -offset indent set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\\\sCARRIER TIMEOUT 4 \\"\\" \e ATZ OK-ATZ-OK ATDT\\\\T TIMEOUT 60 CONNECT" .Ed .Pp このモデム「チャット」文字列の意味は次の通りです。 .Bl -bullet .It \&"BUSY" または "NO CARRIER" を受信した場合には処理を中止します。 .It タイムアウトを 4 秒にセットします。 .It 文字列の受信待ちは行いません。 .It ATZ を送信します。 .It OK の受信待ちを行います。もし 4 秒以内に受信できなければ、 もう 1 度 ATZ を送信し、OK の受信待ちを行います。 .It ATDTxxxxxxx を送信します。xxxxxxx は 上記の電話番号リストの中の、次にダイヤルする番号です。 .It タイムアウトを 60 にセットします。 .It 文字列 CONNECT の受信待ちを行います。 .El .Pp 一旦接続が確立されると、ログインスクリプトが実行されます。 このスクリプトはダイヤルスクリプトと同じスタイルで書かれますが、 パスワードがログされないように注意してください: .Bd -literal -offset indent set authkey MySecret set login "TIMEOUT 15 login:-\\\\r-login: awfulhak \e word: \\\\P ocol: PPP HELLO" .Ed .Pp このログイン「チャット」文字列の意味は次の通りです。 .Bl -bullet .It タイムアウトを 15 秒にセットします。 .It "login:" の受信待ちを行います。もし受信できなければ 復改文字を送信して、再び "login:" の受信待ちを行います。 .It "awfulhak" を送信します。 .It "word:" ("Password:" プロンプトの末尾) の受信待ちを行います。 .It .Ar authkey に現在設定されている値を送信します。 .It "ocol:" ("Protocol:" プロンプトの末尾) の受信待ちを行います。 .It "PPP" を送信します。 .It "HELLO" の受信待ちを行います。 .El .Pp .Dq set authkey ( .Ar command ログ使用時には) コマンドのログは特別な方法でとられ、( .Sq ******** とログされますので) 実際のパスワードが危険にさらされることはありません。 .Ar chat ログ使用時には、実際のパスワードの代りに '\\P' とログされます。 .Pp ログインスクリプトはプロバイダによって大きく違うものになるでしょう。 始めてそれを設定するときには .Em チャットログを有効化 することで、あなたのスクリプトが予定通りに動いているかを 調べることができます。 .It シリアル回線と通信速度を指定するためには .Dq set line と .Dq set speed を使います。例えば次のようになります。 .Bd -literal -offset indent set line /dev/cuaa0 set speed 115200 .Ed .Pp FreeBSD では cuaa0 が 1 つめのシリアルポートになります。 OpenBSD で .Nm を実行している場合には cua00 が 1 つめです。 あなたのモデムが 28800 かそれ以上のビットレートで通信することが できるなら、シリアルポートの速度には 115200 を指定しておくべきでしょう。 一般に、シリアルポートの速度はモデムの速度の約 4 倍にしておきます。 .It .Dq set ifaddr コマンドで IP アドレスを定義します。 .Bl -bullet .It プロバイダがどの IP アドレスを使っているのか知っている場合には、 それをリモートアドレス (dst_addr) として使ってください。 知らない場合には、10.0.0.2/0 か何かを使ってください (以降を参照してください)。 .It 特定の IP アドレスをプロバイダから割り当てられている場合は、 それをローカルアドレス (src_addr) として使ってください。 .It プロバイダが IP アドレスを動的に割り当てる場合は、適当に控えめで 緩やかに記述した IP アドレスをローカルアドレスに選んでください。 10.0.0.1/0 が適切でしょう。 / に続く数値は、このアドレスのうち何ビットを重視しているかを示します。 もしもクラス C のネットワーク 1.2.3.0 上のアドレスを使うことを 主張したいのなら、1.2.3.1/24 と指定することができます。 .It プロバイダがあなたが提示した最初の IP 番号を受け付ける場合、 第 3, 4 の引数に .Dq 0.0.0.0 を指定してください。 これによりプロバイダが番号を割り当てます。 (3 つめの引数は、 .Sq src_addr に対してデフォルトのマスクよりも制約が緩いため、無視されます。) .El .Pp 自分の IP アドレスもプロバイダの IP アドレスも 知らない場合には、次の例のようにするとよいでしょう。 .Bd -literal -offset indent set ifaddr 10.0.0.1/0 10.0.0.2/0 0.0.0.0 0.0.0.0 .Ed .Pp .It ほとんどの場合、プロバイダはデフォルトルータでもあるでしょう。 この場合、次の行を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に追加します。 .Bd -literal -offset indent add default HISADDR .Ed .Pp これは、 .Nm 接続先のアドレスが何であっても .Pq この例では 10.0.0.2 デフォルト経路として追加するように指示します。 この経路は .Sq スティッキー です。これは .Dv HISADDR の値が変わると、経路もそれに従って自動的に更新されるという意味です。 .Pp 以前のバージョンの .Nm では .Pa /etc/ppp/ppp.linkup ファイルにこれと似たエントリが必要でした。 .Sq スティッキー経路 の出現により、これはもはや必要ではなくなりました。 .It プロバイダが PAP/CHAP による認証を要求している場合は、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルに次の行を追加してください: .Bd -literal -offset indent set authname MyName set authkey MyPassword .Ed .Pp デフォルトではどちらも受け付けられますので、ISP が何を要求しても大丈夫です。 .Pp PAP もしくは CHAP を使用する場合、ログインスクリプトはほとんどの場合、 必要とされないことを記述しておくべきでしょう。 .It 次のような行を加え、ISP にネームサーバアドレスを確認してください。 .Bd -literal -offset indent enable dns .Pp .Ed ローカル DNS を走らせている場合には、これを .Em やらない でください。 .Nm は単純に .Pa /etc/resolv.conf に nameserver 行を入れることで、ローカル DNS の使用を 出し抜いてしまうからです。 .El .Pp 現実の例を見たい場合には、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample と .Pa /etc/ppp/ppp.linkup.sample を参照してください。 ラベル pmdemand は、ほとんどのプロバイダで使用できるでしょう。 .Sh ログ機能 .Nm は次のログ情報を、 .Xr syslog 3 経由で、もしくはスクリーンに出力することができます: .Bl -column SMMMMMM -offset indent .It Li Async 非同期レベルパケットの 16 進ダンプ .It Li CBCP CBCP (CallBack Control Protocol) ログの生成 .It Li CCP CCP パケットトレースの生成 .It Li Chat チャットスクリプトのトレースログの生成 .It Li Command コマンド実行のログ .It Li Connect 完全なチャットログの生成 .It Li Debug デバッグ情報のログ .It Li HDLC HDLC パケットの 16 進ダンプ .It Li ID0 ユーザ ID 0 で実行された全関数呼び出しを詳細に記録 .It Li IPCP IPCP パケットトレースの生成 .It Li LCP LCP パケットトレースの生成 .It Li LQM LQR レポートの生成 .It Li Phase フェーズ遷移ログの出力 .It Li TCP/IP 全 TCP/IP パケットのダンプ .It Li Timer タイマ操作のログ .It Li TUN ログの各行に tun デバイスを含めます .It Li Warning 端末デバイスへの出力。端末が存在しない場合は、LOG_WARNING を使用してログファイルに送ります。 .It Li Error 端末デバイスとログファイルへの出力で、LOG_ERROR を使用します。 .It Li Alert ログファイルへの出力で、LOG_ALERT を使用します。 .El .Pp .Dq set log コマンドで、ログの出力レベルを設定することができます。 また、複数のレベルを単一コマンドラインにて指定することも可能です。 デフォルトは、 .Dq set log Phase です。 .Pp スクリーンに直接ログを表示することも可能です。 文法は同じで、語 .Dq local が .Dq set log の直後に付くことだけが違います。 デフォルトは .Dq set log local (つまり、マスクされない警告、エラーと注意のみ出力) です。 .Pp .Dq set log Op local への最初の引数が '+' か '-' の文字で始まる場合、 現在のログレベルを消去せずに修正します。例えば: .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> set log phase PPP ON awfulhak> show log Log: Phase Warning Error Alert Local: Warning Error Alert PPP ON awfulhak> set log +tcp/ip -warning PPP ON awfulhak> set log local +command PPP ON awfulhak> show log Log: Phase TCP/IP Warning Error Alert Local: Command Warning Error Alert .Ed .Pp レベル Warning, Error, Alert のメッセージログは .Dq set log Op local では制御できません。 .Pp .Ar Warning レベルは特別で、ローカルに表示可能な場合にはログされません。 .Sh シグナルハンドリング .Nm は次のシグナルを扱います: .Bl -tag -width XX .It INT このシグナルを受信すると、現在の接続がもしあればそれを終了します。 .Fl auto もしくは .Fl ddial のモードではない場合、 .Nm は終了します。 .It HUP, TERM, QUIT .Nm を終了させます。 .It USR2 .Nm に全サーバソケットを閉じさせ、すべての既存の診断ポートへの接続を 取り下げます。 .El .Pp .Sh マルチリンク PPP .Em PPP 相手に接続するのに複数の物理的なリンクを利用したいなら、 接続相手も .Em マルチリンク PPP プロトコルを理解する必要があります。 仕様の詳細は RFC 1990 を参照してください。 .Pp 接続先は、 .Dq 終点の選択 とその .Dq 認証 ID の組み合わせによって識別されます。 これらの一方、もしくは両方を指定することができます。 最低でも片方は指定しておくことが推奨されます。 そうでないと、すべてのリンクが実際に同一のプログラムに接続されていることを 確認する方法がなくなり、 混乱してロックアップを引き起こすことがあります。 ローカルには、これらの識別変数は .Dq set enddisc と .Dq set authname コマンドを用いることで指定されます。先立って接続相手と .Sq authname .Pq と Sq authkey について合意しておく必要があります。 .Pp マルチリンクの能力は .Dq set mrru コマンド (set maximum reconstructed receive unit) を用いることで 有効になります。一度マルチリンクが有効になれば、 .Nm は接続相手とマルチリンク接続の交渉を行います。 .Pp デフォルトでは .Po .Sq deflink と呼ばれる .Pc ただ 1 つの .Sq リンク のみが有効です。さらにリンクを作成するには .Dq clone コマンドが使われます。このコマンドは既存のリンクを複製します。 それは次の点を除いてすべての性質が同じものです: .Bl -enum .It 新しいリンクは .Dq clone コマンドラインで指定された独自の名前を持ちます。 .It 新しいリンクは .Sq interactive リンクです。そのモードは次の .Dq set mode コマンドで変更することができます。 .It 新しいリンクは .Sq closed の状態にあります。 .El .Pp すべての有効なリンクのまとめは、 .Dq show links コマンドを用いて見ることができます。 .Pp 一度リンクが作成されると、コマンドの使用方法が変わります。 すべてのリンク固有のコマンドの前には、 .Dq link Ar name プレフィックスをつけて、 コマンドを適用するリンクを指定する必要があります。 .Nm は十分賢いので、 利用可能なリンクが 1 つだけの場合には、 .Dq link Ar name プレフィックスは不要です。 .Pp コマンドの中には依然としてリンクの指定なしに使用できるものがあり、それは .Sq バンドル レベルの操作を行います。たとえば、2 つ以上のリンクが存在するとき .Dq show ccp はマルチリンクレベルの CPP 設定と統計を表示し .Dq link deflink show ccp は .Dq deflink のリンクレベルの同じ情報を表示します。 .Pp これらの情報を用いて、次の設定を用いることができます: .Pp .Bd -literal -offset indent mp: set timeout 0 set log phase chat set device /dev/cuaa0 /dev/cuaa1 /dev/cuaa2 set phone "123456789" set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\sCARRIER TIMEOUT 5 \\"\\" ATZ \e OK-AT-OK \\\\dATDT\\\\T TIMEOUT 45 CONNECT" set login set ifaddr 10.0.0.1/0 10.0.0.2/0 set authname ppp set authkey ppppassword set mrru 1500 clone 1,2,3 link deflink remove .Ed .Pp すべての複製が設定の最後で行われていることに注意してください。 一般にはリンクは最初に設定され、そして複製されます。 あなたが常にすべてのリンクがアップ状態であることを望む場合には、 設定の最後に次の行を追加することができます。 .Pp .Bd -literal -offset indent link 1,2,3 set mode ddial .Ed .Pp リンクが必要に応じてダイヤルされることを望む場合には、次のコマンドを 使うことができます。 .Pp .Bd -literal -offset indent link * set mode auto .Ed .Pp 上記の .Dq set device 行を取り除き、 .Dq clone コマンドに続けて次の内容を指定することで、 リンクを特定の名前に結びつけることもできます: .Pp .Bd -literal -offset indent link 1 set device /dev/cuaa0 link 2 set device /dev/cuaa1 link 3 set device /dev/cuaa2 .Ed .Pp どのコマンドが ( .Dq link コマンドを使用した) コンテキスト (文脈) を要求し、 どのコマンドがコンテキストをオプションとし、 そしてどのコマンドがコンテキストを一切とらないかを調べるには、 .Dq help コマンドを使用します。 .Pp .Nm が接続相手と .Em マルチリンク モードで交渉をすると、 .Nm はローカルドメインソケットを .Pa /var/run ディレクトリに作成します。このソケットは、 リンク情報 (実際のリンクファイル記述子も含む) を、異なる .Nm の間で受け渡しするために使われます。 この機能によって、 .Nm はシリアル回線の初期制御を行う必要なしに .Xr getty 8 から、もしくは直接 .Pa /etc/gettydefs から ( .Sq pp= ケーパビリティを用いて) 実行することが可能となっています。 ひとたび .Nm がマルチリンクモードの交渉を行うと、 .Nm は自分がオープンした リンクをすでに実行されている任意の他のプロセスに渡すことができます。 すでに実行されているプロセスがない場合、 .Nm はマスタとして振る舞い、ソケットを作成し、新たな接続を待ちます。 .Sh PPP コマンドリスト この節では利用可能コマンドとその効果をリストします。 .Nm ppp セッションで対話的に使用することも、 設定ファイルで指定することも、 .Xr pppctl 8 もしくは .Xr telnet 1 セッションで指定することも可能です。 .Bl -tag -width XX .It accept|deny|enable|disable Ar option.... これらのディレクティブは 最初の接続においてどのように相手と交渉するかを .Nm に指示します。各 .Dq option は、accept/deny および enable/disable のデフォルトを持ちます。 .Dq accept は相手がこのオプションを要求したら、ACK を送ることを意味します。 .Dq deny は相手がこのオプションを要求したら、NAK を送ることを意味します。 .Dq enable はこのオプションを当方が要求することを意味します。 .Dq disable はこのオプションを当方が要求しないことを意味します。 .Pp .Dq option は次のいずれかです: .Bl -tag -width XX .It acfcomp デフォルト: enable かつ accept。 ACFComp はアドレスおよびコントロールフィールド圧縮 (Address and Control Field Compression) を意味します。 LCP パケット以外は非常に良く似たフィールドを持ちますので、 簡単に圧縮可能です。 .It chap デフォルト: disable かつ accept。 CHAP はチャレンジ交換認証プロトコル (Challenge Handshake Authentication Protocol) を意味します。 CHAP もしくは PAP (後述) のどちらか一方のみ交渉可能です。 CHAP では、認証者は「チャレンジ」メッセージを相手に送ります。 相手は一方向ハッシュ関数を使用して「チャレンジ」を暗号化し、 結果を送り返します。 認証者は同じことを行い結果を比較します。 この機構の利点は、接続を介してパスワードを送らないことです。 接続が最初に確立する時にチャレンジが行われます。 更なるチャレンジが行われるかもしれません。 相手の認証を行いたい場合は、 .Dq enable chap を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に書き、相手のエントリを .Pa /etc/ppp/ppp.secret に書く必要があります。 .Pp クライアントとして CHAP を使用する場合、 .Dq AuthName と .Dq AuthKey を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に指定するだけで良いです。 CHAP はデフォルトで accept されます。 .Em PPP の実装によっては、チャレンジの暗号化に MD5 ではなく "MS-CHAP" を使用するものがあります。 MS-CHAP は MD4 と DES の組み合わせです。もし .Nm が DES ライブラリの存在するマシン上で構築された場合 MS-CHAP 認証要求に応答しますが、MS-CHAP 認証を要求することは 決してありません。 .It deflate デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは圧縮制御プロトコル (Compression Control Protocol; CCP) に deflate 圧縮を使用するか否かを決定します。 使用されるアルゴリズムは .Xr gzip 1 プログラムが使用するものと同じです。 注: .Xr pppd 8 - 多くのオペレーティングシステムで使用可能な .Em PPP の実装 - との .Ar deflate 能力についての交渉には問題があります。 .Nm pppd (バージョン 2.3.1) が .Ar deflate 圧縮の交渉を行おうとする CCP コンフィギュレーションタイプは、 .Pa rfc1979 に規定されたタイプ .Em 26 ではなくタイプ .Em 24 であり、誤っています。 タイプ .Ar 24 は実際には .Pa rfc1975 では .Dq PPP Magna-link Variable Resource Compression と指定されています! .Nm は .Nm pppd と交渉する能力がありますが、 .Dq deflate24 が .Ar enable かつ .Ar accept されている場合のみです。 .It deflate24 デフォルト: disable かつ deny。 これは .Ar deflate のバリエーションで、 .Xr pppd 8 プログラムとの交渉を許可します。 詳細は上記の .Ar deflate セクションを参照してください。 これは .Pa rfc1975 に反するため、デフォルトでは disable となっています。 .It dns デフォルト: disable かつ deny。 このオプションは DNS 交渉を許可します。 .Pp .Dq enable にすることにより、 .Nm は接続相手が .Pa /etc/resolv.conf ファイルのエントリを確認することを要求します。 もし接続相手が当方の要求に否定応答をした場合 (新しい IP アドレスを 提案したら)、 .Pa /etc/resolv.conf ファイルは更新され、新しいエントリを確認するように要求を送ります。 .Pp .Dq accept にすることにより、 .Nm は接続相手からの DNS 検索要求を拒否せずに、返答します。 .Dq set dns コマンドの使用によって上書きされていない場合には、応答は .Pa /etc/resolv.conf から採られます。 .It lqr デフォルト: disable かつ accept。 このオプションはリンク品質要求 (Link Quality Request) を送信する、 もしくは受け入れるかどうかを決定します。 LQR は、モデムのキャリア検出を使用せずに、リンクダウンを .Nm に決定させるプロトコルです。 LQR が enable になっていると、 .Nm は LCP 要求の一部として .Em QUALPROTO オプション (後述の .Dq set lqrperiod を参照) を送ります。 接続相手が同意した場合、両端は同意した間隔で LQR パケットを交換し、 LQM ロギングを有効にすることで、詳細なリンク品質を監視することが 可能になります。 接続相手が同意しなかった場合、ppp は代りに ECHO LQR 要求を 送ります。これらのパケットは興味ある情報を何も渡しませんが、 .Em 必ず 接続相手に応答しなければなりません。 .Pp LQR, ECHO LQR のいずれを用いるにせよ、 .Nm は 5 つのパケットを送ったが確認応答が無い場合、6 つ目のパケットを送らずに 回線を切断します。 メッセージを .Em PHASE レベルで記録し、回線切断の原因が接続相手にあるものとして、適当な .Dq reconnect 値を使用します。 .It pap デフォルト: disable かつ accept。 PAP はパスワード認証プロトコル (Password Authentication Protocol) を 意味します。 CHAP (前述) もしくは PAP のどちらか一方のみ交渉可能です。 PAP では、ID とパスワードが相手に送られ続け、 認証されるか接続が終了されるまでこれが続きます。 これは比較的良くないセキュリティ機構です。 接続が最初に確立した時のみ実行可能です。 相手の認証を行いたい場合は、 .Dq enable pap を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に書き、相手のエントリを .Pa /etc/ppp.secret に書く必要があります (ただし、後述の .Dq passwdauth オプションを参照)。 .Pp クライアントとして PAP を使用する場合、 .Dq AuthName と .Dq AuthKey を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に指定するだけで良いです。 PAP はデフォルトで accept されます。 .It pred1 デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは圧縮制御プロトコル (Compression Control Protocol; CCP) に Predictor 1 圧縮を使用するかどうかを決定します。 .It protocomp デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは PFC (プロトコルフィールド圧縮) の交渉を行うために使用されます。 この機構により、 プロトコルフィールド数が 2 オクテットから 1 オクテットに減ります。 .It shortseq デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは .Nm がマルチリンクモードの交渉時に .Pq 12 ビットの 短いシーケンス番号を要求し、そして受け入れるかどうかを決定します。 これは、当方の MMRU が設定されたときのみ (マルチリンクが有効になっているときのみ) 適用されます。 .It vjcomp デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは Van Jacobson ヘッダ圧縮を使用するかどうかを決定します。 .El .Pp 次に示すオプションは、実際には相手と交渉しません。 それゆえ accept および deny は意味を持ちません。 .Bl -tag -width 20 .It idcheck デフォルト: enable。 低レベルな LCP, CCP, IPCP 設定トラフィックを交換するときに、 すべての応答の識別子フィールドはその要求の識別子フィールドと 同一であることが予定されています。デフォルトでは .Nm は予定された識別子フィールドを持たないすべての応答パケットを 捨て、それぞれのログレベルで報告します。もし .Ar idcheck が disable になっている場合、 .Nm は識別子フィールドを無視します。 .It loopback デフォルト: enable。 .Ar loopback が enable の場合、 .Nm は自動的に .Em PPP インタフェースと同じ終点アドレス宛に送出されたパケットを ループバックします。 disable の場合、 .Nm がパケットを送ると、おそらく他の終点からの ICMP リダイレクトとなります。 インタフェースがデフォルト経路であるため、 ループバック経路を必要とすることを避けたい場合、 このオプションを enable にすると便利です。 .It passwdauth デフォルト: disable。 このオプションを enable にすることにより、 PAP 認証コードが呼び出し側を認証する時に、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイル中でみつからない場合、パスワードデータベース ( .Xr passwd 5 参照) を使用します。 .Pa /etc/ppp/ppp.secret は常に、最初に調べられます。 .Xr passwd 5 からパスワードを調べ、かつそのクライアントに対して IP アドレスもしくは ラベルを指定したい場合には、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイル中のクライアントのパスワードとして .Dq \&* を用いてください。 .It proxy デフォルト: disable。 このオプションを enable にすることにより、 .Nm に相手のために代理 ARP をさせます。 .It sroutes デフォルト: enable。 .Dq add コマンドが .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR という値とともに用いられると、エントリは .Sq スティック経路 リストに格納されます。 .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR が変更される度に、このリストが経路表に適用されます。 .Pp このオプションを disable にすると、 スティッキー経路が適用されなくなります。 .Sq スティック経路 リストは依然として保守されます。 .It throughput デフォルト: enable。 このオプションを有効にすると、 .Nm はスループット統計を収集します。 ずれ動く 5 秒間のウィンドウにおいて入出力が検査され、 現在、最良時、総計の数値が保持されます。 このデータは関連する .Em PPP 層が終了するときに出力され、また .Dq show コマンドで表示することで得られます。スループット統計は .Dq IPCP と .Dq modem のレベルで利用可能です。 .It utmp デフォルト: enable。 通常ユーザが PAP もしくは CHAP で認証された時で、 .Nm が .Fl direct モードで実行されている時は、このユーザのエントリが utmp ファイルおよび wtmp ファイルに作成されます。 このオプションを disable にすると、 .Nm は utmp および wtmp のエントリを作成しません。 通常、 ユーザがログインしかつ認証することを要求する場合のみ必要です。 .El .It add[!] Ar dest[/nn] [mask] gateway .Ar dest は宛先 IP アドレスです。 ネットマスクは .Ar /nn によってビット数で指定するか、もしくは .Ar mask を用いて IP 番号で指定します。 .Ar 0 0 ならびにマスクなしの .Ar 0 はデフォルト経路を意味します。 .Ar 0 の代りにシンボル名 .Ar default を使うことが可能です。 .Ar gateway は、 .Ar dest マシン/ネットワークに至る、次のホップのゲートウェイです。 詳細は .Xr route 8 コマンドを参照してください。 .Pp 宛先にシンボル名 .Sq MYADDR と .Sq HISADDR を使用可能であり、 .Ar gateway には .Sq HISADDR もしくは .Sq INTERFACE を使用可能です。 .Sq MYADDR はインタフェースアドレスに置き換えられ、 .Sq HISADDR はインタフェースの宛先アドレスに置き換えられ、 .Sq INTERFACE は現在のインタフェース名に置き換えられます。 インタフェースの宛先アドレスが ( .Dq set ifaddr によって) 割り当てられていない場合、現在の .Sq INTERFACE が .Sq HISADDR の代りに使用されます。 .Pp .Ar add! コマンド .Po .Dq \&! に注意 .Pc 使用時には、経路が存在する場合には .Sq route change コマンド (詳細は .Xr route 8 参照) にて経路を更新します。 .Pp .Dq HISADDR もしくは .Dq MYADDR を含む経路は .Sq スティッキー と見なされます。これらはリスト (リストを見るには .Dq show ipcp コマンドを使用します) に格納され、 .