diff --git a/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/Makefile b/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/Makefile index 624dcd9eb7..26211a0fba 100644 --- a/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/Makefile +++ b/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/Makefile @@ -1,15 +1,17 @@ -# $FreeBSD$ +# $FreeBSD: doc/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/Makefile,v 1.1.1.1 2000/01/06 07:22:41 kuriyama Exp $ # Original revision: 1.8 DOC?= article FORMATS?= html INSTALL_COMPRESSED?=gz INSTALL_ONLY_COMPRESSED?= SRCS= article.sgml +NO_TIDY= YES + DOC_PREFIX?= ${.CURDIR}/../../.. .include "${DOC_PREFIX}/share/mk/doc.project.mk" diff --git a/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/article.sgml b/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/article.sgml index c67b8581a2..2ac1f3edb7 100644 --- a/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/article.sgml +++ b/ja_JP.eucJP/articles/multi-os/article.sgml @@ -1,825 +1,825 @@ - + + +
FreeBSD と他の OS を共存させるには Jay Richmond
jayrich@sysc.com
- 6 August 1996 + 1996 年 8 月 6 日 - ここでは, FreeBSD を (Linux, MS-DOS,OS/2, Windows 95 など等の) - 他の人気のある OS とうまく同居させる方法について説明します. + ここでは, FreeBSD を (Linux, MS-DOS,OS/2, Windows 95 など) + 人気のある他の OS とうまく同居させる方法について説明します. この文章を書くにあたり, Annelise Anderson andrsn@stanford.edu, Randall Hopper rhh@ct.picker.com, Jordan K. Hubbard jkh@time.cdrom.com - には特にお世話になりました. + には, 特にお世話になりました.
- 概要 - Overview - - 大容量のディスクがないと, 大半の人は複数の OS を - うまく載せることができないので, - 大容量 EIDE ドライブについての特別な情報を含めます. - 複数の OS を同居させるには, ハードディスクの設定および可能な - OS の組合せが多々考えられるため, - は, 非常に役立つかと思います. - その章には, 複数の OS を使用するための特別な - コンピュータ設定についての詳細が載っています. - - - - ここでは, 追加する OS 用として - 既にハードディスクに空きがあることを仮定しています. - ハードドライブのパーティションを再度切り直すと, + 概要 + + 大容量のディスクがないと, 大半の人は複数の OS を + うまく共存させることはできません. そのため, この文書には大容量 + EIDE ドライブに関する記述も含まれています. + 複数の OS を同居させる場合, ハードディスクの設定や + OS の組合せというのは非常にたくさんありますが, + おそらく が最も役に立つ章でしょう. + その章には, 複数の OS を使用するために特に必要な + コンピュータ設定についての詳細が書かれています. + + この文書では, ハードディスクに + OS を追加できるだけの空き容量があることを前提としています. + ハードディスクのパーティションを再度切り直すと, 既存のパーティションにあるデータを壊すことになりかねません. - しかし, ハードドライブが完全に DOS で占められているようであれば, + しかし, ハードディスクが完全に DOS で占められているようであれば, (FreeBSD CD-ROM の中の \TOOLS ディレクトリ, あるいは ftp - から取得できる) FIPS ユーティリティが役に立つかと思われます. - このツールによって, データを破壊することなくハードディスクの + から取得できる) FIPS ユーティリティが役に立つことでしょう. + このツールを使えば, データを破壊することなくハードディスクの パーティションを切り直すことができます. - また, 一連の作業なしにパーティションのサイズを変更したり削除できる - Partition Magic という商用のプログラムも出回っています. - + また, データを破壊せずにパーティションのサイズを変更したり削除できる + Partition Magic という商用のプログラムも出回っています. - ブートマネージャーの概要 - Overview of Boot Managers + ブートマネージャの概要 - お目にかかることのあるかもしれないいくつかのブートマネージャーに - ついて簡単に説明します. - コンピュータの設定によっては, 同じシステム上で 1 つ以上 - ブートマネージャーを使用した方が便利な場合があります. + ここでは, おそらくあなたが目にするであろう, + いくつかのブートマネージャについて簡単に説明します. + コンピュータの設定によっては, 同じシステム上で 1 つ以上の + ブートマネージャを使用した方が便利な場合があります. Boot Easy - これは, FreeBSD のデフォルトとして使用されている - ブートマネージャーです. - BSD, OS/2(HPFS), Windows 95 (FAT や FAT32), および Linux - を含む, 大半の OS に対して使用可能です. - ファンクションキーでパーティションを選ぶことができます. + これは, FreeBSD で標準に使用されている + ブートマネージャです. + 大半の OS が起動可能で, + BSD, OS/2(HPFS), Windows 95 (FAT および FAT32), Linux + などをサポートします. + ファンクションキーで起動パーティションを選択することができます. OS/2 Boot Manager - FAT, HPFS, FFS (FreeBSD), および EXT2(Linux) を起動します. - また, FAT32 