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR の値が変更される度に、経路表の関連するエントリが更新されます。 この機能は .Dq disable sroutes を使用することで無効にできます。 .It allow Ar command Op Ar args このコマンドは .Nm と設定ファイルへのアクセスを制御します。 ユーザレベルでのアクセスは可能であり、 設定ファイルのラベルと .Nm の実行モードに依存します。 例えば、ユーザ .Sq fred のみがラベル .Sq fredlabel に .Fl background モードでアクセスできるように、 .Nm を構成したいかもしれません。 .Pp ユーザ ID 0 はこれらのコマンドの対象外です。 .Bl -tag -width XX .It allow user[s] Ar logname... デフォルトでは、ユーザ ID 0 のみが .Nm へのアクセスを許されています。 このコマンドが指定されると、 .Dq allow users が記載されているセクションに列挙されているユーザのアクセスが可能となります。 .Sq default セクションは 常に最初にチェックされます (スタートアップ時に常にロードされる唯一の セクションです)。後続する .Dq allow users コマンドは、先行するコマンドに優先します。 あるラベル以外のすべてにアクセスを許すことが可能であり、 そのためにはデフォルトユーザを .Sq default セクションで指定し、新しいユーザリストをこのあるラベルに指定します。 .Pp ユーザ .Sq * が指定されると、全ユーザにアクセスが許されます。 .It allow mode[s] Ar modelist... デフォルトでは全 .Nm モードが使用可能です。 このコマンドが使用されると、 このコマンドが指定されたラベルのロードに許されるアクセスモードが制限されます。 .Dq allow users コマンドと同様、 各 .Dq allow modes コマンドは先行するコマンドに優先し、 .Sq default セクションは常に最初にチェックされます。 .Pp 使用可能なモードは次の通りです: .Sq interactive , .Sq auto , .Sq direct , .Sq dedicated , .Sq ddial , .Sq background , .Sq * 。 .Pp マルチリンクモードで動作するときには、 現在存在する回線モードを許可するセクションをロード可能です。 .El .Pp .It alias Ar command Op Ar args このコマンドは .Nm 組込みのエイリアシング (マスカレーディング) 機能を 制御するために使用します。 あなたのシステムでエイリアシングが有効になると (コンパイル時に削除できます)、 次のコマンドが使用可能となります: .Bl -tag -width XX .It alias enable [yes|no] エイリアシングを有効もしくは無効にします。 .Fl alias コマンドラインフラグは .Dq alias enable yes と同じ意味です。 .It alias port Op Ar proto targetIP:targetPORT [aliasIP:]aliasPORT このコマンドにより、 マシン .Ar aliasIP の .Ar aliasPORT へ到着する接続を、 .Ar targetIP の .Ar targetPORT へリダイレクトします。 .Ar proto は .Sq tcp もしくは .Sq udp のいずれかで、指定したプロトコルの接続のみマッチします。 あなたのゲートウェイの後のマシンでインターネット電話等を実行したい場合に、 このオプションは有用です。 .It alias addr Op Ar addr_local addr_alias このコマンドにより、 .Ar addr_alias へのデータを .Ar addr_local へリダイレクトします。 少数の実 IP アドレスを持っていて、これらをあなたのゲートウェイの後の 特定のマシンにマップしたい場合に有用です。 .It alias deny_incoming [yes|no] yes に設定した場合、ファイアウォールがパケットを落すのと同様に、 すべての入力の接続を拒否します。 .It alias help|? このコマンドにより、 使用可能なエイリアスコマンドのまとめを表示します。 .It alias log [yes|no] このオプションを指定することにより、 種々のエイリアシングの統計と情報を、ファイル .Pa /var/log/alias.log にログします。 .It alias same_ports [yes|no] 有効になると、 エイリアスライブラリが出力パケットのポート番号を変更しようとすることを 止めさせます。 RPC や LPD といった、 ウェルノウンポート (well known port) からの接続を要求する プロトコルをサポートするのに有用です。 .It alias use_sockets [yes|no] 有効になると、 エイリアスライブラリにソケットを作成させ、 正しい ftp データ入力や IRC 接続を保証できるようになります。 .It alias unregistered_only [yes|no] 登録されていない送信元アドレスの出力パケットのみを、変更します。 RFC1918 によると、登録されていない送信元アドレスは 10.0.0.0/8, 172.16.0.0/12, 192.168.0.0/16 です。 .El .Pp これらのコマンドはソース配布物の .Pa README.alias ファイル中でも議論されています。 .Pp .It [!]bg Ar command 指定した .Ar command を、次の語を置換した後に、バックグラウンドで実行します: .Bl -tag -width PEER_ENDDISC .It Li AUTHNAME これは、ローカルの .Ar authname の値と置き換えられます。後述の .Dq set authname コマンドを参照してください。 .It Li ENDDISC これは、ローカルの終点選択値と置き換えられます。 後述の .Dq set enddisc コマンドを参照してください。 .It Li HISADDR これは、相手の IP 番号と置き換えられます。 .It Li INTERFACE これは、使用中のインタフェース名と置き換えられます。 .It Li LABEL これは、最後に使用したラベル名と置き換えられます。 ラベルは、 .Nm のコマンドラインから .Dq load または .Dq dial のコマンドから指定するか、 .Pa ppp.secret ファイルから指定可能です。 .It Li MYADDR これは、ローカルインタフェースに割り当てられた IP 番号と置き換えられます。 .It Li PEER_ENDDISC これは、相手の終点選択番号と置き換えられます。 .It Li USER これは、PAP もしくは CHAP で認証されたユーザ名と置き換えられます。 通常、この変数は -direct モードでのみ割り当てられます。 この値は、utmp ロギングが有効になっているかどうかに関わらず、利用可能です。 .El .Pp コマンド実行中に .Nm を停止させたい場合は、 .Dq shell コマンドを使用してください。 .It clear modem|ipcp Op current|overall|peak... .Dq modem もしくは .Dq ipcp 階層で、指定されたスループット値をクリアします。 .Dq modem を指定する場合にはコンテキストが与えられなければなりません (後述の .Dq link コマンドを参照)。 第 2 引数が与えられない場合、すべての値がクリアされます。 .It clone Ar name[,name]... 指定されたリンクを複製し、引数の .Ar name に関連づけた新しいリンクを作成します。 このコマンドは、リンクが 1 つしかない場合 (この場合にはそのリンクがデフォルトになります) を除いて後述の .Dq link コマンドから使用する必要があります。 リンクは下記の .Dq remove コマンドで削除できます。 .Pp デフォルトのリンク名は .Dq deflink です。 .It close Op lcp|ccp[!] 引数が与えられないと、適切なプロトコル層がダウンし、リンクが閉じられます。 .Dq lcp が指定されると LCP 層がダウンしますが、 .Nm をオフラインにはしません。例えば .Dq slirp のようなものを使用すれば、 .Dq term .Pq 後述 を使用して相手のマシンと会話できます。 .Dq ccp が指定されると適切な圧縮層が閉じられます。 .Dq \&! が使用されると、圧縮層はクローズ状態のままとなります。 使用されない場合には、STOPPED 状態へ再度入り、 相手が更なる CCP 交渉を開始するのを待ちます。 なにが起きようとも、ユーザを .Nm から切り離すことはありませんし、 .Nm を終了させることもありません。 後述の .Dq quit を参照してください。 .It delete[!] Ar dest このコマンドは指定した .Ar dest IP アドレスの経路を削除します。 .Ar dest に .Sq ALL が指定された場合、 現在のインタフェースの経路表の非直接エントリと .Sq スティッキー経路 がすべて削除されます。 .Ar dest に .Sq default が指定された場合、デフォルト経路が削除されます。 .Pp .Ar delete! コマンドが使用された場合 .Po 最後の .Dq \&! に注意 .Pc 、存在しない経路について .Nm は文句を言わなくなります。 .It dial|call Op Ar label 引数なしで使用された場合、このコマンドは .Dq open コマンドと同一です。 .Ar label が指定された場合、最初に .Dq load が実行されます。 .It down Op Ar lcp|ccp 適切な階層をダウンさせますが、 綺麗な方法ではなく、下位層が使用不能になったように見えます。 オープン状態にある有限状態機械でこのコマンドを使用することは、 丁寧ではないとされています。 引数が与えられない場合、すべてのリンクが閉じられます (コンテキストが与えられない場合にはすべてのリンクが終了されます)。 .Sq lcp が指定された場合、 .Em LCP 層は終了されますが、モデムはオフラインに移行せず、 リンクも閉じられません。 .Sq ccp が指定された場合、 関連する圧縮層のみが終了されます。 .It help|? Op Ar command 利用可能なコマンドをリストします。 .Ar command を指定した場合、このコマンドの使用方法を表示します。 .It [data]link Ar name[,name...] command Op Ar args コマンドが影響を与えるリンクを特定したい場合に、このコマンドを 任意の他のコマンドのプレフィックスとして使うことができます。 これはマルチリンクモードで .Dq clone コマンドを使って複数のリンクを作成した後でのみ適用されます。 .Pp .Ar name は存在するリンク名を指定します。 .Ar name がコンマ区切りのリストの場合には、 .Ar command はそれぞれのリンクに対して実行されます。 .Ar name が .Dq * の場合には、 .Ar command はすべてのリンクに対して実行されます。 .It load Op Ar label .Pa ppp.conf ファイルから指定された .Dq label をロードします。 .Dq label が指定されない場合、 .Dq default ラベルが仮定されます。 .It open Op lcp|ccp|ipcp これは .Dq close の反対のコマンドです。 .Dq open コマンドを引数なしで用いることは .Dq dial を引数なしで用いることと同一です。 すなわちすべての閉じられたリンクが、現在の設定を用いて起動されます ( .Dq set autoload コマンドに基づいた自動リンクの中には起動されないものもあります)。 .Pp LCP 層がすでにオープンされているときに .Dq lcp を指定すると、LCP は再度交渉されます。 したがって、種々の LCP オプションを変更したあとで .Dq open lcp コマンドを用いることで、変更を有効にすることができます。 LCP が再度交渉された後、 同意したあらゆる認証が実行されます。 .Pp .Dq ccp 引数が用いられると、関連する圧縮層がオープンされます。 すでにオープンされている場合には、再度交渉されます。 .Pp .Dq ipcp 引数が用いられると、リンクが通常通り起動されます。すでに IPCP が オープンされている場合には、IPCP は再度交渉され、 ネットワークインタフェースが再設定されます。 .Pp このようにして PPP の状態機械を再オープンするのは、 おそらく良い手段ではありません。 接続相手が正しく振る舞わない可能性があるためです。 しかしながら、強制的に CCP もしくは VJ 辞書をリセットする手段としては 便利です。 .It passwd Ar pass すべての .Nm コマンドセットにアクセスするために要求されるパスワードを指定します。 このパスワードは診断ポート ( .Dq set server コマンド参照) に接続するときに必要です。 .Ar pass は .Dq set server コマンドラインで指定します。 .Ar command ログが有効でも、値 .Ar pass はログされず、文字列 .Sq ******** がログされます。 .It quit|bye [all] .Dq quit が制御接続もしくはコマンドファイルから実行されると、 ppp はすべての接続を閉じた後に終了します。その他の場合、 つまりユーザが診断ソケットから接続している場合には、 単にその接続が失われます。 .Pp .Ar all 引数が与えられた場合、 .Nm はコマンドがどこから発行されたかに関わらず、 すべての存在する接続を閉じて終了します。 .It remove|rm このコマンドは与えられたリンクを消去します。 これはマルチリンクモードでのみ有用です。リンクは消去する前に .Dv CLOSED 状態になっていなければなりません。 .It rename|mv Ar name このコマンドは与えられたリンクの名前を .Ar name に変更します。 .Ar name がすでに他のリンクで使用されている場合には、失敗します。 .Pp デフォルトリンクの名前は .Sq deflink です。これを .Sq modem , .Sq cuaa0 , .Sq USR のいずれかに変更すると、ログファイルの可読性が向上するかも知れません。 .It save このオプションは (まだ) 実装されていません。 .It set[up] Ar var value このオプションは次に示す変数の設定のために使用します: .Bl -tag -width XX .It set accmap Ar hex-value ACCMap は非同期制御文字マップ (Asyncronous Control Character Map) を 意味します。 これはいつも相手と交渉され、デフォルト値は 16 進数で 00000000 です。 このプロトコルが必要なのは、 (XON/XOFF などの) 特定の文字を終点間で受渡すことに依存するハードウェアを 使用する場合です。 .Pp XON/XOFF については .Dq set accmap 000a0000 を使用します。 .It set authkey|key Ar value クライアントモードでの PAP または CHAP の交渉で使用される 認証キー (もしくはパスワード) を、指定した値に設定します。 ダイヤルもしくはログインスクリプトの '\\P' シーケンス で使用されるパスワードを指定しますが、 実際のパスワードがログされることを防ぎます。 .Ar command ログが有効な場合、セキュリティの観点から、 .Ar value は .Sq ******** としてログされます。 .It set authname Ar id クライアントモードでの PAP または CHAP の交渉で使用される 認証 ID を設定します。 .Pp PAP もしくは CHAP を enable にして .Fl direct モードで利用すると、 .Ar id は初期認証要求で用いられ、通常はローカルマシン名に設定されます。 .It set autoload Ar max-duration max-load [min-duration min-load] これらの設定はマルチリンクモードでのみ適用され、 デフォルト値はすべて 0 です。 1 つ以上の .Ar demand-dial .Po .Fl auto としても知られる .Pc モードのリンクが存在する場合、 .Nm が最初に tun デバイスからデータを読むときには最初のリンクのみが 有効になっています。 次の .Ar demand-dial リンクは、 .Ar max-duration 秒の間、送出キューに .Ar max-load 以上のパケットが存在した場合にのみ開かれます。 両方のデフォルト値が 0 であるため、 .Ar demand-dial リンクはデフォルトでは 1 つだけオープンされます。 .Pp 複数のリンクが開かれていて、少なくともその内の 1 つが .Ar demand-dial リンクである場合、 .Ar min-duration 秒の間、送出キューに最大 .Ar min-packets 未満のパケットしか存在しなかったときに閉じられます。 .Ar min-duration が 0 の場合には、タイマは無効になります。 デフォルトでは両方の値が 0 であるため、 .Ar demand-dial リンクはバンドルされたアイドルタイマが期限切れになるまで アクティブであり続けます。 .It set callback [none|auth|cbcp|E.164 *|number[,number]...]... 引数が与えられない場合、コールバックは disable になります。 そうでない場合には、 .Nm は与えられたプロトコルでコールバックを要求します (もしくは .Ar direct モードでは受け付けます)。 要求の否定応答が返されると、 .Nm は他に選択肢がなくなるまで別の要求を出します。 選択肢が尽きると .Nm は交渉を終了します。 オプションは下記の通りです (優先度順): .Pp .Bl -tag .It auth コールバック応答側は、認証に基づいてコールバック番号を 決定することが求められます。 .Nm がコールバック応答側である場合、番号は .Pa /etc/ppp/ppp.secret 中の接続先エントリの 5 番目のフィールドで指定されます。 .It cbcp Microsoft コールバック制御プロトコルが用いられます。後述の .Dq set cbcp を参照してください。 .It E.164 *|number[,number]... コールバック要求側が .Ar number を指定します。 .Nm がコールバック応答側である場合、 .Ar number は許可する番号をコンマで区切って並べたリスト、もしくは 任意の番号を許可するという意味の .Dq \&* とします。 .Nm がコールバック要求側である場合、1 つの数字だけを指定します。 .Pp .Dq \&* を用いる場合、このオプションはとても危険なものとなることに 注意してください。 というのは、悪意あるコールバック要求者が、最初の認証なしに 電話すべき番号として任意の (国際通話番号も可能です) 番号を 伝えることができるからです。 .It none 接続相手がコールバックをまったく望まない場合、 .Nm はそのことを受け入れ、接続を終了するのではなく コールバックせずに処理を続けます。 .El .Pp .It set cbcp Op *|number[,number]... Op delay Op retry 引数が与えられない場合、CBCP (Microsofts CallBack Control Protocol) は disable です。言い換えれば .Dq set callback コマンドで CBCP を設定すると .Nm が CBCP フェーズでコールバック要求を行わなくなります。 そうでない場合、 .Nm は与えられた電話番号 .Ar number を使おうとします。 .Pp サーバモード .Pq Fl direct では、 .Dq \&* を使わない限り .Nm はクライアントがこれらの番号の 1 つを使うことを主張します。 .Dq \&* を使った場合には、クライアントが番号を指定するものと想定します。 .Pp クライアントモードでは .Nm は与えられた番号 (そのうち接続相手と合意可能なもの) を使用しようとします。 .Dq \&* が指定された場合には、 .Nm 接続相手が番号を指定するものと想定します。 .It set choked Op Ar timeout これは .Nm がすべての未送出パケットを破棄する前に 送出キュー詰まりを保持する秒数を設定します。 .Ar timeout が 0 以下もしくは .Ar timeout が指定されない場合、デフォルト値の .Em 120 秒 に設定されます。 .Pp 送出キュー詰まりは .Nm がローカルネットワークから特定の数の送出パケットを読み込んだが、 リンク失敗 (接続相手がビジーなど) のためにデータを送れない場合に 発生します。 .Nm はパケットを無限には読み込みません。代りに .Em 20 パケット (マルチリンクモードでは .Em 20 No + .Em nlinks No * .Em 2 パケット) まで読み込み、 .Ar timeout 秒経過するか、1 つ以上のパケットが送られるまで ネットワークインタフェースの読み込みを停止します。 .Pp .Ar timeout 秒が経過すると、すべての未送出パケットは破棄されます。 .It set ctsrts|crtscts on|off ハードウェアフロー制御をセットします。 デフォルトではハードウェアフロー制御は .Ar on です。 .It set deflate Ar out-winsize Op Ar in-winsize DEFLATE アルゴリズムの、 デフォルトの出力ウィンドウサイズと入力ウィンドウサイズを設定します。 .Ar out-winsize および .Ar in-winsize は、 .Em 8 から .Em 15 までの値をとる必要があります。 .Ar in-winsize が指定されると、 .Nm はこのウィンドウサイズの使用を強要し、相手が他の値を示しても受け入れません。 .It set dns Op Ar primary Op Ar secondary .Dq accept dns コマンドで使用される、DNS 上書きを設定します。 詳細については前述の .Dq accept コマンドの記述を参照してください。本コマンドは .Dq enable dns を使用して要求される IP 番号には影響を与えません。 .It set device|line Ar value[,value...] .Nm が使用するデバイスを、指定された .Dq value に設定します。 全シリアルデバイス名は .Pa /dev/ から始まることが仮定されています。 .Dq value が .Pa /dev/ から始まらない場合、エクスクラメーションマーク .Pq Dq \&! から始めるか、 .Dq host:port の形式である必要があります。 .Pp エクスクラメーションマークで始まる場合、 デバイス名の残りはプログラム名として扱われ、 そのデバイスがオープンされるときにそのプログラムが実行されます。 標準入出力およびエラーは .Nm にフィードバックされ、それらが通常デバイスであるかのように読み書きされます。 .Pp .Dq host:port の組が与えられる場合、 .Nm は、指定された .Dq host の指定された .Dq port と接続しようとします。 詳細は上述の .Em PPP オーバ TCP の節を参照してください。 .Pp 複数の .Dq value を指定した場合、 .Nm は成功するか全デバイスについて実行し終るまで、順番にオープンを試みます。 .It set dial Ar chat-script 相手へダイヤルする際に使用されるチャットスクリプトを指定します。 後述の .Dq set login コマンドも参照してください。 チャットスクリプトのフォーマットの詳細については、 .Xr chat 8 と設定ファイルの例を参照してください。 次の特殊な .Sq value をチャットスクリプトに指定可能です: .Bd -unfilled -offset indent .It \\\\\\\\\\\\\\\\c .Sq 送信 文字列の最後の文字として使用した場合、 改行を追加してはならないことを意味します。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\d チャットスクリプトがこのシーケンスに出会うと、2 秒待ちます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\p チャットスクリプトがこのシーケンスに出会うと、1/4 秒待ちます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\n 改行文字と置き換えられます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\r 復改文字と置き換えられます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\s 空白文字と置き換えられます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\t タブ文字と置き換えられます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\T 現在の電話番号と置き換えられます (後述の .Dq set phone 参照)。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\P 現在の .Ar authkey 値と置き換えられます (前述の .Dq set authkey 参照)。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\U 現在の .Ar authname 値と置き換えられます (前述の .Dq set authname 参照)。 .Ed .Pp 2 つのパーザがこれらのエスケープシーケンスを検査することに注意してください。 .Sq チャットのパーザ にエスケープ文字を見せるには、 .Sq コマンドパーザ からエスケープする必要があります。 つまり、2 つのエスケープを使用する必要があります。例えば次のようにします: .Bd -literal -offset indent set dial "... ATDT\\\\T CONNECT" .Ed .Pp チャットスクリプトから外部コマンドを実行することもできます。 そうするためには、 受信待ち文字列または送信文字列の最初の文字をエクスクラメーションマーク .Pq Dq \&! にします。 コマンドが実行されると、標準入力と標準出力がモデムデバイス ( .Dq set device 参照) に向けられ、標準エラー出力が .Nm に読まれて受信待ち文字列もしくは送信文字列に置き換えられます。 .Nm が対話モードで実行されている場合、ファイルデスクリプタ 3 は .Pa /dev/tty に接続されます。 .Pp 例えば (読み易さのために折り返しています); .Bd -literal -offset indent set login "TIMEOUT 5 \\"\\" \\"\\" login:--login: ppp \e word: ppp \\"!sh \\\\\\\\-c \\\\\\"echo \\\\\\\\-n label: >&2\\\\\\"\\" \e \\"!/bin/echo in\\" HELLO" .Ed .Pp は次のチャットシーケンスになります (ダイヤル前の .Sq set log local chat コマンドによる出力): .Bd -literal -offset indent Dial attempt 1 of 1 dial OK! Chat: Expecting: Chat: Sending: Chat: Expecting: login:--login: Chat: Wait for (5): login: Chat: Sending: ppp Chat: Expecting: word: Chat: Wait for (5): word: Chat: Sending: ppp Chat: Expecting: !sh \\-c "echo \\-n label: >&2" Chat: Exec: sh -c "echo -n label: >&2" Chat: Wait for (5): !sh \\-c "echo \\-n label: >&2" --> label: Chat: Exec: /bin/echo in Chat: Sending: Chat: Expecting: HELLO Chat: Wait for (5): HELLO login OK! .Ed .Pp 複数レベルのネストについて、 エスケープ文字の使用方法に (再度) 注意してください。 ここでは、4 つのパーザが動作してます。 1 番目は、オリジナルの行をパーズし、3 つの引数として読みます。 2 番目は、第 3 引数を 11 個の引数として読みます。 ここで、 .Dq \&- 記号がエスケープされていることが重要です。 そうでなければパーザは、 受信待ち-送信-受信待ちのシーケンスとして見てしまいます。 .Dq \&! 文字を見付けると、実行パーザは最初のコマンドを 3 つの引数として読み、 .Xr sh 1 自身が .Fl c 以降の引数を展開します。 我々は出力をモデムに送り返したいので、 1 番目の例では出力をファイルデスクリプタ 2 (stderr) にリダイレクトして .Nm 自身に送信およびログさせ、 2 番目の例では単に stdout に出力して直接モデムに出力させます。 .Pp もちろん全体を、組み込みのものではなく外部の .Dq chat コマンドに実行させることが可能です。 良い代替方法については .Xr chat 8 を参照してください。 .It set enddisc Op label|IP|MAC|magic|psn value このコマンドは、ローカル終点の選択値を設定します。 LCP 交渉の前に設定されると、 .Nm は LCP 終点選択値オプションを使用して、相手に情報を送ります。 次の選択値を設定可能です。 .Bd -unfilled -offset indent .It Li label 現在のラベルが使用されます。 .It Li IP 当方のローカル IP 番号を使用します。 LCP は IPCP より前に交渉されますので、 IPCP 層が後からこの値を変更することが可能です。 その場合、手動でリセットしない限り、終点の選択値は古い値のままとなります。 .It Li MAC 前述の .Ar IP オプションに似ていますが、 ローカル IP 番号に関係する MAC アドレスが使用される点が異なります。 ローカル IP 番号がどのイーサネットインタフェースにも存在しない場合、 本コマンドは失敗します。 .Pp ローカル IP 番号のデフォルトは、 マシンンホスト名がなんであれ、その名前になりますので、通常 .Dq set enddisc mac を .Dq set ifaddr コマンドよりも先に実行します。 .It Li magic 20 桁の乱数が使用されます。 .It Li psn Ar value 指定された .Ar value が使用されます。 .Ar value は、絶対的な公衆スイッチネットワーク番号の先頭に 国コードを付けたものであるべきです。 .Ed .Pp 引数が与えられない場合、終点の選択値はリセットされます。 .It set escape Ar value... このオプションは前述の .Dq set accmap オプションに似ています。 リンクを経由する時に「エスケープ」される文字を指定するために使用します。 .It set filter dial|alive|in|out rule-no permit|deny Ar "[src_addr/width] [dst_addr/width] [proto [src [lt|eq|gt port]] [dst [lt|eq|gt port]] [estab] [syn] [finrst]]" .Nm は 4 つのフィルタセットをサポートします。 .Em alive フィルタは接続を活性状態に保つパケットを指定します - アイドルタイマをリセットします。 .Em dial フィルタは、 .Fl auto モード時に .Nm にダイヤルさせるパケットを指定します。 .Em in フィルタは、マシンに入力可能なパケットを指定します。 .Em out フィルタは、マシンから出力可能なパケットを指定します。 .Pp フィルタリングは、 エイリアスエンジンが行う IP 変更の前に適用されます。 デフォルトでは、全フィルタセットが全パケットの通過を許可します。 ルールは .Ar rule-no に従って順番に処理されます。 各セットに対し 20 までのルールを指定可能です。 指定されるセットにおけるどのルールにもマッチしないパケットは破棄されます。 .Em in と .Em out のフィルタでは、パケットをドロップすることを意味します。 .Em alive フィルタでは、アイドルタイマをリセットしないことを意味します。 .Em dial フィルタではダイアルさせることにはならないことを意味します。 ダイヤルを引き起こさないパケットは、 キューされるのではなく、捨てられることに注意してください。 上述のパケットのフィルタリングの節を参照してください。 .It set hangup Ar chat-script モデムを閉じる前にこれをリセットする時に使用する、 チャットスクリプトを指定します。 通常は不要であるべきですが、 閉じる時に自己を正しくリセットできないデバイスに対して使用できます。 .It set help|? Op Ar command 利用可能な set コマンドのまとめを表示するか、 .Ar command が指定されると、コマンドの使用方法を表示します。 .It set ifaddr Ar [myaddr [hisaddr [netmask [triggeraddr]]]] このコマンドは、IPCP 交渉の間使用される IP アドレスを指定します。 アドレスのフォーマットは次の通りです。 .Pp .Dl a.b.c.d/n .Pp ここで .Ar a.b.c.d は希望する IP アドレスであり、 .Ar n はこのうち何ビットが有効であるかを示します。 .Ar /n が省略された場合、デフォルトの .Ar /32 になります。 ただし IP アドレスが 0.0.0.0 である場合には、マスクのデフォルトは .Ar /0 です。 .Pp .Ar hisaddr に IP 番号の範囲として .Pp .Dl a.b.c.d[-d.e.f.g][,h.i.j.k[-l,m,n,o]]... .Pp のフォーマットを指定できます。例えば: .Pp .Dl set ifaddr 10.0.0.1 10.0.1.2-10.0.1.10,10.0.1.20 .Pp は .Ar 10.0.0.1 のみをローカル IP 番号として交渉しますが、指定された 10 個の IP 番号から 相手に割り当てを行います。 相手がこれらの番号のうちの 1 つを要求し、この番号が未使用な場合には、 .Nm は相手の要求を認めます。 相手がリンクを再確立して前回割り当てていた IP 番号を使用したい場合に有用です (既存の TCP 接続を保存します)。 .Pp 相手が要求した IP 番号が範囲外もしくは使用中の場合、 .Nm は範囲内の未使用 IP 番号をランダムに指示します。 .Pp .Ar triggeraddr が指定された場合、この値が .Ar myaddr の代りに IPCP 交渉で使用されます。 ただし、 .Ar myaddr の範囲のアドレスのみ受け入れられます。 これが有用なのは、相手が .Ar 0.0.0.0 を要求しない限り IP アドレスを割り当てようとしない .Dv PPP 実装と交渉するときです。 .Pp .Fl auto モードでは設定ファイルの .Dq set ifaddr 行を読んだ直後に .Nm がインタフェースを構成することに注意してください。 他のモードではこれらの値は IPCP 交渉で使用され、 IPCP 層がアップするまでこれらのインタフェースは構成されません。 .Pp .Po PAP か CHAP が .Dq enable である場合 .Pc クライアントが自己証明をした後では、 .Ar HISADDR 引数は .Pa ppp.secret ファイルの第 3 引数で上書きされうることに注意してください。 .Em 内向き接続の認証 の節を参照してください。 .Pp どの場合でも、インタフェースが既に構成されている場合には、 .Nm はインタフェースの IP 番号を保存して、 既にバインドされているソケットが正しいままであるようにします。 .It set ccpretry Ar period .It set chapretry Ar period .It set ipcpretry Ar period .It set lcpretry Ar period .It set papretry Ar period これらのコマンドは .Nm が有限状態機械 (Finite State Machine; FSM) に要求パケットを送る前に 待つ秒数を指定します。 .Ar period のデフォルトは、全 FSM において 3 秒です (ほとんどの場合十分です)。 .It set log [local] [+|-] Ns Ar value... このコマンドにより現在のログレベルを修正できます。 詳細はログ機能の節を参照してください。 .It set login chat-script この .Ar chat-script はダイヤルスクリプトを補います。 もし両方が指定された場合、ダイヤルスクリプトの後で、 ログインスクリプトが実行されます。 ダイヤルスクリプト中で使用可能なエスケープシーケンスはここでも使用可能です。 .It set lqrperiod Ar frequency このコマンドは、 .Em LQR または .Em ECHO LQR のパケットが送信される頻度 .Ar frequency を秒で指定します。デフォルトは 30 秒です。 相手に LQR 要求を送りたい場合には、 .Dq enable lqr コマンドもまた使用する必要があります。 .It set mode Ar interactive|auto|ddial|background 指定したリンクにおけるモード .Sq mode を変更できます。通常マルチリンクモードでのみ有用ですが、 単一リンクモードでも使用可能です。 .Pp .Sq direct または .Sq dedicated のリンクを変更することはできません。 .It set mrru Op Ar value このオプションを設定すると、 マルチリンクプロトコルまたは MP としても知られる、 マルチリンク PPP 交渉を有効にします。 MRRU (Maximum Reconstructed Receive Unit) の値にはデフォルトはありません。 引数を指定しないと、マルチリンクモードは無効にされます。 .It set mru Op Ar value デフォルトの MRU (最大受信単位; Maximum Receive Unit) は 1500 です。 この値を増加させた場合、相手は MTU を増加させても *かまいません*。 デフォルトの MRU より減らすことは意味がありません。 なぜなら、 .Em PPP プロトコルでは少なくとも 1500 オクテットのパケットを 受信できなければ *ならない* からです。 引数が指定されないと、1500 が仮定されます。 .It set mtu Op Ar value デフォルトの MTU は 1500 です。 交渉時に、(296 バイト未満でなければ) 相手が望むいかなる MRU および MRRU も受け付け可能です。 MTU が設定されると、 .Nm は .Ar value よりも小さい MRU/MRRU の値を受け付けなくなります。 交渉が完了すると、相手がより大きな MRU/MRRU を要求していたとしても、 インタフェースに対して MTU が割り当てられます。 当方のパケットサイズを制限するのに有用です (よりよくバンド幅を共有できるようになりますが、 ヘッダデータが増えるというコストがかかります)。 .Pp .Ar value を指定しないと、1500 または相手が要求した値が使用されます。 .It set nbns Op Ar x.x.x.x Op Ar y.y.y.y このオプションは、相手の要求によって返される Microsoft NetBIOS ネームサーバの値を設定します。 値を指定しないと、 .Nm はそのような要求を拒否するようになります。 .It set openmode active|passive Op Ar delay デフォルトでは、 .Ar openmode は常に、1 秒の .Ar delay をもって .Ar active となります。 この場合、 .Nm は回線が設定されてから 1 秒が経過したなら いつでも LCP/IPCP/CCP の交渉を開始します。 相手が交渉を開始するのを待ちたい場合は、値 .Dq passive を使用します。 直ちにもしくは 1 秒以上待ってから交渉を開始したい場合、 .Ar delay を秒単位で指定します。 .It set parity odd|even|none|mark 回線のパリティを設定できます。デフォルト値は .Ar none です。 .It set phone Ar telno[|telno]...[:telno[|telno]...]... ダイヤルおよびログインのチャットスクリプトで使用される \\\\T 文字列が 置き換えられる電話番号を指定できます。 複数の電話番号をパイプ (|) もしくはコロン (:) で区切って指定可能です。 パイプの後の番号がダイヤルされるのは、 直前の番号へのダイヤルもしくはログインのスクリプトが失敗した場合のみです。 回線の切断の理由にかかわらず、 コロンで区切られた番号は順番に試行されます。 複数の番号を指定した場合、接続が確立するまで .Nm はこのルールに基づいてダイヤルします。 再試行の最大値は、後述の .Dq set redial で指定します。 .Fl background モードでは各番号は最大 1 回試行されます。 .It set reconnect Ar timeout ntries (CD の喪失もしくは LQR の失敗により) 予想外の回線切断となった場合、 指定した .Ar timeout の後に接続が再確立されます。 回線は最大 .Ar ntries 回、再接続されます。 .Ar ntries のデフォルトは 0 です。 .Ar timeout に .Ar random を指定すると、0 から 30 秒の間の任意時間の停止となります。 .It set redial Ar seconds[.nseconds] [attempts] .Nm に .Ar attempts 回のリダイヤルを指示できます。 1 より大きな数を指定した場合 (前述の .Ar set phone 参照)、 各番号にダイヤルする前に、 .Ar nseconds だけ停止します。 最初の番号に戻ってダイヤル開始する前に .Ar seconds だけ停止します。 .Dq random を .Ar seconds および .Ar nseconds のところで使用でき、0 から 30 秒の間の任意時間の停止となります。 .Pp .Ar attempts が経過した後でもこの遅延は効果があるので、 すぐに手動でダイヤルしても何も起ってないように見えるかもしれません。 すぐにダイヤルする必要がある場合、 .Dq \&! を .Dq open キーワードの直後に付けます。 更なる詳細については、前述の .Dq open の記述を参照してください。 .It set server|socket Ar TcpPort|LocalName|none password Op Ar mask このコマンドは .Nm に指定したソケットもしくは .Sq 診断ポート にてコマンド接続の入力を listen するように指示します。 .Pp 語 .Ar none は .Nm に既に存在するソケットを閉じさせます。 .Pp ローカルドメインソケットを指定したい場合、 .Ar LocalName に絶対ファイル名を指定します。そうしないと、TCP ポートの名前もしくは番号 であると解釈されます。 ローカルドメインソケットに使用される 8 進 umask を指定可能です。 .Sq 0 から始まる 4 桁 8 進数で指定します。 umask の詳細については .Xr umask 2 を参照してください。TCP ポート名がどのように変換されるかについては .Xr services 5 を参照してください。 .Pp このソケットにクライアントが接続するときに使用されねばならないパスワードも 指定可能です ( 前述の .Dq passwd コマンドを使用します)。 パスワードが空文字列として指定される場合、 クライアントが接続するときにパスワードを必要とされません。 .Pp ローカルドメインソケットが指定される場合、ソケット名中の最初の .Dq %d シーケンスは現在のインタフェースユニット番号で置換されます。 複数接続のために同一のプロファイルを使用したい場合に便利です。 .Pp 同様の方法で TCP ソケットの前に .Dq + 文字を付けることができます。 この場合、現在のインタフェースユニット番号が、ポート番号に加算されます。 .Pp .Nm をサーバソケットと共に使用する場合、通信機構として .Xr pppctl 8 コマンドを使用することが好ましいです。 現在 .Xr telnet 1 も使用可能ですが、将来リンク暗号化が実装されるかもしれませんので、 .Xr telnet 1 に依存しないようにしてください。 .It set speed Ar value シリアルデバイスの速度を指定します。 .It set stopped Ar [LCPseconds [CCPseconds]] このオプションが指定されると、 指定した FSM (有限状態機械; Finite State Machine) が停止状態になってから .Dq seconds で指定した秒数だけ停止したのち、 .Nm はタイムアウトします。 このオプションは、 相手が終了要求を送り我々が終了確認応答を送ったにもかかわらず 実際には接続を閉じない場合に、有用かもしれません。また、 .Dq set openmode passive を使用した場合に相手が指定時間内に Configure Request を送らないことを タイムアウト検出する場合には、便利かもしれません。 .Dq set log +lcp +ccp を使用すると、 .Nm は適切な状態遷移をログします。 .Pp デフォルト値は 0 であり、 停止状態による .Nm のタイムアウトは発生しません。 .Pp この値は openmode の遅延 (上述の .Dq set openmode 参照) より小さくなってはなりません。 .It set timeout Ar idleseconds このコマンドはアイドルタイマの値を指定します。 更なる詳細については .Dq アイドルタイマの設定 というタイトルの節を参照してください。 .It set vj slotcomp on|off このコマンドは .Nm に VJ スロット圧縮を交渉するか否かを指示します。 デフォルトではスロット圧縮は .Ar on です。 .It set vj slots Ar nslots このコマンドは最初の .Ar slots 番号を指定します。 .Nm は VJ 圧縮が enable されている時には、 これを使用して相手と交渉をします (前述の .Sq enable コマンドを参照してください)。 デフォルト値は 16 です。 .Ar nslots は .Ar 4 以上 .Ar 16 以下の値です。 .El .Pp .It shell|! Op Ar command .Ar command が指定されない場合、 .Dv SHELL 環境変数で指定されるシェルが起動されます。 そうでなければ指定された .Ar command が実行されます。 語の置換は、前述の .Dq !bg コマンドと同様の方法で行われます。 .Pp 文字 ! を使用する場合、コマンドとの間に空白が必要です。 このコマンドはフォアグラウンドで実行されることに注意してください - .Nm はプロセスが終了するまでは実行を続けません。 バックグラウンドでコマンド処理を行いたい場合には、 .Dv bg コマンドを使用してください。 .It show Ar var このコマンドを使用して、次の内容を確認できます: .Bl -tag -width 20 .It show bundle 現在のバンドル設定を表示します。 .It show ccp 現在の CCP 圧縮統計を表示します。 .It show compress 現在の VJ 圧縮統計を表示します。 .It show escape 現在のエスケープ文字を表示します。 .It show filter Op Ar name 指定したフィルタの現在のルールをリストします。 .Ar name を指定しないと、全フィルタが表示されます。 .It show hdlc 現在の HDLC 統計を表示します。 .It show help|? 利用可能な show コマンドのまとめを表示します。 .It show ipcp 現在の IPCP 統計を表示します。 .It show lcp 現在の LCP 統計を表示します。 .It show [data]link 高レベルリンク情報を表示します。 .It show links 利用可能な論理リンクのリストを表示します。 .It show log 現在のログ値を表示します。 .It show mem 現在のメモリ統計を表示します。 .It show modem 現在の下位レベルリンク情報を表示します。 .It show proto 現在のプロトコルの総計を表示します。 .It show route 現在の経路表を表示します。 .It show stopped 現在の stopped タイムアウト値を表示します。 .It show timer アクティブアラームタイマを表示します。 .It show version .Nm の現在のバージョン番号を表示します。 .El .Pp .It term 端末モードに移行します。 キーボードからタイプした文字はモデムに送られます。 モデムから読んだ文字はスクリーンに表示されます。 モデムの相手側に .Nm の相手が認識された時には、 .Nm は自動的にパケットモードを有効にし、コマンドモードに戻ります。 .El .Pp .Sh 更に詳細について .Bl -bullet .It 設定ファイルの例を読んでください。良い情報源です。 .It 何が利用できるかについては、 .Dq help , .Dq show ? , .Dq alias ? , .Dq set ? , .Dq set ? コマンドを使って、オンライン情報を取得してください。 .It 次の URL に有用な情報があります: .Bl -bullet -compact .It http://www.FreeBSD.org/FAQ/userppp.html .It http://www.FreeBSD.org/handbook/userppp.html .El .Pp .El .Pp .Sh 関連ファイル .Nm は、4 つのファイル .Pa ppp.conf , .Pa ppp.linkup , .Pa ppp.linkdown , .Pa ppp.secret を参照します。 これらのファイルは .Pa /etc/ppp に置かれます。 .Bl -tag -width XX .It Pa /etc/ppp/ppp.conf システムのデフォルト設定ファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.secret 各システム用の認証設定ファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.linkup .Nm がネットワークレベルの接続を確立した時に実行されるファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.linkdown .Nm がネットワークレベルの接続を閉じる時にチェックするファイル。 .It Pa /var/log/ppp.log ログとデバッグ情報のファイル。このファイル名は .Pa /etc/syslogd.conf にて指定されます。詳細は .Xr syslog.conf 5 を参照してください。 .It Pa /var/spool/lock/LCK..* tty ポートをロックするためのファイル。詳細は .Xr uucplock 3 を参照してください。 .It Pa /var/run/tunN.pid tunN デバイスに接続されている .Nm プログラムのプロセス ID (pid) 。 ここで .Sq N はデバイスの番号です。 .It Pa /var/run/ttyXX.if このポートで使われている tun インタフェース。 このファイルも .Fl background , .Fl auto , .Fl ddial のいずれかのモードの時のみ作成されます。 .It Pa /etc/services サービス名でポート番号が指定されている場合に、ポート番号を取得します。 .It Pa /var/run/ppp-authname-class-value マルチリンクモードでは、 相手の認証名称 .Pq Sq authname と相手の終点選択クラス .Pq Sq class と相手の終点選択値 .Pq Sq value を使用して、ローカルドメインソケットが生成されます。 終点選択値はバイナリ値であってもかまわないため、 実際のファイル名を判定するために 16 進数に変換されます。 .Pp このソケットは、別の .Nm のインスタンスとリンクを受け渡しを行うために使用します。 .El .Pp .Sh 関連項目 .Xr at 1 , .Xr ftp 1 , .Xr gzip 1 , .Xr hostname 1 , .Xr login 1 , .Xr tcpdump 1 , .Xr telnet 1 , .Xr syslog 3 , .Xr uucplock 3 , .Xr crontab 5 , .Xr group 5 , .Xr passwd 5 , .Xr resolv.conf 5 , .Xr syslog.conf 5 , .Xr adduser 8 , .Xr chat 8 , .Xr getty 8 , .Xr inetd 8 , .Xr init 8 , .Xr named 8 , .Xr ping 8 , .Xr pppctl 8 , .Xr pppd 8 , .Xr route 8 , .Xr syslogd 8 , .Xr traceroute 8 , .Xr vipw 8 .Sh 歴史 元のプログラムは Toshiharu OHNO (tony-o@iij.ad.jp) が作成し、 FreeBSD-2.0.5 に Atsushi Murai (amurai@spec.co.jp) が提出しました。 .Pp 1997 年中に本質的に Brian Somers (brian@Awfulhak.org) が修正をし、 11 月に OpenBSD に移植されました (2.2-RELEASE の直後です)。 .Pp 1998 年初頭にマルチリンク ppp サポートが追加されたときに、 ほとんどのコードを Brian Somers が書き直しました。 diff --git a/ja_JP.eucJP/man/Makefile b/ja_JP.eucJP/man/Makefile index 953c988336..db980ec78f 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/Makefile +++ b/ja_JP.eucJP/man/Makefile @@ -1,8 +1,8 @@ BINDIR= /usr/share -SUBDIR= man1 man5 man8 +SUBDIR= man1 man5 man6 man7 man8 makedb: LANG=ja_JP.EUC jmakewhatis ${DESTDIR}${BINDIR}/man/ja/ .include diff --git a/ja_JP.eucJP/man/man5/magic.5 b/ja_JP.eucJP/man/man5/magic.5 index 8e33a177ed..cda55bfd53 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/man5/magic.5 +++ b/ja_JP.eucJP/man/man5/magic.5 @@ -1,230 +1,230 @@ .\" .\" @(#)%Id: magic.5,v 1.9 1998/02/04 07:29:20 charnier Exp % .\" .\" install as magic.4 on USG, magic.5 on V7 or Berkeley systems. .\" .\" jpman %Id: magic.5,v 1.3 1998/07/21 05:29:49 jsakai Stab % .Dd September 3, 1994 .Dt MAGIC 5 .Os "Public Domain" .Sh 名称 .Nm magic .Nd file コマンドのマジック番号ファイル .Sh 解説 このマニュアルページでは .Xr file 1 コマンド バージョン 3.22 で使用されるマジックファイルのフォーマットに ついて説明します。 .Nm file コマンドは、他のテストと共に、ファイルがある .Em "マジック番号" で始まっているかどうかをテストして、ファイルのタイプを識別します。 ファイル .Pa /usr/share/misc/magic では、どのマジック番号をテストするか、 あるマジック番号が見つかったときにどのようなメッセージを出力するか、 また、そのファイルから抽出するべき追加情報について指定しています。 .Pp このファイルの各行ではテストすべき項目について指定しています。 テストは、ファイル中のある特定のオフセットで始まるデータを 1 バイト、2 バイトもしくは 4 バイトの数値あるいは文字列と 比較して行います。 もしテストが成功するとメッセージが出力されます。 各行は以下のフィールドから構成されます。 .Bl -tag -width indent .It offset テストするファイルのデータのオフセットをバイト数で指定する数字です。 .It type テストするデータの型です。指定できる値は .Bl -tag -width indent .It byte 1 バイトの値。 .It short (ほとんどのシステムにおいて) 2 バイトの値。 そのマシンの固有のバイト順で指定します。 .It long (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 そのマシンの固有のバイト順で指定します。 .It string バイトの文字列。 .It date UNIX 日時として解釈される 4 バイトの値。 .It beshort (ほとんどのシステムにおいて) 2 バイトの値。 ビッグエンディアンのバイト順です。 -.IP belong +.It belong (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 ビッグエンディアンのバイト順です。 -.IP bedate +.It bedate UNIX 日時として解釈される (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 ビッグエンディアンのバイト順です。 -.IP leshort +.It leshort (ほとんどのシステムにおいて) 2 バイトの値。 リトルエンディアンのバイト順です。 -.IP lelong +.It lelong (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 リトルエンディアンのバイト順です。 -.IP ledate +.It ledate UNIX 日時として解釈される (ほとんどのシステムにおいて) 4 バイトの値。 リトルエンディアンのバイト順です。 .El .El .Pp 数字の型にはオプションとして .Em & と数値を続けることができ、 これにより比較を行う前に AND をとる数値を指定します。 型の前に .Em u を付加すると比較は符号なしで行なわれます。 .Bl -tag -width indent .It test ファイル中の値と比較される値。 型が数字の場合、この値は C 言語の形式で指定されます。 これが文字列の場合、 通常のエスケープ記法 (たとえば改行では\en) が可能な C 言語文字列として 指定されます。 .It "" 数値の前には実行される操作を示す文字を付加することができます。 その文字には ファイルの値が指定された値と等価であることを指定する .Em = 、ファイルの値が指定された値より小さいことを指定する .Em < 、ファイルの値が指定された値より大きいことを指定する .Em > 、指定された値の中でセットされているすべてのビットが ファイルでの値ですべてセットされていることを指定する .Em & 、指定された値の中でセットされているどれかのビットが ファイルでの値でオフであることを指定する .Em ^ 、何らかの値がマッチすることを指定する .Em x があります。 これらの文字がない場合は .Em = が指定されているものとみなされます。 .It "" 数値は C 言語の形式で指定されます。例えば .Em 13 は 10 進数、 .Em 013 は 8 進数、 .Em 0x13 は 16 進数となります。 .It "" 文字列値については、 ファイル中のバイト文字列は指定されたバイト文字列に マッチしなければなりません。 オペレータ .Em = と .Em < と .Em > ( .Em & を除く) が文字列に適用できます。 マッチングに使用される長さは マジックファイルでの文字列の引数の長さとなります。 これは .Em >\e0 とすることにより、 その行はどの文字列にもマッチすることが可能であり、 おそらくその文字列が出力されることを意味します (すべての文字列はヌル文字列より長いため)。 .It message 比較が成立したときに出力されるメッセージです。 文字列に .Xr printf 3 指定形式が含まれている場合は、ファイルから得た値 (指定されたマスクを 適用したもの) が、そのメッセージをフォーマット文字列として用いて出力さ れます。 .El .Pp いくつかのファイルフォーマットは、ファイルタイプと共に出力される追加情報 を含んでいます。文字 .Em > で始まる行は追加テストと出力されるメッセージを指定します。 その行での .Em > の数はテストのレベルを指定します。行頭に .Em > がない行はレベル 0 とみなされます。 レベル .Em n+1 の各行はマジックファイル中でその行より前にあるもっとも近いレベル .Em n の行の制御下にあります。レベル .Em n での行のテストが成功した場合、それに続く行で指定されたすべてのレベル .Em n+1 のテストが実施され、 それらのテストが成功するとメッセージが出力されます。 次のレベル .Em n の行でこれが終了します。 最後の .Em > に続く最初の文字が .Em ( であれば、その括弧の後の文字列は間接オフセットとして解釈されます。 これは括弧の後の数字がそのファイル中のオフセットとして使用されることを 意味します。そのオフセットでの値が読み込まれ、再度ファイルのオフセット として使用されます。間接オフセットは .Em (x[.[bsl]][+-][y]) の形式をとります。値 .Em x はファイル中でのオフセットとして使われます。 型指定子 .Em [bsl] によりそれぞれバイト、short もしくは long として読み込まれます。 その数字に値 .Em y が加算され、その結果はファイルの中でのオフセットとして使用されます。型 指定子がない場合は long がデフォルトの型となります。 .Pp オフセットは、その前にあるフィールドの長さに依存するため、 正確な値が分からない場合があります。 そのような場合は最後の上位レベルのフィールドの最後からの 相対的なオフセットを指定することができます。 (もちろんこれは下位レベルのテスト、すなわち .Em > で始まるテストでのみ可能です。) この場合の相対オフセットは .Em & をオフセットのプレフィックスとして使用して指定します。 .Sh バグ フォーマット .Em long , .Em belong , .Em lelong , .Em short , .Em beshort , .Em leshort , .Em date , .Em bedate , .Em ledate はシステムに依存します。 テストされるファイルは通常それらの長さが不変であるシステムのものであり、 これらはおそらくバイト数 (2B とか 4B とか) として指定すべきででょう。 .Pp 間接オフセットで使用されるエンディアンを指定したデータは (現在は) サポートされていません。 .Sh 関連項目 .Xr file 1 .\" .\" From: guy@sun.uucp (Guy Harris) .\" Newsgroups: net.bugs.usg .\" Subject: /etc/magic's format isn't well documented .\" Message-ID: <2752@sun.uucp> .\" Date: 3 Sep 85 08:19:07 GMT .\" Organization: Sun Microsystems, Inc. .\" Lines: 136 .\" .\" Here's a manual page for the format accepted by the "file" made by adding .\" the changes I posted to the S5R2 version. .\" .