パーティションを起動することも可能です. + これは, FAT, HPFS, FFS(FreeBSD), および EXT2(Linux) + の起動に対応していて, FAT32 パーティションもサポートします. パーティション選択は, カーソルキーで行います. - マスターブートレコード (MBR) を使用する他のと違い, - OS/2 Boot Manager は, - 唯一自分用にひとつパーティションを占有します. + OS/2 Boot Manager は, 他のマスターブートレコード (MBR) を + 使用するブートマネージャと異なり, + 唯一, 自分用にひとつパーティションを占有します. そのため, 起動時の問題を避けるために, - 第 1024 番目より前のシリンダーにインストールしなければいけません. - MBR ではなく, ブートセクターの一部にある場合は, - LILO を用いて Linux を起動することができます. - OS/2 のブートマネージャーで Linux を起動させる方法については, + 第 1024 番目より前のシリンダにインストールしなければいけません. + ブートマネージャが MBR ではなく, 起動セクタの一部にある場合は, + LILO を使っている Linux を起動することができます. + OS/2 Boot Manager で Linux を起動させる方法の詳細は, 次のサイト Linux HOWTO - に詳細がありますのでご覧下さい. + を参照してください. OS-BS - こちらは, Boot Easy の代わりになります. - ブーティングに時間制限をしたり, - デフォルトパーティションが起動するように設定したり, - ブートプロセスをより一層制御することができます. - このプログラムのβ版では, カーソルキーを用いて起動する OS - を選択することができます. - FreeBSD CD-ROM の \TOOLS ディレクトリ, + これは, Boot Easy に類似したもので, + 起動のタイムアウト設定や起動のデフォルトパーティションを決めるといった, + 起動プロセスの細かい制御が可能です. + このプログラムのベータ版では, + カーソルキーを用いて起動する OS を選択することができます. + これは, FreeBSD CD-ROM の \TOOLS ディレクトリ, あるいは - ftp から入手することができます. + ftp に収録されています. - LILO, または LInux LOader + LILO - LInux LOader - これは, 制限のあるブートマネージャーです. - FreeBSD を起動することができますが, + これは, 動作が限定されたブートマネージャです. + FreeBSD を起動することはできますが, LILO の設定ファイルを少々編集する必要があります. FAT32 について - FAT32は, Microsoft の OEM SR2 β版に含まれた FAT - ファイルシステムへ代わるものです. - FAT32 は, 1996 年末へ向けての Windows 95 が載っている - コンピュータの使用を容易にすることが期待されています. - 通常の FAT ファイルシステムを変換し, - 大きなハードドライブにおいてもより小さなクラスタを使うことができます. - また, FAT32 は従来の FAT ブートセクタやアロケーションテーブルを - 変更することにより, いくつかのブートマネージャとの互換性を - 無くしてしまっています. - + FAT32 は FAT ファイルシステムに代わるものです. + これは Microsoft の OEM SR2 ベータ版(訳注: Windows95 の + OEM 版の一つ)に含まれていて, + 1996 年末へ向けて, Windows 95 がプリインストールされた + コンピュータで広く利用されることが予想されています. + Windows 95 は従来の FAT ファイルシステムを変換し, + 大容量のハードディスクでより小さなサイズのクラスタを利用可能にします. + また, FAT32 は従来の FAT 起動セクタやアロケーションテーブルを + 変更するため, いくつかのブートマネージャは利用できなくなっています. - 典型的なインストール + 標準的なインストール - ここでは, 大容量の EIDE ハードドライブが 2 つあり, - FreeBSD, Linux, Windows 95 を同居させようとしている状態を - 仮定します. + では, 大容量の EIDE ハードディスクが 2 つあり, + FreeBSD, Linux, Windows 95 を同居させたい, + という場合を考えましょう. このようなハードディスクを使用した場合の 一例について見てみましょう: - /dev/wd0 (1 番目の物理的なハードディスク) + /dev/wd0 (1 番目の物理的なハードディスク) - /dev/wd1 (2 番目のハードディスク) + /dev/wd1 (2 番目のハードディスク) 両方のディスクとも 1416 シリンダあります. - FDISK.EXE ユーティリティが入っている + FDISK.EXE ユーティリティが入っている MS-DOS, あるいは Windows 95 boot ディスクから起動させ, 1 番目のディスク上に 50MB のプライマリパーティション - (Windows 95 には 35-40MB に加えて余分な空きをお勧めします) - を作成します. また, Windows アプリケーションとデータ用として, - 2番目のハードディスク上に大きめのパーティションを作成します. - + (Windows 95 本体に必要な 35-40MB に, + 少々余分な空きを加えたもの)を作成します. + また, Windows アプリケーションとデータ用として, + 2番目のハードディスク上に大きめのパーティションを作成します. - 再起動し, C: パーティション上に - Windows 95 をインストールします - (言うは易く, 行うは難し). + 再起動し, C: + パーティション上に Windows 95 をインストールします. + (一言で終わらせられるほど簡単ではありませんが) 次に Linux をインストールします. - Linux の全てのディストリビューションについては分かりませんが, - slackware には LILO ( 参照) - が含まれます. Linux fdisk を使って, - ハードディスクを切り分ける際 - (おそらく root パーティションと swap のために, 300MBくらい), - Linux はすべて最初のドライブに置きます. + すべての Linux ディストリビューションについて確認したわけではありませんが, + 少なくとも slackware には LILO ( 参照) + が含まれています. Linux の fdisk + コマンドを使って, ハードディスクを切り分けるとしたら, + わたしの場合は最初のドライブ (root パーティションと swap + を合わせてだいたい 300MBくらい) に Linux + の全システムを入れるでしょう. - Linux をインストールした後, LILO をインストールする前に, - LILO のインストール先が MBR (マスタブートレコード) ではなく, - Linux の root パーティション上になるように - インストールして下さい. + Linux をインストールしてから LILO + をインストールするかどうか聞かれた時, + LILO のインストール先は + MBR(マスターブートレコード)ではなく + Linux の root パーティション上になっていることを必ず確認して下さい. - 残りのハードディスクは, FreeBSD にあてます. - また, FreeBSD の root スライスが 1024 シリンダを越えないように - 気を付けましょう - (ここで想定している 720MB のディスクの場合, + 残りのハードディスクは, すべて FreeBSD にあてます. + この時, FreeBSD の root スライスが 1024 シリンダを越えないように + 気を付けます(ここで想定している 720MB のディスクの場合, 1024 シリンダは 528MB の位置にあります). - 残りのハードディスク (270MB) は, /usr と - / スライスにあててもいいでしょう. - 2 番目のディスクの残りは, /usr/src - とスワップ領域にあてます. - この残りの容量は, 手順1. で作成した Windows アプリケーション / + 残りのハードディスク(270MB)は, + /usr と + / スライスにあてることもできます. + 2 番目のディスクの残りは, /usr/src + とスワップ領域に使用します. + この残りの容量は, 手順 1 で作成した Windows アプリケーション / データのパーティションに依存します. - Windows 95 fdisk ユーティリティで見た場合, - ハードドライブは次のように見えます: + Windows 95 fdisk + ユーティリティで見た場合, + ハードドライブは次のように見えているはずです. --------------------------------------------------------------------- 領域情報を表示 現在のハードディスク: 1 領域 状態 種類 ボリュームラベル Mバイト システム 使用 C: 1 A PRI DOS 50 FAT** 7% 2 A Non-DOS (Linux) 300 43% ディスクの総容量は 696 Mバイトです. (1 M バイト = 1048576 バイト) 続けるには Esc キーを押してください. --------------------------------------------------------------------- 領域情報を表示 現在のハードディスク: 2 領域 状態 種類 ボリュームラベル Mバイト システム 使用 D: 1 A PRI DOS 420 FAT** 60% ディスクの総容量は 696 Mバイトです. (1 Mバイト = 1048576 バイト) 続けるには Esc キーを押してください. ---------------------------------------------------------------------- - - ** OEM SR2 update をお使いの場合は, - FAT16 あるいは, FAT32 と表示されることがあります. - をご覧下さい. +--------------------------------------------------------------------- + + 注) 最新の OEM SR2 をお使いの場合は, + ** の部分が FAT16, FAT32 と表示されることがあります. + 詳しくは をご覧下さい. FreeBSD をインストールします. - 最初のハードディスクが BIOS で NORMAL - と設定された状態でブートされるようにします. + 最初のハードディスクが BIOS で NORMAL + と設定された状態で起動することを確認します. そうでない場合は, - ブート時に本来のディスクジオメトリを入力しなければなりません - (やり方は, Windows 95 をブートし, - Microsoft Diagnostics (MSD.EXE) に相談するか, - BIOS をチェックして下さい). - ここでのパラメータ hd0=1416,16,63 は, - 1416 は, ハードディスクのシリンダ数であり, - 16 は, トラックあたりのヘッド数, - 63 は, トラックあたりのセクタ数です. + 起動時に適切なディスクジオメトリ情報を入力しなければなりません + (ジオメトリ情報を得るには, Windows 95 を起動して + Microsoft Diagnostics (MSD.EXE) で調べるか, + BIOS の機能でチェックして下さい). + ここでのパラメータ hd0=1416,16,63 は, + 1416 は, ハードディスクのシリンダ数であり, + 16 は, トラックあたりのヘッド数, + 63 は, トラックあたりのセクタ数です. - ハードディスクを切る際は, - Boot Easy を 1 番目のディスクに載せるようにします. - 2 番目のハードディスクについては心配する必要はありません. - このディスクにより, 起動が妨げられることが無いからです. + ハードディスクのパーティションを切る時には, + Boot Easy が 1 番目のディスクにインストールされていることを確認します. + 2 番目のハードディスクは起動と関係ないので, + こちらについて心配する必要はありません. - 再起動すると, Boot Easy が DOS (Windows 95), Linux, - BSD(FreeBSD) の 3 つの OS を認識します. + 再起動すると, Boot Easy が DOS(Windows 95), + Linux, BSD(FreeBSD) という, + 3 つの起動可能パーティションを認識します. - 注意点として - Special Considerations + 注意と考察 - 大半の OS は, 自分がハードディスクのどの領域にどのように - 載せられているかということを非常に気にします. + 大部分の OS は, 自分がハードディスクのどの領域に, + どのように配置しているか, ということを非常に気にします. Windows 95 や DOS は, 1 番目のハードディスクの - 基本領域にインストールしなくていけません. - OS/2 は, 例外にあたります. - 1 番目, 2 番目のハードディスクを問わず, - 基本でも拡張領域でも載せることができます. - 不確かな場合は, 起動可能なパーティションを + 基本領域にインストールされる必要がありますが, + OS/2 は例外的に, ハードディスクの 1 番目 と 2 番目, + 基本領域と拡張領域をまったく問わずにインストールすることができます. + よく分からなければ, 起動可能なパーティションを 1024 シリンダ内に入れるようにして下さい. - 既存のBSD システムに Windows 95 を載せると, - MBR が 破壊 され, - 以前使用していたブートマネージャーを再インストールする必要がある - でしょう. - CD-ROM の \TOOLS ディレクトリあるいは + BSD システムが存在しているところに + Windows 95 を載せると, MBR が破壊されてしまいます. + そのため, ブートマネージャの再インストールが必要になります. + Boot Easy は, CD-ROM の \TOOLS ディレクトリあるいは ftp サイトに含まれる BOOTINST.EXE ユーティリティを用いて, - Boot Easy を再インストールできます. + 再インストールすることが可能です. また, インストーラのパーティションエディタを使って Boot Easy を再インストールすることもできます. そこから, FreeBSD パーティションを bootable としてマークをつけ, Boot Manager を選択します. 