\" Modified for Ian Darwin's version of the file command. diff --git a/ja_JP.eucJP/man/man8/mrouted.8 b/ja_JP.eucJP/man/man8/mrouted.8 index 35bbecac8d..d13f58ba37 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/man8/mrouted.8 +++ b/ja_JP.eucJP/man/man8/mrouted.8 @@ -1,449 +1,449 @@ .\"%Id: mrouted.8,v 1.11 1998/08/31 16:41:08 wosch Exp % .\" jpman %Id: mrouted.8,v 1.3 1997/07/26 22:00:11 horikawa Stab % .Dd May 8, 1995 .Dt MROUTED 8 .Sh 名称 .Nm mrouted .Nd IP マルチキャストルーティングデーモン .Sh 書式 .Nm mrouted .Op Fl c Ar config_file .Op Fl d Op Ar debug_level .Op Fl p .Sh 解説 .Nm は、RFC1075 にて規定されている Distance-Vector Multicast Routing Protocol (DVMRP) の実装です。本コマンドは distance-vector routing protocol (RIP に似たプロトコルであり、RFC1058 に記述されています) を使うことで、ネットワークトポロジに関する情報を管理し、 そのプロトコルの上で、Reverse Path Multicasting と呼ばれる マルチキャストデータグラムフォワーディングアルゴリズムを実装しています。 .Pp .Nm は、マルチキャストデータグラムを、データグラムが生成されたサブネットを幹と して樹状に構成されるパス上に、パスの最短距離を通過するようにして送出します。 マルチキャストツリーは目的のグループを含むサブネットを越えないブロード キャストツリーと考えることができます。 したがって、データグラムはマルチキャストの受け手がいない枝には送出され ません。 さらに、マルチキャストデータグラムパケットの生存時間によっては、到達で きる範囲が限定される場合もあります。 .Pp IP マルチキャストをサポートしない (ユニキャスト) ルータを介したサブネット間で、 マルチキャストを実現する場合、 .Nm の実装にはトンネリングのサポートも含まれます。トンネリングとは、 インターネットのあらゆるところにて稼働している .Nm の組の間で仮想的なポイントツーポイントリンクを確立する技術です。 IP マルチキャストパケットは、トンネルを通過するところでカプセル化されます。 カプセル化されたパケットは、 ルータ及びサブネットを進む通常のユニキャストデータグラムに見えます。 トンネルの入口でカプセル化が行われ、トンネルの出口でカプセルが取り外されます。 デフォルトでは、パケットは、IP-in-IP プロトコル (IP プロトコル番号 4) を用いることでカプセル化を 行ないます。 古いバージョンの .Nm のトンネリングは、 IP ソースルーティングを用いたものですが、 本手法はルータによっては大きな負荷をかけることになります。 本バージョンでは、IP ソースルーティングを用いたトンネリングは サポートしません。 .Pp トンネリング機構の実装により、 .Nm は、 実際のインターネットとは独立の、 マルチキャストパケットのみを扱う広範囲の自立システムに跨る 仮想インターネットを構築できます。 これを可能にすることにより、 実験的ではあるが、インターネットマルチキャストをサポートし、 (ユニキャスト)ルータによるマルチキャストルーティング を可能にします。 .Nm は deistance vector ルーティングプロトコルが持つ よく知られたスケーリングの問題の影響を被りますし、 階層的なマルチキャストルーティングを (まだ) サポートしていません。 .Pp .Nm はマルチキャストルーティングのみを扱いますので、同じ機械の上でユニキャ ストルーティングソフトが走っていてもいなくても構いません。 トンネリングを利用すれば、 .Nm はマルチキャストフォーワーディングのためにひとつより多くの 物理的なサブネットにアクセスする必要がありません。 .Pp 以下のオプションを使用可能です: .Bl -tag -width indent .It Fl c Ar config_file 別の設定コマンドファイルを指定します。 デフォルトは .Pa /etc/mrouted.conf です。 .Fl d オプションが与えられないか、もしくは debug level として 0 が指定された 場合、 .Nm は起動された端末から切り離されます。それ以外の場合は、 .Nm は、起動された端末に残り、起動された端末からの割り込みを受け付けます。 .Fl d が引数なしで指定された場合の debug level はデフォルトの 2 です。 debug level の指定の有無にかかわらず、 .Nm は常に警告メッセージやエラーメッセージを syslogd に対して送ります。 0 以外の debug level が指定された場合、以下の挙動を示します: .Bl -tag -width indent .It "level 1" すべての syslog へ出力されるメッセージは、stderr へも出力されます。 .It "level 2" debug level 1での挙動に加え、重要と思われる挙動通知を stderr に出力します。 .It "level 3" debug level 2 での挙動に加え、すべてのパケット送出/到着について stderr に出力します。 .El .It Fl p 枝苅りを抑止します。 .El 起動にともない、 .Nm はその pid を .Pa /var/run/mrouted.pid ファイルに 書き出します。 .Sh 初期設定 .Nm は、自動的にすべてのマルチキャスト可能なインタフェース、 つまり、IFF_MULTICAST フラグがセットされたインタフェース (ループバックインタフェースは除きます) に対して初期化を行い、別の .Nm に直接接続可能なインタフェースを探索します。 デフォルトの設定を上書きする、あるいは別の .Nm に対するトンネルリンクを付加するには、 .Pa /etc/mrouted.conf (もしくは .Fl c オプションによって指定されるファイル) を編集します。 コンフィギュレーションのためには以下の 4 種類のコマンドがあります。 .nf phyint [disable] [metric ] [advert_metric ] [threshold ] [rate_limit ] [boundary (|/)] [altnet /] tunnel [metric ] [advert_metric ] [threshold ] [rate_limit ] [boundary (|/)] cache_lifetime name / .fi .Pp ファイルの形式は自由です。すなわち、空白文字 (改行も含みます) は意味を 持ちません。 .Em boundary と .Em altnet オプションは必要な数だけ指定して下さい。 .Pp phyint コマンドはローカル IP アドレス によって認識される 物理インタフェース上のマルチキャストルーティングを無効にするか、 デフォルトでない metric あるいは threshold を 物理インタフェースに結びつけます。 ローカル IP アドレス はインタフェース名 (le0 等) で代用できます。 phyint が複数の IP からなるサブネットに向けられる場合、 altnet キーワードを使用してそれぞれのサブネットについて記述して下さい。 phyint コマンドは tunnel コマンドより前に書く必要が有ります。 .Pp tunnel コマンドはローカル IP アドレス と リモート IP アドレス とを結ぶトンネルリンクを作り、 デフォルトでない metric あるいは threshold をそのトンネルに結びつけます。 ローカル IP アドレス はインタフェース名(le0 等)で 置き換えても構いません。 リモート IP アドレス は、 ホスト名に結びつけられた IP アドレスが 1 つである場合に限り、 ホスト名で置き換えても構いません。 双方のルータの .Pa mrouted.conf ファイルにおいて、 そのトンネルが使用される前に記述されている必要があります。 .Pp cache_lifetime はキャッシュされたマルチキャスト経路がタイムアウトまで に kernel 内にどれだけ保持されるかを定めます。この変数は 300 (5 分) か ら 86400 (1 日) の間がいいでしょう。デフォルトは 300 です。 .Pp 設定をキーワードを用いて簡単に行うために、境界に名前をつけることもでき ます。phyint あるいは tunnel コマンドの boundary オプションは 名前もしくは boundary のいずれかを受け付けます。 .Pp metric は与えられたインタフェースかトンネルへデータグラムを送るため の \&"コスト" です; 経路の選択に影響を与えます。 デフォルト値は 1 です。metric は可能なかぎり小さくすべきです。 なぜなら、 .Nm は metric の合計が 31 を越える経路を通ることができないからです。 .Pp advert_metric は、与えられたインタフェースもしくは tunnel に関連する \&"コスト" です; これは経路選択に影響します。 advert_metric のデフォルト値は 0 です。 リンクの実際の metric は一端の metric ともう一端の advert_metric との和です。 .Pp threshold は最小の IP の生存時間であり、 この要件を満たすマルチキャストデータグラムは 指定されるインタフェースもしくはトンネルを転送されます。 このパラメータによりマルチキャストデータグラムの到達範囲が定められます。 (転送されたパケットの TTL は threshold と比較するだけで、 threshold だけ TTL を減らしたりはしません。 すべてのマルチキャストルータは TTL を 1 づつ減らします。) デフォルト値は 1 です。 .Pp 特定のサブネットやトンネルへ接続する .Nm は、一般的にはすべて同じ metric と threshold を持ちます。 .Pp rate_limit オプションによって、ネットワークの管理者はマルチキャスト トラフィックのために何キロビット毎秒のバンド幅をわりあてればよいかを指定 できます。デフォルト値は、トンネルは 500Kbps、 物理インタフェースは 0 (無制限) です。 .Pp boundary オプションは、ある範囲のアドレスに対して、管理可能な境界を設 定します。この範囲のアドレスに属するパケットは範囲内のインタフェース には転送されません。boundary オプションは名前もしくは境界にて指定します。 .Pp .Nm は 2 つ以上の有効な vif (仮想インタフェース) が無いときには実行を開始しません。 vif はマルチキャスト可能な物理インタフェースもしくはトンネルです。 全ての仮想インタフェースがトンネルの場合は警告が記録されます; そのような .Nm の設定は、より多くの直接トンネルを指定した方が良いかもしれません (中間管理者を削除するという意味です)。 .Sh 設定例 以下は大きな学校にある架空のマルチキャストルータでの例です。 .sp .nf # # mrouted.conf example # # Name our boundaries to make it easier name LOCAL 239.255.0.0/16 name EE 239.254.0.0/16 # # le1 is our gateway to compsci, don't forward our # local groups to them phyint le1 boundary EE # # le2 is our interface on the classroom net, it has four # different length subnets on it. # note that you can use either an ip address or an # interface name phyint 172.16.12.38 boundary EE altnet 172.16.15.0/26 altnet 172.16.15.128/26 altnet 172.16.48.0/24 # # atm0 is our ATM interface, which doesn't properly # support multicasting. phyint atm0 disable # # This is an internal tunnel to another EE subnet # Remove the default tunnel rate limit, since this # tunnel is over ethernets tunnel 192.168.5.4 192.168.55.101 metric 1 threshold 1 rate_limit 0 # # This is our tunnel to the outside world. # Careful with those boundaries, Eugene. tunnel 192.168.5.4 10.11.12.13 metric 1 threshold 32 boundary LOCAL boundary EE .fi .Sh シグナル .Nm は以下のシグナルに反応します。 .Bl -tag -width indent .It HUP .Nm を再スタートします。 設定ファイルは再度読み込まれます。 .It INT 後かたづけをしてから実行終了します (たとえば、隣接するルータすべてにさよならのメッセージを送ります)。 .It TERM INT と同じです。 .It USR1 内部ルーティングテーブルを .Pa /var/tmp/mrouted.dump にダンプします。 .It USR2 内部キャッシュテーブルを .Pa /var/tmp/mrouted.cache にダンプします。 .It QUIT 内部ルーティングテーブルを stderr にダンプします。 ただし、 .Nm が 0 以外の debug level の時のみです。 .El .Pp シグナルを送る際の便宜のために、 .Nm は開始時に自身の pid を .Pa /var/run/mrouted.pid に書き出します。 .SH 使用例 ルーティングテーブルは以下のようになります: .nf Virtual Interface Table Vif Local-Address Metric Thresh Flags 0 36.2.0.8 subnet: 36.2 1 1 querier groups: 224.0.2.1 224.0.0.4 pkts in: 3456 pkts out: 2322323 1 36.11.0.1 subnet: 36.11 1 1 querier groups: 224.0.2.1 224.0.1.0 224.0.0.4 pkts in: 345 pkts out: 3456 2 36.2.0.8 tunnel: 36.8.0.77 3 1 peers: 36.8.0.77 (2.2) boundaries: 239.0.1 : 239.1.2 pkts in: 34545433 pkts out: 234342 3 36.2.0.8 tunnel: 36.6.8.23 3 16 Multicast Routing Table (1136 entries) Origin-Subnet From-Gateway Metric Tmr In-Vif Out-Vifs 36.2 1 45 0 1* 2 3* 36.8 36.8.0.77 4 15 2 0* 1* 3* 36.11 1 20 1 0* 2 3* . . . .fi この例では、4 つの vif が 2 つのサブネットと 2 つのトンネルにつながっています。 vif 3 がつながったトンネルは使われていません (peer アドレスが有りません)。 vif 0 と vif 1 がつながったサブネットには いくつかのグループが有ります; トンネルにはグループは有りません。 この例の .Nm は、 \&"querier" フラグが示すように、 定期的なグループメンバシップクエリを vif 0 および vif 1 サブネットにて 送出する責任が有ります。 境界のリストは当該インタフェースのアドレス範囲が示されます。 入力及び出力パケット数が各インタフェースに対して示されます。 .Pp マルチキャストデータグラムの起源となりうるサブネットに関連して 表示される情報は、 直前のホップのルータのアドレス(サブネットが直接接続されていない場合)、 起源までのパスのメトリック、 当該サブネットから最後に更新を受信してから経過した時間、 当該起源からのマルチキャストが入力される vif、 出力 vif 一覧です。 \&"*" は、 起源を根とするブロードキャストツリーの葉に、 当該出力 vif が接続していることを意味します。 宛先グループのメンバが当該葉にいる時のみ、 当該起源からのマルチキャストデータグラムを当該出力 vif からフォワードします。 .Pp .Nm はカーネル内のフォワーディングキャッシュテーブルも管理します。 エントリの生成及び削除は .Nm が行います。 .Pp キャッシュテーブルは以下のようなものです: .nf Multicast Routing Cache Table (147 entries) Origin Mcast-group CTmr Age Ptmr IVif Forwvifs 13.2.116/22 224.2.127.255 3m 2m - 0 1 >13.2.116.19 >13.2.116.196 138.96.48/21 224.2.127.255 5m 2m - 0 1 >138.96.48.108 128.9.160/20 224.2.127.255 3m 2m - 0 1 >128.9.160.45 198.106.194/24 224.2.135.190 9m 28s 9m 0P >198.106.194.22 .fi 各エントリは起源のサブネット番号、マスク、宛先マルチキャストグループにて 区別します。 .Pp \&'CTmr' フィールドは当該エントリの生存時間を表します。 このタイマ値が 0 まで減算されたエントリはキャッシュテーブルから削除されます。 .Pp \&'Age' フィールドはこのエントリが最初に生成されてから経過した時間を表します。 キャッシュエントリはリフレッシュされるため、 当該エントリに関するトラフィックが続く限りルーティングエントリは生き残ります。 .Pp \&'Ptmr' フィールドは、上流に枝刈が送出されていなければ単に -、 そうでないばあいには上流の枝刈がタイムアウトするまでの時間を表します。 .Pp \&'Ivif' フィールドは起源からのマルチキャストパケットが入力される vif を表します。 各ルータは特定のソース及びグループに関し、 隣接するルータより受信する枝刈数の記録も管理します。 あるサブネットに関してマルチキャストツリーの下流の枝において マルチキャストグループのメンバが存在しない場合、 上流のルータに対して枝刈メッセージが送信されます。 この場合、vif 番号の後に \&"P" が付けられます。 .Pp \&'Forwvifs' フィールドは ソースグループに属するデータグラムがフォワードされる インタフェースを表します。 \&"p" は、このインタフェースを介してフォワードされるデータグラムが存在しない ことを表します。 リストされないインタフェースは葉のサブネットであり、 特定のグループのメンバを当該サブネットに持ちません。 インタフェースにおける "b" の表示は、 当該インタフェースが境界インタフェースであることを表します。 すなわち、範囲内のアドレスのトラフィックは 当該インタフェースを介してフォワードされないことを意味します。 .Pp \&">" を最初の文字として表示する追加の行は、 当該サブネット上のソースと表します。 一つのサブネット上に複数のソースが存在可能であることに注意して下さい。 .Sh 関連ファイル .Bl -tag -width /var/tmp/mrouted.cache -compact .It Pa /etc/mrouted.conf .It Pa /var/run/mrouted.pid .It Pa /var/tmp/mrouted.dump .It Pa /var/tmp/mrouted.cache .El .Sh 関連項目 .Xr map-mbone 8 , .Xr mrinfo 8 , .Xr mtrace 8 .Pp DVMRP は、 他のマルチキャスト経路制御アルゴリズムと共に、 ACM SIGCOMM '88 コンファレンスのプロシーディングに、 S. Deering が \&"Multicast Routing in Internetworks and Extended LANs" として記述しています。 -.SH 作者 +.Sh 作者 .An Steve Deering , .An Ajit Thyagarajan , .An Bill Fenner diff --git a/ja_JP.eucJP/man/man8/ppp.8 b/ja_JP.eucJP/man/man8/ppp.8 index cdca52191c..3185c65df6 100644 --- a/ja_JP.eucJP/man/man8/ppp.8 +++ b/ja_JP.eucJP/man/man8/ppp.8 @@ -1,3742 +1,3742 @@ .\" %Id: ppp.8,v 1.126 1998/09/18 23:28:10 brian Exp % .\" jpman %Id: ppp.8,v 1.4 1997/06/08 18:41:58 saeki Stab % .\" WORD: expect string 受信待ち文字列 (chat.8) .\" WORD: negotiation 交渉 .Dd 20 September 1995 .Os FreeBSD .Dt PPP 8 .Sh 名称 .Nm ppp .Nd PPP (Point to Point Protocol) (別名 user-ppp) .Sh 書式 .Nm .Oo .Fl auto | .Fl background | .Fl ddial | .Fl direct | .Fl dedicated .Oc .Op Fl alias .Op Ar system .Sh 解説 本プログラムは、ユーザプロセスとして動作する .Em PPP パッケージです。 .Em PPP は通常、( .Xr pppd 8 でそうなっているように) カーネルの一部として実装されますが、 そのため、デバッグや動作の変更が少々難しい場合があります。 それに対し、この実装ではトンネルデバイスドライバ (tun) を利用して、 ユーザプロセスで .Em PPP を実現しています。 .Sh 主な特徴 .Bl -diag .It 対話的なユーザインタフェースを提供 コマンドモードで利用する場合、ユーザがコマンドを 入力することで、簡単にリモートコンピュータとの接続の確立、 接続状態の確認、 接続の切断を行うことができます。 オプションとして、セキュリティ確保のために すべての機能をパスワードで保護することができます。 .It 手動と自動でのダイヤルをサポート 対話モードでは、直接モデムと通信できるように .Dq term コマンドが用意されています。 モデムがリモートホストと接続されて、 .Em PPP での通信が始まったら、 .Nm はそれを検出して自動的にパケットモードに移行します。 ひとたびリモートホストとの接続に必要なコマンドシーケンスがわかったら、 後々の接続を簡単にするため、必要なダイヤル手順やログイン手順を定義した チャットスクリプトを書くことができます。 .It オンデマンドでのダイヤルアップをサポート .Fl auto モード (自動モード) では .Nm はデーモンとして動作し、 .Em PPP リンクを通して送られるパケットを待ちうけます。 パケットを検出すると、デーモンが自動的にダイヤルを行って接続を確立します。 .Fl ddial モード (直接ダイヤルモード) でも ほぼ同様に、自動ダイヤルと接続の確立を行います。 しかしながらこのモードは、送るべきパケットが存在しない場合にも、 リンクが切れていることを検出するといつでもリモートへダイヤルするという点が auto モードと異なります。 このモードは、電話料金よりも常時接続されていることが重視される場合に有用です。 3 番目の .Fl dedicated モード (専用線モード) も利用可能です。 このモードは 2 つのマシン間の専用線を対象にしています。 専用線モードでは .Nm は自発的に動作を終了することはありません - 終了するには .Dq quit all コマンドを診断ソケットを介して送る必要があります。 .Dv SIGHUP は LCP の再交渉を強要し、 .Dv SIGTERM は終了を強要します。 .It クライアントコールバックをサポート .Nm は標準 LCP コールバックプロトコルならびに Microsoft コールバック制御プロトコル (ftp://ftp.microsoft.com/developr/rfc/cbcp.txt) を使用できます。 .It パケットエイリアシングをサポート パケットエイリアシング (別名: IP マスカレード) により、 未登録でプライベートなネットワーク上のコンピュータからも インターネットにアクセスすることが可能です。 .Em PPP ホストはマスカレードゲートウェイとして動作します。 送信パケットの IP アドレスと TCP や UDP のポート番号は どちらもエイリアスされ、返信パケットではエイリアスが元に戻されます。 .It バックグラウンド PPP 接続をサポート バックグラウンドモードでは、接続を確立するのに成功した場合に .Nm はデーモンになります。 それ以外の場合はエラーで終了します。 これにより、 接続が成功裏に確立した場合のみコマンドを実行するようなスクリプト をセットアップすることが出来ます。 .It サーバとしての PPP 接続をサポート ダイレクトモードでは、 .Nm は標準入力/標準出力からの .Em PPP 接続を受け入れるサーバとして動作させることができます。 .It PAP と CHAP による認証をサポート PAP もしくは CHAP を用いることにより、Unix スタイルの .Xr login 1 手続きをスキップし、 .Em PPP プロトコルを代りに認証に使用することが可能です。 相手が Microsoft CHAP 認証を要求し、かつ .Nm が DES をサポートするようにコンパイルされている場合、適当な MD4/DES 応答がなされます。 .It 代理 arp (Proxy Arp) をサポート .Em PPP がサーバとして動作している時、その接続について代理 arp を行うよう 設定できます。 .It パケットのフィルタリングをサポート ユーザは 4 種類のフィルタを定義できます。 .Em in は受信パケットに対するフィルタです。 .Em out は送信パケットに対するフィルタです。 .Em dial はダイヤルを行うきっかけとなるパケットを定義するフィルタで、 .Em alive は接続を保持するためのパケットを定義するフィルタです。 .It トンネルドライバは bpf (Berkeley Packet Filter) をサポート .Em PPP リンクを流れるパケットを調べるために、 .Xr tcpdump 1 を使うことができます。 .It PPP オーバ TCP をサポート デバイス名が .Em host Ns No : Ns Em port 形式で指定された場合、 .Nm は通常のシリアルデバイスを使うのではなく、データ転送のための TCP 接続を開きます。 .It IETF ドラフトの Predictor-1 と DEFLATE 圧縮をサポート .Nm は VJ 圧縮の他に Predictor-1 と DEFLATE 圧縮もサポートしています。 モデムは通常 (例えば v42.bis のような) 組み込みの圧縮機能を持っており、 その結果システムは .\"(訳注)「転送データレートよりも」をここにいれたいと考えています。 .\" 2.2.1R 対象(1997/04/02) Takeshi MUTOH より高いデータレートで通信できます。 これは一般には良いことですが、より高速のデータによってシリアル回線からの 割り込みが増加します。 システムはこの割り込みをモデムと通信して処理しなくてはならないため、 システムの負荷と遅延時間が増加することになります。 VJ 圧縮とは異なり、Predictor-1 と DEFLATE 圧縮はリンクを通る .Em すべての ネットワークトラフィックをあらかじめ圧縮しておくことで、オーバヘッドを 最小にします。 .It Microsoft の IPCP 拡張をサポート Microsoft の .Em PPP スタックを使用するクライアント (つまり Win95, WinNT) との間で ネームサーバのアドレスと NetBIOS ネームサーバのアドレスを 交渉することができます。 .It マルチリンク PPP をサポート 接続先への複数の物理的な回線をオープンし、すべてのリンクの 帯域幅を合わせてより高いスループットを得ることができます。 .El .Sh パーミッション .Nm はユーザ .Dv root 、グループ .Dv network 、パーミッション .Dv 4554 でインストールされます。 デフォルトでは .Nm は、起動したユーザ ID が 0 でない場合には実行しません。 これは .Dq allow users コマンドを .Pa /etc/ppp/ppp.conf に記載することにより変更することが可能です。 通常ユーザとして実行する場合には、 .Nm はユーザ ID 0 に変わり、システムの経路表の変更と、 システムロックファイルの作成と、 ppp の設定ファイルの読み込みを行います。 すべての外部コマンド ("shell" や "!bg" で実行されます) は、 .Nm を起動したユーザ ID で実行されます。 ユーザ ID 0 にて正確になにが行われているのかに興味がある場合には、 ログ機能の .Sq ID0 を参照してください。 .Sh 始める前に 最初に .Nm を実行する時には、いくつかの初期設定を整える必要があります。 .Bl -bullet .It カーネルにトンネルデバイスが含まれていなければ なりません (GENERIC カーネルではデフォルトで 1 つ含まれます)。 もし含まれていない場合や複数の tun インタフェースが必要な場合、 次の行をカーネル設定ファイルに追加して、 カーネルを再構築する必要があります: .Pp .Dl pseudo-device tun N .Pp ここで .Ar N は .Em PPP 接続を行いたい最大の数です。 .It .Pa /dev ディレクトリにトンネルデバイスのエントリ .Pa /dev/tunN があるかどうかを調べてください。 ここで .Sq N は、0 から始まる tun デバイスの番号です。 もし無いようならば、"sh ./MAKEDEV tunN" を実行すれば作ることができます。 これにより 0 から .Ar N までの tun デバイスが作成されます。 .It あなたのシステムの .Pa /etc/group ファイルに .Dq network グループがあり、そのグループが .Nm を使うと想定されるすべてのユーザ名を含んでいることを確かめてください。 詳細は .Xr group 5 マニュアルページを参照してください。また、これらのユーザは .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルで .Dq allow users コマンドを使用してアクセス権が与えられなければなりません。 .It ログファイルを作成します。 .Nm は .Xr syslog 3 を使用して情報をログします。通常のログファイル名は .Pa /var/log/ppp.log です。 このファイルに出力を行うためには、次の行を .Pa /etc/syslog.conf ファイルに記述してください: .Bd -literal -offset indent !ppp *.*/var/log/ppp.log .Ed .Pp TAB と書かれている場所には、実際にはタブを入力します。 空白文字を使うと、 .Xr syslogd 8 はこの行を無視し、そのことも報告しません。 .Pp .Nm の実行形式にリンクを作成することにより、複数の .Em PPP ログファイルを持つことが可能です: .Pp .Dl # cd /usr/sbin .Dl # ln ppp ppp0 .Pp として .Pa /etc/syslog.conf で .Bd -literal -offset indent !ppp0 *.*/var/log/ppp0.log .Ed .Pp とします。 .Pa /etc/syslog.conf を更新した後に、 .Xr syslogd 8 に .Dv HUP シグナルを送ることをお忘れなく。 .It 厳密には .Nm の操作とは関係ありませんが、リゾルバが正しく働くように設定した方が 良いでしょう。 これは .Pq Xr named 8 を用いて ローカルな DNS サーバを設定するか、もしくは .Pa /etc/resolv.conf ファイルに適切な .Sq name-server 行を加えることで行われます。 