変更した情報を MBR に (W)rite out (= 保存) するため, W を入力します. - ここで再起動します. - Boot Easy が Windows 95 を DOS として認識するはずです. - - - OS/2 は, FAT, HPFS パーティションを認識することを - 覚えておいて下さい. 但し, FFS (FreeBSD), EXT2 (Linux) - パーティションは認識しません. - 同様に, Windows 95 は, FAT や FAT32 を読み書きすることしか - できません ( を参照下さい ). - 現状では HPFS パーティションを読むことはできませんが, - FreeBSD はほとんどのファイルシステムを読むことができます. + そして再起動すると, + Boot Easy が Windows 95 を DOS として認識するはずです. + + OS/2 は FAT, HPFS パーティションを認識しますが, + FFS (FreeBSD), EXT2(Linux) パーティションを認識しないことを覚えておいて下さい. + 同様に, Windows 95 は, FAT と FAT32 + パーティションしか読み書きすることができません( を参照). + FreeBSD は, ほとんどのファイルシステムを読むことができますが, + 現時点で HPFS パーティションの読み込みには対応していません. Linux では, HPFS パーティションを読むことができますが, 書き込みはできません. 最近の Linux カーネル (2.x) のバージョンでは, Windows 95 VFAT パーティションに読み書きができます (VFAT は, Windows 95 で長いファイル名を利用可能にするもので, ほとんど FAT と一緒です). - Linux は, ほとんどのファイルシステムに読み書きができます. - 理解しましたか? そう期待して... + つまり Linux は, ほとんどのファイルシステムに読み書きができるわけです. + わかりました? そう期待して... - 例 - Examples - + + (この章はまだまだ手を入れる必要があります. - 例があったら, jayrich@sysc.com + 良い例があったら, jayrich@sysc.com までメールを送って下さい.) - FreeBSD+Win95: Windows 95 の後に FreeBSD を載せた場合は, - > Boot Easy メニューの DOS をご覧下さい. + FreeBSD+Win95: + Windows 95 の後に FreeBSD を載せた場合は, + Boot Easy メニューの DOS という部分を確認して下さい. これが Windows 95 になります. - FreeBSD の後に Windows 95 を載せた場合は, 上記の - をご覧下さい. + もし, FreeBSD の後に Windows 95 を載せてしまった場合は, + 上記の を読んで下さい. お持ちのハードディスクが 1024 シリンダを越えない場合は, - ブート時の問題はありません. パーティションの1 つが 1024 を越える, - invalid system disk under DOS (Windows 95) and FreeBSD - will not boot ( DOS (Windows 95) のシステムディスクは無効です. - FreeBSD は起動しません ) のようなメッセージがでる場合は, - BIOS の >1024 cylinder support あるいは - NORMAL/LBA mode の設定を確認して下さい. - 正常に起動するには, DOS に LBA (Logical Block Addressing) - が必要かも知れません. 毎回起動時にBIOS の設定を切替える方 - 法が好ましくない場合は, CD に含まれる FBSDBOOT.EXE - ユーティリティからDOS を通して, - FreeBSD を立ち上げる方法もあります(このプログラムは, - FreeBSD パーティションを見付けて, 起動します). - - - FreeBSD+OS/2+Win95: 何も新しいことはありません. - OS/2 のブートマネージャは, これら全ての OS を起動することができます. - そのため, 何の障害にもなりません. - - FreeBSD+Linux: Boot Easy を使って, 両方の OS を立ち上げること - ができます. - - FreeBSD+Linux+Win95: ( を参照) + 起動時の問題はありません. + パーティションのうち 1 つでも 1024 を越えたものがあり, + DOS(Windows 95) で + invalid system disk と表示されたり, + FreeBSD で起動できない場合には, BIOS の + >1024 cylinder support あるいは + NORMAL/LBA モードの設定を確認して下さい. + DOS が正常に起動するには, おそらく LBA (Logical Block Addressing) + モードが必要になります. + 毎回起動時にBIOS の設定を切替える方法をとりたくない場合には, + CD に収録されている FBSDBOOT.EXE + ユーティリティを使い, DOS を経由して FreeBSD + を起動させる方法もあります(このプログラムは, + FreeBSD パーティションを見付けて, 起動します). + + FreeBSD+OS/2+Win95: + 特に注意すべきことはありません. + OS/2 のブートマネージャは, これらすべての OS + を起動することができますので, 問題はないでしょう. + + FreeBSD+Linux: + 両方の OS を起動するのに, Boot Easy を使うこともできます. + + FreeBSD+Linux+Win95: + ( を参照) 他の参考となる資料 ハードディスク上に複数の OS を同居させる方法について 取り扱っている Linux - HOW-TO は沢山あります. - - Linux+DOS+Win95+OS2 - mini-HOWTO は, OS/2 ブートマネージャの設定についての - 詳細が載っています. また, Linux+FreeBSD - mini-HOWTO も同様に面白いかと思います. Linux-HOWTO - は, 訳に立つサイトです. - - NT + HOW-TO は, たくさんあります. + + + Linux+DOS+Win95+OS2 mini-HOWTO には, + OS/2 ブートマネージャの詳細な設定法が書かれています. また, + + Linux+FreeBSD mini-HOWTO も同様に参考となるでしょう. + さらに, Linux-HOWTO + というサイトもあります. + + NT Loader Hacking Guide には, - Windows NT, Windows 95, DOS を他の OS - とマルチブートする方法についての情報が載っています. - - Hale Landis の "How It Works" ドキュメント集には, - 全種類のディスクジオメトリやブーティングに関する情報が含まれます. - 以下のサイトは, お役に立つかもしれません: - ftp://fission.dt.wdc.com/pub/otherdocs/pc_systems/how_it_works/allhiw.zip, - http://www.cs.yorku.ca/People/frank/docs/ - - 最後に, 配布されているカーネルソース ( file:/usr/src/sys/i386/boot/biosboot/README.386BSD - に展開されています) に含まれる FreeBSD - のカーネルドキュメンテーションを見落とさないようにしてください. + Windows NT, Windows 95, DOS を, 他の OS + とマルチブートする方法についての情報が書かれています. + + Hale Landis の "How It Works(動作の仕組み)" ドキュメント集には, + あらゆる種類のディスクジオメトリ情報や, 起動に関する情報が含まれています. + また, 以下のリンク + ftp://fission.dt.wdc.com/pub/otherdocs/pc_systems/how_it_works/allhiw.zip, + http://www.cs.yorku.ca/People/frank/docs/ + にあるものも参考になるでしょう. + + 最後に, + 配布されているカーネルソース( + file:/usr/src/sys/i386/boot/biosboot/README.386BSD + に展開されています) に含まれている, FreeBSD + カーネルの文書も見落とさないようにしてください. - 技術的な詳細 - Technical Details + 技術的な詳細 - (Randall Hopper, rhh@ct.picker.com - の貢献によるものです) + (Randall Hopper, + rhh@ct.picker.com の寄稿によるものです) - この章は, ハードディスクやハードディスク起動時の - 過程についての基礎知識を提供しますので, - 複数の OS を起動する際の設定に問題がある時に, - トラブルシューティングとして役に立つかと思われます. - 最初は基本的な用語で始まるので, 見慣れない内容が出てくる - まで流し読みし, そこから読み始めてもよいでしょう. + この章は, + ハードディスクやハードディスクの起動プロセスに関する基礎知識を提供します. + これは, 複数の OS を起動する設定で問題が起こった時, + それを解決するのに役立つでしょう. + 最初はごく基本的な用語から始まりますので, + 章全体を流し読みして, 見慣れない内容が出てくるところから + 読み始めても構いません. - ハードディスクについて - Disk Primer + ハードディスクの基礎 - ハードディスク上のデータの位置を示すのに使われる, - 基本となる用語が 3 つあります: シリンダ, ヘッド, セクタ. - これらの用語の関係を知ることは, とりわけ重要と言う訳ではありません. - が, ディスク上の物理的なデータの位置を示す, + まず, ハードディスク上のデータの位置を示すのに使われる, + 基本となる用語が 3 つあります. それは, シリンダ, ヘッド, セクタです. + これらの用語の関係を知ることが, とりわけ重要と言うわけではありません. + が, これらがディスク上の物理的なデータの位置を示す, ということは覚えておきましょう. - ハードディスクには固有ののシリンダ番号, ヘッド番号, - シリンダヘッドごとのセクタ番号があります + ハードディスクにはそれぞれ, + 固有ののシリンダ数, ヘッド数, シリンダヘッドごとのセクタ数があります (シリンダヘッドはトラックとも呼ばれます). - この情報は, ハードディスクの "ディスクジオメトリ" - を定義します. シリンダとヘッドの数は様々ですが, - 通常, セクタごとに 512 バイト, トラックごとに 63 セクタあります. - このように, 計算することで + この情報は, ハードディスクの「ディスクジオメトリ」を定義します. + セクタ数は大抵の場合, 1 セクタが 512 バイト, + 1 トラックが 63 セクタに対応するようになっていますが, + シリンダとヘッドの数はディスクによってさまざまです. + このように, 計算すると, ディスクに納めることのできるデータのバイト数が分かります: - - (# of cylinders) × (# heads) × (63 - sectors/track) × (512 bytes/sect) - - - 例として, Western Digital AC31600 EIDE - ハードディスクは次のとおりです: + + (シリンダ数) × (ヘッド数) × (63 + セクタ/トラック) × (512 バイト/セクタ) + - - (3148 cyl) × (16 heads) × (63 - sectors/track) × (512 bytes/sect) - + たとえば Western Digital AC31600 EIDE + ハードディスクの場合, 次のようになります. + + + (3148 シリンダ) × (16 ヘッド) × (63 + セクタ/トラック) × (512 バイト/セクタ) + - これは,1,624,670,208 バイト, あるいは約 1.6 GBになります. - - ATA の ID もしくはネットワークから持ってきたプログラムを用いて - ハードディスクのディスクジオメトリ - (シリンダ, ヘッド, セクタ/トラック番号) が分かります. - おそらくハードディスクにこう言った情報が付属していますが, - BIOS LBA ( 参照) を使用している場合は, - 物理的なジオメトリを得るためにどんなプログラムを使用してもいい - わけではないことに注意してください. - 何故かと言うと, 沢山のプログラム - (例 MSD.EXE あるいは FreeBSD fdisk) は, - 物理的なディスクジオメトリを認識しません. - 代りに 変換されたジオメトリ - (LBA を使った仮想の番号) を報告します. - これが何を意味しているのかについては, 以下をお読み下さい. - - - これらの用語について役立つこととしては, 与えられた三つの数字 - — シリンダ数, ヘッダ数, トラックあたりのセクタ数 — - はハードディスク上の特定のセクタ - (データの 512 バイトブロック) を絶対位置で識別します. - シリンダ, ヘッドは 0 から, セクタは 1 から番号付されます. - + これを計算すると 