詳細は .Xr resolv.conf 5 のマニュアルを参照してください。 .Pp 他の方法として、もし接続先がサポートしている場合には .Nm が接続先にネームサーバのアドレスを尋ねて、自動的に .Pa /etc/resolv.conf を更新することができます。詳細は後述の .Dq enable dns コマンドを参照してください。 .El .Sh 手動ダイヤル 次の例では、あなたのマシン名が .Dv awfulhak であるとして説明します。 .Nm を引数無しで起動すると (前述の .Em パーミッション 参照) 次のプロンプトが表示されます: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> .Ed .Pp プロンプトの .Sq ON の部分は常に大文字であるべきです。ここが小文字の場合、 .Dq passwd コマンドを使用してパスワードを入力しなければならないことを意味します。 実行中の .Nm に接続し、 まだ正しいパスワードを入力していない場合にのみこのような状態になります。 .Pp ここで、モデムのデバイス名、スピードやパリティの設定、 CTS/RTS 信号を使うかどうか (デフォルトでは CTS/RTS が使用されます) を 指定して、開始可能です。もしハードウェアが CTS/RTS 信号を持っていない場合 (これは PPP 可能な端末サーバに直接つなぐ場合に起こり得ます)、 .Nm はそのポートを通してどんな出力も送らず、来るはずのない信号を待ち続けます。 したがって、直接接続で通信ができないような場合には、 CTS/RTS を off にしてみてください: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set line /dev/cuaa0 ppp ON awfulhak> set speed 38400 ppp ON awfulhak> set parity even ppp ON awfulhak> set ctsrts on ppp ON awfulhak> show modem * モデム関連のパラメータが、ここに示されます * ppp ON awfulhak> .Ed .Pp ここでは、直接モデムと通信するために term コマンドを使用可能です: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> term at OK atdt123456 CONNECT login: ppp Password: Protocol: ppp .Ed .Pp 相手が .Em PPP で話しはじめると、 .Nm はそれを自動的に検出してコマンドモードに戻ります。 .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> Ppp ON awfulhak> PPp ON awfulhak> PPP ON awfulhak> .Ed .\" your end で「あなた側」 このようにならない場合、接続先がこちらの開始交渉を 待っている可能性があります。強制的に .Nm に接続先への PPP 設定パケットの送出を開始させるためには .Dq ~p コマンドを使ってパケットモードに移行して下さい。 .Pp これで接続されました! プロンプトの .Sq PPP が大文字に変化して、接続されたことを知らせます。もし 3 つの P の内 いくつかだけが大文字になっている場合には、すべての文字が大文字もしくは 小文字になるまで待ってください。もし小文字に戻った場合には、それは .Nm が接続先との交渉に成功しなかったことをを意味します。 たいてい、その原因は PAP もしくは CHAP 認証の name や key が 正しくないことです。 .Dq set log local phase することが、この時点でのトラブルシューティングへの第一歩としては 良いでしょう。 詳細は、下記の .Dq set log コマンドの説明を参照してください。 .Pp リンクが確立したら、show コマンドを使用することで、 どのように事態が進行しているのかが分ります: .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> show modem * モデム関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show ccp * CCP (圧縮) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show lcp * LCP (回線制御) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show ipcp * IPCP (IP) 関連の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show link * (高レベル) リンク関係の情報がここに表示されます * PPP ON awfulhak> show bundle * (高レベル) 論理接続関係の情報がここに表示されます * .Ed .Pp この時点で、マシンは接続先に対するホスト単位の経路 (host route) を持っています。 これはリンクの相手のホストとのみ接続可能であるという意味です。 デフォルト経路のエントリ (他の経路エントリを持たずに、全パケットを .Em PPP リンクの相手に送る ように、あなたのマシンに指示します)を追加したければ、 次のコマンドを入力してください。 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> add default HISADDR .Ed .Pp .Sq HISADDR という文字列は、相手側の IP アドレスを表します。 .Sq HISADDR の位置に .Sq INTERFACE キーワードを使用可能です。 これにより tun インタフェース上に直接経路を作成します。 既存の経路のために失敗する場合には、 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> add! default HISADDR .Ed .Pp を用いることで既存の経路を上書きできます。 ここで、(ping, telnet, ftp のような) ネットワークアプリケーションを 別のウィンドウで使用可能です。 使用可能コマンドの詳細は .Em PPP コマンドリスト の節を参照してください。 .Sh 自動ダイヤル 自動ダイヤルを行うためには、ダイヤルとログインのチャットスクリプトを 用意しなければなりません。定義の例は .Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample を見てください ( .Pa /etc/ppp/ppp.conf の書式は非常に簡単です)。 各行は単一のコメント、インクルード、ラベル、コマンドのいずれかを含みます。 .Bl -bullet .It .Pq Dq # 文字で始まる行は、コメントとして扱われます。 コメント行と認識した場合、先行する空白は無視されます。 .It インクルードは語 .Sq !include から始まる行です。 1 つの引数 - インクルードするファイル - を持つ必要があります。 古いバージョンの .Nm との互換性のために、 .Dq !include ~/.ppp.conf を使用したいかもしれません。 .It ラベルは行頭から始まり、最後にコロン .Pq Dq \&: が続かなければなりません。 .It コマンド行は、最初の桁に空白かタブを含む必要があります。 .El .Pp .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルには少なくとも .Dq default セクションが存在する必要があります。 このセクションは常に実行されます。 このファイルには 1 つ以上のセクションが含まれます。 セクション名は用途に応じて付けます。例えば、 .Dq MyISP はあなたの ISP を表したり、 .Dq ppp-in は入力の .Nm 構成を表したります。 .Nm ppp を立ち上げる際に、接続先のラベル名を指定可能です。 .Dq default ラベルに関係づけられたコマンドが実行されてから、 接続先ラベルに関連づけられたコマンドが実行されます。 .Nm を引数無しで起動した場合、 .Dq default だけは実行されます。load コマンドを使用して、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf のセクションを手動でロード可能です: .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> load MyISP .Ed .Pp ひとたび接続が確立したなら、プロンプトの .Sq ppp は .Sq PPP に変わります: .Bd -literal -offset indent # ppp MyISP ... ppp ON awfulhak> dial Ppp ON awfulhak> PPp ON awfulhak> PPP ON awfulhak> .Ed .Pp Ppp プロンプトは .Nm が認証フェースに入ったことを示します。PPp プロンプトは .Nm がネットワークフェーズに入ったことを示します。PPP プロンプトは .Nm がネットワーク層プロトコルの交渉に成功し、使用可能状態にあることを示します。 .Pp もし .Pa /etc/ppp/ppp.linkup が利用可能ならば、 .Em PPP 接続が確立された時に、その内容が実行されます。 接続が確立された後のバックグラウンドでのスクリプト実行については、 提供されている .Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample の .Dq pmdemand の例を参照してください。 .Dv HISADDR , .Dv MYADDR , .Dv INTERFACE というリテラル文字列を使用することができ、それらは関連する IP アドレスと インタフェース名に置換されます。 同様に、接続が閉じられると、 .Pa /etc/ppp/ppp.linkdown ファイルの内容が実行されます。 これらのファイルのフォーマットは .Pa /etc/ppp/ppp.conf と同じです。 .Pp 以前のバージョンの .Nm では、デフォルト経路のような経路は .Pa ppp.linkup ファイルで追加し直す必要がありました。 現在では .Nm は、 .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR が変化したときに、自動的に .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR 文字列を含むすべての経路を更新する .Sq スティッキー経路 をサポートします。 .Sh バックグラウンドダイヤル .Nm を使って非対話的に接続を確立したい場合 (例えば .Xr crontab 5 エントリや .Xr at 1 ジョブから使うような場合) には、 .Fl background オプションを使います。 .Fl background が指定された場合、 .Nm はすぐに接続を確立しようとします。 複数の電話番号が指定された場合には、各電話番号が 1 回づつ試されます。 これらに失敗すると、 .Nm は即座に終了し、0 でない終了コードを返します。 接続に成功すると .Nm はデーモンになり、呼び出し側に終了コード 0 を返します。 デーモンは、リモートシステムが接続を終了した場合、 もしくは .Dv TERM シグナルを受け取った場合に、自動的に終了します。 .Sh ダイヤルオンデマンド デマンドダイヤル機能は .Fl auto または .Fl ddial オプションにて有効にされます。この場合にも .Pa /etc/ppp/ppp.conf で定義された接続先のラベルを指定しなければなりません。 これには、リモート接続先の IP アドレスを指定するための .Dq set ifaddr コマンドも書かれていなければなりません ( .Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample を参照してください)。 .Bd -literal -offset indent # ppp -auto pmdemand .Ed .Pp .Fl auto または .Fl ddial が指定された時に .Nm はデーモンとして動作しますが、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf 中で .Dq set server コマンドを使うことで、設定を確認したり変更したりすることができます。 .Po たとえば、 .Dq set server +3000 mypasswd とすると .Pc 次のように診断ポートを通じて接続することができます。 .Bd -literal -offset indent # pppctl 3000 (tun0 を仮定 - ``set server'' の記述を参照) Password: PPP ON awfulhak> show who tcp (127.0.0.1:1028) * .Ed .Pp .Dq show who コマンドは現在 .Nm 自身に接続しているユーザの一覧を表示します。診断ソケットが閉じられる、 もしくは異なるソケットに変更された場合、すべての接続は即座に終了します。 .Pp .Fl auto モードにて 送信パケットが検出された時、 .Nm は (チャットスクリプトに基づいて) ダイヤルを行い、 通信相手に接続しようとします。 .Fl ddial モードでは回線がダウンしていることが確認された場合にはいつでも ダイヤルが行われます。 接続に失敗したら、デフォルトの動作では 30 秒間待ってから、 別の送信パケットが検出された時に接続しようとします。 この動作は次の方法で変更できます。 .Bd -literal -offset indent set redial seconds|random[.nseconds|random] [dial_attempts] .Ed .Pp .Sq seconds は、再び接続しようとするまでの秒数です。 引数が .Sq random の場合には、待ち時間を 0 秒から 30 秒の間でランダムに選びます。 .Sq nseconds は電話番号リストの中の次の番号をダイヤルする前に待つ秒数です。( .Dq set phone コマンドを参照してください)。これのデフォルトは 3 秒です。 繰り返しますが、引数が .Sq random の場合には、待ち時間を 0 秒から 30 秒の間でランダムに選びます。 .Sq dial_attempts は、受け取った個々の送信パケットに対して、何回接続を試みるのかを示す 数字です。 このパラメータが省略された場合には、以前の値がそのまま使われます。 .Sq dial_attempts に 0 が指定された場合には、 .Nm は接続できるまでダイヤルを続けます。 .Bd -literal -offset indent set redial 10.3 4 .Ed .Pp は個々の送信パケットに対して 4 回接続を試み、 番号間の待ち時間が 3 秒で、すべての番号を試した後に 10 秒待つことを表します。 複数の電話番号が指定されている場合でも、トータルのダイヤル回数は 4 回のままです。 (それぞれの番号を 4 回ダイヤルするのではありません)。 リンクの両端が .Nm のデマンドダイヤルモードを利用している場合は、 ダイヤル間隔を変更しておくのが良いでしょう。 もし、リンクの両端が同じタイムアウト時間に設定されていて、 リンクが切れて両方に送信待ちのパケットがあった場合、 両方が同時に相手を呼び出しあうことになってしまいます。 場所によっては、シリアルリンクに信頼性がなく、 切れるべきでない時にキャリアが失われるかもしれません。 セッションの途中で予期せずキャリアが失われた場合、 .Nm にリダイヤルさせることができます。 .Bd -literal -offset indent set reconnect timeout ntries .Ed .Pp このコマンドは、キャリアが失われた時に .Ar timeout 秒の間隔を置いて .Ar ntries 回まで接続を再確立するよう .Nm に指示します。例えば、 .Bd -literal -offset indent set reconnect 3 5 .Ed .Pp は、予期せぬキャリア喪失の際に .Ar 3 秒待ってから再接続を試みるように .Nm に指示します。これは .Nm があきらめる前に .Ar 5 回まで行われます。 ntries のデフォルト値は 0 (再接続しない) です。 このオプションを使用する際には注意が必要です。 もしローカル側のタイムアウトがリモート側よりもわずかに長いと、 リモート側がタイムアウトにより回線を切断した場合に、 再接続機能が (指定した回数まで) 起動されてしまいます。 注: この文脈においては、多くの LQR を喪失するとキャリア喪失を引き起こし、 ひいては再接続を引き起こします。 .Fl background フラグが指定された場合、接続が行えるまで すべての電話番号が最大 1 回ダイヤルされます。 .Dq set redial コマンドにて、リダイヤル期間の後に、 再接続回数を指定します。 リダイヤル値が指定した電話番号数より少ない場合、 指定した電話番号で使用されないものが出来ます。 プログラムを終了させるには、次のように入力してください。 .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> close ppp ON awfulhak> quit all .Ed .Pp .Dq quit コマンドは .Xr pppctl 8 もしくは .Xr telnet 1 による接続を終了しますが、 プログラム自身は終了させません。 .Nm も終了させたい場合には、 .Dq quit all を実行してください。 .Sh PPP 接続の受け入れ (方法その 1) .Em PPP 接続要求を受け入れるには、次の手順にしたがってください。 .Bl -enum .It モデムと、 (必要であれば) .Pa /etc/rc.serial が正しく設定されていることを確認します。 .Bl -bullet -compact .It フロー制御にはハードウェアハンドシェイク (CTS/RTS) を使います。 .It モデムはエコーバックを行わず (ATE0) 、コマンドの結果も報告しない (ATQ1) ように設定されていなければなりません。 .El .Pp .It モデムが接続されているポートで .Xr getty 8 が起動されるように .Pa /etc/ttys を編集します。 例えば、次のように設定すれば良いでしょう: .Pp .Dl ttyd1 "/usr/libexec/getty std.38400" dialup on secure .Pp .Xr getty 8 を起動するために .Xr init 8 プロセスに .Dv HUP シグナルを送るのを 忘れないでください: .Pp .Dl # kill -HUP 1 .It .Pa /usr/local/bin/ppplogin ファイルを次のような内容で作成します: .Bd -literal -offset indent #!/bin/sh exec /usr/sbin/ppp -direct incoming .Ed .Pp ダイレクトモード .Pq Fl direct では、 .Nm は標準入力と標準出力を使って動作します。クライアント動作の .Nm と同様に、 .Xr pppctl 8 を使用することで、構成された診断ポートに接続可能です。 .Pp ここで .Pa /etc/ppp/ppp.conf 中の .Ar incoming セクションが設定されていなければなりません。 .Pp .Ar incoming セクションに適当な .Dq allow users コマンドがあることを確かめておいてください。 .It 受け入れるユーザのアカウントを用意してください。 .Bd -literal ppp:xxxx:66:66:PPP Login User:/home/ppp:/usr/local/bin/ppplogin .Ed .Pp 詳細は .Xr adduser 8 と .Xr vipw 8 のマニュアル項目を参照してください。 .Dq accept dns および .Dq set nbns コマンドを使うことで IPCP によるドメインネームサーバと NetBIOS ネームサーバの 交渉を有効にすることが可能です。 下記の記述を参照してください。 .El .Pp .Sh PPP 接続の受け入れ (方法その 2) この方法は、 .Xr login 1 ではなく .Nm ppp で接続の認証を行うという点が異なります。 .Bl -enum .It .Pa /etc/gettytab の default セクションに .Dq pp ケーパビリティを指定することで ppp を自動的に認識するように 設定してください。 .Bd -literal default:\\ :pp=/usr/local/bin/ppplogin:\\ ..... .Ed .It 上記の方法その 1 の最初の 3 手順と同じように、 シリアルデバイスを設定し、 .Xr getty 8 を有効にして、 .Pa /usr/local/bin/ppplogin を作成してください。 .It .Pa /etc/ppp/ppp.conf の .Sq incoming ラベル (もしくは .Pa ppplogin が用いるラベルならなんでも構いません) 下に .Dq enable chap か .Dq enable pap .Pq もしくはその両方 を加えてください。 .It .Pa /etc/ppp/ppp.secret に、受け入れるユーザそれぞれについて、エントリを作成してください。 .Bd -literal Pfredxxxx Pgeorgeyyyy .Ed .El .Pp これで、 .Xr getty 8 は (HDLC フレームヘッダを認識することで) ppp 接続を検出すると、すぐに .Dq /usr/local/bin/ppplogin を実行します。 .Pp 上記のように PAP もしくは CHAP を有効にすることは .Em 必須 です。そうしなければ、あらゆる人があなたのマシンにパスワード .Em なしに ppp セッションを確立することを許可し、 あらゆる種類の潜在的な攻撃に対して門戸を開いていることになります。 .Sh 内向き接続の認証 通常、接続の受信側は相手が相手自身を認証することを要求します。 これは通常 .Xr login 1 にて行われますが、代りに PAP か CHAP を使用可能です。 2 つのうちで CHAP の方がより安全ですが、 クライアントによってはサポートしていないものがあります。 どちらを使いたいか決めたら、 .Sq enable chap または .Sq enable pap を .Pa ppp.conf の適切なセクションに追加してください。 .Pp その後、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイルの設定を行う必要があります。 このファイルは、クライアントになりうるマシンごとに 1 行を含みます。 各行は 4 つまでのフィールドからなります: .Bd -literal -offset indent name key [hisaddr [label]] .Ed .Pp .Ar name と .Ar key は期待されるクライアントを指定します。 .Ar key が .Dq \&* で PAP が使用される場合、 .Nm は認証時にパスワードデータベース .Pq Xr passwd 5 を検索します。 .Pa ppp.secret の如何なる .Ar name No / Ar key の組み合わせにおいても適切でない返答をクライアントが与える場合、 認証は失敗します。 .Pp 認証に成功したならば、 .Pq 指定時には .Ar hisaddr を IP 番号交渉時に使用します。詳細は .Dq set ifaddr コマンドを参照してください。 .Pp 認証に成功し .Ar label が指定された場合、現在のシステムラベルは .Ar label にマッチするように修正されます。 このことはファイル .Pa ppp.linkup と .Pa ppp.linkdown の後続のパーズに影響があります。 .Sh PPP オーバ TCP (別名: トンネリング) シリアルリンク上以外の .Nm の使用方法として、 device にホストとポートを指定することにより、 TCP 接続を使用することが可能です: .Pp .Dl set device ui-gate:6669 .Pp シリアルデバイスをオープンする代りに、 .Nm は指定されたマシンの指定されたソケットへの TCP 接続をオープンします。 .Nm は telnet プロトコルを使用しないこと、 telnet サーバと交渉できないことに注意を払うべきです。 受信マシン (ui-gate) 上に、 この ppp 接続を受信するポートを設定する必要があります。まず .Pa /etc/services を更新して、サービスを定義します: .Pp .Dl ppp-in 6669/tcp # Incoming PPP connections over tcp .Pp そして .Pa /etc/inetd.conf を更新して、このポートへの受信接続をどのように扱うかを .Xr inetd 8 に指示します: .Pp .Dl ppp-in stream tcp nowait root /usr/sbin/ppp ppp -direct ppp-in .Pp .Pa /etc/inetd.conf を更新した後には、 .Xr inetd 8 に .Dv HUP シグナルを送るのをお忘れなく。 ここではラベル名 .Dq ppp-in を使用します。 ui-gate (受信側) の .Pa /etc/ppp/ppp.conf エントリは次の内容を含みます: .Bd -literal -offset indent ppp-in: set timeout 0 set ifaddr 10.0.4.1 10.0.4.2 add 10.0.1.0/24 10.0.4.2 .Ed .Pp セキュリティのために PAP もしくは CHAP の設定をしたいかもしれません。 PAP を有効にするには次の行を追加します: .Bd -literal -offset indent enable PAP .Ed .Pp また、次のエントリを .Pa /etc/ppp/ppp.secret に作成する必要があります: .Bd -literal -offset indent MyAuthName MyAuthPasswd .Ed .Pp .Ar MyAuthPasswd が .Pq Dq * の場合には、パスワードは .Xr passwd 5 データベースから検索されます。 .Pp awfulhak (起動側) の .Pa /etc/ppp/ppp.conf エントリは次の内容を含む必要があります: .Bd -literal -offset indent ui-gate: set escape 0xff set device ui-gate:ppp-in set dial set timeout 30 set log Phase Chat Connect hdlc LCP IPCP CCP tun set ifaddr 10.0.4.2 10.0.4.1 add 10.0.2.0/24 10.0.4.1 .Ed .Pp PAP を有効にしようとしている場合、次の設定も必要です: .Bd -literal -offset indent set authname MyAuthName set authkey MyAuthKey .Ed .Pp 我々は、 ui-gate に 10.0.4.1 のアドレスを割り当て、 awfulhak に 10.0.4.2 のアドレスを割り当てようとしています。 接続をオープンするためには、次の内容をタイプするだけで良いです。 .Pp .Dl awfulhak # ppp -background ui-gate .Pp 結果として、 awfulhak にはネットワーク 10.0.2.0/24 への新たな「経路」が、 ui-gate にはネットワーク 10.0.1.0/24 への新たな「経路」が、 TCP 接続経由でそれぞれ作成されます。 ネットワークは実質的にブリッジされます - 下位レベルの TCP 接続はパブリックなネットワーク (例えばインターネット) を またがっても良いです。 また 2 つのゲートウェイ間では ppp トラフィックは 概念的に TCP ストリーム中でカプセル化されます (パケットがパケットに対応するわけではありません)。 この機構の大きな欠点は、同時に 2 つの「配送保証」機構が存在することです - この 2 つとは、下位レベルの TCP ストリームと .Em PPP リンク上で使用されるプロトコルであり、おそらくまた TCP でしょう。 パケット喪失が起ると、両者はそれぞれの方法で喪失した パケットを再送しようと するでしょう。 .Sh パケットエイリアシング .Fl alias コマンドラインオプションにより、 パケットエイリアシングが有効になります。 これにより、 .Nm ホストがローカルエリアネットワークの他のコンピュータに対して マスカレードゲートウェイとして動作するようになります。 送信される IP パケットは、まるで .Nm ホストから来たかのようにエイリアスされ、 受信パケットは、それがローカルエリアネットワークの正しいマシンに 送られるようにエイリアスが戻されます。 パケットエイリアシングにより、 未登録でプライベートなサブネット上のコンピュータを 外部から見えないようにしつつ、 インターネットへアクセス可能とします。 一般に、 .Nm が正しく動作していることの確認は、 まず最初にパケットエイリアシングを禁止して行います。 次に .Fl alias オプションを有効にして、 .Nm ホストの上で (ウェブブラウザや .Xr telnet 1 , .Xr ftp 1 , .Xr ping 8 , .Xr traceroute 8 などの) ネットワークアプリケーションの動作を確認します。 最後に、LAN 上の別のコンピュータの上で同様なアプリケーションの 動作を確認することになります。 .Nm ホストではネットワークアプリケーションが正しく動作するのに、 LAN 上の別のコンピュータでは動かないのであれば、マスカレードソフトウェアは 正しく動いているけれども、ホストが IP パケットをフォワーディングしないか、 ひょっとするとパケットが送られて来ていないかのどちらかです。 .Pa /etc/rc.conf で IP フォワーディングが有効にされていることと、 他のコンピュータで .Nm ホストがその LAN のゲートウェイとして 指定されていることを確認してください。 .Sh パケットのフィルタリング この実装では、パケットのフィルタリングがサポートされています。 .Em in フィルタ、 .Em out フィルタ、 .Em dial フィルタ、そして .Em alive フィルタの 4 種類のフィルタがあります。 ここでは基本的なことについて書くことにします。 .Bl -bullet .It フィルタ定義は次のような構文になっています。 .Pp set filter .Ar name .Ar rule-no .Ar action .Op Ar src_addr Ns Op / Ns Ar width .Op Ar dst_addr Ns Op / Ns Ar width [ .Ar proto .Op src Op Ar cmp No Ar port .Op dst Op Ar cmp No Ar port .Op estab .Op syn .Op finrst ] .Bl -enum .It .Ar name は、 .Sq in , .Sq out , .Sq dial , .Sq alive のうちのいずれか 1 つです。 .It .Ar rule-no は .Sq 0 から .Sq 19 までの数値で、ルール番号を指定します。 ルールは .Ar rule-no の番号順に指定されます。 ただしルール .Sq 0 が指定されている場合のみです。 .It .Ar action は .Sq permit , .Sq deny のいずれかです。 もし、あるパケットがルールに一致した場合、 結びつけられた action が直ちに実行されます。 .It .Op Ar src_addr Ns Op / Ns Ar width と .Op Ar dst_addr Ns Op / Ns Ar width は始点と終点の IP アドレスです。 .Op / Ns Ar width が指定された場合には、それによって適切なネットマスクのビット値を与え、 アドレスの範囲を指定することができます。 .It .Ar proto は .Sq icmp , .Sq udp , .Sq tcp のうちのいずれか 1 つです。 .It .Ar cmp は .Sq \< , .Sq \&eq , .Sq \> のうちいずれか 1 つです。それぞれ、より小さい、等しい、 より大きいを意味します。 .Ar port はポート番号で指定するか、 .Pa /etc/services のサービス名で指定することができます。 .It .Sq estab , .Sq syn , .Sq finrst フラグは .Ar proto が .Sq tcp に設定されているときにのみ許可され、それぞれ TH_ACK、TH_SYN、および TH_FIN もしくは TH_RST という TCP フラグを表わします。 .El .Pp .It 各フィルタはルール 0 から始まり、20 個までのルールをもつことができます。 規則のルールは、ルール 0 が定義されていなければ、有効にはなりません。 すなわち、デフォルトではすべてが通されます。 .It パケットにマッチするルールが無い場合は、パケットは破棄 (ブロック) されます。 .It すべての規則を消去するには、 .Dq set filter Ar name No -1 を使ってください。 .El .Pp -.Pa /etc/ppp/ppp.conf.example +.Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample を参照してください。 .Sh アイドルタイマの設定 アイドルタイマを調べたり/設定するためには、それぞれ .Dq show bundle と .Dq set timeout コマンドを使ってください: .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set timeout 600 .Ed .Pp タイムアウト時間は秒数で指定します。デフォルト値は timeout が 180 秒 .Pp 3 分 です。 アイドルタイマ機能を使わないようにするためには、 次のコマンドを利用してください。 .Bd -literal -offset indent ppp ON awfulhak> set timeout 0 .Ed .Pp .Fl ddial と .Fl direct モードではアイドルタイムアウトは無視されます。 .Fl auto モードでは、アイドルタイムアウトが発生すると .Nm プログラムは実行したままで .Em PPP セッションを終了します。別の引金となるパケットがきた時に リンクを再び確立しようとします。 .Sh Predictor-1 および DEFLATE 圧縮 .Nm は Predictor type 1 圧縮および deflate 圧縮をサポートしています。 デフォルトでは、 .Nm は、接続相手が同意 .Pq あるいは要求 した場合に、 この機能を使おうと (もしくは受け入れようと) します。 .Nm は deflate プロトコルを優先します。 これらの機能を使用したくない時には .Dq disable と .Dq deny のコマンドを参照してください。 .Pp .Dq disable deflate か .Dq deny deflate の一方を使用することにより、 方向ごとに異ったアルゴリズムを使用することができます。 .Pq 接続相手が両方のプロトコルをサポートしていると仮定しています。 .Pp デフォルトでは、DEFLATE について交渉するときには .Nm はウィンドウサイズとして 15 を使います。この動作を変更したい場合には .Dq set deflate コマンドを参照してください。 .Pp デフォルトでは無効にされ受け付けませんが、DEFLATE24 と呼ばれる特殊な アルゴリズムを使用することもできます。これは CCP ID 24 を 交渉に使う点を除いては DEFLATE と完全に同じものです。 これを使用することで .Nm は .Nm pppd バージョン 2.3.* と DEFLATE 交渉を成功させることができます。 .Sh IP アドレスの制御 .Nm は IP アドレスの交渉のために IPCP を使います。接続の両側は、自分が 使おうとするアドレスを提示し、要求された IP アドレスが受け入れ可能な ものであれば、相手に ACK (肯定応答) を返します。 受け入れることができなければ、別の IP アドレスの使用を促すために .Nm は相手に NAK (否定応答) を返します。 接続の両側が受け取った要求に同意し (ACK を送っ) た時、 IPCP はオープン状態にセットされ、ネットワーク層での接続が確立されます。 IPCP の動作を制御するために、この実装はローカルとリモートの IP アドレスを定義するための .Dq set ifaddr コマンドを持っています。 .Bd -literal -offset indent set ifaddr [src_addr [dst_addr [netmask [trigger_addr]]]] .Ed .Pp ここで、 .Sq src_addr はローカル側で使おうと思っている IP アドレスで、 .Sq dst_addr はリモート側が使用すべき IP アドレスです。 .Sq netmask は使用すべきネットマスクです。 .Sq src_addr のデフォルトは現在の .Xr hostname 1 のもの、 .Sq dst_addr のデフォルトは 0.0.0.0 であり、 .Sq netmask のデフォルトは .Sq src_addr に適したマスク値です。 .Sq netmask はデフォルトより小さくすることのみ可能です。 ほとんどのカーネルが POINTOPOINT インタフェースのネットマスクを 無視するので、便利な値は 255.255.255.255 でしょう。 .Pp 誤った .Em PPP の実装には、接続交渉のために、 .Sq src_addr ではなく特別な IP アドレスを使用しなければならないものがあります。 この場合、 .Sq trigger_addr で指定した IP アドレスが使用されます。 相手がこの提案された番号に同意しない限り、経路表には影響しません。 .Bd -literal -offset indent set ifaddr 192.244.177.38 192.244.177.2 255.255.255.255 0.0.0.0 .Ed .Pp 上の例の意味は次の通りです: .Pp .Bl -bullet -compact .It 自分の IP アドレスとしてまず 0.0.0.0 を提案しますが、アドレス 192.244.177.38 のみは受け付けます。 .It 相手側のアドレスとして 192.244.177.2 を使うように要求し, 192.244.177.2 以外のどんなアドレスを使うことも許可しません。 相手側が別の IP アドレスを要求してきた時は、いつでも 192.244.177.2 を提案します。 .It 経路表のネットマスク値は 0xffffffff に設定されます。 .El .Pp これは、両側が既に決まった IP アドレスを持っている場合には うまくいきますが、多くの場合、一方がすべての IP アドレスを制御する サーバとして動作しており、もう一方はその方針に従わなくてはなりません。 より柔軟な動作をさせるために、`ifaddr' 変数の IP アドレス指定を もっと緩やかにすることが可能です: .Pp .Dl set ifaddr 192.244.177.38/24 192.244.177.2/20 .Pp スラッシュ (/) に続く数字は、この IP アドレスで意味のあるビットの数を 表現しています。上の例は次のことを示しています。 .Pp .Bl -bullet -compact .It 可能なら自分のアドレスとして 192.244.177.38 を使おうとしますが、 192.244.177.0 から 192.244.177.255 の間の任意の IP アドレスも受け入れます。 .It 相手のアドレスとして 192.244.177.2 を使うことを希望しますが、 192.244.176.0 から 192.244.191.255 の間の任意の IP アドレスも許可します。 .It すでにお気づきと思いますが、 192.244.177.2 は 192.244.177.2/32 と書くことと 等価です。 .It 例外として、0 は 0.0.0.0/0 と等価であり、希望する IP アドレスは 特に無く、リモート接続先の選択に従うことを意味します。 0 を使用した場合は、接続が確立するまで、経路表のエントリは まったく設定されません。 .It 192.244.177.2/0 は、どんな IP アドレスでも受け入れる/許可することを 意味しますが、最初に 192.244.177.2 を使うように提案します。 .El .Pp .Sh インターネットサービスプロバイダと接続する プロバイダに接続する際には、次のステップを踏む必要があるでしょう: .Bl -enum .It .Dq set phone コマンドを使って、ダイヤルスクリプトにプロバイダの電話番号を記述します。 ダイヤルやリダイヤルに使用する電話番号は、 パイプ (|) またはコロン (:) で区切って 複数指定することができます。例えば、次のようになります。 .Bd -literal -offset indent set phone "111[|222]...[:333[|444]...]..." .Ed .Pp 最初のパイプで区切られたリストの番号は、 直前の番号でダイヤルもしくはログインスクリプトが失敗した場合のみ使用されます。 コロンで区切られた番号は、直前の番号の使用によりなにが起ったのかにかかわらず、 この順番で使用されます。例えば: .Bd -literal -offset indent set phone "1234567|2345678:3456789|4567890" .Ed .Pp この場合、まず 1234567 にダイヤルしてみます。 ダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したら、 次は 2345678 を使用します。 しかしこれはダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したとき *のみ* です。 このダイヤルの後、3456789 が使用されます。 4567890 は 345689 でダイヤルもしくはログインスクリプトに失敗したときのみ 使用されます。 2345678 のログインスクリプトが失敗したとしても、次の番号は 3456789 です。 必要な数だけ、パイプとコロンを使用可能です (しかし、通常はパイプのみかコロンのみであり両方の使用はないでしょう)。 次の番号へのリダイヤルまでのタイムアウトは、すべての番号にて使用されます。 リストが終了すると、 通常のリダイヤル期間だけ待ち、 最初から再開します。 .Dq set dial コマンドの \\\\T 文字列は選択された番号で置きかえられます。 (以降を参照してください)。 .It リダイヤルに関する設定は、 .Dq set redial で行います。 例えば回線の調子が悪かったり、 (最近では それほど多くないでしょうが) プロバイダがいつも話中だったりすると、 次のように設定したくなるかもしれません: .Bd -literal -offset indent set redial 10 4 .Ed .Pp これは最初の番号にリダイヤルを行う前に 10 秒待って、 4 回までダイヤルしてみるという意味になります。 .It .Dq set dial と .Dq set login コマンドを使ってログイン手続きを記述します。 .Dq set dial コマンドはモデムと通信してプロバイダへのリンクを確立するのに使われます。 例えば、次のようになります: .Bd -literal -offset indent set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\\\sCARRIER TIMEOUT 4 \\"\\" \e ATZ OK-ATZ-OK ATDT\\\\T TIMEOUT 60 CONNECT" .Ed .Pp このモデム「チャット」文字列の意味は次の通りです。 .Bl -bullet .It \&"BUSY" または "NO CARRIER" を受信した場合には処理を中止します。 .It タイムアウトを 4 秒にセットします。 .It 文字列の受信待ちは行いません。 .It ATZ を送信します。 .It OK の受信待ちを行います。もし 4 秒以内に受信できなければ、 もう 1 度 ATZ を送信し、OK の受信待ちを行います。 .It ATDTxxxxxxx を送信します。xxxxxxx は 上記の電話番号リストの中の、次にダイヤルする番号です。 .It タイムアウトを 60 にセットします。 .It 文字列 CONNECT の受信待ちを行います。 .El .Pp 一旦接続が確立されると、ログインスクリプトが実行されます。 このスクリプトはダイヤルスクリプトと同じスタイルで書かれますが、 パスワードがログされないように注意してください: .Bd -literal -offset indent set authkey MySecret set login "TIMEOUT 15 login:-\\\\r-login: awfulhak \e word: \\\\P ocol: PPP HELLO" .Ed .Pp このログイン「チャット」文字列の意味は次の通りです。 .Bl -bullet .It タイムアウトを 15 秒にセットします。 .It "login:" の受信待ちを行います。もし受信できなければ 復改文字を送信して、再び "login:" の受信待ちを行います。 .It "awfulhak" を送信します。 .It "word:" ("Password:" プロンプトの末尾) の受信待ちを行います。 .It .Ar authkey に現在設定されている値を送信します。 .It "ocol:" ("Protocol:" プロンプトの末尾) の受信待ちを行います。 .It "PPP" を送信します。 .It "HELLO" の受信待ちを行います。 .El .Pp .Dq set authkey ( .Ar command ログ使用時には) コマンドのログは特別な方法でとられ、( .Sq ******** とログされますので) 実際のパスワードが危険にさらされることはありません。 .Ar chat ログ使用時には、実際のパスワードの代りに '\\P' とログされます。 .Pp ログインスクリプトはプロバイダによって大きく違うものになるでしょう。 始めてそれを設定するときには .Em チャットログを有効化 することで、あなたのスクリプトが予定通りに動いているかを 調べることができます。 .It シリアル回線と通信速度を指定するためには .Dq set line と .Dq set speed を使います。例えば次のようになります。 .Bd -literal -offset indent set line /dev/cuaa0 set speed 115200 .Ed .Pp FreeBSD では cuaa0 が 1 つめのシリアルポートになります。 OpenBSD で .Nm を実行している場合には cua00 が 1 つめです。 あなたのモデムが 28800 かそれ以上のビットレートで通信することが できるなら、シリアルポートの速度には 115200 を指定しておくべきでしょう。 一般に、シリアルポートの速度はモデムの速度の約 4 倍にしておきます。 .It .Dq set ifaddr コマンドで IP アドレスを定義します。 .Bl -bullet .It プロバイダがどの IP アドレスを使っているのか知っている場合には、 それをリモートアドレス (dst_addr) として使ってください。 知らない場合には、10.0.0.2/0 か何かを使ってください (以降を参照してください)。 .It 特定の IP アドレスをプロバイダから割り当てられている場合は、 それをローカルアドレス (src_addr) として使ってください。 .It プロバイダが IP アドレスを動的に割り当てる場合は、適当に控えめで 緩やかに記述した IP アドレスをローカルアドレスに選んでください。 10.0.0.1/0 が適切でしょう。 / に続く数値は、このアドレスのうち何ビットを重視しているかを示します。 もしもクラス C のネットワーク 1.2.3.0 上のアドレスを使うことを 主張したいのなら、1.2.3.1/24 と指定することができます。 .It プロバイダがあなたが提示した最初の IP 番号を受け付ける場合、 第 3, 4 の引数に .Dq 0.0.0.0 を指定してください。 これによりプロバイダが番号を割り当てます。 (3 つめの引数は、 .Sq src_addr に対してデフォルトのマスクよりも制約が緩いため、無視されます。) .El .Pp 自分の IP アドレスもプロバイダの IP アドレスも 知らない場合には、次の例のようにするとよいでしょう。 .Bd -literal -offset indent set ifaddr 10.0.0.1/0 10.0.0.2/0 0.0.0.0 0.0.0.0 .Ed .Pp .It ほとんどの場合、プロバイダはデフォルトルータでもあるでしょう。 この場合、次の行を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に追加します。 .Bd -literal -offset indent add default HISADDR .Ed .Pp これは、 .Nm 接続先のアドレスが何であっても .Pq この例では 10.0.0.2 デフォルト経路として追加するように指示します。 この経路は .Sq スティッキー です。これは .Dv HISADDR の値が変わると、経路もそれに従って自動的に更新されるという意味です。 .Pp 以前のバージョンの .Nm では .Pa /etc/ppp/ppp.linkup ファイルにこれと似たエントリが必要でした。 .Sq スティッキー経路 の出現により、これはもはや必要ではなくなりました。 .It プロバイダが PAP/CHAP による認証を要求している場合は、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf ファイルに次の行を追加してください: .Bd -literal -offset indent set authname MyName set authkey MyPassword .Ed .Pp デフォルトではどちらも受け付けられますので、ISP が何を要求しても大丈夫です。 .Pp PAP もしくは CHAP を使用する場合、ログインスクリプトはほとんどの場合、 必要とされないことを記述しておくべきでしょう。 .It 次のような行を加え、ISP にネームサーバアドレスを確認してください。 .Bd -literal -offset indent enable dns .Pp .Ed ローカル DNS を走らせている場合には、これを .Em やらない でください。 .Nm は単純に .Pa /etc/resolv.conf に nameserver 行を入れることで、ローカル DNS の使用を 出し抜いてしまうからです。 .El .Pp 現実の例を見たい場合には、 .Pa /etc/ppp/ppp.conf.sample と .Pa /etc/ppp/ppp.linkup.sample を参照してください。 ラベル pmdemand は、ほとんどのプロバイダで使用できるでしょう。 .Sh ログ機能 .Nm は次のログ情報を、 .Xr syslog 3 経由で、もしくはスクリーンに出力することができます: .Bl -column SMMMMMM -offset indent .It Li Async 非同期レベルパケットの 16 進ダンプ .It Li CBCP CBCP (CallBack Control Protocol) ログの生成 .It Li CCP CCP パケットトレースの生成 .It Li Chat チャットスクリプトのトレースログの生成 .It Li Command コマンド実行のログ .It Li Connect 完全なチャットログの生成 .It Li Debug デバッグ情報のログ .It Li HDLC HDLC パケットの 16 進ダンプ .It Li ID0 ユーザ ID 0 で実行された全関数呼び出しを詳細に記録 .It Li IPCP IPCP パケットトレースの生成 .It Li LCP LCP パケットトレースの生成 .It Li LQM LQR レポートの生成 .It Li Phase フェーズ遷移ログの出力 .It Li TCP/IP 全 TCP/IP パケットのダンプ .It Li Timer タイマ操作のログ .It Li TUN ログの各行に tun デバイスを含めます .It Li Warning 端末デバイスへの出力。端末が存在しない場合は、LOG_WARNING を使用してログファイルに送ります。 .It Li Error 端末デバイスとログファイルへの出力で、LOG_ERROR を使用します。 .It Li Alert ログファイルへの出力で、LOG_ALERT を使用します。 .El .Pp .Dq set log コマンドで、ログの出力レベルを設定することができます。 また、複数のレベルを単一コマンドラインにて指定することも可能です。 デフォルトは、 .Dq set log Phase です。 .Pp スクリーンに直接ログを表示することも可能です。 文法は同じで、語 .Dq local が .Dq set log の直後に付くことだけが違います。 デフォルトは .Dq set log local (つまり、マスクされない警告、エラーと注意のみ出力) です。 .Pp .Dq set log Op local への最初の引数が '+' か '-' の文字で始まる場合、 現在のログレベルを消去せずに修正します。例えば: .Bd -literal -offset indent PPP ON awfulhak> set log phase PPP ON awfulhak> show log Log: Phase Warning Error Alert Local: Warning Error Alert PPP ON awfulhak> set log +tcp/ip -warning PPP ON awfulhak> set log local +command PPP ON awfulhak> show log Log: Phase TCP/IP Warning Error Alert Local: Command Warning Error Alert .Ed .Pp レベル Warning, Error, Alert のメッセージログは .Dq set log Op local では制御できません。 .Pp .Ar Warning レベルは特別で、ローカルに表示可能な場合にはログされません。 .Sh シグナルハンドリング .Nm は次のシグナルを扱います: .Bl -tag -width XX .It INT このシグナルを受信すると、現在の接続がもしあればそれを終了します。 .Fl auto もしくは .Fl ddial のモードではない場合、 .Nm は終了します。 .It HUP, TERM, QUIT .Nm を終了させます。 .It USR2 .Nm に全サーバソケットを閉じさせ、すべての既存の診断ポートへの接続を 取り下げます。 .El .Pp .Sh マルチリンク PPP .Em PPP 相手に接続するのに複数の物理的なリンクを利用したいなら、 接続相手も .Em マルチリンク PPP プロトコルを理解する必要があります。 仕様の詳細は RFC 1990 を参照してください。 .Pp 接続先は、 .Dq 終点の選択 とその .Dq 認証 ID の組み合わせによって識別されます。 これらの一方、もしくは両方を指定することができます。 最低でも片方は指定しておくことが推奨されます。 そうでないと、すべてのリンクが実際に同一のプログラムに接続されていることを 確認する方法がなくなり、 混乱してロックアップを引き起こすことがあります。 ローカルには、これらの識別変数は .Dq set enddisc と .Dq set authname コマンドを用いることで指定されます。先立って接続相手と .Sq authname .Pq と Sq authkey について合意しておく必要があります。 .Pp マルチリンクの能力は .Dq set mrru コマンド (set maximum reconstructed receive unit) を用いることで 有効になります。一度マルチリンクが有効になれば、 .Nm は接続相手とマルチリンク接続の交渉を行います。 .Pp デフォルトでは .Po .Sq deflink と呼ばれる .Pc ただ 1 つの .Sq リンク のみが有効です。さらにリンクを作成するには .Dq clone コマンドが使われます。このコマンドは既存のリンクを複製します。 それは次の点を除いてすべての性質が同じものです: .Bl -enum .It 新しいリンクは .Dq clone コマンドラインで指定された独自の名前を持ちます。 .It 新しいリンクは .Sq interactive リンクです。そのモードは次の .Dq set mode コマンドで変更することができます。 .It 新しいリンクは .Sq closed の状態にあります。 .El .Pp すべての有効なリンクのまとめは、 .Dq show links コマンドを用いて見ることができます。 .Pp 一度リンクが作成されると、コマンドの使用方法が変わります。 すべてのリンク固有のコマンドの前には、 .Dq link Ar name プレフィックスをつけて、 コマンドを適用するリンクを指定する必要があります。 .Nm は十分賢いので、 利用可能なリンクが 1 つだけの場合には、 .Dq link Ar name プレフィックスは不要です。 .Pp コマンドの中には依然としてリンクの指定なしに使用できるものがあり、それは .Sq バンドル レベルの操作を行います。たとえば、2 つ以上のリンクが存在するとき .Dq show ccp はマルチリンクレベルの CPP 設定と統計を表示し .Dq link deflink show ccp は .Dq deflink のリンクレベルの同じ情報を表示します。 .Pp これらの情報を用いて、次の設定を用いることができます: .Pp .Bd -literal -offset indent mp: set timeout 0 set log phase chat set device /dev/cuaa0 /dev/cuaa1 /dev/cuaa2 set phone "123456789" set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\sCARRIER TIMEOUT 5 \\"\\" ATZ \e OK-AT-OK \\\\dATDT\\\\T TIMEOUT 45 CONNECT" set login set ifaddr 10.0.0.1/0 10.0.0.2/0 set authname ppp set authkey ppppassword set mrru 1500 clone 1,2,3 link deflink remove .Ed .Pp すべての複製が設定の最後で行われていることに注意してください。 一般にはリンクは最初に設定され、そして複製されます。 あなたが常にすべてのリンクがアップ状態であることを望む場合には、 設定の最後に次の行を追加することができます。 .Pp .Bd -literal -offset indent link 1,2,3 set mode ddial .Ed .Pp リンクが必要に応じてダイヤルされることを望む場合には、次のコマンドを 使うことができます。 .Pp .Bd -literal -offset indent link * set mode auto .Ed .Pp 上記の .Dq set device 行を取り除き、 .Dq clone コマンドに続けて次の内容を指定することで、 リンクを特定の名前に結びつけることもできます: .Pp .Bd -literal -offset indent link 1 set device /dev/cuaa0 link 2 set device /dev/cuaa1 link 3 set device /dev/cuaa2 .Ed .Pp どのコマンドが ( .Dq link コマンドを使用した) コンテキスト (文脈) を要求し、 どのコマンドがコンテキストをオプションとし、 そしてどのコマンドがコンテキストを一切とらないかを調べるには、 .Dq help コマンドを使用します。 .Pp .Nm が接続相手と .Em マルチリンク モードで交渉をすると、 .Nm はローカルドメインソケットを .Pa /var/run ディレクトリに作成します。このソケットは、 リンク情報 (実際のリンクファイル記述子も含む) を、異なる .Nm の間で受け渡しするために使われます。 この機能によって、 .Nm はシリアル回線の初期制御を行う必要なしに .Xr getty 8 から、もしくは直接 .Pa /etc/gettydefs から ( .Sq pp= ケーパビリティを用いて) 実行することが可能となっています。 ひとたび .Nm がマルチリンクモードの交渉を行うと、 .Nm は自分がオープンした リンクをすでに実行されている任意の他のプロセスに渡すことができます。 すでに実行されているプロセスがない場合、 .Nm はマスタとして振る舞い、ソケットを作成し、新たな接続を待ちます。 .Sh PPP コマンドリスト この節では利用可能コマンドとその効果をリストします。 .Nm ppp セッションで対話的に使用することも、 設定ファイルで指定することも、 .Xr pppctl 8 もしくは .Xr telnet 1 セッションで指定することも可能です。 .Bl -tag -width XX .It accept|deny|enable|disable Ar option.... これらのディレクティブは 最初の接続においてどのように相手と交渉するかを .Nm に指示します。各 .Dq option は、accept/deny および enable/disable のデフォルトを持ちます。 .Dq accept は相手がこのオプションを要求したら、ACK を送ることを意味します。 .Dq deny は相手がこのオプションを要求したら、NAK を送ることを意味します。 .Dq enable はこのオプションを当方が要求することを意味します。 .Dq disable はこのオプションを当方が要求しないことを意味します。 .Pp .Dq option は次のいずれかです: .Bl -tag -width XX .It acfcomp デフォルト: enable かつ accept。 ACFComp はアドレスおよびコントロールフィールド圧縮 (Address and Control Field Compression) を意味します。 LCP パケット以外は非常に良く似たフィールドを持ちますので、 簡単に圧縮可能です。 .It chap デフォルト: disable かつ accept。 CHAP はチャレンジ交換認証プロトコル (Challenge Handshake Authentication Protocol) を意味します。 CHAP もしくは PAP (後述) のどちらか一方のみ交渉可能です。 CHAP では、認証者は「チャレンジ」メッセージを相手に送ります。 相手は一方向ハッシュ関数を使用して「チャレンジ」を暗号化し、 結果を送り返します。 認証者は同じことを行い結果を比較します。 この機構の利点は、接続を介してパスワードを送らないことです。 接続が最初に確立する時にチャレンジが行われます。 更なるチャレンジが行われるかもしれません。 相手の認証を行いたい場合は、 .Dq enable chap を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に書き、相手のエントリを .Pa /etc/ppp/ppp.secret に書く必要があります。 .Pp クライアントとして CHAP を使用する場合、 .Dq AuthName と .Dq AuthKey を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に指定するだけで良いです。 CHAP はデフォルトで accept されます。 .Em PPP の実装によっては、チャレンジの暗号化に MD5 ではなく "MS-CHAP" を使用するものがあります。 MS-CHAP は MD4 と DES の組み合わせです。もし .Nm が DES ライブラリの存在するマシン上で構築された場合 MS-CHAP 認証要求に応答しますが、MS-CHAP 認証を要求することは 決してありません。 .It deflate デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは圧縮制御プロトコル (Compression Control Protocol; CCP) に deflate 圧縮を使用するか否かを決定します。 使用されるアルゴリズムは .Xr gzip 1 プログラムが使用するものと同じです。 注: .Xr pppd 8 - 多くのオペレーティングシステムで使用可能な .Em PPP の実装 - との .Ar deflate 能力についての交渉には問題があります。 .Nm pppd (バージョン 2.3.1) が .Ar deflate 圧縮の交渉を行おうとする CCP コンフィギュレーションタイプは、 .Pa rfc1979 に規定されたタイプ .Em 26 ではなくタイプ .Em 24 であり、誤っています。 