1,624,670,208 バイト, + つまり約 1.6 GB になります. - さらに詳しい技術情報に興味を持った場合, - ディスクジオメトリ, ブートセクタ, BIOS などに関する情報は - ネット上の至るところで得ることができます. + + ハードディスクの物理的なディスクジオメトリ情報 + (シリンダ数, ヘッド数, トラックあたりのセクタ数) は, + ATAID などのインターネット上にあるプログラムを用いて + 調べることができます. おそらくハードディスク自体にも, + こういった情報が付属しているでしょう. + しかし注意して欲しいのですが, BIOS LBA + ( 参照) + を使用している場合, + 物理的なジオメトリ情報を得るためのプログラムはどんなものでも良い, + というわけではありません. + これは, 数多くのプログラム + (たとえば MSD.EXE や FreeBSD の fdisk) + が物理的なディスクジオメトリ情報を認識しないためです. + これらはその代りに, + 変換されたジオメトリ(LBA を使った仮想的なセクタ数) + を報告します. + この言葉が何を意味しているのかについては, 後述します. + + これらの用語について役立つこととしては, + 与えられた三つの数字—シリンダ数, ヘッダ数, + トラックあたりのセクタ数—は, ハードディスク上の特定のセクタ + (データの 512 バイトブロック)を絶対位置で決定します. + シリンダ, ヘッドは 0 から, セクタは 1 から番号付けされます. + + さらに詳しい技術情報に興味がある方には, + ディスクジオメトリ, 起動セクタ, BIOS などに関する情報は + ネット上の至るところで得ることができることをお知らせしておきます. Lycos, Yahoo などで - boot sector (ブートセクタ) , - master boot record (マスターブートレコード) + boot sector (起動セクタ), + master boot record (マスターブートレコード) などを検索してみてください. - それらの役立つ情報の中でも, Hale Landis の How It Works - ドキュメントは参考になります. - このドキュメント集に関しては - セクションを参照してください. + それらの役立つ情報の中でも, + Hale Landis の How It Works(動作の仕組み) + ドキュメント集は参考になります. このドキュメント集に関しては + の章を参照してください. - もう用語については十分ですね. 次は起動についてお話しします. + もう用語については十分ですね. + 次は起動についてお話します. - 起動時のプロセス - The Booting Process + 起動のプロセス ハードディスクの一番先頭のセクタ上 - (シリンダ 0, ヘッド 0, セクタ 0) にマスターブートレコード(MBR) - はあります. - MBR は, ハードディスクのマップを含みます. - また, 最大 4 つの パーティション - を認識することができ, それぞれのパーティションは, - 隣接したディスクの塊と考えて下さい. - 独自のパーティションと混乱しないように, FreeBSD ではパーティションを - スライス と呼んでいます. - しかし, ここではそのように呼びません. - 各パーティションには, それぞれ別の OS を入れることができます. - + (シリンダ 0, ヘッド 0, セクタ 1) には, + マスターブートレコード(MBR)が存在します. + MBR には, ハードディスクのマップ情報が含まれていて, + 最大 4 つの パーティション + を認識することができます. それぞれのパーティションは, + ディスク上の連続したデータ領域の塊です. + FreeBSD では, このパーティションを スライス + と呼んでいます. これは, FreeBSD + 独自のパーティションと混乱しないようにですが, + ここではスライスという言葉は使いません. + 各パーティションには, それぞれ別の OS を入れることができます. MBR の各パーティションエントリには, - パーティション ID, - シリンダ/ヘッド/セクタの開始位置, - シリンダ/ヘッド/セクタの終了位置 があります. - パーティション ID は, パーティションの種類 + パーティション ID, + シリンダ/ヘッド/セクタの開始位置, + シリンダ/ヘッド/セクタの終了位置 + があります. パーティション ID は, パーティションの種類 (どの OS を使用しているか) を, 開始位置/終了位置 はパーティションの位置を示します. - は, - いくつかの一般的なパーティション ID をリストしています. - + に, + 良く使われるパーティション ID のリストを示します. - パーティション ID - Partition IDs</> + <title>パーティション ID - Partition IDs ID (hex) - 説明 - Description + 説明 01 - Primary DOS12 (12-bit FAT) + DOS12 基本領域 (12-bit FAT) 04 - Primary DOS16 (16-bit FAT) + DOS16 基本領域 (16-bit FAT) 05 - Extended DOS + DOS 拡張領域 06 - Primary big DOS (> 32MB) + 大容量 DOS 基本領域(> 32MB) 0A OS/2 83 Linux (EXT2FS) A5 FreeBSD, NetBSD, 386BSD (UFS)
- 注: 全てのパーティションがブートできるとは限りません - (例. Extended DOS). - できるものもできないものもあるのです. - パーティションがブート可能かどうかを決めるのは, + 注: パーティションには, 起動ができないものもあります(例えば + DOS 拡張領域). + つまり, できるものもあれば, できないものもあるというわけです. + パーティションが起動可能かどうかは, 各パーティションの先頭に存在する - パーティションブートセクタの設定で決まります. - - - 好みのブートマネージャーを設定する際, - ハードディスクの MBR パーティションテーブルのエントリが調べられます. - また, リストのエントリに名前をつけることができます. - ブート時に, ブートマネージャーがシステムの最初にプローブされた - ハードディスクのマスターブートセクタにある - 特別なコードによって呼び出されます. - 選択したパーティションに対応するエントリを + パーティション起動セクタの設定で決まります. + + 好みのブートマネージャを設定した場合を考えてみます. + ブートマネージャは, 接続されているすべてのハードディスクの + MBR パーティションテーブルのエントリをリストアップし, + そしてそのリストから, どのエントリを起動するのか + 選択できるようにしてくれます. + ブートマネージャは, + 起動の際, 最初に接続が検出されたハードディスクのマスターブートセクタにある, + 特別なプログラムコードによって呼び出されます. + 呼び出されたブートマネージャは, 