タイプ .Ar 24 は実際には .Pa rfc1975 では .Dq PPP Magna-link Variable Resource Compression と指定されています! .Nm は .Nm pppd と交渉する能力がありますが、 .Dq deflate24 が .Ar enable かつ .Ar accept されている場合のみです。 .It deflate24 デフォルト: disable かつ deny。 これは .Ar deflate のバリエーションで、 .Xr pppd 8 プログラムとの交渉を許可します。 詳細は上記の .Ar deflate セクションを参照してください。 これは .Pa rfc1975 に反するため、デフォルトでは disable となっています。 .It dns デフォルト: disable かつ deny。 このオプションは DNS 交渉を許可します。 .Pp .Dq enable にすることにより、 .Nm は接続相手が .Pa /etc/resolv.conf ファイルのエントリを確認することを要求します。 もし接続相手が当方の要求に否定応答をした場合 (新しい IP アドレスを 提案したら)、 .Pa /etc/resolv.conf ファイルは更新され、新しいエントリを確認するように要求を送ります。 .Pp .Dq accept にすることにより、 .Nm は接続相手からの DNS 検索要求を拒否せずに、返答します。 .Dq set dns コマンドの使用によって上書きされていない場合には、応答は .Pa /etc/resolv.conf から採られます。 .It lqr デフォルト: disable かつ accept。 このオプションはリンク品質要求 (Link Quality Request) を送信する、 もしくは受け入れるかどうかを決定します。 LQR は、モデムのキャリア検出を使用せずに、リンクダウンを .Nm に決定させるプロトコルです。 LQR が enable になっていると、 .Nm は LCP 要求の一部として .Em QUALPROTO オプション (後述の .Dq set lqrperiod を参照) を送ります。 接続相手が同意した場合、両端は同意した間隔で LQR パケットを交換し、 LQM ロギングを有効にすることで、詳細なリンク品質を監視することが 可能になります。 接続相手が同意しなかった場合、ppp は代りに ECHO LQR 要求を 送ります。これらのパケットは興味ある情報を何も渡しませんが、 .Em 必ず 接続相手に応答しなければなりません。 .Pp LQR, ECHO LQR のいずれを用いるにせよ、 .Nm は 5 つのパケットを送ったが確認応答が無い場合、6 つ目のパケットを送らずに 回線を切断します。 メッセージを .Em PHASE レベルで記録し、回線切断の原因が接続相手にあるものとして、適当な .Dq reconnect 値を使用します。 .It pap デフォルト: disable かつ accept。 PAP はパスワード認証プロトコル (Password Authentication Protocol) を 意味します。 CHAP (前述) もしくは PAP のどちらか一方のみ交渉可能です。 PAP では、ID とパスワードが相手に送られ続け、 認証されるか接続が終了されるまでこれが続きます。 これは比較的良くないセキュリティ機構です。 接続が最初に確立した時のみ実行可能です。 相手の認証を行いたい場合は、 .Dq enable pap を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に書き、相手のエントリを .Pa /etc/ppp.secret に書く必要があります (ただし、後述の .Dq passwdauth オプションを参照)。 .Pp クライアントとして PAP を使用する場合、 .Dq AuthName と .Dq AuthKey を .Pa /etc/ppp/ppp.conf に指定するだけで良いです。 PAP はデフォルトで accept されます。 .It pred1 デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは圧縮制御プロトコル (Compression Control Protocol; CCP) に Predictor 1 圧縮を使用するかどうかを決定します。 .It protocomp デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは PFC (プロトコルフィールド圧縮) の交渉を行うために使用されます。 この機構により、 プロトコルフィールド数が 2 オクテットから 1 オクテットに減ります。 .It shortseq デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは .Nm がマルチリンクモードの交渉時に .Pq 12 ビットの 短いシーケンス番号を要求し、そして受け入れるかどうかを決定します。 これは、当方の MMRU が設定されたときのみ (マルチリンクが有効になっているときのみ) 適用されます。 .It vjcomp デフォルト: enable かつ accept。 このオプションは Van Jacobson ヘッダ圧縮を使用するかどうかを決定します。 .El .Pp 次に示すオプションは、実際には相手と交渉しません。 それゆえ accept および deny は意味を持ちません。 .Bl -tag -width 20 .It idcheck デフォルト: enable。 低レベルな LCP, CCP, IPCP 設定トラフィックを交換するときに、 すべての応答の識別子フィールドはその要求の識別子フィールドと 同一であることが予定されています。デフォルトでは .Nm は予定された識別子フィールドを持たないすべての応答パケットを 捨て、それぞれのログレベルで報告します。もし .Ar idcheck が disable になっている場合、 .Nm は識別子フィールドを無視します。 .It loopback デフォルト: enable。 .Ar loopback が enable の場合、 .Nm は自動的に .Em PPP インタフェースと同じ終点アドレス宛に送出されたパケットを ループバックします。 disable の場合、 .Nm がパケットを送ると、おそらく他の終点からの ICMP リダイレクトとなります。 インタフェースがデフォルト経路であるため、 ループバック経路を必要とすることを避けたい場合、 このオプションを enable にすると便利です。 .It passwdauth デフォルト: disable。 このオプションを enable にすることにより、 PAP 認証コードが呼び出し側を認証する時に、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイル中でみつからない場合、パスワードデータベース ( .Xr passwd 5 参照) を使用します。 .Pa /etc/ppp/ppp.secret は常に、最初に調べられます。 .Xr passwd 5 からパスワードを調べ、かつそのクライアントに対して IP アドレスもしくは ラベルを指定したい場合には、 .Pa /etc/ppp/ppp.secret ファイル中のクライアントのパスワードとして .Dq \&* を用いてください。 .It proxy デフォルト: disable。 このオプションを enable にすることにより、 .Nm に相手のために代理 ARP をさせます。 .It sroutes デフォルト: enable。 .Dq add コマンドが .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR という値とともに用いられると、エントリは .Sq スティック経路 リストに格納されます。 .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR が変更される度に、このリストが経路表に適用されます。 .Pp このオプションを disable にすると、 スティッキー経路が適用されなくなります。 .Sq スティック経路 リストは依然として保守されます。 .It throughput デフォルト: enable。 このオプションを有効にすると、 .Nm はスループット統計を収集します。 ずれ動く 5 秒間のウィンドウにおいて入出力が検査され、 現在、最良時、総計の数値が保持されます。 このデータは関連する .Em PPP 層が終了するときに出力され、また .Dq show コマンドで表示することで得られます。スループット統計は .Dq IPCP と .Dq modem のレベルで利用可能です。 .It utmp デフォルト: enable。 通常ユーザが PAP もしくは CHAP で認証された時で、 .Nm が .Fl direct モードで実行されている時は、このユーザのエントリが utmp ファイルおよび wtmp ファイルに作成されます。 このオプションを disable にすると、 .Nm は utmp および wtmp のエントリを作成しません。 通常、 ユーザがログインしかつ認証することを要求する場合のみ必要です。 .El .It add[!] Ar dest[/nn] [mask] gateway .Ar dest は宛先 IP アドレスです。 ネットマスクは .Ar /nn によってビット数で指定するか、もしくは .Ar mask を用いて IP 番号で指定します。 .Ar 0 0 ならびにマスクなしの .Ar 0 はデフォルト経路を意味します。 .Ar 0 の代りにシンボル名 .Ar default を使うことが可能です。 .Ar gateway は、 .Ar dest マシン/ネットワークに至る、次のホップのゲートウェイです。 詳細は .Xr route 8 コマンドを参照してください。 .Pp 宛先にシンボル名 .Sq MYADDR と .Sq HISADDR を使用可能であり、 .Ar gateway には .Sq HISADDR もしくは .Sq INTERFACE を使用可能です。 .Sq MYADDR はインタフェースアドレスに置き換えられ、 .Sq HISADDR はインタフェースの宛先アドレスに置き換えられ、 .Sq INTERFACE は現在のインタフェース名に置き換えられます。 インタフェースの宛先アドレスが ( .Dq set ifaddr によって) 割り当てられていない場合、現在の .Sq INTERFACE が .Sq HISADDR の代りに使用されます。 .Pp .Ar add! コマンド .Po .Dq \&! に注意 .Pc 使用時には、経路が存在する場合には .Sq route change コマンド (詳細は .Xr route 8 参照) にて経路を更新します。 .Pp .Dq HISADDR もしくは .Dq MYADDR を含む経路は .Sq スティッキー と見なされます。これらはリスト (リストを見るには .Dq show ipcp コマンドを使用します) に格納され、 .Dv HISADDR もしくは .Dv MYADDR の値が変更される度に、経路表の関連するエントリが更新されます。 この機能は .Dq disable sroutes を使用することで無効にできます。 .It allow Ar command Op Ar args このコマンドは .Nm と設定ファイルへのアクセスを制御します。 ユーザレベルでのアクセスは可能であり、 設定ファイルのラベルと .Nm の実行モードに依存します。 例えば、ユーザ .Sq fred のみがラベル .Sq fredlabel に .Fl background モードでアクセスできるように、 .Nm を構成したいかもしれません。 .Pp ユーザ ID 0 はこれらのコマンドの対象外です。 .Bl -tag -width XX .It allow user[s] Ar logname... デフォルトでは、ユーザ ID 0 のみが .Nm へのアクセスを許されています。 このコマンドが指定されると、 .Dq allow users が記載されているセクションに列挙されているユーザのアクセスが可能となります。 .Sq default セクションは 常に最初にチェックされます (スタートアップ時に常にロードされる唯一の セクションです)。後続する .Dq allow users コマンドは、先行するコマンドに優先します。 あるラベル以外のすべてにアクセスを許すことが可能であり、 そのためにはデフォルトユーザを .Sq default セクションで指定し、新しいユーザリストをこのあるラベルに指定します。 .Pp ユーザ .Sq * が指定されると、全ユーザにアクセスが許されます。 .It allow mode[s] Ar modelist... デフォルトでは全 .Nm モードが使用可能です。 このコマンドが使用されると、 このコマンドが指定されたラベルのロードに許されるアクセスモードが制限されます。 .Dq allow users コマンドと同様、 各 .Dq allow modes コマンドは先行するコマンドに優先し、 .Sq default セクションは常に最初にチェックされます。 .Pp 使用可能なモードは次の通りです: .Sq interactive , .Sq auto , .Sq direct , .Sq dedicated , .Sq ddial , .Sq background , .Sq * 。 .Pp マルチリンクモードで動作するときには、 現在存在する回線モードを許可するセクションをロード可能です。 .El .Pp .It alias Ar command Op Ar args このコマンドは .Nm 組込みのエイリアシング (マスカレーディング) 機能を 制御するために使用します。 あなたのシステムでエイリアシングが有効になると (コンパイル時に削除できます)、 次のコマンドが使用可能となります: .Bl -tag -width XX .It alias enable [yes|no] エイリアシングを有効もしくは無効にします。 .Fl alias コマンドラインフラグは .Dq alias enable yes と同じ意味です。 .It alias port Op Ar proto targetIP:targetPORT [aliasIP:]aliasPORT このコマンドにより、 マシン .Ar aliasIP の .Ar aliasPORT へ到着する接続を、 .Ar targetIP の .Ar targetPORT へリダイレクトします。 .Ar proto は .Sq tcp もしくは .Sq udp のいずれかで、指定したプロトコルの接続のみマッチします。 あなたのゲートウェイの後のマシンでインターネット電話等を実行したい場合に、 このオプションは有用です。 .It alias addr Op Ar addr_local addr_alias このコマンドにより、 .Ar addr_alias へのデータを .Ar addr_local へリダイレクトします。 少数の実 IP アドレスを持っていて、これらをあなたのゲートウェイの後の 特定のマシンにマップしたい場合に有用です。 .It alias deny_incoming [yes|no] yes に設定した場合、ファイアウォールがパケットを落すのと同様に、 すべての入力の接続を拒否します。 .It alias help|? このコマンドにより、 使用可能なエイリアスコマンドのまとめを表示します。 .It alias log [yes|no] このオプションを指定することにより、 種々のエイリアシングの統計と情報を、ファイル .Pa /var/log/alias.log にログします。 .It alias same_ports [yes|no] 有効になると、 エイリアスライブラリが出力パケットのポート番号を変更しようとすることを 止めさせます。 RPC や LPD といった、 ウェルノウンポート (well known port) からの接続を要求する プロトコルをサポートするのに有用です。 .It alias use_sockets [yes|no] 有効になると、 エイリアスライブラリにソケットを作成させ、 正しい ftp データ入力や IRC 接続を保証できるようになります。 .It alias unregistered_only [yes|no] 登録されていない送信元アドレスの出力パケットのみを、変更します。 RFC1918 によると、登録されていない送信元アドレスは 10.0.0.0/8, 172.16.0.0/12, 192.168.0.0/16 です。 .El .Pp これらのコマンドはソース配布物の .Pa README.alias ファイル中でも議論されています。 .Pp .It [!]bg Ar command 指定した .Ar command を、次の語を置換した後に、バックグラウンドで実行します: .Bl -tag -width PEER_ENDDISC .It Li AUTHNAME これは、ローカルの .Ar authname の値と置き換えられます。後述の .Dq set authname コマンドを参照してください。 .It Li ENDDISC これは、ローカルの終点選択値と置き換えられます。 後述の .Dq set enddisc コマンドを参照してください。 .It Li HISADDR これは、相手の IP 番号と置き換えられます。 .It Li INTERFACE これは、使用中のインタフェース名と置き換えられます。 .It Li LABEL これは、最後に使用したラベル名と置き換えられます。 ラベルは、 .Nm のコマンドラインから .Dq load または .Dq dial のコマンドから指定するか、 .Pa ppp.secret ファイルから指定可能です。 .It Li MYADDR これは、ローカルインタフェースに割り当てられた IP 番号と置き換えられます。 .It Li PEER_ENDDISC これは、相手の終点選択番号と置き換えられます。 .It Li USER これは、PAP もしくは CHAP で認証されたユーザ名と置き換えられます。 通常、この変数は -direct モードでのみ割り当てられます。 この値は、utmp ロギングが有効になっているかどうかに関わらず、利用可能です。 .El .Pp コマンド実行中に .Nm を停止させたい場合は、 .Dq shell コマンドを使用してください。 .It clear modem|ipcp Op current|overall|peak... .Dq modem もしくは .Dq ipcp 階層で、指定されたスループット値をクリアします。 .Dq modem を指定する場合にはコンテキストが与えられなければなりません (後述の .Dq link コマンドを参照)。 第 2 引数が与えられない場合、すべての値がクリアされます。 .It clone Ar name[,name]... 指定されたリンクを複製し、引数の .Ar name に関連づけた新しいリンクを作成します。 このコマンドは、リンクが 1 つしかない場合 (この場合にはそのリンクがデフォルトになります) を除いて後述の .Dq link コマンドから使用する必要があります。 リンクは下記の .Dq remove コマンドで削除できます。 .Pp デフォルトのリンク名は .Dq deflink です。 .It close Op lcp|ccp[!] 引数が与えられないと、適切なプロトコル層がダウンし、リンクが閉じられます。 .Dq lcp が指定されると LCP 層がダウンしますが、 .Nm をオフラインにはしません。例えば .Dq slirp のようなものを使用すれば、 .Dq term .Pq 後述 を使用して相手のマシンと会話できます。 .Dq ccp が指定されると適切な圧縮層が閉じられます。 .Dq \&! が使用されると、圧縮層はクローズ状態のままとなります。 使用されない場合には、STOPPED 状態へ再度入り、 相手が更なる CCP 交渉を開始するのを待ちます。 なにが起きようとも、ユーザを .Nm から切り離すことはありませんし、 .Nm を終了させることもありません。 後述の .Dq quit を参照してください。 .It delete[!] Ar dest このコマンドは指定した .Ar dest IP アドレスの経路を削除します。 .Ar dest に .Sq ALL が指定された場合、 現在のインタフェースの経路表の非直接エントリと .Sq スティッキー経路 がすべて削除されます。 .Ar dest に .Sq default が指定された場合、デフォルト経路が削除されます。 .Pp .Ar delete! コマンドが使用された場合 .Po 最後の .Dq \&! に注意 .Pc 、存在しない経路について .Nm は文句を言わなくなります。 .It dial|call Op Ar label 引数なしで使用された場合、このコマンドは .Dq open コマンドと同一です。 .Ar label が指定された場合、最初に .Dq load が実行されます。 .It down Op Ar lcp|ccp 適切な階層をダウンさせますが、 綺麗な方法ではなく、下位層が使用不能になったように見えます。 オープン状態にある有限状態機械でこのコマンドを使用することは、 丁寧ではないとされています。 引数が与えられない場合、すべてのリンクが閉じられます (コンテキストが与えられない場合にはすべてのリンクが終了されます)。 .Sq lcp が指定された場合、 .Em LCP 層は終了されますが、モデムはオフラインに移行せず、 リンクも閉じられません。 .Sq ccp が指定された場合、 関連する圧縮層のみが終了されます。 .It help|? Op Ar command 利用可能なコマンドをリストします。 .Ar command を指定した場合、このコマンドの使用方法を表示します。 .It [data]link Ar name[,name...] command Op Ar args コマンドが影響を与えるリンクを特定したい場合に、このコマンドを 任意の他のコマンドのプレフィックスとして使うことができます。 これはマルチリンクモードで .Dq clone コマンドを使って複数のリンクを作成した後でのみ適用されます。 .Pp .Ar name は存在するリンク名を指定します。 .Ar name がコンマ区切りのリストの場合には、 .Ar command はそれぞれのリンクに対して実行されます。 .Ar name が .Dq * の場合には、 .Ar command はすべてのリンクに対して実行されます。 .It load Op Ar label .Pa ppp.conf ファイルから指定された .Dq label をロードします。 .Dq label が指定されない場合、 .Dq default ラベルが仮定されます。 .It open Op lcp|ccp|ipcp これは .Dq close の反対のコマンドです。 .Dq open コマンドを引数なしで用いることは .Dq dial を引数なしで用いることと同一です。 すなわちすべての閉じられたリンクが、現在の設定を用いて起動されます ( .Dq set autoload コマンドに基づいた自動リンクの中には起動されないものもあります)。 .Pp LCP 層がすでにオープンされているときに .Dq lcp を指定すると、LCP は再度交渉されます。 したがって、種々の LCP オプションを変更したあとで .Dq open lcp コマンドを用いることで、変更を有効にすることができます。 LCP が再度交渉された後、 同意したあらゆる認証が実行されます。 .Pp .Dq ccp 引数が用いられると、関連する圧縮層がオープンされます。 すでにオープンされている場合には、再度交渉されます。 .Pp .Dq ipcp 引数が用いられると、リンクが通常通り起動されます。すでに IPCP が オープンされている場合には、IPCP は再度交渉され、 ネットワークインタフェースが再設定されます。 .Pp このようにして PPP の状態機械を再オープンするのは、 おそらく良い手段ではありません。 接続相手が正しく振る舞わない可能性があるためです。 しかしながら、強制的に CCP もしくは VJ 辞書をリセットする手段としては 便利です。 .It passwd Ar pass すべての .Nm コマンドセットにアクセスするために要求されるパスワードを指定します。 このパスワードは診断ポート ( .Dq set server コマンド参照) に接続するときに必要です。 .Ar pass は .Dq set server コマンドラインで指定します。 .Ar command ログが有効でも、値 .Ar pass はログされず、文字列 .Sq ******** がログされます。 .It quit|bye [all] .Dq quit が制御接続もしくはコマンドファイルから実行されると、 ppp はすべての接続を閉じた後に終了します。その他の場合、 つまりユーザが診断ソケットから接続している場合には、 単にその接続が失われます。 .Pp .Ar all 引数が与えられた場合、 .Nm はコマンドがどこから発行されたかに関わらず、 すべての存在する接続を閉じて終了します。 .It remove|rm このコマンドは与えられたリンクを消去します。 これはマルチリンクモードでのみ有用です。リンクは消去する前に .Dv CLOSED 状態になっていなければなりません。 .It rename|mv Ar name このコマンドは与えられたリンクの名前を .Ar name に変更します。 .Ar name がすでに他のリンクで使用されている場合には、失敗します。 .Pp デフォルトリンクの名前は .Sq deflink です。これを .Sq modem , .Sq cuaa0 , .Sq USR のいずれかに変更すると、ログファイルの可読性が向上するかも知れません。 .It save このオプションは (まだ) 実装されていません。 .It set[up] Ar var value このオプションは次に示す変数の設定のために使用します: .Bl -tag -width XX .It set accmap Ar hex-value ACCMap は非同期制御文字マップ (Asyncronous Control Character Map) を 意味します。 これはいつも相手と交渉され、デフォルト値は 16 進数で 00000000 です。 このプロトコルが必要なのは、 (XON/XOFF などの) 特定の文字を終点間で受渡すことに依存するハードウェアを 使用する場合です。 .Pp XON/XOFF については .Dq set accmap 000a0000 を使用します。 .It set authkey|key Ar value クライアントモードでの PAP または CHAP の交渉で使用される 認証キー (もしくはパスワード) を、指定した値に設定します。 ダイヤルもしくはログインスクリプトの '\\P' シーケンス で使用されるパスワードを指定しますが、 実際のパスワードがログされることを防ぎます。 .Ar command ログが有効な場合、セキュリティの観点から、 .Ar value は .Sq ******** としてログされます。 .It set authname Ar id クライアントモードでの PAP または CHAP の交渉で使用される 認証 ID を設定します。 .Pp PAP もしくは CHAP を enable にして .Fl direct モードで利用すると、 .Ar id は初期認証要求で用いられ、通常はローカルマシン名に設定されます。 .It set autoload Ar max-duration max-load [min-duration min-load] これらの設定はマルチリンクモードでのみ適用され、 デフォルト値はすべて 0 です。 1 つ以上の .Ar demand-dial .Po .Fl auto としても知られる .Pc モードのリンクが存在する場合、 .Nm が最初に tun デバイスからデータを読むときには最初のリンクのみが 有効になっています。 次の .Ar demand-dial リンクは、 .Ar max-duration 秒の間、送出キューに .Ar max-load 以上のパケットが存在した場合にのみ開かれます。 両方のデフォルト値が 0 であるため、 .Ar demand-dial リンクはデフォルトでは 1 つだけオープンされます。 .Pp 複数のリンクが開かれていて、少なくともその内の 1 つが .Ar demand-dial リンクである場合、 .Ar min-duration 秒の間、送出キューに最大 .Ar min-packets 未満のパケットしか存在しなかったときに閉じられます。 .Ar min-duration が 0 の場合には、タイマは無効になります。 デフォルトでは両方の値が 0 であるため、 .Ar demand-dial リンクはバンドルされたアイドルタイマが期限切れになるまで アクティブであり続けます。 .It set callback [none|auth|cbcp|E.164 *|number[,number]...]... 引数が与えられない場合、コールバックは disable になります。 そうでない場合には、 .Nm は与えられたプロトコルでコールバックを要求します (もしくは .Ar direct モードでは受け付けます)。 要求の否定応答が返されると、 .Nm は他に選択肢がなくなるまで別の要求を出します。 選択肢が尽きると .Nm は交渉を終了します。 オプションは下記の通りです (優先度順): .Pp .Bl -tag .It auth コールバック応答側は、認証に基づいてコールバック番号を 決定することが求められます。 .Nm がコールバック応答側である場合、番号は .Pa /etc/ppp/ppp.secret 中の接続先エントリの 5 番目のフィールドで指定されます。 .It cbcp Microsoft コールバック制御プロトコルが用いられます。後述の .Dq set cbcp を参照してください。 .It E.164 *|number[,number]... コールバック要求側が .Ar number を指定します。 .Nm がコールバック応答側である場合、 .Ar number は許可する番号をコンマで区切って並べたリスト、もしくは 任意の番号を許可するという意味の .Dq \&* とします。 .Nm がコールバック要求側である場合、1 つの数字だけを指定します。 .Pp .Dq \&* を用いる場合、このオプションはとても危険なものとなることに 注意してください。 というのは、悪意あるコールバック要求者が、最初の認証なしに 電話すべき番号として任意の (国際通話番号も可能です) 番号を 伝えることができるからです。 .It none 接続相手がコールバックをまったく望まない場合、 .Nm はそのことを受け入れ、接続を終了するのではなく コールバックせずに処理を続けます。 .El .Pp .It set cbcp Op *|number[,number]... Op delay Op retry 引数が与えられない場合、CBCP (Microsofts CallBack Control Protocol) は disable です。言い換えれば .Dq set callback コマンドで CBCP を設定すると .Nm が CBCP フェーズでコールバック要求を行わなくなります。 そうでない場合、 .Nm は与えられた電話番号 .Ar number を使おうとします。 .Pp サーバモード .Pq Fl direct では、 .Dq \&* を使わない限り .Nm はクライアントがこれらの番号の 1 つを使うことを主張します。 .Dq \&* を使った場合には、クライアントが番号を指定するものと想定します。 .Pp クライアントモードでは .Nm は与えられた番号 (そのうち接続相手と合意可能なもの) を使用しようとします。 .Dq \&* が指定された場合には、 .Nm 接続相手が番号を指定するものと想定します。 .It set choked Op Ar timeout これは .Nm がすべての未送出パケットを破棄する前に 送出キュー詰まりを保持する秒数を設定します。 .Ar timeout が 0 以下もしくは .Ar timeout が指定されない場合、デフォルト値の .Em 120 秒 に設定されます。 .Pp 送出キュー詰まりは .Nm がローカルネットワークから特定の数の送出パケットを読み込んだが、 リンク失敗 (接続相手がビジーなど) のためにデータを送れない場合に 発生します。 .Nm はパケットを無限には読み込みません。代りに .Em 20 パケット (マルチリンクモードでは .Em 20 No + .Em nlinks No * .Em 2 パケット) まで読み込み、 .Ar timeout 秒経過するか、1 つ以上のパケットが送られるまで ネットワークインタフェースの読み込みを停止します。 .Pp .Ar timeout 秒が経過すると、すべての未送出パケットは破棄されます。 .It set ctsrts|crtscts on|off ハードウェアフロー制御をセットします。 デフォルトではハードウェアフロー制御は .Ar on です。 .It set deflate Ar out-winsize Op Ar in-winsize DEFLATE アルゴリズムの、 デフォルトの出力ウィンドウサイズと入力ウィンドウサイズを設定します。 .Ar out-winsize および .Ar in-winsize は、 .Em 8 から .Em 15 までの値をとる必要があります。 .Ar in-winsize が指定されると、 .Nm はこのウィンドウサイズの使用を強要し、相手が他の値を示しても受け入れません。 .It set dns Op Ar primary Op Ar secondary .Dq accept dns コマンドで使用される、DNS 上書きを設定します。 詳細については前述の .Dq accept コマンドの記述を参照してください。本コマンドは .Dq enable dns を使用して要求される IP 番号には影響を与えません。 .It set device|line Ar value[,value...] .Nm が使用するデバイスを、指定された .Dq value に設定します。 全シリアルデバイス名は .Pa /dev/ から始まることが仮定されています。 .Dq value が .Pa /dev/ から始まらない場合、エクスクラメーションマーク .Pq Dq \&! から始めるか、 .Dq host:port の形式である必要があります。 .Pp エクスクラメーションマークで始まる場合、 デバイス名の残りはプログラム名として扱われ、 そのデバイスがオープンされるときにそのプログラムが実行されます。 標準入出力およびエラーは .Nm にフィードバックされ、それらが通常デバイスであるかのように読み書きされます。 .Pp .Dq host:port の組が与えられる場合、 .Nm は、指定された .Dq host の指定された .Dq port と接続しようとします。 詳細は上述の .Em PPP オーバ TCP の節を参照してください。 .Pp 複数の .Dq value を指定した場合、 .Nm は成功するか全デバイスについて実行し終るまで、順番にオープンを試みます。 .It set dial Ar chat-script 相手へダイヤルする際に使用されるチャットスクリプトを指定します。 後述の .Dq set login コマンドも参照してください。 チャットスクリプトのフォーマットの詳細については、 .Xr chat 8 と設定ファイルの例を参照してください。 次の特殊な .Sq value をチャットスクリプトに指定可能です: .Bd -unfilled -offset indent .It \\\\\\\\\\\\\\\\c .Sq 送信 文字列の最後の文字として使用した場合、 改行を追加してはならないことを意味します。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\d チャットスクリプトがこのシーケンスに出会うと、2 秒待ちます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\p チャットスクリプトがこのシーケンスに出会うと、1/4 秒待ちます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\n 改行文字と置き換えられます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\r 復改文字と置き換えられます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\s 空白文字と置き換えられます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\t タブ文字と置き換えられます。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\T 現在の電話番号と置き換えられます (後述の .Dq set phone 参照)。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\P 現在の .Ar authkey 値と置き換えられます (前述の .Dq set authkey 参照)。 .It \\\\\\\\\\\\\\\\U 現在の .Ar authname 値と置き換えられます (前述の .Dq set authname 参照)。 .Ed .Pp 2 つのパーザがこれらのエスケープシーケンスを検査することに注意してください。 .Sq チャットのパーザ にエスケープ文字を見せるには、 .Sq コマンドパーザ からエスケープする必要があります。 つまり、2 つのエスケープを使用する必要があります。例えば次のようにします: .Bd -literal -offset indent set dial "... ATDT\\\\T CONNECT" .Ed .Pp チャットスクリプトから外部コマンドを実行することもできます。 そうするためには、 受信待ち文字列または送信文字列の最初の文字をエクスクラメーションマーク .Pq Dq \&! にします。 コマンドが実行されると、標準入力と標準出力がモデムデバイス ( .Dq set device 参照) に向けられ、標準エラー出力が .Nm に読まれて受信待ち文字列もしくは送信文字列に置き換えられます。 .Nm が対話モードで実行されている場合、ファイルデスクリプタ 3 は .Pa /dev/tty に接続されます。 .Pp 例えば (読み易さのために折り返しています); .Bd -literal -offset indent set login "TIMEOUT 5 \\"\\" \\"\\" login:--login: ppp \e word: ppp \\"!sh \\\\\\\\-c \\\\\\"echo \\\\\\\\-n label: >&2\\\\\\"\\" \e \\"!/bin/echo in\\" HELLO" .Ed .Pp は次のチャットシーケンスになります (ダイヤル前の .Sq set log local chat コマンドによる出力): .Bd -literal -offset indent Dial attempt 1 of 1 dial OK! Chat: Expecting: Chat: Sending: Chat: Expecting: login:--login: Chat: Wait for (5): login: Chat: Sending: ppp Chat: Expecting: word: Chat: Wait for (5): word: Chat: Sending: ppp Chat: Expecting: !sh \\-c "echo \\-n label: >&2" Chat: Exec: sh -c "echo -n label: >&2" Chat: Wait for (5): !sh \\-c "echo \\-n label: >&2" --> label: Chat: Exec: /bin/echo in Chat: Sending: Chat: Expecting: HELLO Chat: Wait for (5): HELLO login OK! .Ed .Pp 複数レベルのネストについて、 エスケープ文字の使用方法に (再度) 注意してください。 ここでは、4 つのパーザが動作してます。 1 番目は、オリジナルの行をパーズし、3 つの引数として読みます。 2 番目は、第 3 引数を 11 個の引数として読みます。 ここで、 .Dq \&- 記号がエスケープされていることが重要です。 そうでなければパーザは、 受信待ち-送信-受信待ちのシーケンスとして見てしまいます。 .Dq \&! 文字を見付けると、実行パーザは最初のコマンドを 3 つの引数として読み、 .Xr sh 1 自身が .Fl c 以降の引数を展開します。 我々は出力をモデムに送り返したいので、 1 番目の例では出力をファイルデスクリプタ 2 (stderr) にリダイレクトして .Nm 自身に送信およびログさせ、 2 番目の例では単に stdout に出力して直接モデムに出力させます。 .Pp もちろん全体を、組み込みのものではなく外部の .Dq chat コマンドに実行させることが可能です。 良い代替方法については .Xr chat 8 を参照してください。 .It set enddisc Op label|IP|MAC|magic|psn value このコマンドは、ローカル終点の選択値を設定します。 LCP 交渉の前に設定されると、 .Nm は LCP 終点選択値オプションを使用して、相手に情報を送ります。 次の選択値を設定可能です。 .Bd -unfilled -offset indent .It Li label 現在のラベルが使用されます。 .It Li IP 当方のローカル IP 番号を使用します。 LCP は IPCP より前に交渉されますので、 IPCP 層が後からこの値を変更することが可能です。 その場合、手動でリセットしない限り、終点の選択値は古い値のままとなります。 .It Li MAC 前述の .Ar IP オプションに似ていますが、 ローカル IP 番号に関係する MAC アドレスが使用される点が異なります。 ローカル IP 番号がどのイーサネットインタフェースにも存在しない場合、 本コマンドは失敗します。 .Pp ローカル IP 番号のデフォルトは、 マシンンホスト名がなんであれ、その名前になりますので、通常 .Dq set enddisc mac を .Dq set ifaddr コマンドよりも先に実行します。 .It Li magic 20 桁の乱数が使用されます。 .It Li psn Ar value 指定された .Ar value が使用されます。 .Ar value は、絶対的な公衆スイッチネットワーク番号の先頭に 国コードを付けたものであるべきです。 .Ed .Pp 引数が与えられない場合、終点の選択値はリセットされます。 .It set escape Ar value... このオプションは前述の .Dq set accmap オプションに似ています。 リンクを経由する時に「エスケープ」される文字を指定するために使用します。 .It set filter dial|alive|in|out rule-no permit|deny Ar "[src_addr/width] [dst_addr/width] [proto [src [lt|eq|gt port]] [dst [lt|eq|gt port]] [estab] [syn] [finrst]]" .Nm は 4 つのフィルタセットをサポートします。 .Em alive フィルタは接続を活性状態に保つパケットを指定します - アイドルタイマをリセットします。 .Em dial フィルタは、 .Fl auto モード時に .Nm にダイヤルさせるパケットを指定します。 .Em in フィルタは、マシンに入力可能なパケットを指定します。 .Em out フィルタは、マシンから出力可能なパケットを指定します。 .Pp フィルタリングは、 エイリアスエンジンが行う IP 変更の前に適用されます。 デフォルトでは、全フィルタセットが全パケットの通過を許可します。 ルールは .Ar rule-no に従って順番に処理されます。 各セットに対し 20 までのルールを指定可能です。 指定されるセットにおけるどのルールにもマッチしないパケットは破棄されます。 .Em in と .Em out のフィルタでは、パケットをドロップすることを意味します。 .Em alive フィルタでは、アイドルタイマをリセットしないことを意味します。 .Em dial フィルタではダイアルさせることにはならないことを意味します。 ダイヤルを引き起こさないパケットは、 キューされるのではなく、捨てられることに注意してください。 上述のパケットのフィルタリングの節を参照してください。 .It set hangup Ar chat-script モデムを閉じる前にこれをリセットする時に使用する、 チャットスクリプトを指定します。 通常は不要であるべきですが、 閉じる時に自己を正しくリセットできないデバイスに対して使用できます。 .It set help|? Op Ar command 利用可能な set コマンドのまとめを表示するか、 .Ar command が指定されると、コマンドの使用方法を表示します。 .It set ifaddr Ar [myaddr [hisaddr [netmask [triggeraddr]]]] このコマンドは、IPCP 交渉の間使用される IP アドレスを指定します。 アドレスのフォーマットは次の通りです。 .Pp .Dl a.b.c.d/n .Pp ここで .Ar a.b.c.d は希望する IP アドレスであり、 .Ar n はこのうち何ビットが有効であるかを示します。 .Ar /n が省略された場合、デフォルトの .Ar /32 になります。 ただし IP アドレスが 0.0.0.0 である場合には、マスクのデフォルトは .Ar /0 です。 .Pp .Ar hisaddr に IP 番号の範囲として .Pp .Dl a.b.c.d[-d.e.f.g][,h.i.j.k[-l,m,n,o]]... .Pp のフォーマットを指定できます。例えば: .Pp .Dl set ifaddr 10.0.0.1 10.0.1.2-10.0.1.10,10.0.1.20 .Pp は .Ar 10.0.0.1 のみをローカル IP 番号として交渉しますが、指定された 10 個の IP 番号から 相手に割り当てを行います。 相手がこれらの番号のうちの 1 つを要求し、この番号が未使用な場合には、 .Nm は相手の要求を認めます。 相手がリンクを再確立して前回割り当てていた IP 番号を使用したい場合に有用です (既存の TCP 接続を保存します)。 .Pp 相手が要求した IP 番号が範囲外もしくは使用中の場合、 .Nm は範囲内の未使用 IP 番号をランダムに指示します。 .Pp .Ar triggeraddr が指定された場合、この値が .Ar myaddr の代りに IPCP 交渉で使用されます。 ただし、 .Ar myaddr の範囲のアドレスのみ受け入れられます。 これが有用なのは、相手が .Ar 0.0.0.0 を要求しない限り IP アドレスを割り当てようとしない .Dv PPP 実装と交渉するときです。 .Pp .Fl auto モードでは設定ファイルの .Dq set ifaddr 行を読んだ直後に .Nm がインタフェースを構成することに注意してください。 他のモードではこれらの値は IPCP 交渉で使用され、 IPCP 層がアップするまでこれらのインタフェースは構成されません。 .Pp .Po PAP か CHAP が .Dq enable である場合 .Pc クライアントが自己証明をした後では、 .Ar HISADDR 引数は .Pa ppp.secret ファイルの第 3 引数で上書きされうることに注意してください。 .Em 内向き接続の認証 の節を参照してください。 .Pp どの場合でも、インタフェースが既に構成されている場合には、 .Nm はインタフェースの IP 番号を保存して、 既にバインドされているソケットが正しいままであるようにします。 .It set ccpretry Ar period .It set chapretry Ar period .It set ipcpretry Ar period .It set lcpretry Ar period .It set papretry Ar period これらのコマンドは .Nm が有限状態機械 (Finite State Machine; FSM) に要求パケットを送る前に 待つ秒数を指定します。 .Ar period のデフォルトは、全 FSM において 3 秒です (ほとんどの場合十分です)。 .It set log [local] [+|-] Ns Ar value... このコマンドにより現在のログレベルを修正できます。 詳細はログ機能の節を参照してください。 .It set login chat-script この .Ar chat-script はダイヤルスクリプトを補います。 もし両方が指定された場合、ダイヤルスクリプトの後で、 ログインスクリプトが実行されます。 ダイヤルスクリプト中で使用可能なエスケープシーケンスはここでも使用可能です。 .It set lqrperiod Ar frequency このコマンドは、 .Em LQR または .Em ECHO LQR のパケットが送信される頻度 .Ar frequency を秒で指定します。デフォルトは 30 秒です。 相手に LQR 要求を送りたい場合には、 .Dq enable lqr コマンドもまた使用する必要があります。 .It set mode Ar interactive|auto|ddial|background 指定したリンクにおけるモード .Sq mode を変更できます。通常マルチリンクモードでのみ有用ですが、 単一リンクモードでも使用可能です。 .Pp .Sq direct または .Sq dedicated のリンクを変更することはできません。 .It set mrru Op Ar value このオプションを設定すると、 マルチリンクプロトコルまたは MP としても知られる、 マルチリンク PPP 交渉を有効にします。 MRRU (Maximum Reconstructed Receive Unit) の値にはデフォルトはありません。 引数を指定しないと、マルチリンクモードは無効にされます。 .It set mru Op Ar value デフォルトの MRU (最大受信単位; Maximum Receive Unit) は 1500 です。 この値を増加させた場合、相手は MTU を増加させても *かまいません*。 デフォルトの MRU より減らすことは意味がありません。 なぜなら、 .Em PPP プロトコルでは少なくとも 1500 オクテットのパケットを 受信できなければ *ならない* からです。 引数が指定されないと、1500 が仮定されます。 .It set mtu Op Ar value デフォルトの MTU は 1500 です。 交渉時に、(296 バイト未満でなければ) 相手が望むいかなる MRU および MRRU も受け付け可能です。 MTU が設定されると、 .Nm は .Ar value よりも小さい MRU/MRRU の値を受け付けなくなります。 交渉が完了すると、相手がより大きな MRU/MRRU を要求していたとしても、 インタフェースに対して MTU が割り当てられます。 当方のパケットサイズを制限するのに有用です (よりよくバンド幅を共有できるようになりますが、 ヘッダデータが増えるというコストがかかります)。 .Pp .Ar value を指定しないと、1500 または相手が要求した値が使用されます。 .It set nbns Op Ar x.x.x.x Op Ar y.y.y.y このオプションは、相手の要求によって返される Microsoft NetBIOS ネームサーバの値を設定します。 値を指定しないと、 .Nm はそのような要求を拒否するようになります。 .It set openmode active|passive Op Ar delay デフォルトでは、 .Ar openmode は常に、1 秒の .Ar delay をもって .Ar active となります。 この場合、 .Nm は回線が設定されてから 1 秒が経過したなら いつでも LCP/IPCP/CCP の交渉を開始します。 相手が交渉を開始するのを待ちたい場合は、値 .Dq passive を使用します。 直ちにもしくは 1 秒以上待ってから交渉を開始したい場合、 .Ar delay を秒単位で指定します。 .It set parity odd|even|none|mark 回線のパリティを設定できます。デフォルト値は .Ar none です。 .It set phone Ar telno[|telno]...[:telno[|telno]...]... ダイヤルおよびログインのチャットスクリプトで使用される \\\\T 文字列が 置き換えられる電話番号を指定できます。 複数の電話番号をパイプ (|) もしくはコロン (:) で区切って指定可能です。 パイプの後の番号がダイヤルされるのは、 直前の番号へのダイヤルもしくはログインのスクリプトが失敗した場合のみです。 回線の切断の理由にかかわらず、 コロンで区切られた番号は順番に試行されます。 複数の番号を指定した場合、接続が確立するまで .Nm はこのルールに基づいてダイヤルします。 再試行の最大値は、後述の .Dq set redial で指定します。 .Fl background モードでは各番号は最大 1 回試行されます。 .It set reconnect Ar timeout ntries (CD の喪失もしくは LQR の失敗により) 予想外の回線切断となった場合、 指定した .Ar timeout の後に接続が再確立されます。 回線は最大 .Ar ntries 回、再接続されます。 .Ar ntries のデフォルトは 0 です。 .Ar timeout に .Ar random を指定すると、0 から 30 秒の間の任意時間の停止となります。 .It set redial Ar seconds[.nseconds] [attempts] .Nm に .Ar attempts 回のリダイヤルを指示できます。 1 より大きな数を指定した場合 (前述の .Ar set phone 参照)、 各番号にダイヤルする前に、 .Ar nseconds だけ停止します。 最初の番号に戻ってダイヤル開始する前に .Ar seconds だけ停止します。 .Dq random を .Ar seconds および .Ar nseconds のところで使用でき、0 から 30 秒の間の任意時間の停止となります。 .Pp .Ar attempts が経過した後でもこの遅延は効果があるので、 すぐに手動でダイヤルしても何も起ってないように見えるかもしれません。 すぐにダイヤルする必要がある場合、 .Dq \&! を .Dq open キーワードの直後に付けます。 更なる詳細については、前述の .Dq open の記述を参照してください。 .It set server|socket Ar TcpPort|LocalName|none password Op Ar mask このコマンドは .Nm に指定したソケットもしくは .Sq 診断ポート にてコマンド接続の入力を listen するように指示します。 .Pp 語 .Ar none は .Nm に既に存在するソケットを閉じさせます。 .Pp ローカルドメインソケットを指定したい場合、 .Ar LocalName に絶対ファイル名を指定します。そうしないと、TCP ポートの名前もしくは番号 であると解釈されます。 ローカルドメインソケットに使用される 8 進 umask を指定可能です。 .Sq 0 から始まる 4 桁 8 進数で指定します。 umask の詳細については .Xr umask 2 を参照してください。TCP ポート名がどのように変換されるかについては .Xr services 5 を参照してください。 .Pp このソケットにクライアントが接続するときに使用されねばならないパスワードも 指定可能です ( 前述の .Dq passwd コマンドを使用します)。 パスワードが空文字列として指定される場合、 クライアントが接続するときにパスワードを必要とされません。 .Pp ローカルドメインソケットが指定される場合、ソケット名中の最初の .Dq %d シーケンスは現在のインタフェースユニット番号で置換されます。 複数接続のために同一のプロファイルを使用したい場合に便利です。 .Pp 同様の方法で TCP ソケットの前に .Dq + 文字を付けることができます。 この場合、現在のインタフェースユニット番号が、ポート番号に加算されます。 .Pp .Nm をサーバソケットと共に使用する場合、通信機構として .Xr pppctl 8 コマンドを使用することが好ましいです。 現在 .Xr telnet 1 も使用可能ですが、将来リンク暗号化が実装されるかもしれませんので、 .Xr telnet 1 に依存しないようにしてください。 .It set speed Ar value シリアルデバイスの速度を指定します。 .It set stopped Ar [LCPseconds [CCPseconds]] このオプションが指定されると、 指定した FSM (有限状態機械; Finite State Machine) が停止状態になってから .Dq seconds で指定した秒数だけ停止したのち、 .Nm はタイムアウトします。 このオプションは、 相手が終了要求を送り我々が終了確認応答を送ったにもかかわらず 実際には接続を閉じない場合に、有用かもしれません。また、 .Dq set openmode passive を使用した場合に相手が指定時間内に Configure Request を送らないことを タイムアウト検出する場合には、便利かもしれません。 .Dq set log +lcp +ccp を使用すると、 .Nm は適切な状態遷移をログします。 .Pp デフォルト値は 0 であり、 停止状態による .Nm のタイムアウトは発生しません。 .Pp この値は openmode の遅延 (上述の .Dq set openmode 参照) より小さくなってはなりません。 .It set timeout Ar idleseconds このコマンドはアイドルタイマの値を指定します。 更なる詳細については .Dq アイドルタイマの設定 というタイトルの節を参照してください。 .It set vj slotcomp on|off このコマンドは .Nm に VJ スロット圧縮を交渉するか否かを指示します。 デフォルトではスロット圧縮は .Ar on です。 .It set vj slots Ar nslots このコマンドは最初の .Ar slots 番号を指定します。 .Nm は VJ 圧縮が enable されている時には、 これを使用して相手と交渉をします (前述の .Sq enable コマンドを参照してください)。 デフォルト値は 16 です。 .Ar nslots は .Ar 4 以上 .Ar 16 以下の値です。 .El .Pp .It shell|! Op Ar command .Ar command が指定されない場合、 .Dv SHELL 環境変数で指定されるシェルが起動されます。 そうでなければ指定された .Ar command が実行されます。 語の置換は、前述の .Dq !bg コマンドと同様の方法で行われます。 .Pp 文字 ! を使用する場合、コマンドとの間に空白が必要です。 このコマンドはフォアグラウンドで実行されることに注意してください - .Nm はプロセスが終了するまでは実行を続けません。 バックグラウンドでコマンド処理を行いたい場合には、 .Dv bg コマンドを使用してください。 .It show Ar var このコマンドを使用して、次の内容を確認できます: .Bl -tag -width 20 .It show bundle 現在のバンドル設定を表示します。 .It show ccp 現在の CCP 圧縮統計を表示します。 .It show compress 現在の VJ 圧縮統計を表示します。 .It show escape 現在のエスケープ文字を表示します。 .It show filter Op Ar name 指定したフィルタの現在のルールをリストします。 .Ar name を指定しないと、全フィルタが表示されます。 .It show hdlc 現在の HDLC 統計を表示します。 .It show help|? 利用可能な show コマンドのまとめを表示します。 .It show ipcp 現在の IPCP 統計を表示します。 .It show lcp 現在の LCP 統計を表示します。 .It show [data]link 高レベルリンク情報を表示します。 .It show links 利用可能な論理リンクのリストを表示します。 .It show log 現在のログ値を表示します。 .It show mem 現在のメモリ統計を表示します。 .It show modem 現在の下位レベルリンク情報を表示します。 .It show proto 現在のプロトコルの総計を表示します。 .It show route 現在の経路表を表示します。 .It show stopped 現在の stopped タイムアウト値を表示します。 .It show timer アクティブアラームタイマを表示します。 .It show version .Nm の現在のバージョン番号を表示します。 .El .Pp .It term 端末モードに移行します。 キーボードからタイプした文字はモデムに送られます。 モデムから読んだ文字はスクリーンに表示されます。 モデムの相手側に .Nm の相手が認識された時には、 .Nm は自動的にパケットモードを有効にし、コマンドモードに戻ります。 .El .Pp .Sh 更に詳細について .Bl -bullet .It 設定ファイルの例を読んでください。良い情報源です。 .It 何が利用できるかについては、 .Dq help , .Dq show ? , .Dq alias ? , .Dq set ? , .Dq set ? コマンドを使って、オンライン情報を取得してください。 .It 次の URL に有用な情報があります: .Bl -bullet -compact .It http://www.FreeBSD.org/FAQ/userppp.html .It http://www.FreeBSD.org/handbook/userppp.html .El .Pp .El .Pp .Sh 関連ファイル .Nm は、4 つのファイル .Pa ppp.conf , .Pa ppp.linkup , .Pa ppp.linkdown , .Pa ppp.secret を参照します。 これらのファイルは .Pa /etc/ppp に置かれます。 .Bl -tag -width XX .It Pa /etc/ppp/ppp.conf システムのデフォルト設定ファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.secret 各システム用の認証設定ファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.linkup .Nm がネットワークレベルの接続を確立した時に実行されるファイル。 .It Pa /etc/ppp/ppp.linkdown .Nm がネットワークレベルの接続を閉じる時にチェックするファイル。 .It Pa /var/log/ppp.log ログとデバッグ情報のファイル。このファイル名は .Pa /etc/syslogd.conf にて指定されます。詳細は .Xr syslog.conf 5 を参照してください。 .It Pa /var/spool/lock/LCK..* tty ポートをロックするためのファイル。詳細は .Xr uucplock 3 を参照してください。 .It Pa /var/run/tunN.pid tunN デバイスに接続されている .Nm プログラムのプロセス ID (pid) 。 ここで .Sq N はデバイスの番号です。 .It Pa /var/run/ttyXX.if このポートで使われている tun インタフェース。 このファイルも .Fl background , .Fl auto , .Fl ddial のいずれかのモードの時のみ作成されます。 .It Pa /etc/services サービス名でポート番号が指定されている場合に、ポート番号を取得します。 .It Pa /var/run/ppp-authname-class-value マルチリンクモードでは、 相手の認証名称 .Pq Sq authname と相手の終点選択クラス .Pq Sq class と相手の終点選択値 .Pq Sq value を使用して、ローカルドメインソケットが生成されます。 終点選択値はバイナリ値であってもかまわないため、 実際のファイル名を判定するために 16 進数に変換されます。 .Pp このソケットは、別の .Nm のインスタンスとリンクを受け渡しを行うために使用します。 .El .Pp .Sh 関連項目 .Xr at 1 , .Xr ftp 1 , .Xr gzip 1 , .Xr hostname 1 , .Xr login 1 , .Xr tcpdump 1 , .Xr telnet 1 , .Xr syslog 3 , .Xr uucplock 3 , .Xr crontab 5 , .Xr group 5 , .Xr passwd 5 , .Xr resolv.conf 5 , .Xr syslog.conf 5 , .Xr adduser 8 , .Xr chat 8 , .Xr getty 8 , .Xr inetd 8 , .Xr init 8 , .Xr named 8 , .Xr ping 8 , .Xr pppctl 8 , .Xr pppd 8 , .Xr route 8 , .Xr syslogd 8 , .Xr traceroute 8 , .Xr vipw 8 .Sh 歴史 元のプログラムは Toshiharu OHNO (tony-o@iij.ad.jp) が作成し、 FreeBSD-2.0.5 に Atsushi Murai (amurai@spec.co.jp) が提出しました。 .Pp 1997 年中に本質的に Brian Somers (brian@Awfulhak.org) が修正をし、 11 月に OpenBSD に移植されました (2.2-RELEASE の直後です)。 .Pp 1998 年初頭にマルチリンク ppp サポートが追加されたときに、 ほとんどのコードを Brian Somers が書き直しました。