選択したパーティションに対応するエントリを MBR パーティションテーブルから調べ, - そのパーティションのシリンダ/ヘッド/セクタの開始位置を決定し, - パーティションのブートセクタをロードし, 制御をそちらに渡します. - そのパーティションのブートセクタは, - パーティション上の OS をロードするために必要な情報を保持しています. - - - たった今話していることは, 知るに値します. - ハードディスク全てに MBR があります. - しかし, 重要なのは BIOS により最初にプローブされた + シリンダ/ヘッド/セクタの開始位置を取得します. + それから, そのジオメトリ情報を使うことでパーティションの起動セクタを読み込み, + 制御をそちらに渡します. + 読み込まれる起動セクタには, そのパーティション上の OS + をロードするために必要な情報が含まれています. + + 今, かるく触れた内容を理解することは, とても重要です. + ハードディスクには, 必ず MBR が存在します. + しかし重要なのは, そのうち BIOS により最初に接続が検出された ハードディスク上にあるものです. IDE ハードディスクだけを使用しているなら, - 最初のIDE ディスクです (例. 最初のコントローラーの primary ディスク). - SCSI だけの場合もそのように言えます. - IDE と SCSI ハードディスクを持っているようであれば, - IDE ディスクは, 通常最初に BIOS によってプローブされます. - インストールするブートマネージャーは, - 最初のプローブされたハードディスク上の MBR から呼び出されます. - + 最初のIDE ディスクです (例えば, 最初のコントローラーのプライマリ側). + SCSI だけで構成されたシステムの場合も, 同じことが言えます. + もし, IDE と SCSI の両方のハードディスクを持っている場合には, + 多くの場合, IDE ディスクが先に検出されるため, + 1 台目の IDE ディスクが, 最初に検出されるハードディスクになります. + 先ほど述べたように, インストールするブートマネージャは, + 最初に検出されたハードディスク上の MBR に格納されることになります.
- ブート時の制限および注意 - Booting Limitations and Warnings + 起動の制限と注意事項 - ここからは注意して読んだ方が良い面白い内容です. + ここでは, 用心しなければならない, 興味深い内容についてお話します. - 恐怖の 1024 シリンダ制限とBIOS LBA がどのように作用するか - The dreaded 1024 cylinder limit and how BIOS LBA helps + 恐怖の 1024 シリンダ制限と BIOS LBA の作用 - 起動プロセスの最初の部分は全て BIOS によりなされています - (BIOS が真新しい言葉であれば, これはコンピュータのための - スタートアップコードを提供するシステムマザーボードの - ソフトウェアチップ, と覚えておいてください). - そのような機能を有するため, この最初のプロセスは, - BIOS インタフェースの制限に依存するのです. + 起動プロセスの最初の部分は, すべて BIOS によって実現されています. + (BIOS とは, コンピュータのためのスタートアップコードを提供する, + システムマザーボードに載っているソフトウェアチップのことです). + そのため, この最初のプロセスは BIOS + インタフェースによって制限を受けます. このプロセスの間, ハードディスクを読み込むために使用された BIOS インタフェース(INT 13H, Subfunction 2) は, シリンダ番号へ 10 ビット, ヘッド番号へ 8 ビット, - セクタ番号へ6 ビット割り当てます. + セクタ番号へ 6 ビット割り当てます. これがこのインタフェースを使う場合 (例. ハードディスクの MBR から呼び出されるブートマネージャや, - ブートセクタから呼び出される OS ローダーなど) - に次のような制限を与えるのです: - + 起動セクタから呼び出される OS ローダーなど) + に次のような制限を与えるのです: - 1024 シリンダ, 最大 + 最大 1024 シリンダ - 256 ヘッド, 最大 + 最大 256 ヘッド - 64 セクタ/トラック, 最大 (実際には 63, 0 + 最大 64 セクタ/トラック (実際には 63, 0 は利用できません) - ここで, 容量の大きなハードディスクには多くの - シリンダがありますが, ヘッドは多数ありません. - そのため, 大容量のハードディスクにおいては, シリンダ数は, - 1024 を越えます. このことや BIOS インタフェースを考慮すると, - ハードディスクのどこからでもブートできるとは限らないのです. - すべてのブート可能なパーティションのブートセクタから呼び出さ - れるブートマネージャや OS ローダーは, - 1024 シリンダより下のシリンダに存在しなければなりません. + さて, 容量の大きなハードディスクには多くのシリンダがありますが, + ヘッドは多数ありません. + そのため, 大容量のハードディスクにおいては, + シリンダ数が 1024 を越えます. + このことや BIOS インタフェースを考慮すると, + ハードディスクのどこからでも起動できるとは限らないのです. + すべての起動可能なパーティションの起動セクタから呼び出されるブートマネージャや + OS ローダーは 1024 シリンダより下のシリンダに存在しなければなりません. 実際に, お使いのハードディスクが典型的なものでヘッドが 16 であれば, 次のようになります: - 1024 cyl/disk × 16 heads/disk × 63 - sect/(cyl-head) × 512 bytes/sector + 1024 シリンダ/ディスク × 16 ヘッド/ディスク × 63 + セクタ/(シリンダ - ヘッド) × 512 バイト/セクタ これが, よく言われる 528MB 制限です. - ここが BIOS LBA (Logical Block Addressing) が入って来る - ところです. + ここが BIOS LBA (Logical Block Addressing) + が入ってくるところです. BIOS LBA はシリンダを再定義することにより, BIOS API を呼び出すコードが BIOS インタフェース経由で 1024 シリンダ より上の物理シリンダにアクセスするようにします. つまり, BIOS を通して見る場合に, 実際より少ないシリンダ数, 多いヘッド数として扱われるようにシリンダ数, ヘッド数を再マップしてくれるのです. 言い替えれば, シリンダ数とヘッド数のバランスを変更することで, ハードディスクが相対的にヘッドが少なく, シリンダが多くなるということを利用することにより, 双方の数が上記に述べられている制限 (1024 シリンダ, 256 ヘッド) を越えないと言うことになります. BIOS LBA を用いることで, ハードディスク容量の制限が仮想的になくなりました (まぁ, 8GB まで上がったと言うところでしょうか). LBA BIOS を使用している場合は, FreeBSD または 他の OS をどこにでも載せることができ, 1024 のシリンダ制限に引っかかることもありません. 1.6GB Western Digital を再度例として考えてみましょう. 物理的なジオメトリは, 次のとおりです: (3148 シリンダ, 16 ヘッド, 63 セクタ/トラック, 512 バイト/セクタ) しかしながら, BIOS LBA は次のように再マッピングを行います: (787 シリンダ, 64 ヘッド, 63 セクタ/トラック, 512 バイト/セクタ) 実際には同じサイズのディスクなのですが, シリンダとヘッドの計算は BIOS API の範囲内で行われます (偶然にも, 私のハードディスクの一つには, Linux と FreeBSD が物理的なシリンダ 1024 番目より上に載っています. - これらのOS が問題なく起動するのも, BIOS LBA のおかげなのです). - + これらのOS が問題なく起動するのも, BIOS LBA のおかげなのです). - ブートマネージャーとディスクの割り当て - Boot Managers and Disk Allocation - - ブートマネージャーのインストール時, + ブートマネージャとディスクの割り当て + + ブートマネージャのインストール時, 他に気をつけねばいけないことは, - ブートマネージャー用として領域を割り当てることです. + ブートマネージャ用として領域を割り当てることです. 1つ, あるいは複数の OS の再インストールを余儀なくされたくないなら, 一番気にしなくてはいけないトピックです. - マスターブートセクタ (MBR はどこにあるのか), - パーティションブートセクタ, ブーティングプロセス についての - の説明を読んだ場合は, + (MBR のある) マスターブートセクタ, + パーティション起動セクタ, 起動プロセス についての + の説明を読んだ後は, 自分のハードディスクのどこに, - この気のきくブートマネージャーが存在するのか気になるところですね. - それはと言いますと, いくつかのブートマネージャーは, + この気のきくブートマネージャが存在するのか気になるところですね. + それはと言いますと, いくつかのブートマネージャは, パーティションテーブルの隣の, マスターブートセクタ - (シリンダ 0, ヘッド 0, セクタ 0) に納まり切る程に小さいのです. + (シリンダ 0, ヘッド 0, セクタ 1) に納まり切る程に小さいのです. ブートマネージャによってはもう少し容量が必要なものもあり, その領域は一般には空いているため, - シリンダ 0 ヘッド 0 セクタ 0 にあるマスターブートセクタを + シリンダ 0 ヘッド 0 セクタ 1 にあるマスターブートセクタを 越えたいくつかのセクタにまで自身を拡張しています. - ありがたいことに, - (FreeBSD を含む) OS のいくつかは, マスターブートセクタの直後, + ありがたいことに + (FreeBSD を含む) OS のいくつかは, + 必要ならばマスターブートセクタの直後, シリンダ 0, ヘッド 0, セクタ 2 からパーティションを 起動することができます. 実際に, 先頭に空きのある, あるいは全体が空のディスクで FreeBSD の sysinstall を実行すると, デフォルトではその場所から FreeBSD パーティションが始まります (少なくとも私が行った時はそうでした). そして, MBR の後にあるいくつかのセクタを消費するような - ブートマネージャーをインストールする場合, + ブートマネージャをインストールする場合, 最初のパーティションのデータの先頭が上書きされます. FreeBSD の場合は, ディスクラベルが上書きされ, - FreeBSD が起動できなくなります. - + FreeBSD が起動できなくなります. このような問題を避ける簡単な方法としては (また, 後で異なるブートマネージャを試す柔軟性を持たすためにも), パーティションを切る時に, ハードディスクの最初のトラックを割り当てないまま まるまる残しておくことです. つまり, シリンダ 0, ヘッド 0, セクタ 2 からシリンダ 0, - ヘッド 0, セクタ 63 を空けておき, + ヘッド 0, セクタ 63 までを空けておき, パーティションをシリンダ 0, ヘッド 1, セクタ 1 から開始するということです. 更に良いことに, ハードディスクの先頭に DOS パーティションを 作成する際, DOS はデフォルトでこの場所を空けておきます - (これがブートマネージャーのいくつかはその場所が空きだと + (これがブートマネージャのいくつかはその場所が空きだと 仮定するという理由です). というわけで, ディスクの先頭に DOS パーティションを作成することで この問題を避けることができるのです. 私はこのやり方が好みで, 自分で 1MB の DOS パーティションを先頭に 作成します. そうすると, パーティションを切り直す時, - DOS のドライブ名をずらすことも必要ないのです. - + DOS のドライブ名をずらすことも必要ないのです. - 参考として, 次のブートマネージャーはコードとデータを + 参考として, 次のブートマネージャはコードとデータを 記録する際にマスターブートセクタを使用します: OS-BS 1.35 Boot Easy LILO - 次のブートマネージャーはマスターブートセクタの後にある + 次のブートマネージャはマスターブートセクタの後にある セクタをいくつか使用します: OS-BS 2.0 Beta 8 (sectors 2-5) OS/2's boot manager - マシンがブートしない場合はどうするか? - What if your machine won't boot? + マシンが起動しない場合はどうするか? - ブートマネージャーをインストールした際に, - MBR がブートしない状態にしてしまうことがあります. + ブートマネージャをインストールした際に, + MBR が起動しない状態にしてしまうことがあります. あまりないことですが, 既にインストールしたブートマネージャが - ある状態で FDISK してしまうと起こることがあります. - + ある状態で FDISK してしまうと起こることがあります. - ハードディスクにブート可能な DOS パーティションがある場合, - DOS フロッピーからブートします. 次を実行します: + ハードディスクに起動可能な DOS パーティションがある場合, + DOS フロッピーから起動します. 次を実行します: - A:\> FDISK /MBR - + A:\> FDISK /MBR - オリジナルに戻すには, シンプルな DOS のブートコードを + オリジナルに戻すには, シンプルな DOS の起動コードを システムに戻します. そうすると, ハードディスクから DOS - (DOS に限る) をブートすることができます. - もう一つの手としては, ブート可能なフロッピーを使って, - ブートマネージャのインストールプログラムを再度実行します. - + (DOS に限る) を起動することができます. + もう一つの手としては, 起動可能なフロッピーを使って, + ブートマネージャのインストールプログラムを再度実行します.